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試用期間満了で解雇となる場合、解雇予告手当は発生するのか?

当社は社員の試用期間を3ヵ月に定めています。入社から2ヵ月を経てずっと出勤成績が不良な従業員に、3ヵ月の試用期間満了をもって辞めてもらおうと思い、期間満了10日前にその旨を伝えました。
この場合、解雇予告手当を支払う必要があるのでしょうか?

雇い入れ後14日を経過してからの解雇は解雇予告手当制度の適用がある

結論から言うと、この場合は解雇予告手当を支払う必要があります。10日前に解雇予告したので、30日に満たない20日分の解雇予告手当を支払うか、期間を20日分延長して働いてもらうか、いずれかを選ばなければいけません。

労働基準法第21条により、「試みの使用期間中のものを解雇する場合、雇い入れ後14日以内に解雇するのであれば、解雇予告制度の適用がないが、雇い入れ後14日を過ぎてからの解雇については解雇予告手当制度の適用がある」と定めています。
試用期間中と言っても、雇い入れ後14日を経過している従業員を解雇する場合は、「30日前の解雇予告」または「30日分の解雇予告手当」が必要になるのです。
試用期間は契約期間と異なり、期間満了と同時に労働条件が切れるという性質のものではありません。試用期間満了で採用継続の可否を自動で判断すればよいものではなく、期間満了とともに本採用に移行することを前提としています。

この事例の場合でも、試用期間満了10日前に予告をしたからと言って、それだけで試用期間満了時に解雇できるものではありません。



まとめ

以上から、試用期間制度を導入している企業は、「雇い入れ後14日目」と「試用期間満了30日前」の2つの日付をチェックしておく必要があります。
入社後間もなく「出勤率が不良」「複数回の無断欠勤があった」「粗暴な放言が多い」「協調性を欠いた行動が目立ち、多数の同僚の反感を買った」「経歴を詐称していた」というようなことが判明したら、雇い入れ後14日以内であれば、解雇予告手当を支払わずに即日解雇しても問題はありません。
この場合の「14日」とは「労働日数」ではなく「暦日数」になるので、注意しましょう。

雇い入れ後14日目までに上記のような問題が発覚しなくても、試用期間満了の30日前をひとつの区切りとして意識しましょう。上記のような問題が、雇い入れ後14日を経過してから発覚することもあります。
また、「極端な能力不足」「スキルや経験が業務内容とマッチしない」「企業文化に合わない」「勤務態度が不良」というように、ある程度日数が経過してから判明することがあるかもしれません。解雇したいのであれば、試用期間満了30日前までに予告するようにしましょう。


記事提供:助成金・給与労務手続センター本部
社会保険労務士法人HRサポート