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社会人基礎力とは?意味や具体的な取り組みなどを紹介

公開日:2021.3.15

社会人基礎力は経済産業省によって提唱された考え方です。今では実に9割以上の企業が社会人基礎力を採用や育成で基準の1つとしています。では、社会人基礎力とはどういったもので、何故必要なのでしょうか。そこで、今回は、社会人基礎力の意味や能力を身につけさせるための具体的な取り組みなどをみていきましょう。

社会人基礎力とは?

そもそも社会人基礎力とは何か基本的な点についてみていきましょう。

2006年に経済産業省によって提唱された概念

社会人基礎力は、2600年に経済産業省が提唱した概念です。提唱されて以降、多くの企業や団体が社会人基礎力を人材教育や採用の指針として、注目してきました。2017年には更に発展して「人生100年時代の社会人基礎力」と再定義し、今では全ての働く人々に対して必要な能力を示す概念として認知されています。

社会人基礎力が提唱された理由は、学生と企業の間で必要な能力の認識に差があったためです。たとえば、ビジネスマナーに関して、学生は「まだまだ」と感じているものの、企業は「十分」と評価しているといったケースが少なくありませんでした。この認識の違いによって、働き方とモチベーション、発揮できる能力に至るまで大きな差が生じていたといえるでしょう。

そこで、共通の定義として社会人基礎力を提唱し、新卒採用や研修、人材育成の方向性を定めました。近年では、社会人基礎力を高める目的で、全社会人を対象にグローバル社会で企業と従業員が長く活躍するためのスキルなどの素養や意識を作る取り組みが実施されています。

育成や評価のための判断基準の1つ

社会人基礎力に対して、経済産業省は単に言葉を提唱しただけではなく、どのように人材を育成すればよいのか、どんなふうに評価をすればよいのか判断基準を示しています。教育機関や企業などにおいても、自社でゼロから指針をつくるのではなく、基準に従って教育を進めることで社会に対応できる人材を育成可能です。

多くの企業が重視している

社会人基礎力をテーマにした研修は多くの企業で実施されていいます。実際に提唱されただけで定着していないわけではなく、多くの企業が今でも注目している要素の1つとなっています。また、企業における研修などでも社会人基礎力を意識したものが多いことから、今後も人材育成における指標として使用されていく考え方だといえるでしょう。

社会人基礎力の内容

社会人基礎力とは具体的にどういった内容を含むものなのか解説します。大きく内容を分けると、社会人基礎力は以下の3つの能力について提唱されているものです。

  • 前に踏み出す力
  • 考え抜く力
  • チームで働く力

各能力には全部で12の要素が含まれており、どれも欠かすことのできない大事な要素です。教育機関や企業では、これらの能力と能力要素を踏まえてどのような教育体制を整えるのか検討することになります。

また、全ての要素に対して企業にアンケートを取った結果から、新卒に求める能力と企業で伸ばしたい能力を把握できます。そのため、自社にあった方針を定めることが大切です。では、求められる3つの能力について詳しくみていきましょう。

前に踏み出す力(アクション)

アクションには、以下の3つの要素が含まれています。

  • 主体性
  • 働きかけ力
  • 実行力

アクションは、どのような状況であっても一歩前に踏み出して、失敗を恐れずに果敢に取り組む能力を指します。つまり、失敗しても諦めずに最後まで食らいついて粘り強く問題に取り組む力が求められているといえるでしょう。試行錯誤しながら何度でもチャレンジすることで新しい価値を生み出せます。

考え抜く力(シンキング)

常にあらゆるものに対して疑問を持って考え抜く力のことです。課題発見力と計画力、創造力が含まれています。現状を分析して何が問題や課題であるのか明らかにし、課題を解決するためのプロセスを明らかにする能力が求められています。また、新しいアイデアや発想を生み出して新しい価値を作り出す能力も含まれているといえるでしょう。これらの力はどのような会社の仕事においても重要な基本的能力といえます。

チームで働く力(チームワーク)

チームで働く力には以下の要素を含みます。

  • 発信力
  • 傾聴力
  • 状況把握力
  • 柔軟性
  • 規律性
  • ストレスコントロール力

自分と考え方や価値観の異なるメンバーと一緒に問題に取り組み、協調して課題を解決することを目指すための能力です。集団で仕事をする際に欠かせない能力を示しています。

社会人基礎力を高めるための取り組み

ここでは、実際に企業において実践されている社会人基礎力を高める取り組みをみていきましょう。

ボランティア活動

ボランティア活動に取り組んでもらうことによって、さまざまな能力を養えます。特にチームで働く力を育てるのに寄与するでしょう。

たとえば、ボランティア活動ではさまざまな職業や性別、年齢の人が集まります。それぞれ価値観の異なっている人同士が一つの目標に向けてみんなで協力して作業を進めることが必要となります。そのため、みんなと協力して作業をする経験を積むことによって、どのようにすれば周りと協調して仕事ができるのか、そのためのコツや心構えなどを学ぶことができるでしょう。座学だけでは学ぶことができないさまざまなことをボランティア活動から掴み取ることが可能です。

