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Vol.4 仕事に満足度を与えること。それが上司の役割『広瀬元義のエンゲージメントカンパニー』

公開日:2021.9.28

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従業員は何によって満足を得るのか

現在、アメリカの先進的な企業の多くは、従業員を満足させることを目的にしています。「満足した従業員が、お客さまを満足させる」という考えが根幹にあるためです。

日本でもそれを真似して、以下のような取り組みを行っている企業もあります。

  • 会社内におしゃれなラウンジ構える
  • オフィスにブランコや卓球台を置く
  • 仮眠スペースを設置する
  • ランチを無料にする

もちろん、こういった物理的な方法で従業員を大切にする施策は無いよりはあった方が良いでしょう。しかし、それと仕事のやりがいや充実感、満足度が上がるかというのは別のものです。会社の環境が良い、居心地が良いだけで、仕事が楽しくなり、成果も上がると思い込んでしまうのは大きな勘違いだと言えます。仕事を通じて幸せを得たい従業員にとって、まず最初に大切なことは仕事の満足度であるということを、肝に銘ずるべきでしょう。従業員にとっての満足は、仕事からしか得られないのです。

こんな調査結果があります。日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国の5ヵ国で、3000人の対象者に「みなさんは、仕事に満足していますか?」という質問をしました。「はい」「いいえ」と答える人は、ちょうど半分ずつ、1500人に分かれました。「はい」と答えた1500人の仕事のパフォーマンスを調べたところ、パフォーマンスを上げている人のほうが、「仕事に満足している」ことが分かりました。

従業員が仕事に満足するためには、「仕事で結果を出せる状態を」作ってあげればよいという結論が出たのです。

上司のマネジメント力と従業員のパフォーマンス

従業員一人ひとりのパフォーマンスというのは、個々の力量による分部が大きいものの、上司のマネジメント力にも大いに影響を受けるものです。では、上司はどのようなことに気を付けて部下へのフィードバックを行えばよいのでしょうか。次の3つのことに注意を払うべきでしょう。

  • 個人の意志が尊重されているかどうか
  • 1対1でのコミュニケーションが取れているか(励ましやサポート)
  • 人間関係の構築をサポートできているかどうか

従業員の満足度は、仕事の成果だけではなく、人間関係からも強く影響を受けます。たとえば、上司とどのようなコミュニケーションを取っているのか、部下が組織や上司に対して抱く、承認欲求が満たされているかを見極め、その欲求を満たしてあげることが重要です。また、承認欲求には、他者に認められたいと言う外向きの承認欲求と、自分自身で自分を承認する内向きの承認欲求があります。もし、部下が内向きの承認欲求を抱えているいる場合は、目標設定のサポートやアドバイスを行い、目標達成の方法などは一任し、アドバイスや相談をもらうまでは、やらせてみるのが良いでしょう。上司が部下の能力や人間性を認め、部下が上司に認められていると認識することが、従業員のパフォーマンスを向上させるといえるのです。

上司のマネジメントスキル不足で部下の能力が発揮できない場合は、上司向けのマネジメントスキル研修を実施したり、相談にのることができる人材をアサインするなどして、会社としてのサポートを行うことが効果的です。

上司も部下も一人の従業員であり、権限の強さは異なるものの、必要となるサポートは大きく変わらないと言えます。つまり、部下のパフォーマンスを上げるためには、上司のサポートや育成も非常に重要であると言えるのです。

そのため、従業員満足度が低い場合は、上司がどのようなマネジメントを実施しているか、部下がどのような成果を出しているのか、両方の側面から見直しを実施しましょう。

これからの会社経営はエンゲージメントで

これまでの日本の組織は常にピラミッド型でした。社長や経営陣をトップとして、その下に部長、中間管理職、従業員といった階層構造です。今でも、規模の大小を問わず、多くの企業がトップダウンの階級組織を大切に守っています。

ピラミッド型の組織では、人が人を管理するという考え方が前提にあります。こうした組織では決してエンゲージメントやエンパワーメントが高まることはなく、未来を担う若い世代はそんな企業に勤めたいと思わないでしょう。21世紀に入ってすでに20年が経ちました。今は情報が溢れかえっている時代です。従業員を管理して、上意下達型で従わせるピラミッド型組織は、古いやり方ということを認識しなければなりません。つまり従来の考え方では、これから直面する課題に立ち向かうことはできないのです。上司は、部下たちの個性を把握し、正しく部下を指導し、仕事によって彼らに満足感を与えることが大切です。そして、部下も上司も、自分がどう貢献すべきなのか考えることができる組織は、発展していくことでしょう。

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この記事を書いた人

広瀬 元義(ひろせ・もとよし)

株式会社アックスコンサルティング 代表取締役

1988年「株式会社アックスコンサルティング」を設立。会計事務所向けコンサルティング、一般企業の経営支援、不動産コンサルティングを中心にさまざまな事業を展開。
会計事務所マーケティングの第一人者。米国会計事務所マーケティング協会の正式メンバー。 米国HR tech事業に詳しく、ブーマーコンサルティングタレントサークル正式メンバー。
HR関連のセミナーで多数講演。著書は45冊以上、累計発行部数は48万部を超える。

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