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エンゲージメント

エンゲージメントサーベイを活用するときの注意点

会社と従業員の絆や愛着を示す指標として知られるエンゲージメント。向上を図るためにはエンゲージメントサーベイによる実情把握が不可欠ですが、分析結果の活用方法を誤ると望んだ社内改革につながりません。サーベイ結果を活用するには、どのような観点に立つべきなのか確かめてみましょう。

まずは現状を知る。日本の働き手はエンゲージメントが低い?

アメリカの有名なリサーチ会社・ギャラップ社が「エンゲージメントの高い従業員の割合」について国別に調査を行いました。日本企業におけるエンゲージメントの高い従業員は、全体の「6%」という結果だったそうです。この数値は、139か国中132位という最低水準にあり、国際競争が激化する現代において深刻な状況にあると言わざるを得ません。

エンゲージメントが下がれば従業員の離職が進み、会社は労働力を確保するために採用や従業員教育に予算を割かなければならなくなるでしょう。また“やる気のなさの伝染”によって、気力のある社員にも悪影響が及んで業績が低下していきます。

逆に言うと、エンゲージメントが高まれば定着が進み、熱意を持った従業員が増え、会社に業績アップをもたらしてくれます。こうした事実から、経営陣、幹部クラスが自社のエンゲージメント向上戦略に真剣に立ち向かわなければならないことは明白です。

エンゲージエントが高まると、会社の理念と従業員の熱意や成長意欲が連動した状態になります。結果、お互いに貢献しあうパートナー関係となり、大切な相手のために力を発揮し、成長と業績アップの好循環が生まれるというのが一般的な考え方です。

ただし、経営者のビジョン、会社の歴史、社風などは会社ごとに異なりますので、理想的なエンゲージメントの在り方は一社ごとに違ったものになります。自社のエンゲージメントのあるべき姿を定義し、独自のサーベイ方法を確立する際は、経営陣が積極的に関わることによって会社の理念を反映させていくのが好ましいでしょう。

単発で終わらせない! 継続的な取り組みが高い効果を生む

エンゲージメントサーベイは「調査をしたら終わり」ではありませえん。結果を分析し、施策を講じ、どんな効果が出たかを再調査する、というサイクルを繰り返して会社と社員の信頼関係を深めていきます。

ひとことにサーベイといっても、さまざまな手法があります。主流となるのはアンケート方式ですが、近年は心拍数をはじめとする生体データや、就業中のタイピングスピード、顔認証により業務への没頭度を測定するシステムなどを採用している会社もあります。ただし、生体データは個人情報となるため社内での扱いが難しく、またハード面での導入コストの問題があるなど、懸念材料も少なくありません。

アンケートの場合、短いスパンで定期的に実施する「パルスサーベイ」と、半年~1年に1度を目安に大規模に行う「センサス」があります。パルスサーベイは、答えやすく質問数を少なくすることで回答漏れが減り、分析をルーティーン化させることもできるため近年注目を集めている手法です。センサスは、現状の深堀りに向いていますが、準備、回答、分析に手間がかかることを念頭に置く必要があります。

サーベイの種類を知り、自社の状況に合う方法を選ぶことも、経営陣や担当者のミッションです。社内スタッフだけでサーベイを実施するのが難しい場合は、外部の調査会社と提携して、業務を委託するのも一つの手段となるでしょう。なおギャラップ社は、次のような「2問構成」のエンゲージメントサーベイを考案していることで知られています。

Q1 あなたは自分の勤めている会社を友人・知人にどの程度進めたいですか?
(0~10で評価、0はまったくすすめたくない、10はとてもおすすめたい)
Q2 スコアの理由を教えてください(フリーコメント)

自社への愛着度とその理由を、シンプルな質問で探ることができる秀逸なサーベイとなっています。他にもギャラップ社は「Q12(キュートゥエルブ)」と呼ばれる、12問構成の有名なエンゲージメントサーベイを考案しています。

Q1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている
Q2:仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている
Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
Q4:この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
Q5:上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ
Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる
Q7:職場で自分の意見が尊重されているようだ
Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
Q9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
Q10:職場に親友がいる
Q11:この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった

「従業員の強みに基づく組織作り」を実現するためには、この「Q12」の得点を上げることで、強固な組織になり、企業の業績も向上することが実証されています。

調査結果を正しく読み解いて的確な施策を打ち出す

サーベイによって現状を把握した後は、エンゲージメントを高めるべく分析と施策に着手します。分析においては、相関関係と因果関係の違いについて注意が必要です。以下に実例をあげて解説します。

あるサーベイで「長時間労働した従業員が昇進する傾向にある」という分析結果が出たとします。それと同時に「昇進している従業員はエンゲージメントが高い」という結果もでたとしましょう。しかしながら「長時間労働すればエンゲージメントが高まる」という図式は成り立ちません。

一方が変化すると別の一方も変化する関係を「相関関係」、一方の原因によってある結果が生まれることを「因果関係」と呼びますが、上記の例においては“長時間労働と昇進”は因果関係にあり、“長時間労働とエンゲージメント向上”は因果関係にも相関関係にもあるとは言えません

その点を見誤ると“長時間労働すればエンゲージメントが高まる”という間違った分析につながってしまいます。思うようにエンゲージメントが向上しない会社では、サーベイ結果の相関関係と因果関係の捉え方を間違えて、施策を誤っているケースが少なくないようです。

まとめ

サーベイ結果を正しく分析できれば、講じるべき施策は自然と明らかになります。誰もが発言しやすい空気をつくってコミュニケーションや対話を活性化させる、従業員が成長できる機会を増やす、権限移譲して仕事に責任を持たせる、タレントマネジメントによって得意分野で能力を発揮してもらう、ワークライフバランスを見直すなど、必要な施策を素早く講じていくことで、会社と従業員の信頼関係はいっそう髙まります。

労働力不足、採用難、人材の流動化が進む今だからこそ、経営陣が適切な観点に立ち、エンゲージメントサーベイを最大限活用していくべきでしょう。

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この記事を書いた人

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HR BLOG編集部

人材開発プラットフォームサービス 『Motify HR』を運営しています。このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

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