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見習い期間の賃金と日数はどのような基準で決めればいい?

当社は製造業を営んでいます。飲食店のパートやアルバイトの求人情報を見ると、「見習い期間」として数ヵ月は給料を低く抑えているケースをしばしば目にします。当社でも「見習い期間」を導入しようと検討しているのですが、給料や日数をどのように決めればいいのでしょうか?

【結論】“最低賃金法で定められている範囲”が賃金額の基準となります。

ただし、都道府県労働局長の許可を得られれば、最低賃金より最大20%を減額することが可能です。期間は必要最小限度とされており、最長でも“6ヵ月”という基準があります。

入社後一定期間を「試用」ないし「見習い」期間として、労働者の人物・能力を評価してから本採用を判断する企業は多くあります。
試用期間は、雇用期間の定めがない正社員だけでなく、有期雇用に対しても設けることが可能です。
試用期間中の賃金に関する「決定、計算および支払い方法、締切りおよび支払いの時期」の事項については、就業規則で定めなければいけません。加えて、従業員と労働契約する際に書面で明示する必要があります。パートに関しても、パート法6条に文書交付等の規定が定められていますので、ご確認ください。

賃金額は“最低賃金法で定められている範囲”がひとつの基準となります。ただし、都道府県労働局長の許可を受けたときは、労働能力やその他の事情を考慮して、厚生労働省令で定める率を乗じた金額を最低賃金から減額することが可能です。減額できる割合は最大で20%です。この制度を「試の使用期間中の減額特例」といいます。
厚生労働省の中央最低賃金審議会(目安制度のあり方に関する全員協議会)で示された統計資料によると、「試の使用期間中の減額特例」の許可件数が全くない年もあります。

試用期間については必要最小限とされており、最長でも“6ヵ月”が一般的だといえます。1年の試用期間を「長期間、労働者の立場が安定しない」として認めなかった判例もあります。

まとめ

賃金や試用期間だけでなく、労働基準法では「使用者は、見習いなど技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者の“酷使”をしてはいけない」と定めています。
“酷使”については、労基法コンメンタールにて「個別的に一般社会常識に従って判断するほかない」とされています。
試用期間を設けるのは判断が難しい場合がありますので、専門家にご相談されることをおすすめします。