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MBOを取り入れる意味とは? その理由を解説

公開日:2021.7.30

MBOは1960年代から企業が導入してきたマネジメントツールですで、現在でも多くの企業で使われています。その間世界は激しく変化し、そのスピードはますます早くなっています。

MBOが使われ続けている理由はどこにあるのでしょうか。この記事では、MBOを取り入れる意味とその理由について解説していきます。

MBOとは? 使われ続ける意味のある手法

MBO(Management By Objective)とは、1954年に経営学者ピーター・F・ドラッカーが著書「The Practice of Management(現代の経営)」の中で提唱した経営手法で、日本では「目標管理(制度)」と呼ばれています。

ドラッカーの考えは、従業員が自ら目標を設定することで、目標達成に向けたモチベーションが高まり、業務遂行や進捗管理に主体性が発揮されるため、結果として生産性を向上させ、企業の発展に寄与するということです。

日本では、1960年代半ばに米国の最新のマネジメントツールとして紹介されましたが、間覚ましい経済発展を続けていた企業に採用されることはありませんでした。

1979年に発行されてベストセラーになった「ジャパン・アズ・ナンバーワン:Japan as Number One: Lessons for America」に代表されるように、当時の日本は世界が注目する程の高度経済成長を続けていました。家電製品や自動車などの大量生産技術と品質管理が上手く機能して、加工貿易で大きな利益をあげていたのです。

MBOが日本企業に定着するきっかけは、バブル経済崩壊後の厳しい経済環境下。競争力の向上と人件費抑制のため、多くの企業で「成果主義」が採用されたことです。

1990年代の半ば以降、成果主義の採用に伴い、MBOは従業員の成果を評価するためのツールとして企業に導入されていきました。日本のMBO=目標管理制度は、期初または年初に従業員が自ら掲げた目標を、期末または年末に達成できたかどうかを評価します。目に見える成果に基づいて評価を下すため、従業員の納得を得やすいという特徴がありますが、同時に、人件費を抑制するという特徴もあるわけです。

その後も成果主義は、個人主義の台頭、人材育成の放棄、短期的利益の追求偏重などを重ねながら、現在まで続いてきています。MBOも単に成果を測るツールではなく、コミュニケーションや人材育成に軸足を移しながら活用されています。

MBOはもう古い!? 今でも使われる意味とは?

MBOは、日本では成果を評価するツールとして利用され現在まで続いています。但し最近では、ドラッカーの概念である、従業員のモチベーションアップと主体性の発揮によって生産性を向上させる、マネジメントツールへの回帰も見られます。

MBOが今でも使われているのは、人件費のコントロールができること以外に、「目に見える成果に基づいて評価を下すため従業員が納得できる」、「目標管理の主体は従業員だが会社も管理しやすい」、「人材育成にも活用できる」、「コミュニケ―ションが活発になる」など使い勝手が良いからです。

成果主義が業績偏重や短期的な利益追求により個人主義が横行して行き詰った結果、廃止したり見直しをする動きが進んでいます。それに伴ってMBOも変化。厳しい経済情勢においては目標達成がなかなか難しいため、成果のみを評価するMBOでは従業員の納得が得られにくくなっているからです。

最近のMBOでは、成果だけでなく、そこに至るまでのプロセスや姿勢を評価に加えたり、数値のみの達成度評価ではなく、取組みや貢献度も考慮するなどの改良が進んでいます。また、人材育成や自己啓発などの目標も併せて管理する手法も取り入れています。

但し、公平で適正な評価方法や評価基準が確立されていないので運用が難しく、不公平感を払拭できないなど、従業員が納得するハードルは高く課題もあります。そのため、OKRや1on1などの新しい人材マネジメントツールが注目されています。

MBOとOKR その使い分けのポイント

OKR(Objective and Key Results:目標と成果指標)とは、1970年代にIntel社で開発された目標管理のためのフレームワークです。Intel社のCEOだったアンディ・グローブが、MBOから着想を得て開発し、当時Intel社の社員だったジョン・ドーアがそれを学び、2000年代初めに投資していたGoogle社にOKRを導入しました。

その後のGoogle社の発展は誰もが知る所であり、OKRはITベンチャーだけでなく多くの企業が採用して成果をあげてきました。現在ジョン・ドーアは、Google社の取締役に就任しています。

