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徹底的に生産性を高める! 残業時間月平均8分を実現するカオナビの企業文化

今最も勢いのあるHRテクノロジー「カオナビ」を提供し、ここ3年で利用企業数を100社から1,000社以上にまで伸ばしている株式会社カオナビ。
たった3年間で、なぜそこまで急成長ができたのでしょうか?そこには、「時間を使わず、頭を使う」という株式会社カオナビのカルチャーに基づいた改善や制度がありました。
そこで今回は、株式会社カオナビ 執行役員 コーポレート本部長の藤田豪人氏、コーポレート本部 人事・総務グループマネージャーの小野佳乃子氏に、その文化や活動について詳しく伺いました。


カオナビが最も大事にしている価値観、
「労働時間が長いことを良しとしない!」

ここ3年間の急成長に伴い、採用活動にも力を入れていらっしゃいますか?

藤田氏:
年々事業が拡大しているので、それに伴って中途採用のみに力を入れていました。ですが、最近は人事体制にも余裕が出てきたので、来期から開始予定の新卒採用にも注力し始めています。最近は優秀な学生を採用することが難しくなっているので、通年採用の導入によって優秀な学生と接触できる機会を増やそうと考えています。

現状では、中途採用の方が多いということですね。その場合、即戦力であると同時に前職での価値観がカオナビの価値観と衝突することもありそうですが、そのような問題をどう解決していますか?

藤田氏:
価値観が衝突するのは当たり前だと考えています。それを前提として、一人ひとりと話していくしか解決方法はないと思います。また、価値観のギャップで私が一番多いと感じるのが、「労働時間が長いことを美徳としない」というカオナビの価値観とのギャップです。カオナビには、生産性を徹底的に上げるために「時間を使わず、頭を使う」というカルチャーがあります。ですので、前職で遅くまで残業をしていた方の多くは入社当初、このギャップに戸惑うことが多いですね。

うちには「フレックス±20時間制度」という、所定労働時間より20時間多くても少なくても給与は変わらない制度があります。この制度で所定労働時間に幅を持たせてあげると、一人ひとりが業務のコントロールをしやすくなります。ある日は業務量が多く残業することになっても、別の日では業務量を少なくして早めに退社する、という働き方もできます。この制度を取り入れた結果、社内の1ヵ月の平均残業時間が8分になりました。

生産性を上げるために何か他に行っていることはありますか?

藤田氏:
四半期に一度、「断捨離会議」というものを行っています。その会議では、社員が社内でいらないと考えているものを議題に挙げて、無駄を省いていくための話し合いが行われます。承認されたものの例として、「お客様が来社されたときに総務の方が迎えに行く」という業務フローが省かれました。「お客様を部屋にお通しして、飲み物を出す」という業務を担当者自身が行うことで、この業務を行っていた社員一人分の人件費を削ることにもつながりました。

生産性を上げるだけでなく、経費も含めて無駄を省くことが目的の会議になっています。他には、「鼻セレブ」のような良いティッシュを使わなくても、普通のティッシュで事足りるということで、「鼻セレブ」が断捨離されたという笑い話のようなものもあります(笑)。

社内研修はせず、知識・スキルは自分で取りに行く!

中途社員の方に対して、スキルアップのための研修などは行っていますか?

藤田氏:
スキルアップに関する研修は現場レベルではあるのですが、総務では今のところ行っていません。現在行っている研修としては、セキュリティ研修やインサイダー研修など、上場に伴って必要な研修を行っています。うちの社員の多くは「知識は自分で取りに行くから研修は特別必要ない」という考えを持っています。なので、研修を用意してほしいというよりは外部の研修などを受けるための費用を負担してほしいという意見が多く寄せられています。そういった意見を受けて、半年後に費用負担に関する制度が出来上がる予定となっています。

