オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
人材育成・開発・研修
公開日:2020.12.16
社会人になり会社で働くうえで、自分以外の人と関わりを持ちながら業務を行うことは必須だといえます。ただ、中にはコミュニケーションを取ることが苦手な人も少なくありません。上司と部下など、関係性の違いもあるものの、コミュニケーションが取れなければスムーズな仕事はできません。
この記事では、会社でのコミュニケーションの取り方に悩む人に向けて「コミュニケーションが必要な理由」に触れるとともに、対処法を解説します。
目次
コミュニケーションは、自身の気持ちや意見などを相手に伝えることを指します。そのため、コミュニケーション=伝達することではありません。
コミュニケーションは、伝える相手がいてこそ成り立つものです。あなたが情報を発信する場合には、相手が受け取れなければそれはコミュニケーションとはいえません。相互に意思疎通の態勢を維持しつつ、お互いの情報を理解しようとしている状態でなければコミュニケーションは成り立ちません。
そのため、一方通行に物事を伝えることはコミュニケーションとはいえません。たとえば、社内でコミュニケーションをとる際に、一方的に言葉を発し相手の気持ちも考えずに「コミュニケーションだ」と言い張る人もいます。しかし、一方的な情報伝達が行われる人との関わり方はコミュニケーションとは呼ばないことを意識しましょう。
また、コミュニケーションは「言葉」だけが手段ではなく、手話や筆談もコミュニケーションの一つになると覚えておきましょう。
たとえば、部下で直接のコミュニケーションが苦手な人がいたとします。相手が精一杯頑張って質問をチャットで投げてきた際「なぜ直接会話をしないのか」と叱っては、その人の勇気を損なうことになります。そのため、上司は部下の性格を把握し、どのようなコミュニケーションをとることが最適化を考える必要があるでしょう。
会社で働くのであれば「社内コミュニケーション」は必須です。同じ会社で働いている以上業務のやり取りだけでなく、挨拶などの基本的なコミュニケーションをとることで、社内の雰囲気も変化します。
しかし、全員がコミュニケーションが得意・上手な訳ではありません。コミュニケーションを取ることに対して、苦手意識を持っている人もいるでしょう。
そのため、コミュニケーションを取ることが苦手な社員に「コミュニケーションを取りなさい」と必要以上言ったとしても改善はしません。特に上司は部下に対しては、相手の性質を見極めてあげることが必要だといえます。
コミュニケーションを取ることが苦手な人が社内にいた場合でも、最低限の挨拶や業務の相は必要です。談そのうえで、コミュニケーションを取ることが会社にとってメリットとなるのかみていきましょう。
会社内でコミュニケーションをとる最大のメリットは、業務などの生産性が向上することです。普段から気軽にコミュニケーションを取れる相手と仕事をしている場合、分からないことはすぐに尋ねることができます。また、困ったときにSOSのサインを出しやすい環境を作ることができるでしょう。
業務内容などの情報を常に共有できることは生産性の向上ににつながります。コミュニケーション不足であれば、「誰がどの仕事を今しているのかが分からない」といった状況になってしまいかねません。
生産を性向上させるためにもコミュニケーションが大切だといえます。
会社内でコミュニケーションを活発に取ることができていると、社員が退職する確率を現象させることができます。いくら良い給料をもらって仕事をしていてもストレスのかかる環境で毎日働いていれば辞めることを考えてしまうはずです。
社員が「続けたい」と思える職場を作りたいのであれば、コミュニケーションを適度に取り「居心地が良い」と感じる環境を作ることが大切です。その場合、タメ口で話すといった社会のルールやモラルから外れるようなコミュニケーションをとる必要はありません。
大切なのは「働く場所」として居心地が良い環境を作ることです。そういった環境を作ることができれば離職率が減少します。企業への社員の信頼度を高めるためにも、適切なコミュニケーションを図ることが大切だといえるでしょう。
