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企業文化を浸透させて生き残れる会社に変わる!

会社が成長を遂げ従業員数が増えると、創業当初には想像しなかった問題が生じることもあります。従業員が個々にさまざまな価値観を持てば、時には経営陣の思いが届かなくなることもあるでしょう。そんな事態を防ぐために、自社独自の企業文化を浸透させておくことが大切です。

積極的な情報発信で企業文化を積極的に育む

経営者が掲げるビジョン、それを実現するためのミッション、局面ごとに必要となる判断基準や価値観に基づく従業員の活動が、慣習のレベルにまで落とし込まれたとき、そこに企業文化が生まれます。企業文化とは、従業員の間で共有された仕事をするうえでの規範や行動様式に他ならず、自社の強みや独自性が反映されていくことによって、会社の旗印ともなっていく重大な要素です。

企業内に定着した行動様式や判断基準などは、従業員にとって当たり前のものとなるため、企業文化は時に“空気のような存在”に感じられるかもしれません。だからこそ経営者は、改めてそれらを意識させるために「わが社は何を信じ、何のために存在するのか」を定期的に発信し、積極的に企業文化を育んでいく必要があります。

企業文化のあり方をどう調整するかは経営陣の腕の見せ所です。時代の流れや、市場動向によって人の価値観は変わり、クリアするべきミッションも変わるため、会社の舵取り次第で企業文化が変化していくのは当然のことだと考えられます。時代を読んで企業文化を紡いでいくことが好ましいでしょう。

企業文化と混同しやすい「企業風土」という言葉もありますが、似て非なる存在です。企業文化は、企業側と従業員が意識的に共有している価値観を示しますが、企業風土は現場の人間関係や体験などをベースに自然発生するのが特徴。また「社風」とは、従業員が感じる会社の特徴や雰囲気のことで、企業文化や企業風土とは異なる意味を持つ言葉です。それぞれの違いを理解して、混同を避けながら企業文化を育んでいきましょう。

会社にはどんなメリットが?企業文化が必要な理由

確固たる企業文化が会社に根付いていると、社内にはおのずと一体感が生まれ、従業員が同じ判断基準で仕事を進められるようになります。重要な選択を迫られる場面でも、企業文化が指針となって迅速な判断が可能になるため、業務のスピードも上がり、自信を持って仕事と向き合えるようになるでしょう。

さらに、企業文化と向き合うことで、従業員は「会社のために何ができるか」を自発的に考えられるようなり、積極性も増します。従業員同士の情報共有や相互協力も活発になるため、結果として生産性が高まり、業績アップも期待できるでしょう。

そして何よりも、企業文化に理解と納得を示す従業員は離職しにくく、その人数が増えれば長期的なプロジェクトを成立させやすくなります。加えて企業文化が世間に知れ渡れば、会社に合った就職希望者が集まりやすくなるため、採用活動にも好影響となります。完全に売り手市場となった今の就職・転職シーンでの人材獲得競争で、優位に立つことができるというメリットも生まれるのです。

逆に、企業文化が固まっていない会社では、何が正解なのわからない従業員が場当たり的に仕事をこなすことが多くなり、責任感ややりがいを感じられなくなってしまうことも。結果、従業員がなかなか定着せず、辞めた人員を補充するための採用活動に追われるという悪循環に陥る恐れもあるでしょう。

そんな事態を避けるためにも、経営において企業文化を重要視したいものですが、いくつかデメリットも存在しています。企業文化とマッチした人材が増えすぎると、思考が画一化されて、イノベーションが起こりにくくなり、それによってそりの合わない従業員や外部に対する排他的な思考が強まるなど、ネガティブな現象が起こることもあり、注意が必要です。

企業文化をつくり上げ、浸透させていくための秘訣

企業文化を浸透させていくためには、まず現状を知る必要があります。自社の強み、弱み、すでに浸透している価値観や行動基準などを、ヒアリングやアンケートによって洗い出し、経営陣が掲げているビジョンを実現するために、どんな発信方法がいいかを検討することが出発点となるでしょう。

発信する方法は、新たなミッションや新たな判断基準や価値観が明確にわかるような内容にします。わかりやすい言葉遣いで、共感してもらえる内容、納得感のある内容であることが理想。簡潔に文章化できれば、ウェブサイトや出版物などでも企業文化をPRできます。社内のみならず、関係企業や入社希望者にも自社の理念を届けることができるでしょう。

ロゴ、ブランド名、ユニフォーム、イベントなどを通じて企業文化を定着させることも可能です。それらのデザインや企画の背景やコンセプトを発信することで、企業文化が社外に伝わったり、制作に関わった人たちの間で「〇〇社はこうあるべき」という価値観や理念通念が育まれていくのです。

企業文化を浸透させるためには、社内制度の整備も重要です。企業が掲げるビジョン、ミッション、バリューに即した行動をした従業員に対するインセンティブや、評価、表彰などによって、社内での企業文化への意識は前向きなものとなるでしょう。

営業所が各地に点在しているような会社では、従業員が同じ方向を向いていることを確かめるために、全社的なコミュニケーションの機会を設けることも有効です。交流イベントや、各地をインターネットで結んだウェブ会議などを活用できます。

研修によって、創業時の理念や経営者の思いなどを伝えることも、企業文化の醸成に役立ちます。リーダーが体現者となって、メンバーの共感を誘っていくのも効果的ですので、リーダー教育も重要となります。

まとめ

企業文化に対する積極的な取り組みは、企業として長く生き残っていくためには不可欠です。経営者自身が確固たるビジョンを描き、幹部やリーダーを巻き込みながら、自社独自の企業文化を浸透させていきましょう。