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労務110番

労働基準監督署の調査が行われる理由と 立入調査や是正勧告の流れとは?

管轄の労働基準監督署(以下、労基署)より連絡があり、弊社が調査対象になったことを
告げられました。今後、労働基準監督官(以下、監督官)による立入調査が行われるそうです。
これを拒否することは可能なのでしょうか。
また、立入調査に対応する際は、どのような流れになるのでしょうか。

立入調査が行われる三つのケースとは?

労基署が立入調査を行う理由としては『申告監督』『災害調査』『定期監督』の三つがあります。
まず『申告監督』は、たとえば長時間労働や給与の未払い、労働環境の不備などに不満を持った従業員が労基署に申告した場合に行われます。申告はいわ
ゆるタレコミです。労務トラブルを抱えている会社は、『申告監督』の対象になりやすいといえます。
続いて『災害調査』は、従業員が労災申請を行った際に、事故報告書などから労働法違反の可能性が疑われた場合に行われます。
最後の『定期監督』は、特に何もなくても、労基署が毎年、一定数の企業に対して行います。

これらの理由から行われる労基署の立入調査は、労働基準法や労働安全衛生法に基づいた調査のため、拒否することはできません。
労働基準法では『労働基準監督官は事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して
尋問を行うことができる』(同法101条1項)と規定されており、監督官の立ち入り調査に法的な根拠を与えられています。
もし拒否したり、労基署からの連絡を無視し続けたりすると、検察庁に書類送検をされる場合もあります。

立入調査は今回の相談者のケースのように、事前に労基署から電話連絡が入る場合もあれば、突然会社に労基署の監督官が来訪する場合もあります。
また、労基署への来所を指定される場合もあります。
どちらの場合も、拒否することはできません。

是正勧告に従わなければ大きなペナルティーの可能性も

監督官は会社の労務に関してトラブルが起きていないか、労働基準法や労働安全衛生法に違反していないかを細かくチェックしていきます。
会社には、就業規則や賃金規程、時間外労働などに関する協定届、従業員の名簿、タイムカード、雇用契約書、健康診断書など、さまざまな書類の提出を求めてきます。
また、事前調査として、男女別の従業員数、外国人労働者数、正社員とパート・アルバイトの割合、未成年の従業員数などの内訳をあらかじめ調べておくように言われることもあります。

監督官は用意した書類や情報をもとに調査し、違反があった場合、是正勧告を行います。是正勧告は、労基署から『是正勧告書』や『指導票』として
交付され、会社は労基署の定めた期限までに是正を行い、『是正報告書』や『改善報告書』を労基署に提出します。これらをきちんと行えば、それで一件落着します。
しかし、期限までに提出しないと、再調査になります。

労基署が是正を促すのは、労働者の安全・衛生面に支障を及ぼす長時間労働やそれに付随した割増賃金の未払いなどについてです。
これらは法律違反であるため、是正に従わなかったり、立入調査の際に虚偽の報告をしたりした場合には、刑事事件として立件され、『6カ月以下の懲役または
30万円以下の罰金』という大きなペナルティーが科せられる可能性もあります。
ほかにも、安全基準や健康診断の不備、労働条件や就業規則の不備などに対しても是正を求められる可能性があります。常日頃からこれらに不備
がないかをチェックし、労働時間や人員を調整しておくようにしましょう。

この記事を書いた人

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HR BLOG編集部

人材開発プラットフォームサービス 『Motify HR』を運営しています。このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

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