また、スキルアップに関して言うと、うちは「会社以外の場でも積極的にスキルを身に着けてほしい」という思いから副業を推奨しています。例えば、広報やマーケティングの仕事をしている人がそれらを副業にしていたりします。変わり種で言うと、ヨガやボイストレーナーを副業としている人もいます。ここにもうちのカルチャーが反映されていて、「会社でだらだら残業しても意味がないから、外部で何かスキルを身につけたほうがいい」という考えがあります。業務の生産性を高めて、空いた時間をスキルアップの時間に充てるということです。もちろん、競合が絡んだり、うちの業務に影響があるものは難しいですが(笑)。

中途社員が多くても和気あいあいな雰囲気で過ごせる制度「またぎ飲み」「ヨリアイ」

新しく入った中途社員に対して何かフォローのようなことは行っていますか?

小野氏:
主に3つのことを行っています。1つ目は、入社1ヵ月後の社長との面談です。ここでは、自分が行っている業務や職場で抱えている課題などがないか、詳しく聞くようにしています。2つ目は、3ヵ月面談です。これは社長との1ヵ月面談で見えてこなかった課題や本人がやりたいことを話していることが多いです。3つ目は、「パルスサーベイ」です。これは従業員満足度を図るためのアンケート調査のようなものですが、最近始めた試みで月に1回実施しています。パルスサーベイで使用する質問は、基本的にストレスチェックの質問に倣っていますが、それ以外にもカオナビ独自の質問も含まれています。そのアンケートを月1回、社員に回答してもらい、体調や気分などを私のほうで把握するようにしています。

パルスサーベイを始めてから何か効果はありましたか?

小野氏:
実施回数は少ないですが、効果はあったと思います。パルスサーベイから得られた、社員の体調・気分の変化や抱えている問題を、上司に伝える許可を頂いた方のみ、私が代弁することで、上層部に気づきを与えることができました。

他に社員の方が会社のカルチャーに馴染めるような施策や制度はありますか?

小野氏:
制度で言うと、「またぎ飲み」と「ヨリアイ」という制度があります。「またぎ飲み」は部署をまたいで飲み会を開催すると、またいだ部署の数に応じて1人当たり最大4,000円補助されるという制度です。弊社代表の柳橋がプライベート以外の飲み会を好まず、「飲みニケーションは意味がない」と考えています。ただ、「一緒に飲んで仲良くなることはある」とは思っているので、それをもとに作られた制度です。1回で6~7人ぐらい集まって盛り上がるので、毎月この制度を使っている人もいます。

「ヨリアイ」は経営層、マネージャー、一般社員が一緒になって、ちょっと豪華なランチを食べに行くという制度です。この制度は以前、従業員満足度調査をしたときに、「カオナビは中途社員が多く、仕事とプライベートの切り分けがはっきりしているので、横や縦のつながりが弱い」という意見がありました。そこで、横のつながりを意識した「またぎ飲み」の他に、今度は縦のつながりを意識したこの制度がつくられました。ランチに行くメンバーの組み合わせは、人事・総務グループがカオナビに登録されている趣味や経歴などの機能を使って決めています。この前は、アニメ好きというテーマでランチに行って仕事の話を一切せず、ものすごく盛り上がりました。他にも、スノーボード好きや野球好きなどのテーマで開催されたこともあります。

まとめ

株式会社カオナビでは、ただ業務時間を短くするのではなく、生産性を高めるために社員全員がなんらかの改善に努めていることが今回の取材で明らかになりました。社員全員がより良い方向を目指そうとする下地として、社歴に関係なく意見を言える環境であったり、フレックス±20時間制度をはじめとする柔軟な働き方が可能であることが、低い離職率や極めて少ない残業時間につながっているのでしょう。さらに、「またぎ飲み」や「ヨリアイ」という制度を整えたことで別の部署や役職の社員との関わりがより深まり、仲の良いアットホームな雰囲気が構築されています。
皆さまも、「残業をただ規制するのではなく、業務の付加価値を意識して仕事をする」という考え方を取り入れて、残業の削減を図ってみてはいかがでしょうか。

※2019年3月末時点の情報です