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MBOとOKR それぞれの意味と、相違点・共通点について徹底解説

公開日:2021.1.20

企業経営の方法として注目され、MBOとOKRと呼ばれる二つのメソッド。共通点も多いMBOとOKRとはそれぞれ何か、そしてそれらのメソッドを導入するうえでのポイントなどを見ていきましょう。

まずは意味から!MBO,OKRとは

MBOとはManagement by Objectivesの略で、日本語に訳すと「目標による管理」という意味。ピーター・ドラッカーという経営学者によって提唱された目標管理方法です。

オーストリア生まれのピーター・ドラッカーは、20世紀を代表する経営学者の一人で、「経営学の父」とも呼ばれています。ドラッカーは若い頃から経営学に大きな興味を示し、1939年にアメリカに移住してからは多くの経営学書を執筆しました。

1954年の彼の著書「現代の経営で提唱されたMBOは、ドラッカーの代表的なメソッドです。1960年代からアメリカの企業で積極的に採用されるようになり、1980年代頃にはアメリカ企業のほとんどが採用している経営のスタンダードとなりました。日本企業でも1990年代頃から積極的に採用され始め、バブル崩壊によって方向性を迷っていた日本の企業の新たな光と言えるものだったかもしれません。そして、そのMBOとともに近年注目されてきている経営方法がOKRです。

OKRはObjectives and Key Resultsの略語で、「目標と主な結果」という意味になります。OKRはハンガリー生まれの実業家アンドリュー・グローヴによって打ち立てられた目標の設定・管理方法です。ハンガリー動乱の中で1957年にアメリカに移住したグローヴは、カリフォルニア大学で化学工学の博士号を取得した後の1968年、当時設立されたばかりのインテル社に入社。その後1998年にはインテルの会長兼CEOにまで登りつめ、アメリカの半導体産業を発展させる立役者となりました。

OKRはグローヴが自身で取り入れてきた経営方法で、近年日本の企業でも注目を浴びてきています。

MBOとOKRの共通点について

企業経営の現代的なメソッドであるMBOとOKR。双方に共通するのは、従業員が自ら業務目標を立てるという点にあります。従来の日本企業の経営で行われてきた業務管理の方法としてノルマの管理があり、その目標を決めるのは上司や上層部でした。

従業員は決められた目標を達成義務として押し付けられたうえに、進捗を管理され、業績が悪い場合には圧力をかけられながら目標達成を目指してきました。しかし他人から一方的に与えられた目標に向かって圧力を感じながら仕事をするのは大きなストレス。当然従業員のモチベーションは上がりませんでした。

MBOやOKRの場合、まず従業員が達成すべき目標は本人が決めていきます。上司は頻繁にコミュニケーションを取りつつ、互いの打ち合わせによって、相応しいものを決定。上司はその従業員に相応しい目標が打ち出せるようにサポートを行っていきます。

目標が決まった後はその従業員本人が自主的に考えて、その目標を達成するために業務を行います。従来のノルマ管理方式と違い、ここでも上司はその目標の達成に向けて圧力をかけるようなことをしてはなりません。ただしこの段階でも上司と部下はコミュニケーションを適宜持ち、上司は部下をサポートします。

上司は部下の日報など、日々の動きを常に把握して万全のサポートを心がけていきます。そして一定の期間が終わった後で、再度ミーティングを設け、目標の達成度について振り返り、よかった点や反省点について話し合うのです。もちろん、その結果はその後の業務にフィードバックされなくてはなりません。

導入するならMBOとOKRの相違点をチェック

このように似通った目標管理メソッドであるMBOとOKRですが、相違点もあります。それを表にまとめると以下のようになります。

MBO OKR
目的 報酬の決定 企業の目的達成
目標の共有範囲 従業員と部下のみ 企業全体
目標の達成期間 半年~1年 4半期(1カ月の場合もあり)
期待される達成度 100% 60~70%

それぞれの違いとして、MBOとOKRではそもそもその目標管理が行われる目的が異なります。MBOはその目標の達成度が業績として評価され、個人の給与に反映されます。それに対してOKRはその企業の目的達成のためにのみ行われ、個人の給与には影響しません。

またMBOにおいて、その目標は上司と部下のみで共有されます。それに対してOKRでは、全従業員に共有されます。これはその目的の違いからくる相違点と言えるでしょう。企業の目的達成のために行われるOKRでは、各自がどのように目標達成しているか、他の従業員が把握しなければなりません。

