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HR駆け込み寺

【第7回】責任者を明確にしてください!社内ルールが形骸化しています!若手リーダーの声にどう答えるべきでしょうか? ~ 電撃人事エグゼクティブが斬る!

Q.責任者を明確にしてください!社内ルールが形骸化しています!若手リーダーの声にどう答えるべきでしょうか?

弊社には3カ月前に人事部のリーダーとして転職してきた若手社員がいます。その彼、田中さん(仮名)が入社してくれる前は、総務などのバックオフィス部門で勤めている人が少なかったため、会社の文化づくりや社内ルールなどを管理する責任者を明確化できておらず、細かいルールなどは、書面化せずに口頭で伝えてきました。いわゆる「暗黙の了解」です。運用も長く会社にいる社員から責任感の強いものを選んで、それとなくやってもらっていた状況です。
田中さんいわく「各担当に確認しても『前任者がこうやっていたから』という理由でずっと同じやり方を続けていて、良し悪しについて評価、改善する場がない。責任者を明確にしてもらえないと誰と話して改善していってよいかわからない」とのことでした。田中さんの言い分も確かに…と思うところがあるのと同時に、他に専業があるのに兼任状態で今まで運用してきてくれたた人たちのことも尊重しつつ、新しいやり方を作っていくにはどうしたらよいでしょうか。
社内のコミュニケーションは活発で、アイデア出しは頻繁に行われています。このよい部分を活かして、社員が自ら社内の改善をしていけるような組織、風土にしたいと思います。
人事としてどのような取り組みをすればよいでしょうか。
(人事総務役員・180名規模)

A.会社の文化やルールは、そこで働いている人の言動そのもの。リーダー自らが変わることで文化やルールは変わるので、人事はリーダーの自己変革をコーチング、サポートすることが大事。

まず質問者の方へのご回答ですが、新しく入ってきた人が改善した方がよいと思う部分があるのであれば、古くからその会社にいる人には気が付かない改善点がある可能性が高いと思います。会社の文化を変えていきたいのであれば、まずはリーダーたちが自己変革すること、そして人事のリーダーはさらにそのリーダーたちをコーチングし、サポートしてあげる必要があります。

若いときは周りの人たちがいろいろとフィードバックしてくれますが、立場が上になってくればくるほど、意見を言ってくれる人はいなくなっていきます。そこで、人事の登場です。人事が事業部門のリーダーたちにアドバイスをしてあげるのです。改善のサポートはもちろん、仮に会社で謳っている方針とリーダーたちの言動が一致しているか確認して、違っていたら指摘しなければなりません。

彼はまだ入ってきて3カ月ですので、そこは彼の上長がしっかりとヒアリングしてあげて、「何が問題なのか」「何を変えた方が良いのか」を聞き出し、会社の文化と照らし合わせながら改善をしていくべきでしょう。また、各リーダーとのやり取りの場を作ったり一緒に会議に出たりしてフォローをしてあげることが、彼が他部門の関係者と建設的な関係を作っていくためにも大切です。

人事部のリーダーが他部門のリーダーの手本となりなさい

今回のケースについて、HR BLOG読者のみなさまへ補足させていただきます。変革できない会社は、リーダー自身が変革していないのです。リーダーが自らの言動を振り返り、反省しなければなりません。たとえば、「昔と同じことだけしていて何の挑戦も革新もない」「同じような会議、ばかりして結局何も変わらない」など心あたりはありませんか。以前の記事で説明した「権限委譲」ではないですが、若手からいろいろなアイデアが出てきているのに、結局それらはどうしたのか、何か実現したのか、彼らにやらせてみたのか?など、振り返る内容はたくさんあるはずです。

このように自己変革できないリーダーたちに対しては人事のコーチングが必要ですが、前提として人事のリーダー自身がちゃんと自己変革している必要があります。そうでないと、「変革してください」と指導したところで、相手から「じゃあ、お前はどうなんだ?」とブーメランが帰ってきてしまいます(笑)。コーチングの効力が正しく発揮されなくなってしまうので、自分がやっている自己変革を具体的な例としてあげながら、コーチングを行っていくとよいでしょう。

今回のケースで人事部に転職してきた彼は、改善の意欲も高く将来よいリーダーとして成果を上げてくれそうですね。ただ、強いて言うとすれば、彼自身が他部門のリーダーたちをもっと巻き込んでいければよかったと思いますが、入社してまだ3カ月目とのことなので今後に期待したいです。

本当の企業価値や文化、ルールは、その会社で働いているリーダーの言動に表れる

会社の企業文化やルールなどについて、多くの企業では会社のパンフレットやWebサイトなどにはとても聞こえのいいことが書いてあります。たとえば「我が社の企業文化は人を大事にし、挑戦を重んじ…」など。では、実際の行動として、何をやっているかを社員全員が言える状況を作り出せている企業はどのくらいあるのでしょうか。

本当の企業価値や文化、ルールはどこに表れてくるのでしょうか?それは、その会社で働いているリーダーの言動に表れてきます。たとえば、どのような人が昇給昇格しているのか、リーダーとしてどのような情報発信をしているのか、どのような人がどのようなことをして表彰されているのか、逆にどのように罰してどのように対処しているのか…。

つまり、会社における日々の人間同士の営みそのものが、会社の文化でありルールそのものになるのです。それを社員が見て聞いて感じて、自らの行動に移していくのです。リーダーが自ら明確に「我が社の考え方は〇〇です、私たちにはこのような成果が求められています、〇〇でもって成功を目指します」とはっきり宣言し、行動も起こし、「そして具体的には〇〇を実施しています」と模範を示していれば、会社の文化やルールも形骸化することはなくなっていくでしょう。

