担当者が不在になると周囲の人がその業務について全く分からず、困ってしまう場合はありませんか。そのような職場では情報共有が足りていません。情報共有がされていない職場は、人間関係も希薄になり生産性も下がってしまいます。
それでは、情報共有の効能や組織が大きくなる上で意識すべきこと、具体的な情報共有の手法をご紹介します。
目次
情報共有により、得られるものとは
会社という組織に属している以上、複数の人間が働いています。チームで働く上で、最も大切なのは情報共有です。情報共有がされなければ仕事が円滑に進めることができません。
情報共有はチームワークの基本
チームで情報共有がされなければ、「今、誰が何の仕事をしているのかわからない」という状況に陥ってしまいます。このような状況になってしまうと、より良い仕事をするために仕事を手助けしたり、アイデアを出しあったりすることがなくなり、チームとしての成長がストップしてしまいます。
情報共有不足で失ってしまう最も大切なもの
情報共有が不十分な場合、最も大きな問題は「信頼関係の損失」です。ただ情報を伝え忘れてしまっていただけだったとしても、相手の受け取り方次第では「意図的に伝えられていなかったのではないか」と悪い方向に解釈される可能性があります。
信頼関係が失われてしまった場合、「自分も情報を伝えられていなかったので、相手にも伝えなくてよい」と考えてしまい、ますます情報が共有されず、チームワークもなくなってしまいます。このような状況が続くと、働くことやチームへの貢献に対するモチベーションが低下し、人間関係が破綻してしまいます。
大人数の職場でより意識すべきこと
組織が大きくなり、社員が多くなればなるほど経済的には成長してきます。しかし、多種多様な価値観の人間が多数集まると、意識して情報共有をしなければ人間関係が崩壊しやすくなってしまいます。
なぜ少人数のほうがやりがいを感じやすいのか
よく創業者の体験談を聞いていると、「会社を立ち上げた当初が一番楽しかった。あの頃の仲間は今でも戦友だ。」という話があります。これは、「若くて体力があったから」「成長する過程を実感できたから」という理由だけではありません。
答えは「少人数で情報共有しやすかったから」です。少人数であれば、誰が何の仕事をしているのかが明確にしやすく、チームで働く喜びが得やすくなります。
大人数になればなるほど情報共有を意識する
大人数になっていくと、情報共有は意識しなければうまくできません。
情報共有をすることで2つ得られるものがあります。
・チームメンバーの仕事が把握でき、お互いに助け合うことができる
・コミュニケーションが円滑にでき、信頼関係が構築される
これらの状況が続くと働くことへのモチベーションも上がり、生産性も高まります。
大人数になったとしても情報共有をし続けることで、会社のビジョンや目的が明確になり、チームも成長することができるのです。
働き方改革に向けて、「見える化」ができること
働き方改革に伴い、長時間労働が見直され、残業時間の削減が必要になりました。より効率よく働くため、労働生産性を上げなければいけません。そのためには、「誰が何の仕事をしているのかわからない」という、仕事の属人化を防ぐ必要があります。
仕事の属人化は、情報共有をして「見える化」することで改善できます。自分たちの仕事をどのように変えていきたいのかというゴールを明確にし、そのために何を把握しなければいけないのかを考え、チーム全体で情報共有することで初めて「見える化」する価値が生じます。
それでは、仕事を「見える化」することで可能になる3つのことをご紹介します。
仕事の標準化
職場のなかで、担当者しか分からない属人化してしまっている仕事は多々あります。属人化してしまうと、他の人が手助けすることができず、担当者が休んだ場合業務がストップする危険性があります。そこで、属人化している仕事を「見える化」し標準化することでリスクを回避することができます。
標準化するにあたり、業務をプロセスごとに分けた「プロセスマップ」や「フロー図」を担当者が作成すると、周囲に伝わりやすくなります。属人化した仕事を見える化し、周囲の人にも詳細を伝え、皆でアドバイスしたり改善したりし、仕事を標準化しましょう。
人材の最適配置
人の能力は千差万別です。人材を適材適所に配置することで、能力を最大限に生かすことができます。そこで、職場のメンバーの能力を「見える化」してみましょう。
仕事における必要な才能は多岐にわたります。どの能力を誰がどれくらい持っているのか、マトリックス図で表してみましょう。この時注意しておかなければいけないのが、能力がある人だけが素晴らしいというわけではありません。人は必ず成長します。知識と経験が能力につながるのです。これからスキルアップするためには、どの能力を高めていけばいいのかという視点を持ち、マトリックス図を生かすようにしましょう。
仕事量の平均化
職場において、同じ部署であってもとても残業の多いチームと、余力のあるチームが存在する場合があります。仕事量を「見える化」すると、こういった偏りを無くし、組織の能力を最大限に生かして、チーム力を高めることができます。
まず、仕事をタクスカードに書き出し、担当者別に張り出しましょう。「本日中に終えなければならない仕事」、「取り掛かり中の仕事」、「終了した仕事」をわかるようにすると、仕事量が一目瞭然となり、周囲と調整することが可能になります。
まとめ
お伝えしてきたように、職場で必要なのは情報共有です。情報共有するためには、使用するツールよりも、まず全員が情報共有する意識を持ち、風通しの良い風土をつくり上げていくことが重要です。気軽に質問や雑談ができる職場では、チームワークも向上し、生産性も上がります。
是非、ご自身の職場での情報共有はどうなっているか、振り返ってみましょう。