オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
パフォーマンス管理
公開日:2020.6.9
目標設定・目標管理の方法の一つとして注目されてきているOKR。近年ではよりよい組織づくりのために、多くの成長企業でOKRが採用されています。OKRとは「Objectives and Key Results」の略。会社の目標設定や管理の方法として、最近ではGoogleやFacebookなどが導入しています。このOKRの導入を成功させるには、会社の経営陣だけでなく、会社で働く従業員全員の理解と協力が必要になります。
さらに、OKRの成功には上司と部下との信頼関係が必要不可欠。導入時の研修もOKRの成功に有効です。ここでは研修時に実施しておきたい内容について具体的にご紹介します。
目次
OKRを導入する際に研修を行う目的は、ずばり「OKRを正しく浸透させること」です。研修を通じて、基本的な運用方法に関する知識やノウハウを参加者全員で共有することができます。
もし従業員がOKRを理解できていないまま制度だけを導入したとしても、効果は期待できません。時間と手間はかかってしまうかもしれませんが、OKRを導入する際には研修を行うことで、効果的に導入・運用することが可能です。
それでは研修を行うメリットと注意点を見ていきましょう。
少人数のチーム内で仕事をするのであれば、日ごろからコミュニケーションを取りやすいため、方向性も比較的簡単に統一することができます。しかし、多くの従業員が働く企業において、組織全体の方向性を揃えるのは簡単ではありません。そこでOKRで目標管理を行い、各チームの動きをオープンにしてお互い把握することができれば、会社の中で自分やチームの役割が明確になり、方向性を統一しやすくなります。
会社の目標が不明瞭であれば、従業員は次に何をすればいいのかがわからず、結局上司からの指示を待つ状態になってしまいます。OKRを導入すれば、曖昧な目標ではなく数値化された目標が明らかになり、自分の立ち位置も明確になることで創造的な考えが出てきやすくなります。その結果、会社としての生産性も向上すると考えられます。
目標設定は1年に1度という企業もまだまだ多いなか、OKRを導入すると四半期ごとに目標を設定し振り返ることが一般的になります。従業員への十分な説明や研修がないままに取り入れようとしても、OKRの意味や意義が理解できていなければ反発を招く可能性もあります。社内で浸透させるためには、後ほどご紹介する研修のように、しっかりと準備期間を設けることが必要です。
OKR研修のオススメの方法は、ワークショップ合宿方式です。ワークショップでは座学とは違い、自らの意見を積極的に発信して仲間とともに体験することが求められます。一般的には宿泊を伴う合宿をすることが多く、オフィスから離れた場所で参加者同士協力しあい、意見交換をします。経営陣だけではなく、可能であれば全従業員で合宿をすると、より早くOKRを浸透させることができるでしょう。
OKRの仕組み自体はとてもシンプルなものなのですが、導入して実際に浸透させるためには経営陣だけでなく従業員一人ひとりまでしっかりと理解をしてもらうことが必要です。
それでは、OKRを導入する際に研修で押さえておきたい3つのポイントをお伝えします。
人間誰しも新しいことを始めるにあたっては、多かれ少なかれ抵抗があります。従業員が納得しないままで導入しても、期待どおりの効果は得られません。OKRを導入するに至った背景や目的、メリットなどをきちんと伝えるようにしましょう。
OKRを取り入れるにあたって、重要なのは「スピード感」です。OKRでは3ヵ月に1度目標を設定し、週に1度の割合で上司から部下によるフィードバックが求められます。方向性が明確になればすぐに実行し、実行中でもよりよいものへ臨機応変に修正し続けることで、PDCAサイクルが素早く回ります。急成長企業に共通しているのは組織のスピードです。この基礎となる考え方を共有しておきましょう。
OKRの効果的な運用方法はそれぞれの会社により異なります。組織の状況や業務内容によっては、仕組み自体を臨機応変にブラッシュアップする必要があるため、導入から約3ヵ月後にまた目標を再設定してやり直す可能性があることを認識してもらいましょう。そのためにも最初の3ヵ月は基本の運用を徹底させましょう。
OKRがうまく機能しだすと、会社全体の目標と個人の目標が同じ方向性になり、個人のパフォーマンスも向上するでしょう。方向性が一致することで、上司は部下の個人的な目標と向き合うことができ、さらに信頼関係を築くことができます。まずは、導入後もOKRをうまく継続できるように、導入前から研修方法についてよく検討してみてはいかがでしょうか。
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