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【若手教育をするなら】人材育成に必要になるメンターとメンティとは

公開日:2020.12.4

人を育成するということは、継続的な存在と成長を目指す組織にとって非常に重要な課題といえます。人材が育たなければその組織は衰退し、いずれ無くなってしまうからです。

そんな人材育成のための考え方が、「メンター」と「メンティ」です。ここでは、人材育成のために必要な「メンター」と「メンティ」について、その役割とメリットをまとめていきましょう。

何のためにある?メンターとメンティとは

メンターとメンティとは、端的にいえば「相談できる関係」のことをいいます。メンターが相談を受ける立場、メンティが相談をする立場のことです。

メンターの語源はギリシャ叙事詩である「オデュッセイア」の登場人物、「メントル」という人物からきています。メントルは王子に助言して一人前に育てる役割を果たしており、その結果から、メンターという言葉は助言者という意味を帯びるようになりました。そして、助言を受ける側をメンティと呼ぶようになったようです。そこから派生し、メンター・メンティの関係を制度として取り入れたものが、企業などで使われるようになりました。特に現代におけるメンター・メンティ制度とは、「新人社員がメンティで、成長した少し先輩の従業員がメンターとして関係を結ぶこと」を示しています。

かつてはメンター・メンティ制度に寄らなくとも、日本企業では似たような関係が結ばれることが多くありました。その理由は、終身雇用制度があったからです。そのため、会社の後輩と先輩は自然と信頼関係をつくり、仕事のことやプライベートの相談役関係が出来上がってきました。そのため、わざわざメンター・メンティ制度をつくる必要がなかったのです。しかし、終身雇用制度は崩壊しつつあり、この自然なメンター・メンティ制度は徐々に行われないようになってきました。

現代では、かつての先輩・後輩関係を制度として構築することを目的として、メンター・メンティが取り入れられはじめているようです。具体的に、メンター・メンティ制度の企業における役割は三つあります。

一つ目の役割は、新人社員を育成すること。ひいては、新人社員を長く定着させるのが役割です。

二つ目の役割は、新人社員に企業のルールを教えることです。ルールや慣習は、文章として渡されたり、一方的に知らされるよりも、信頼できる先輩とのコミュニケーションのなかで教えてもらったほうが、反発心なく飲み込むことができます。

三つ目の役割は、社内コミュニケーションを活発にすること。社会人になると、自然と目上の人とかかわることは難しいものです。しかし、メンター・メンティ制度であれば、自然と不満に思っていることを打ち明けたり、さまざまなコミュニケーションを取ったりすることができます。

このように、メンター・メンティ制度は社内において大きな役割を果たすのです。社内にコミュニケーションができる土壌をつくることで、社内に相談がしやすい雰囲気ができます。

メンター・メンティと関係のある『メンタリング』について

メンター、メンティと大きくかかわりのある言葉に、メンタリングという言葉があります。メンタリングとは、簡単にいえばメンター、メンティーの関係を利用したカウンセリングのことです。そもそはアメリカで導入された手法で、メンター・メンティ―の関係が日本に輸入されるのと同時に日本に導入されました。

メンタリングをするにあたって重要なのは、メンター側がメンタリングが「指導行為」ではないということを理解することです。メンタリングの趣旨は、メンターの語源が「助言」にあることからもわかるように、あくまでも「指導」するのではなく、助言することにあります。最終的には、メンティーが自発的に成長し、次のアドバイスを求めていくようにするのがメンタリングの目的です。

メンタリングの目的から、メンターは答えを提示するのではなく、メンティが自分のなかでこれまでの行動を反省できるような言葉をかけなければなりません。このとき、メンティの行動を成功・失敗で評価したり、なぜなのかと詰問したりしてはいけません。メンタリングの主役はあくまでもメンティです。それを忘れてしまうと、相手の悪かったところを並べ立てるだけの時間になってしまいます。メンターは、メンティに考えてもらいたいことを拾い上げ、それに対するフィードバックをする必要があります。

メンタリングは特にメンティに強い負担を強いる時間だということも知ってかなければなりません。うまく関係が出来上がっていないと、メンタリングの時間はただの不満の種になってしまいます。そのため、メンタリングを導入する際は、メンター・メンティ共にお互いのことを理解しあえる関係をつくっておかなければなりません。

メンター・メンティの関係を築くことのメリット

メンター・メンティの関係には、それぞれにメリットがあります。メンティ側のメリットはわかりやすく、集団になじみやすいということ。すでに集団に溶け込んでいる人とのつながりが出来ることで、集団から隔絶された状態にならないで済みます。また、困ったら相談できる相手をつくることにより、安定した精神状態で仕事ができるようになります。