OKRでは、企業の階層ごとに「目標=Objective」を設定し、それが実現できたかどうかを示す「成果指標=Key Results」を決めます。最初に具体的な組織目標を3~5つ立て、それぞれの目標に対して成果指標を3つほど設定し、優先順位を決めます。

目標には、誰が見ても達成度が分かるよう、具体的、客観的で明確な言葉を使用します。3つの成果指標は、計測が可能で、実現すれば目標達成に直結する指標にします。行動ではなく行動の成果を具体的に記述します。

組織のOKRの設定ができたら、組織目標を全員に伝えてから、階層ごとにOKRを策定します。は目標達成向けて行動し、一般に四半期ごとに評価を行います。最適な達成率は60~70%と言われています。

MBOとOKRの違い

MBO OKR
目的 報酬の決定 企業目標の達成
目標の共有範囲 本人と上司 会社全体
評価の頻度 半年~年に1回 1カ月~四半期に1回
計測方法 定量・定性併用 定量
成功基準(達成度) 100% 60~70%

MBOとOKRの大きな違いは、その目的です。MBOは目標の達成度が処遇=給与に反映されます。一方OKRでは企業の目標達成に使われ、従業員の給与には影響がありません。共有範囲では、MBOは従業員と上司だけ、OKRは会社全体というように、明かに個人と組織全体という違いがあります。

従って、MBOでは従業員個人の生産性向上を、OKRでは従業員個人を通じて組織全体の目標達成を図る際に用いることになります。達成度60~70%で成功とするOKRでは、高い組織目標達成に、全社一丸となって取組む方針が表れています。

意味のあるMBOの使い方、そのポイントを解説

前述の通り、MBOが今でも使われているのは、人件費のコントロールができること以外に、従業員が納得し易い人材管理の手法として使い勝手が良いからです。採用した従業員には最大限のパフォーマンスを発揮して欲しいため、モチベ―ションアップの動機付けとしても利用できます。

MBOでは上司とコミュニケーションを取りながら従業員自身が適切な目標設定を行い、その達成に向けた活動を実施し、一定期間後に評価を行うというサイクルで回していきます。そのサイクルの中で、適宜上司とのコミュニケーションを行いフィードバックを受けます。

このようにMBOのプロセスの中では、上司が重要な役割を担い、上司が目標設定をコントロールすれば、従業員のモチベーションを上げることができるというわけです。

従って、MBOを意味ある仕組みとするには、上司の十分な理解ときめ細かな行動(働きかけ)が重要となります。もはや期末の業績を評価するだけでは時代遅れ。従業員1人1人に真摯に接して、最大限のパフォーマンスを発揮させることが上司の役目です。

管理手法と費用対効果

一般にMBOは期初に目標を設定し期末に評価をします。上司が多忙を理由に面談に十分な時間がかけられないと、従業員の納得感は得られません。

また、MBOを紙物やExcelなどで行っていると、進捗管理やフィードバックなどを行う際、まず従業員に指示して現状を反映した資料に更新しないと何もすすみません。MBOを共有するための手間がかかり、効率がよくありません。

そのような場合、目標管理や評価を一元管理できる人材管理システムを導入する方法に、メリットがあります。クラウド型のシステムなら導入費用が安価で済む上、機能向上が極めてスムーズに行えるのでおすすめです。簡単に目標の共有や進捗管理も行えるので、必要なコミュニケーションを確実に行えます。

その結果、従業員のエンゲージメントが高まって生産性が向上すれば、システム導入による費用対効果は大きいと言えるでしょう。

まとめ

歴史あるマネジメントツールとして、MBOは現在でも多くの企業で採用されていますが、その理由は使い勝手が良いだけではありません。今でもドラッカーが提唱した生産性向上のために役立つからです。

MBOには、成果の達成度を測るツールとしてではなく、上司が従業員1人1人に寄添うことで、モチベ―ションをアップし生産性を向上させ、自己実現や成長を促す機能があります。MBOの機能をしっかり理解し運用して行けば、今後も企業経営に良い効果をもたらすことでしょう。

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この記事を書いた人

HR BLOG編集部

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