たとえば、ソフトバンク株式会社では、従業員のボランティア活動を促進しています。ボランティア活動休暇を年に2日まで取得可能です。ソフトバンクの社員は、実際に障害者支援や清掃活動、被災地支援などのボランティアに取り組んでいます。ボランティアで得られた経験や知識を本業に還元し、社会貢献に取り組んでいます。

ソニー生命保険株式会社では、ボランティア有志の会が発足しています。1995年に発足し、現在に至るまでソニー生命保険株式会社の社員の募金により運営されています。ソニー生命保険株式会社の有志の会は、スペシャルオリンピックス日本の支援やリレーフォーライフへの参加、被災地支援といった活動をしています。ソニー生命保険株式会社の社員もボランティアの経験からコミュニケーションなどの様々なスキルが養われ、本業に好影響を与えていると感じでいるようです。

ボランティアは、企業の社会的責任を果たしたうえで、アピールにもなります。ただし、強制参加では参加者のやる気がなくなることもあるため注意しましょう。

採用活動の方針の見直し

採用活動の時点で、社会人基礎力の優れた人材を積極的に雇うことは大切です。理由は、会社に入社してから鍛えようと思っても手間と時間がかかってしまうためです。選考基準の一つとして基礎力の有無を組み込んでおくとよいでしょう。そして、選考プロセスではそれぞれの応募者に適切な力がついているかどうかを判断していくことが大切です。単に学力のみを採用基準にしていると現場の力を下げることになるのです。

過去の行動を振り返って掘り下げるコンピテンシー面接を導入する方法が注目されています。コンピテンシー面接は採用のミスマッチを防ぐ効果があります。面接の評価基準の根拠をモデル化した人材に求めることで、本当に会社が必要な人材を雇えます。コンピテンシー面接を取り入れることで、面接官の主観に左右されず、高い能力を有した社員を採用できるのです。

研修やセミナーの実施

社員に対して社会人基礎力の向上を図る場合、セミナーや研修の実施が一般的な方法です。その際には、どんな能力を重点的に高めたいのか目的をはっきりさせることが大切だといえます。人材開発サービスは多くの研修を提案しており、自社にノウハウがないのであれば、外部サービスで研修を導入する方法もあります。

アンケートの実施

社員の能力の実態や意識を調査することは大切な要素です。現状を知らなければ、会社に合った対策を考えることができません。そのため、会社が知りたい内容や項目を加味したアンケートを実施してみましょう。

社会人基礎力に関するアンケートでは能力について、自己判断を促すことが大切です。アンケートによって、自己認識や理解度などを調べられるため、その結果から具体的な対策を検討できます。

アンケートの結果は今後の学習の内容や研修の内容などを考える上で参考になります。たとえば、自社の多くの従業員が抱える弱点を克服できる研修やセミナーなどを用意することも可能です。そのために、アンケートには詳細な項目を用意し、弱点を特定できるような工夫を盛り込みましょう。

社会人基礎力に関する注意点

社会人基礎力の育成を考える際の注意点についてみていきます。

若者だけではなく中高年も含めて求められる

社会人基礎力は若手社員や新入社員にだけ求められるものではありません。基本的に会社にいるすべての社員に要求される能力です。中高年のベテラン社員であっても例外ではありません。そのため、社内でどのような能力の育成が必要なのか、誰にとってどのような能力を高めればいいのかを策定しましょう。

社会人基礎力の育成サポートは大切

社会人基礎力を伸ばすためには、本人の努力や自覚は必要不可欠です。しかし、本人にだけ負担をかけるべきではありません。必ず会社のほうでもサポートすることが大切です。また、社会人基礎力の要素なども定義はあるものの、どのくらいのレベルなのかを明確に定めるのは、会社です。そのため、本人の努力を促す前に目的やゴールを示すことが大切なポイントになります。

また、本人の努力に委ねてしまうと社員ごとに意識の差が生じるため、成長度合いに大きな個人差が出ています。全社で育成を支援することで社員個人の負担を軽減するだけではなく、効率的に能力の向上を図れるというメリットがあります。

目的意識のない取り組みは無意味

上記でもふれたように、基礎力の育成には目的意識が大切です。何のために取り組みをするのか目的や期待する効果を明確にして、自社にとって本当に必要な取り組みのみを実施するべきです。

たとえば、営業に求められる能力と総務に求められる能力が違うように、会社だけでなく、場合によっては部署単位で目的を設定するなどの対策が考えられるでしょう。

すぐに身につくものではない

社会人基礎力は研修を受けただけで簡単に身につくものではありません。長い時間をかけて、会社がサポートしたうえで、本人の努力と意識を持続させることが大切です。

そのうえで、会社が支援を行いスキルや意識を育てていくことで、数年後には大きな効果を期待できます。そのため、早くから会社として必要スキルを検討するなどの対策を行い、長い目で育成に取り組んでいきましょう。

まとめ

社会人基礎力の育成について解説しました。基本的に、社会人基礎力は政府でも要素を定義しているものの、具体的にどのような状態を指すのかは会社ごとに設定するものだといえます。会社全体として必要な能力は、部署や個人ごとに把握したうえで必要な対策を考える必要があるといえます。社会人基礎力を会社の教育の根幹として取り入れる場合には、能力や要素を把握したうえで砕いてきな目標を設定しましょう。

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この記事を書いた人

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HR BLOG編集部

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