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新入社員の早期離職を防止する「バディ」制度とは?

新卒社員や新しく入社した中途社員をオンボーディングで育成し、定着してもらうことは、会社にとって重要なことです。特に新入社員の早期離職が課題になっている企業にとって、いかに彼らを定着させるかに頭を悩ませている人事部も多いのではないでしょうか。新入社員の定着をすすめる方法の一つとして、先輩社員が新入社員の教育係として面倒を見るバディ制度を取り入れている企業もあります。今回はバディ制度のメリットやデメリットについてご紹介します。

バディ制度とは?

バディ制度とは、新入社員が入社してから業務に慣れ、職場に定着するまでの期間、先輩社員を新入社員の教育担当としてあてがい、社内ルールをはじめ職務指導などを一対一で教え面倒をみる制度です。

一般的にバディとは、二人組、相棒という意味で使われています。テレビドラマや映画などでも単独行動せず、共に行動する相棒を指す言葉として使われていることから、制度の名称の由来となったようです。

入社して間もない新入社員は、会社のルールやビジネスマナー、仕事のやり方がわかないうえ、仕事に必要な知識も十分ではない状態です。先輩社員がバディとして付き添って教えることで、早期に一人前に成長させることを目的としています。

OJT(On The Job Training)も新入社員を育成するための方法ではありますが、バディ制度の場合は「わからないことはこの人に聞く」という相手、つまりバディをしっかり設けることで、より密接なコミュニケーションをとることができるといわれています。

バディ制度のメリット・デメリット

社会人に必要な知識、業務での疑問を、マンツーマンで徹底的にアドバイスし、新入社員をサポートする制度であるバディ制度。新入社員を会社に定着する方法としてはとても有効に感じられますが、どんな制度にもメリット、デメリットはあるものです。ここでは、バディ制度のメリット、デメリットを詳しく見ていきたいと思います。

バディ制度のメリット

バディ制度を導入するメリットは以下のようなものが考えられます。

・会社のルールや仕事のやり方を、一人で学ぶよりも早い段階で理解できる
・早く会社に慣れることができる
・いつでも相談できる相手がそばにいることで、安心感が生まれる
・会社に早めに馴染むことができるうえに安心して仕事に取り組めるので、早期離職防止につながる
・会社へのエンゲージメントアップにもつながる
・新入社員へ教える先輩社員側も、教えることで新しい気付きが生まれたり、知識を増やしたりできる

バディ制度のデメリット

では、バディ制度のデメリットはどのようなことが考えられるでしょう?

・先輩社員の負担が増える
・先輩社員によってサポートにばらつきがある
・教える先輩社員が継続して一緒に仕事を行う人の場合、今後の仕事に支障が出るのではと新入社員が考え、相談しづらくなる可能性がある。

このような問題を解決するためには、バディ制度への理解や研修等を企業側でしっかり取り組み、社内での理解を深める必要があるでしょう。



あえて性格の違う人をバディにするのもアリ?

バディを組んだ人同士の相性がよくなかったり、一方が相手に対して苦手意識を持ったりすることもあります。その場合はどうすればよいのでしょう?

仕事をするうえでは、自分と性格の違う人や苦手な人とコミュニケーションを取る必要がどうしても出てくるものです。仕事を続ける以上避けて通れない課題ともいえます。相性がよくない人間同士、どのようにコミュニケーションをとればいいのか?それを考え、実行することも一つの教育です。特に新入社員は、このような人間関係の中から、多くのことを学んでくれるはずです。会社という組織の中での人付き合いを学ぶよい機会にもなるので、あえて性格の違う人をバディにするのも一つの方法です。

テレワークでもバディ制度を絶やさないために

新入社員は仕事のやり方や悩みなどを、誰に相談すればよいかわからず、結果、なじめなかったりギャップを感じたりして、早期退職という道を選んでしまうこともあります。それを防ぐために、相談相手や手助けをしてくれる人が固定されたバディ制度は有効な手段といえるといえるでしょう。

しかしコロナ禍の昨今、テレワークを実施している企業では、バディ制度をせっかく導入したにもかかわらず、新入社員が先輩社員と思うようにコミュニケーションをとれない状況も出てきてしまっているでしょう。新入社員が不安を感じないようにする手段が必要になっている企業もあるかもしれません。そんな時にはオンライン会議システムやHRシステムを積極的に活用し、いつでも新入社員から相談を受けられる状況をつくり、コミュニケーションを絶やさない工夫を施してみてはいかがでしょうか。