オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
テレワーク
公開日:2021.1.19
働き方改革の促進や2020年の新型コロナウイルスの感染拡大など、新しい働き方を求められる現代だからこそ、企業側は従業員のライフワークバランスを保てるような働き方を提案しなければなりません。最近では、さまざまな働き方が増えてきており、多くの企業が「何か自社でも取り入れたい」と考えているでしょう。
そのなかでも急激に増えているのが「テレワーク」ではないでしょうか?「自社でも導入したい」と考えている企業も多いはずです。しかし、導入のプロセスやメリット・デメリットを知らずに導入をすると、会社全体で後悔をしてしまう可能性があります。
今回は、テレワークの導入を考えている担当者に知ってほしい導入のメリットやデメリット、そしてプロセスについてお伝えしていきます。
目次
「テレワーク」という言葉を聞く機会が増えていますが、何となく意味を理解していても、詳しい内容は知らないという方もいるかもしれません。
まず、テレワークというのは、「離れたところ」という意味のある「tele」と「働く」という意味のある「work」を組み合わせた造語です。言葉の意味から分かるとおり、場所に捉われることなく働ける方法を表した言葉になります。
ICTと呼ばれる情報通信技術を活用することで、自宅や、コワーキングスペースなどオフィス以外で業務を行う働き方で、従業員が通勤で感じるストレスなども軽減させることができるでしょう。また、働く場所だけでなく、時間にも捉われることなく働くことができます。
「テレワーク」と一言で言っても、働き方は大きく3つに分かれます。
導入を検討している企業は、「どの働き方を取り入れるべきか」を考える必要があるでしょう。
テレワークといえば「在宅勤務」というイメージが強いのではないでしょうか。これは、自宅にいながら通常会社で行っている業務をする働き方で、基本的にはメールやSNSなどICTを活用して、パソコンを使った仕事がメインとなるでしょう。時には、取引先との電話対応などが必要になることもあり、企業としては一連のツールを提供することを視野にいれなければなりません。
また、自宅で仕事ができるということから、これまで働きたくても働けなかった人を雇用することができ、企業は足りない人材を補うことができるでしょう。
モバイルワークは営業などで外回りをする機会が多い職種の方に合う働き方です。移動中や営業先の近隣カフェなどでパソコンや携帯電話を利用し、業務を行うことができます。これまで会社の機器を持ち出すことができず、わざわざ会社に戻って仕事を行っていた従業員にとっては、モバイルワークの導入は効率よく仕事を進められる方法といえます。ただし、重要機器を持ち出すことで起こりうるリスクも考えられるため、企業としてはプライバシー対策の徹底などを行う必要があります。
サテライトオフィスというのは、配属先以外で働くことができるオフィスのことです。都内に本社を構えている企業が、郊外にサテライトオフィスを構えている、などのケースも多くなっています。逆に、地方に本社を置く企業がサテライトオフィスを都内に置くケースも増えています。
このように、勤務先以外でも働ける場所があるということは、従業員の働き方の選択肢が増え、出勤で感じるストレスを軽減させることもできるでしょう。
テレワークを導入する企業が増えている理由の一つには、企業と従業員、双方にメリットがあるからです。ここからは、テレワークを導入することで考えられるメリットを「企業別」と「従業員別」に分けてご紹介します。
テレワークを導入すると、自分のやり方で仕事を進めることができるでしょう。例えば、オフィスで働いていると「ちょっといい?」と声をかけられて、仕事を頼まれることも日々あるはずです。テレワークをしていると、そういった出来事が起こりにくくなり、従業員は自身の仕事に集中しやすくなります。結果、仕事の生産性向上も期待できます。
企業がテレワークを導入することの最大のメリットは「コスト削減」です。たとえば、従業員がオフィスで作業しなくなると、オフィスを保持するためのさまざまな費用を削減することができます。極論ですが、場合によってはオフィスの解約も可能です。もちろん、会社という組織である以上、従業員が集まれる場所が必要な場合もありますが、今より安い家賃で郊外にオフィスを借りることもできるはずです。
コスト削減は企業にとって永遠の課題ともいえ、なかなか改善することができない部分。しかしテレワークを導入することでコスト削減につながることは多くなります。
従業員が出勤時に感じる最大のストレスは、「ラッシュの電車に乗ること」でしょう。オフィスの近くに住み、自転車や徒歩で通勤をしている人もいますが、家庭の事情などから難しい人もいるはずです。毎日ストレスを感じながら出勤をしていると、仕事に対してのモチベーションが下がってしまうこともあります。しかし、テレワークであれば通勤時間がほぼないため、余裕を持って朝の時間を過ごすことができるようになるでしょう。そうなると、心にもゆとりができ、仕事に対してのモチベーションも上がる可能性が高いです。
テレワークの導入を企業が行うと、「働きたくても働けなかった」人たちが、仕事に就ける可能性が高くなります。例えば、育児や出産で職場復帰が難しく退職を選ぶ女性や、親の介護が原因で退職を決める人もいるのが現実です。「本当は働きたい」という思いがあっても、出勤が難しく働けない状況に陥っている人はたくさんいます。そういった人にとってテレワークの導入は、通勤せずとも働ける絶好の機会となり、定職に就く大きなチャンスになります。
企業側にとっても、従業員側にとっても、テレワークの導入は多くのメリットになります。しかし、そのメリットの裏にはデメリットと呼べる課題が出てくるのです。
たとえば、会社の機密情報を持ち出すことになるため情報漏洩のリスクや、従業員同士が直接会う機会が少なくなることでのコミュニケーション不足などです。さらにそれらが原因で仕事がうまく進まないケースも考えられます。会社にいれば当たり前にできていた「報連相」も、テレワークになるとメールや電話を利用することになり、面倒に感じる人も出てくるでしょう。
こういった課題は必ず出てくるため、事前の対策がテレワークの導入には欠かせなくなります。
実際にテレワークの導入を決めたのであれば、大まかなプロセスを知っておく必要があります。試行までにどのような段階を踏まなければならないのかをこの機会に覚えておくようにしましょう。
導入を検討する際に考えなければいけないことは、テレワークの目的です。「どのような結果を得たいのか」を明確にしておかいと、従業員はどうして導入をするのかが分からない状態になり、企業としても導入が成功だったのかを判断することができません。オフィスコストの削減のためのテレワーク導入など、最終的にどうなっていれば成功なのかを、事前に考えておくようにしましょう。
上述したように、テレワークを導入すると同時に課題が生じる可能性が高いです。前もってそれらを予測し、どのように進めるのかを丁寧に確認しておきましょう。就業規則や勤怠管理制度についてなどは、慎重に決めておかないと後々問題になりやすいので注意が必要です。
課題が確認できたら、企業内で「テレワークの導入を進めるチーム」を構築しましょう。
社内制度を考えるチーム、セキュリティ面を考えるチームなど、導入がスムーズに進められるような体制を作っていくことも重要なプロセスです。
テレワークを行う際に、ICT環境が整っていなければ作業はスムーズに進みません。ここで手を抜くと、必ず問題が生じてしまうので、企業としては一番力を入れて整備をしていくようにしましょう。特に必要になるのは、労働管理のツール導入、コミュニケーションツールの導入になります。自宅でも会社と同じように働くことができるようなツール活用がおすすめです。
この記事では、テレワークの導入、さらにメリットやデメリット、そして重要となるプロセスについてご説明しました企業でテレワークを導入する際の一助になれば幸いです。
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