オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
テレワーク
公開日:2020.8.20
自分の会社の人事評価制度について、従業員が満足しているかどうかご存知でしょうか?このコロナ禍以前から人事評価に対して不満を抱えている従業員は多いようで、2018年に行われたあるアンケートによると、「不満に感じている人が6割以上」「見直しを必要と考えている人が約8割」という驚きの結果が出ていました。人事評価は従業員にとっては大きな問題であり、納得のいかない制度・結果の場合には、会社に対しての信頼度の低下や、仕事に対してのモチベーション低下を招きかねません。そして、テレワークが浸透しつつある今、人事評価は一層難しいものとなっています。従業員が納得でき、個人の成長、会社全体の業績向上につながる人事評価制度について、今一度考えてみましょう。
まず、今の人事評価に従業員が納得しているかどうかを見極めることが重要です。人事評価制度への満足度をはかるためにアンケートを実施してみるのも、一つの方法です。アンケートの結果、満足度のパーセンテージを見るだけでなく、何に対して不満に感じているのかも、できるだけ細かく聞いてみてください。その答えの中に、「不公平だと感じる」「評価基準が不明確」などの意見がある場合は見直しが必要です。
人事評価制度は、従業員の評価を決定し、その評価を基準に社員を育成することが目的ですが、それだけではありません。モチベーションとパフォーマンスを上げるものでもあると意識しましょう。仮に人事評価制度をしっかりと整備したとしても、実施したことにより従業員のモチベーションが損なわれてしまっては本末転倒です。従業員をどのように評価すればモチベーションを維持し、仕事に臨めるのか。それを十分考慮したうえで人事評価制度をつくり、導入することが望ましいでしょう。
どういう人が評価されるのか、会社が目指すところはどこなのかなどがわからないままだと、従業員は会社に対して不信感を抱いてしまう可能性があります。導入の初期で不信感を感じてしまうと、実際に評価をしたとしても評価される側は不満をより強く感じてしまい、上手く運用していくのは困難になってしまいます。
人事評価制度導入の際にまず必要なことは、この制度の意義と目的を企業側から従業員へ明示することです。
・どんな人材を評価するのか
・どのような考え方で仕事を評価するのか
上記のような意義と目的をできるだけ明文化して、導入前に従業員に伝えることが必要です。
先述のように、人事考課に対する従業員の不満に感じる点として「評価基準が不明確」という意見が多く見られるようです。なぜこのような不満がでてきてしまうのでしょう?
そもそも企業側が人事評価の基準を明確に定めていなかったり、上司や人事担当者が社員に対して人事評価の基準を公開していなかったりするために、評価基準が浸透していないことが原因と考えられます。そうなると、どのような理由で自分の評価が下されたのか、従業員はわからず、納得感が得られないはずです。また、評価基準が不明確なために「同じ仕事をしていたのに、同僚は高く評価され、自分はあまり評価されなかった」などの不公平感が募ってしまいかねません。
まず下記の3点に留意して、人事評価をしてみてはいかがでしょう。
1:評価基準を明確にし、従業員に周知
まずは従業員に、人事評価制度への理解を深めてもらう機会を設けましょう。会社の方針や評価項目、その基準を説明できる機会を開きます。
2:評価の公平性の担保
人が人を評価する人事評価には、「主観を完全に取り除いた評価を下すことは難しい」ということが前提にあります。そのため、評価者のトレーニングや研修をしっかりと行い、少しでも公平な評価を下せるように努力することが必要です。そのうえで、評価者と従業員との信頼関係を常日頃から構築するよう心がけましょう。
3:社員の納得感を高める工夫
年に数回の評価面談だけでは、社員の納得性を高めるには不十分かもしれません。評価に対する読み解き指導や研修、定期的な1on1ミーティングなどを通じて従業員に「気づき」を与えたり、相談しやすい環境をつくったりしてみてはいかがでしょう。
上司や人事担当者などの評価者も、テレワーク下での評価方法に戸惑っているのではないでしょうか。企業側が明確な項目や基準を設定して、全体に周知させたうえで、ITツールなどの活用も同時に進めてはいかがでしょう。そういったツールやシステムの導入は実際の業務に有効なだけでなく、従業員に対しての周知や公平性のアピールにも有効。例えばアックスコンサルティングの「人事評価ハンドブック」などのツールを使えば、人事の業務効率UPと自社に合った人事制度の構築が同時に実現可能。今後は信頼関係を絶やさぬさまざまな工夫が必要になるのです。
従業員が納得できる人事評価を導入・運用することで、従業員は会社に対して信頼・貢献の気持ちを持つことができ、モチベーションの低下も防ぐことができるはずです。現在テレワークを実施している会社では、従業員の業務プロセスが見えず、評価しづらい環境にあるはずです。そんな時期だからこそ、人事制度チームをまとめている上司やマネージャー、そして経営者、人事担当者は、自社の人事評価制度について、改めて考えるべきなのではないでしょうか。
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