オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
エンゲージメント
公開日:2019.10.24
会社と従業員との関係性をはかる指標として、「従業員エンゲージメント」と「従業員満足度」があります。どちらの指標も高い状態であることが望ましいですが、会社の発展に向けては、どちらの指標を重視すべきかご存知でしょうか。この記事では、「従業員エンゲージメント」と「従業員満足度」の違いについて具体的に解説していきます。
目次
「従業員エンゲージメント」と「従業員満足度」は、似ているようで、その意味は大きく異なります。それでは2つの指標の違いを見ていきましょう。
従業員エンゲージメントとは、「従業員が企業の理念を理解・共感し、企業の発展に主体的に貢献したいと考えている度合い」を意味します。つまり、「企業から与えられたものに見合うだけの働きをしたい」とどれだけ思っているかを表します。
従業員エンゲージメントは、企業と従業員が互いに信頼し合っている双方向の関わりによって発生するものです。
対して「従業員満足度」とは、会社から与えられる給料や福利厚生などによって生じるもので、「企業そのものや仕事内容、職場の雰囲気や人間関係などに、どの程度満足しているか」を意味します。従業員満足度はあくまでも満足度ですので、自発的に企業に貢献したいと思っているかどうかを示す、従業員エンゲージメントとは大きく異なります。
どちらの指標も高いに越したことはありません。しかし、従業員満足度が高いからといって、必ずしも仕事の生産性も高くなるとは言えません。なぜなら、福利厚生を充実させて従業員が満足したたところで、主体的に仕事をするとは限らないからです。
従業員エンゲージメントが求められる理由には、人的資本への重要性が増したことと、主体的な働きが求められるようになってきたことがあげられます。
昨今の人口減少に伴い、今後労働人口が減少していくのは明白な事実であるため、企業にとって人的資源はより貴重なものになっていくでしょう。従業員エンゲージメントを高めることで従業員と企業の絆を深め、貴重な人材を流出させないことにつながります。
また、従業員エンゲージメントが高まると、従業員が企業の発展のために自主的に仕事に取り組むようになり、その結果生産性が高まります。競争が激化している時代において、生産性の向上は必要不可欠。こういった背景により、従業員エンゲージメントは重視されるようになってきたのです。
従業員エンゲージメントの向上には、上司と部下、または経営者側と従業員が、お互いの価値観・考えについてじっくり対話することが必要です。それではその対話を進めるうえでの具体的なポイントをお伝えします。
せっかく対話の機会を設けても、ただ単に対話をしただけでは意味がありません。対話を通じて、従業員の価値観を理解することが求められます。
これらのように、少し踏み込んだ話題にも触れながら対話をしていきましょう。
あなたが経営者側の場合、従業員との対話を通じて、従業員に自信を持ってもらい、経営者側や会社に対する信頼感のアップにつなげましょう。従業員が主体的に働くきっかけとなります。
以下の3つのポイントを意識しましょう。
以上のように、従業員エンゲージメントの向上を意識して取り組むと、良いPDCAサイクルが生まれます。
このように、社内の制度を整えるだけではなく、良質なコミュニケーションを取ることが従業員エンゲージメント向上の基本です。従業員エンゲージメントを向上させることで、会社の生産性も向上させましょう。
2つの指標の違いを再度整理しておきましょう。
「従業員満足度」は会社からの一方通行の施策であることが多く、従業員は受け身になりがちです。一方、「従業員エンゲージメント」は、会社と従業員の双方向での取り組みから成立するため、従業員の自発性を促すことができます。会社の発展のため、従業員エンゲージメントを高めて、効果的なPDCAサイクルをまわせるようにしましょう。
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