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どんなリーダーにも不可欠な必須の能力とは?

勇敢な決断で組織を引っ張るリーダーや、堅実なやり方でメンバーを裏から支えるリーダーなど、一言にリーダーと言っても、タイプはさまざまです。しかしながら、リーダーに必要なスキルには共通点があります。

リーダーに求められる9つの必須要素

目標を定め、その実現のために組織を率いる、それがリーダーの役目です。リーダーは、部下たちの力を引き出し、その力を結集させて、個人では実現し得ない大きな結果を出すというミッションを担います。

求められるリーダー像は会社ごとに異なります。しかしながら、リーダーが身につけるべき必須事項は普遍的であり、それはリーダー研修によって体系的に学ぶことが可能です。では、リーダーにとっての必須事項とはどんなものなのでしょう?

以下の9項目があげられます。

<自覚>
個人の業績を追い求めるのではなく、組織としてのまとまった業績を求められる立場にあることを理解する。何ごとにも率先して対応する意識も求められます。

<判断力>
周辺の情報や部下からの報告などを精査し、現状を正しく把握したうえでの正しい判断が、正しい決断に結びつきます。

目標管理
到達すべきゴールを設定し、組織の方向付けを行います。部下たちに与えた個人目標の達成度を随時チェックすることも大切な仕事です。

<計画立案>
目標を達成するために、どんな段取りで仕事を進めるかを検討します。決められたスケジュール内で仕事を完遂させるべく、適切な「やり方」を選びます。

<課題認識>
目の前の仕事が、何のために必要とされているのかを正しく認識し、方向性を誤らないように常に注意します。また、目標達成を目指すなかで生じるさまざまな課題を、タイムリーに認識し、組織の舵取りに役立てます。

<リスク管理>
定められた期間内に目標を達成するため、障害となる事柄を把握していきます。発見されたリスクを解消、回避しながら組織を動かしていきます。

顧客満足の視点>
顧客や取引先、外部の利害関係者から何を期待されているかを知り、その期待に応えるためにはどうすればいいかを突き詰めて考えます。

<調整力(交渉力)>
率いている組織がゴールに向かって行けるように、中心となって各方面の関係者と協調を図ります。根回しや交渉のスキルもリーダーにとって必須です。

<組織運営能力>
人員を適材適所に配置し、定めたルールが守られるように組織をコントロールしていきます。部下とコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことも組織運営に役立ちます。

こうした素養、能力は、どんな会社でも変わることなく、リーダーにとって必要なものです。リーダーがリーダーたる仕事をするためには、天才的な能力や、カリスマ性は必要ありません。上記9項目を意識し、自分にあったやり方、組織にあったやり方でゴールを目指せれば、どんな社員も部下から信頼されるリーダーになり得ます。

どんなスキルが重要かはポストによって異なる

先にあげた9項目のうち、自覚、目標管理、計画立案、顧客満足の視点は、リーダー以外の一般社員にも必要なものです。

一般社員の場合、「自覚」は自分の役割を理解するために、「目標管理」は自分が達成すべき目標に向かって仕事をするために、「計画立案」は自分が担当する仕事を期間内に完遂するために、「顧客満足の視点」は顧客を意識して仕事の質を高めるために、それぞれ役立ちます。

そんな一般社員のやり方を発展させて、なおかつ行動指針を示しながらメンバーを巻き込んでいくのがリーダーの仕事です。そのために9項目をすべて身に付け、バランス良く発揮していく必要があります。

ただし、組織の規模や、役職レベルの違いなどによって、各項目の重要度は変わってきます。

リーダーになるのが初めての中堅社員であれば、まずはリーダーとしての「自覚」を強く意識します。そして、自分が率いるチームが会社から何を求められているかを部下に伝え、目標、スケジュールなどを意識して組織運営をしていくことになるでしょう。

一方、経営幹部であれば、全社への影響を考えた言動が求められます。それゆえに、判断力を磨いて大胆かつ勇敢な決断をする、経験や人脈を駆使して難易度の高い交渉を成功させる、会社や部下を難局から守るためにリスク管理能力を高めるなど、役職レベルが上がるほど、高い視点に立つことが求められるのです。

役職によって求められるスキルに違いがあるため、リーダー研修は対象となる層ごとに行うのが理想的です。就任した役職に応じて重要度が高いスキルを確実に学んでもらえるように、カリキュラムを組んでいきましょう。

最重要なのはコミュニケーション能力!

リーダーにとって必須となる知識、スキルなどを語ってきましたが、結果としてもっとも重要なのはコミュニケーション能力であるともいえます。「リーダーが考える指針を相手に分かるようにどう伝えるか?」「伝えられた側はどんな反応を示し、リーダーはどう応じるのか?」などは、すべてコミュニケーション能力が大きく関わる問題です。

目標を達成するための素晴らしい方法も、仕事をするなかで生じた新たな課題も、相手に伝わらなければ、次なる行動へとつないでいけません。相手の視点に立って、伝わる言葉で、誤解の生じない表現で、コミュニケーションの質を高めていきましょう。

同時に、相手がリアクションできる空気をつくることも大切です。意志や感情の「やりとり」ができてこそのコミュニケーションですから、リーダー側からの指示が押しつけがましくならないようにするのも大切です。

リーダーと部下のコミュニケーションがしっかり取れていれば、そこに信頼関係が生まれていきます。信頼関係は組織の一体感に直結し、生産性にも好影響があることは言うまでもないでしょう。リーダーはコミュニケーション能力を高めていくべきです。

リーダーならではの振る舞いを生まれながらにして実践している人もゼロではありません。しかしながら多くのリーダーは、研修で学び、スキルや知識を身に付け、自分なりのスタイルを確立しています。会社側は、今回紹介した9項目を意識しながら、リーダー候補となった社員に何を学んでもらいたいかをハッキリさせてから、リーダー研修を用意していきましょう。