目標の達成期間にも相違点があります。MBOにおいて目標達成の評価は1年に1回の場合が多く、半年という企業も。OKRにおいては4半期に1回の場合が多くなります。OKRでは業績を振り返るミーティングはさらに短いスパンで行われ、上司と部下の頻繁なコミュニケーションが必要となります。

最後はその目標の達成度です。MBOはその従業員の実力よりも少しだけ高い目標が掲げられ、100%の達成度を目指すのがセオリー。それに対してOKRは最初から60~70%の達成度を期待して目標設定がなされます。OKRにおいては実際に達成は難しいと予測される上の目標を目指して生産力を底上げすることが目的であるためです。したがってOKRにおいては、100%の達成ができる目標設定であれば、その設定自体が誤っていたということになります。

MBOとOKRそれぞれの【メリット】

このように従来のノルマ管理とは大きく違うMBOとOKRですが、それぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。まずMBOとOKRの双方に共通するメリットとしては従業員のモチベーションの向上があげられるでしょう。

従来の日本企業の管理体制では、上層部から突き付けられた目標に圧力を感じ、ストレスを抱えながら遂行していました。これではやる気を持続させることも困難だったでしょう。

MBOやOKRでは自分の目標は自分で立て、基本的に上から圧力をかけられることもありません。自分で掲げた目標に向かって努力するほうが、人はモチベーションを保ちやすくなります。MBOではその目標の達成度が給与にも反映されるので、さらにやる気につながり、場合によっては従業員間に良い競争意識を生むでしょう。

また、人材育成という面でもMBOやOKRは効果的な方法と言えるかもしれません。MBOやOKRでは、自分の目標を自ら考え、自主的にその遂行方法を考えていきます。他人から指示されるのではなく自分ですべてを行うことは、自立した判断能力の育成に役立ちます。

またMBOやOKRでは頻繁なコミュニケーションが必須。社会人として必要なコミュニケーション能力を育てるのにも効果的です。特にOKRにおいては従業員が一丸となって目標に進むので、一体感も強まります。

デメリットを知ると導入がしやすくなる!

メリットが多いMBOやOKRにもデメリットがあります。MBOもOKRも、効果的に実行していくためには良質なコミュニケーションが必要。そのコミュニケーションが上手くいかない場合、MBOやOKRは上層部からのノルマの強要に変わってしまう場合も考えられるのです。また日頃から忙しい職場においては、度重なるコミュニケーションを設ける時間が取れずに苦痛となってしまうケースもあります。

また従業員が多くの業務を兼任しているような職場では、MBOやOKRの導入がそもそも不向きという場合もあるでしょう。OKRにおいてはハードルが高い目標を掲げることがルールとなっており、その目標の達成が難しい場合、従業員が最初から諦めてしまうケースも考えられます。

そもそも従業員のモチベーションを高めるために導入すべきMBOやOKR。しかし条件が整わないとかえってモチベーションを下げてしまうという逆効果になりかねません。

MBOとOKRを導入する企業は何を目指すべきか

このようにMBOやOKRは、その導入方法を間違えると従業員のモチベーションを下げてしまう可能性があります。MBOやOKRを効果的に導入するために、まず適切な目標設定を心がけることが重要。先述のように、MBOでは頑張って100%達成できるレベル、そしてOKRでは達成できても60~70%レベルの目標です。

OKRの場合は最初から100%達成が難しいように設定するので、その旨を全従業員に周知させなければなりません。そして、必ず数値で表せる目標にしておく必要があります。数値に換算できない目標にした場合、達成度に対する解釈が違ってしまい、適切な評価をすることができません。

目標を立てる従業員は、なぜその目標を選んだのか説明できるようにしましょう。その目標を選んだ理由とそれに対する情熱を伝わるようにすることが大切です。それによって上司にも受け入れられやすくなり、また周りの共感も獲得しやすくなります。

設定する目標は、その達成度がYESかNOではっきり評価できるものであるべきです。またその達成度を評価する時に、70~100%、30~70%、0~30%の3段階で評価すると良いでしょう。最後に、目標の設定が不適切だと判断された場合は途中で修正することも必要です。

まとめ

この記事では企業の目標管理におけるスタンダードになりつつあるMBOとOKRについて解説しました。MBOやOKRは企業の発展につながるメソッドです。しかし導入方法が適切でない場合はむしろ逆効果になってしまうケースもあります。

MBOやOKRについては、職場の状況が導入に適しているか、またどのように目標設定すれば適切か、事前に確認をしたうえで導入を進めていきましょう。

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この記事を書いた人

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HR BLOG編集部

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