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【第4回】HRテクノロジーの導入に対して、高齢な経営陣が難色を示しています… ~ 電撃人事エグゼクティブが斬る!

Q.HRテクノロジーを活用して、人事の労務管理業務負荷を軽減させたいのですが、高齢な経営陣が導入に難色を示しています。データ化することで、今までブラックボックスだった部分が明らかになってしまうことに抵抗があるようです。どのように説得したらよいでしょうか。

A.経営陣を説得するキーワードは「リスクマネジメント」、「コンプライアンス」、「透明性」。ブラックボックスに先陣を切ってメスを入れるのは人事のリーダーの仕事。

これは興味深い、というかなかなか危険な質問ですね…。もう経営陣がブラックボックスの中に、会社として知られてはいけない事実がある、いわゆる公平性を欠いた事実があると認めてしまっているということですよね。

これは「リスクマネジメント」の観点からも、そのままにしておくのは大変よろしくないです。説得に応じない経営陣がハッピーリタイアメントするまで放っておくと、その間も残っている社員たちがブラックボックスの中のひずみや不公平な事実に苦しめられることになります。たとえば、この不都合な真実が会社の利益などに直結する問題であれば、早く知っておけば何か対策ができるかもしれません。そう考えると、とても今の経営陣が退陣するまで待ってはいられないですよね…。

このブラックボックスに入っている問題が犯罪に関することだとしたら、「コンプライアンス」上でも大問題です。世界中で情報の「透明性」が重要視され、各企業が努力している中、自社に都合の悪い情報を隠蔽し続ける体質の会社など受け入れられるはずがありません。

ここは人事のトップが先導して、ブラックボックスにメスを入れて会社の状態をオープンにしていくべきでしょう。勇気をもって、かつ言葉を選んで正しいことをするべきです。経営陣の糾弾というより、会社のためを思って「リスクマネジメント」「コンプライアンス」「透明性」といった観点から改善が必要なことを説明していけば、きっとわかっていただけるでしょう。

英語のことわざで「スケルトン・イン・ザ・クローゼット(skeleton in the closet)」という言葉があります。クローゼットの中にある死体が白骨化して見えている状態のことで、生きている中でいろいろと知られては困ることがある、いわゆる身内の恥を示す言葉なのですが、まさにこの状態ですね…。ブラックボックスのままにされて困るのはあとに残る社員たちなので、彼らが困ることのないよう、ぜひ勇気を出してオープンにしていきましょう。

電撃人事エグゼクティブからの金言

ブラックボックスで苦しむのは後に残る社員たちなので、そのまま放置は危険。高齢な経営陣のリタイアを待たず、言い方に注意して「リスクマネジメント」、「コンプライアンス」、「透明性」の観点から、ブラックボックスをオープンにした上で対策を!


今回の回答者
石坂 聡氏 Ishizaka Satoshi
(Asian Caesars 代表)

HRコンサルタント協会 理事。
外資系金融機関の人事部長を歴任。2013年にコカ・コーライーストジャパンの常務執行役員人事本部長に就任し、約30社の人事制度統合、企業文化改革、多大なるシナジー創出などを短期間で実現。電撃人事エグゼクティブとして名を馳せた。

2017年10月にAsian Caesarsを立ち上げ、人事改革とグローバル人材育成のエキスパートとして、人事顧問サービス、エグゼクティブコーチング、講演など幅広く活躍。
大手企業のリーダー達への変革指南で多忙な日々を送る。


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