当社では定期的に安全衛生委員会を開催しておりますが、最近、会議がややマンネリ化してきています。法律上の実施義務であるため、きちんと中身のある委員会にしたいのですが、なにか良いアイデアはないでしょうか?
目次
【結論】時事問題を議題に加える、社内データの分析など、しっかりと情報収集をして会議に活用しましょう。
1. 安全衛生委員会とは
一定の基準に該当する事業場では安全委員会、衛生委員会(または両委員会を統合した安全衛生委員会)を設置し、毎月会議を開催することが義務付けられています(安衛法17~19条)。この会議では労働災害の原因および再発防止対策について調査審議を行いますが、開催することが目的になってしまうとマンネリ化することがあります。
2. マンネリ化を防止するために
(1)時事的な問題を取り入れ、自社に当てはめる
例えば、最近社会的な問題となっている“長時間労働による過労死”、“将来の労働人口不足”、“重大災害”などを議題の1テーマに取り上げてみましょう。
時事的な問題は、テレビ、ネット、新聞などのメディアをチェックすれば、ピックアップできます。そのような当該課題を自社にあてはめ、自社における課題や対策の方向性、あるいは国の施策や法規制の動向を関係者で議論するのは、とても有意義な活動です。
(2)社内データを分析する
社内の“残業時間”、“休日出勤”、“休暇取得状況”などを毎月確認してみましょう。その結果から長時間労働が常態化していないか、季節的な変動はあるかなどを分析します。人員配置の適正化やパートやアルバイトも含めた新規人員の採用の検討、既存労働者の多能工化により業務効率を向上させるなど、必要な教育訓練(OJT、Off-JT)について検討することもできます。
(3)ネット情報を活用する
インターネットから議題の情報を収集するのも有効です。2月は“花粉症”、4月は“新入社員の5月病”、6月は“熱中症”など、季節にふさわしいテーマが多数、紹介されています。
(4)労働者の意見を取り入れる
労働者にとって快適かつ安全・安心な職場づくりを行うため、労働者から職場環境に対する意見を聴取しましょう。現場は業務の最前線です。熟練労働者の退職による技術力維持の問題、設備レイアウト改善の要望、空調設備や禁煙・喫煙エリアの確保など、職場環境に関するニーズはたくさんあるはずです。
3. 委員長や事務局の役割
会議の重要性に鑑み、委員会の委員長は会議の開始から終了まで必ず出席しましょう。また事務局は、事前に委員長と委員に対して議題を案内し、各人が事前検討する期間を設けましょう。当日提示するよりも、議論が活発になる利点があります。