コミュニケーションが取りやすい環境の会社で働いている場合、上司に嫌な思いをすることもなければ、部下との意見の食い違いに悩むこともないでしょう。その双方が意見を聞き、伝えることができる環境というのは、社員が満足をして会社で働ける大きな要因となります。特に部下にとって「働きやすい会社」は、上司に自身の意見を伝えることができる環境がある会社だといえるでしょう。
社内でコミュニケーションが上手く取れずに悩む場合、以下の3つの方法を実行してみましょう。とくに苦手意識をもつ方は参考にしてみてください。
自己開示は一例を挙げると趣味の話題や出身地の話など、仕事以外の側面を見せて行くことを指します。そうすることで、相手はあなたに興味を持つことも少なくありません。コミュニケーションを取ることが苦手な人ほど、自分の殻に閉じこもってしまいやすいといえます。そのため、同じ会社で働く人に自分の魅力を伝えることうまくできないこともあると想定されます。
対して、コミュニケーションが得意な人ほど、自己開示をよく行っています。これは、自慢話や自分の話題だけを話すだけでなく、相手との相互理解を深めるために行うものです。趣味や出身地などの話題は「共通点」を見つけやすいため、親近感を持ってもらいやすいといえます。話題が見つからない場合はコミュニケーションによって、共通点を探すことが大切です。
話すことが苦手な場合、話を聞く側にまわることが大切です。自身でコミュニケーションを取ることが苦手だと認識している場合は無理する必要はないといえます。また、自己開示をするなどの努力は必要ですが、自分を苦しめてしまうほど頑張らなくてもかまいません。
ただし、コミュニケーションを取ることは、「苦手だから、しなくていい」というわけではなく、あくまでも相互理解を心掛ける必要があります。たとえば、相手が話をしている場合には、しっかりと相槌を打つ、相手の言葉をオウム返しにすることなどで「伝わっている」という感覚を相手に与えることが可能です。円滑なコミュニケーションを取るうえでは必要なスキルになります。
また、聞く側にまわるうえで大事になるのは「否定をしないこと」です。話を聞いていると自分とは違う意見の話もあるかもしれません。
コミュニケーションが苦手な人は自己開示が苦手だと想定できます。たとえば、自分の趣味の話や出身地など、得意な人からすればなんてことのない話題作りなども難しいケースも少なくありません。そういう時は無理に話題探しをする必要はなく、あくまでも「会社でコミュニケーションをとること」が大切です。そのため、話題は社内のことで問題ありません。
ただし、会社の話はどうしても堅苦しくなってしまうため、心の距離が縮まりにくくなります。そのため、、誰にも共通するような「子供のころ観ていたアニメ」とか「会社の上司の伝説」などクスッと笑えて心の距離が縮まるような話ができると、社内コミュニケーションに繋がりやすくなります。
コミュニケーションが苦手な部下と接する場合、どのようにサポートをしてあげれば良いのか悩んでしまう上司も多いでしょう。ここからはコミュニケーションが苦手な会社の部下をサポートする方法をみていきます。
コミュニケーションを苦手としている部下を否定しないように注意が必要です。ネガティブな言葉を伝えてしまうと、嫌な思いをさせてしまうため、相手の言葉を尊重しましょう。
コミュニケーションが苦手な部下をサポートする場合、大切なのは「前向きな話題を提供すること」です。部下はコミュニケーションをとることが苦手な現状に嫌気がさしていたり、ネガティブになっている可能性があります。
ネガティブな言葉や雰囲気を察した場合、前向きな言葉でリードする、改善策を提示するなどの工夫で部下の考え方に対して前向きな姿勢を示しましょう。
この記事では、会社でのコミュニケーションの必要性に触れたうえで、苦手な場合の対処法、接し方についてみてきました。コミュニケーションに対して、苦手意識を持っていても意識次第で言葉や考え方は改善できます。
また、上司と部下の関係性であれば、上司は部下のサポートを意識し、意見を否定せずにどのようにして今後改善していくのかを伝えていきましょう。
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