逆にリーダーがはっきりしない、行動もしていないとなると社員たちは、「うちの上司は言っていることや行動が、会社の方針と全然違う…。どっちに従えばよいのだろう…?」とモヤモヤしてしまいます。そういった混乱のなかであれば、何を指針にしてよいかわからなくなってしまい、誰がいつどのような目的でつくったかわからないような昔からのルールに頼るしかなくなってしまうこともあるでしょう。それが「形骸化したルール」になっていきます。

また、たとえリーダーが会社の文化やルールをはっきりと言動で示していたとしても、それが不健全なケースもあります。たとえば、どんなに社員同士が仲良くコミュニケーションが取れていて、若手からいろいろと活発なアイデアが出てきているとしても、そのアイデアを実現する社風や文化でなければ、せっかくのアイデアも意味がなくなってしまいます。
ルールとなっていないまでも、社風として、〇〇製品に関しては〇〇部門の人以外は意見を言っては行けない空気があるなど。このような「暗黙の了解」的な風習は残っていませんか?もしあなたの会社が風通しのよい会社を目指すのであれば、この「暗黙の了解」的な状況がないか、今一度確認してみるのもよいと思います。

どのように会社の文化や社風を変えていけばよいのか。それは、やはりリーダー自らが自分を変えること、自分自身を変革することです。会社や組織というのは、結局「人」という構成員で成り立っているので、人が変わらなければ、組織も変わりません。
人事部は、リーダーが自ら変われるためのサポートをするべきです。例えば、社長や率先垂範できているリーダー、外部講師などを講師としての研修の場を提供したり、ワークショップを行ったりしてもよいかもしれません。

真に必要なのは、リーダーが自ら行動し模範となること

わかりやすい例でいうと「残業時間の削減」がそうです。昨今の働き方改革で、日本人の働き方は大きく変化してきました。残業時間の見直しとして『残業ゼロ運動』が盛んになっています。しかしながら、その実態はどうなのでしょうか。全社的に「毎月の残業時間は30時間以内」と決めていたとしても、リーダーも部下も毎月の残業が30時間以上、そのことについても誰も気にしないし、改善しようとする動きすらないという状態であれば、これこそまさに「形骸化したルール」になってしまっています。

もし従業員の健康を考え、正しい勤務時間を守らせたいのであれば、彼らが所属する部門、会社のリーダー自らがそれを実施する必要があります。部下が早く帰った分、一部のリーダーの業務量が増えているという話をよく耳にします。こうなってくると部下も帰りづらくなってしまい、かえって悪循環が生まれてしまいます。では、どのように改善していけばよいでしょうか。

あなたの会社が、残業時間の削減を掲げているのであれば、各リーダー自らが正しい勤務時間で働ける環境を整える必要があるでしょう。そして、リーダーには同時にこのように部下に伝えさせます、「今までは会社も私も残業して当たりまえと言う考えでやってきましたが、これからは会社の方針に従い、私も変えていく。業務効率化、改善を進め、決められた業務・納期を守った上で決められた時間までに終わらせて、早く帰るようにしよう。早く帰れるようになった分、私は自分の勉強をする時間や家族と過ごす時間にあてようと思う。みんなもそうしよう!」

このように会社とリーダーが、これからどのように変わっていくのか、その姿を見せていくことが、会社の文化を変えることにつながっていきます。各部門が残業時間の削減を達成するために抱えている課題があれば、それを解決するために役員や人事部の皆さまのサポートが必要になります。サポートと言っても一方的にやり方を押し付けるのではなく、ともに考え、改善していく姿勢が求められます。

今回ご相談していただいた例でもそうですが、リーダーたちが、社員のアイデアを吸い上げて実現させたり、フィードバックしたりする場を設けるなど、人事部や役員、時には社長自らが先導しサポートしてあげるとよいでしょう。リーダーたちがどのように自己変革に取り組んでいるのか発表、共有する場があってもよいかもしれません。リーダー、人事のリーダーが率先して自己変革し、社員が自ら行動を起こしていけるような会社づくりを実現できるのは、このHR BLOGを読んでくださっている皆さまです。真の意味での働き方につなげていってください。

電撃人事エグゼクティブからの金言

  • 会社の文化やルールは、その会社で働いている人の言動そのもの
  • 人の言動が変わらない限り、会社の文化やルールも変わらない
  • 「変革ができていない」という会社は、そもそもリーダー自体が変革していない
  • 人事のリーダーが率先して自己変革し、会社やリーダーの言動について振り返りを推進していくことが大切
  • 社内のルールを形骸化させないためには、各部門の上司をはじめリーダー自らが、率先垂範して模範となるような言動で具体的な行動を示すべき

今回の回答者
石坂 聡氏 Ishizaka Satoshi
(Asian Caesars 代表)

石坂 聡氏

HRコンサルタント協会 理事。
外資系金融機関の人事部長を歴任。2013年にコカ・コーライーストジャパンの常務執行役員人事本部長に就任し、約30社の人事制度統合、企業文化改革、多大なるシナジー創出などを短期間で実現。電撃人事エグゼクティブとして名を馳せた。2017年10月にAsian Caesarsを立ち上げ、人事改革とグローバル人材育成のエキスパートとして、人事顧問サービス、エグゼクティブコーチング、講演など幅広く活躍。大手企業のリーダー達への変革指南で多忙な日々を送る。


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この記事を書いた人

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HR BLOG編集部

人材開発プラットフォームサービス 『Motify HR』を運営しています。このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

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