労務110番
労使協定などを締結するときの従業員代表者は、会社の意向で変更できるか?
公開日:2018.12.14

36協定などの労使協定を従業員代表者との間で締結しようと思っているのですが、今までの従業員代表者が正社員からパートタイマーになったので、別のものを従業員代表者として指名したいのですが、可能でしょうか?
従業員代表者は使用者の意向で決めることができない
事業所内での時間外労働に関する協定の締結(労働基準法第36条)、あるいは就業規則の作成・変更(労働基準法第90条1項)などの場合で、かつ事業所に過半数の労働者で組織する労働組合がない場合は、当該事業所の「労働者の過半数を代表する者」が協定を結ぶ、あるいは就業規則の作成・変更に意見を述べる当事者になります。
その「労働者の過半数を代表する者」の選出については、基本的に以下のような考え方をします。
- 労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。
- 同法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること。
これらのいずれにも該当する者であること。
まとめ
従業員代表者を決めるときは、正しい手続きに則って選出しないと無効になってしまう可能性があります。ですので、設問のように、会社の代表者が特定の労働者を指名するなど使用者の意向によって代表者が選出することはできません。
指名をして従業員代表者を決めるのではなく、その方が代表候補として立候補し、従業員の過半数が、その人の選任を支持している、ということが明確になる手続きを経て選出されることが必要です。
なお、労働基準監督署に届け出た36協定などは、事業所内の見やすい場所に掲示するなどして、労働者に周知するといったことも必要になります。
従業員代表者を選出する方法を予め決めておくとよいでしょう。
記事提供:助成金・給与労務手続センター本部
社会保険労務士法人HRサポート
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