一方、助言する側であるメンターにもこの制度はメリットがあります。メンティに内省を促す言葉をかけたり、相手からの相談を受けたりするうちに自分が得意なことと成長できたことを再確認し、高い自信を持って仕事に取り組むことができるようになるのです。さらに、メンティからの視線を意識することにより、「よい先輩」であろうと考え、自分の行動にも節制が利くようになります。

さらに、メンター・メンティー個人に限らず、制度を導入した企業にも大きなメリットがあります。それは、新人が成長を目標にして積極的にチャレンジしてくれるようになるということです。上司と部下だけの関係に終始し、やるべきことだけを教えるような関係を続けていると、やるべきことだけをする、いわゆる指示待ち人間になってしまいがち。しかし、メンター・メンティの関係で失敗をフォローする体制をつくり、学びに対してモチベーションを持てるようになれば、提案力のある人材が育ちます。そうした人材はいずれリーダー役を担う存在となるので、企業にとっては大きな先行投資となるのです。

意外な所にデメリットがある?

メンター・メンティ制度は、決してよいことだけではありません。この関係性をつくることには、デメリットも存在します。

それは、メンターを育てるのが難しく、育成には時間的・金銭的デメリットが発生するということです。メンター・メンティ制度は、メンター側がメンターの何たるかを知っておいて、初めて効果を発揮します。そのため、会社がメンターを育成するための講習を開かなければならないのです。しかも、メンター側が誤った認識でメンティに接してしまうと、メンター・メンティがモチベーションを下げる面談の場に成り下がってしまいます。

たとえば、メンターが高圧的に接しすぎてメンティが強い精神的負荷を感じることなどは、制度の悪影響としてあげられるでしょう。他にも、メンターが手取り足取り親切にしすぎて、メンティがメンターに依存してしまい、自分で物事を考えられなくなるなどのデメリットも考えられます。

メンター・メンティの関係を有効的に活用するには

メンターとメンティの関係を実りあるものにし、企業・メンター・メンティの全員がメリットを受けるためには、メンターとメンティの両方がこの制度の意義を理解しなければなりません。具体的に、有効に活用するための柱は3本あります。

一つ目の柱は、「お互いの信頼関係」です。メンターとメンティはお互いが信頼し合う必要があります。しかし、そこに明確な上下関係があってはいけません。メンターとメンティはお互いがあくまで対等の他人としてかかわる必要があります。

二つ目の柱は、「学習意欲」です。メンティはメンターからいろいろなことを教わりますが、すべてを教えてもらったのではマニュアルを引くのと変わりません。なぜ、どうしてを大切にし、新たな疑問を解決する努力をすることも大切なのです。また、メンターも、メンティの態度からどう助言すればいいのかを学んでいく必要があります。

三つ目の柱は、「責任」です。メンターとメンティは、お互いの言葉と行動に責任を持たなければなりません。万が一メンターの言葉で不利益を被っても、そのせいにしない精神が重要です。もちろんメンターも、メンティが失敗したことに対して、何らかのフォローを入れる責任を考えなければなりません。

OJTやコーチングとの違い

メンター・メンティ制度とよく似ているのが、「OJT」と「コーチング」です。

OJTとはOn The Job Traininngの略称で、仕事に関する知識やスキルを先輩社員から教わることをいいます。そのため、別の部署の上司と関係を結ぶことの多いメンターとは異なり、OJTでは同じ部署の先輩がトレーナー側に任命されます。

コーチングとは、対面で従業員と面談を行うことにあります。内省を促してモチベーションをあげるのが目的です。メンタリングとの違いは、何らかの目的に際して行われるという点でしょう。そのため、コーチングでは技術的・知識的な壁を扱うことが多く、メンタリングよりも面談で取り扱う範囲が狭くなっています。

まとめ

メンター・メンティの関係は、集団の意識を一歩上に押し上げ、高いモチベーションを持った集団をつくり出すために有用な手段です。しかし、メンターとなる側にメンティの受け入れ準備が整っていないと、ただ無駄なコストを消費しただけに終わってしまいます。

そのため、メンター・メンティ制度を取り入れようと思った際は、一朝一夕で導入しようとは思わず、まずはメンター・メンティ制度の周知からはじめ、次にメンターの育成の仕方も考えることをおすすめします。

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この記事を書いた人

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HR BLOG編集部

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