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エンゲージメント

エンゲージメントとは?意味や高めるメリット、事例を紹介

公開日:2023.1.18

    目次

    エンゲージメントとは

    エンゲージメント(engagement)とは、「従事」「契約」「誓約」「婚約」「約束」などを意味する言葉です。婚約指輪のことをエンゲージメントリング、もしくはエンゲージリングと呼ぶことを考えるとイメージしやすいかもしれません。

    つまり、深いつながりを持った関係性を意味する言葉で、英語圏ではさまざまな意味で広く使われています。しかし、人事領域においては少し異なる解釈を持っています。

    人事領域での「エンゲージメント」の意味


    人事領域でのエンゲージメントとは、言い換えれば従業員が企業に持つ「愛社精神」や「会社への誇り」などに近いです。会社に対して愛着を持ち、従業員が企業の一員として貢献して、企業も従業員もともに成長していける関係をイメージしてみてください。「従業員エンゲージメント」と呼ばれることもありますが、同じ意味です。

    エンゲージメントは従業員が企業に対して持つものですが、エンゲージメントを高めるためには企業側の努力も必要になります。エンゲージメントを高めるためには、従業員が働きやすい職場環境や、理想とするキャリアや目標を達成できる仕事へのやりがい、企業の理念・ビジョン・社風への共感の3要素が重要です。

    マーケティング領域における「エンゲージメント」の意味

    マーケティング領域におけるエンゲージメントとは、企業と顧客・消費者間の結びつきを示しています。顧客や消費者が企業に対して良い印象を持っていて、その企業の商品・サービスを継続して購入・利用している状況が、マーケティング領域におけるエンゲージメントが高い状態です。

    たとえば、他社からも同じようなスペックのパソコンが販売されているのに、多少他社の製品より値段が高くても、特定のメーカーのパソコンを購入する顧客は、エンゲージメントが高いといえます。ただ購入するだけでなく、SNSや口コミで高評価を残してくれるのもエンゲージメントが高い状態といえるでしょう。エンゲージメントの高さは、こういった顧客の行動を基準として判断します。

    また近年はSNSの投稿に対するユーザーの「いいね」や「シェア」、「クリック」「インプレッション」などのリアクションを図る指標としての「エンゲージメント」も注目されています。

    エンゲージメントと従業員満足度、ロイヤルティとの違い

    人事領域におけるエンゲージメントに似た言葉として、従業員満足度従業員ロイヤルティがあります。一つひとつ見ていきましょう。

    従業員満足度


    従業員満足度は、企業が提供する報酬や待遇、職場環境などに従業員がどの程度満足しているかを示す指標です。企業が従業員のために行っている取り組みを、従業員が評価するものです。

    エンゲージメントは企業と従業員双方の結びつきを表すため、従業員のエンゲージメントが高いと企業の業績がアップするという相関が期待できます。しかし、従業員満足度は従業員が企業を一方的に評価するものですから、従業員満足度が高いからといって企業の業績がアップするとは限らないのが難しいところです。

    従業員ロイヤルティ


    ロイヤルティ(Loyalty)は「忠誠」「忠実」という意味の英語で、従業員ロイヤルティとは、従業員が企業に対して持っている忠誠心を表しています。

    エンゲージメントと似たような概念ですが、エンゲージメントでは企業と従業員が対等な立場にあるのに対し、ロイヤルティは企業と従業員に主従関係があるのが特徴です。従業員が企業に忠誠心を持って尽くしている状態で、企業が絶対的な権力を持っています。

    特許使用料など権利の使用料を意味するロイヤリティ(Royalty)とは意味合いが異なるため、間違えないようにしましょう。

    エンゲージメントが注目される理由

    人事領域でもマーケティング領域でもエンゲージメントを高めることは欠かせません。重要視している企業も年々増えています。その理由を見ていきましょう。

    優秀な人材の流出を防ぐため

    エンゲージメントが注目される大きな理由の一つが、優秀な人材の流出を防ぐことです。現代は実力や実績による人事評価を行う企業が多くなりました。終身雇用制度が姿を消そうとしている今、優秀な人材ほど、より待遇や条件がいい職場に転職する可能性が高くなっています。優秀な人材は他社にとっても魅力的な存在なので、引き抜きに合う可能性もあるでしょう。

    企業と従業員が待遇・条件だけで繋がっているような状態だと、人材の流出を招いてしまうかもしれません。労働人口の減少も相まって、今いる人材を確保することは、企業にとっての重要な課題です。そのため、エンゲージメントを高めて従業員との結びつきを強くすることが求められています。

    従業員の価値観の変化に対応するため

    日本では終身雇用制度が当たり前で、一つの会社で長く働き続けることが良いこととされる時代がありました。しかし、現在は個人がインターネットを通じて、世界の価値観に触れることができます。

    そのため、終身雇用ではなく、雇用スタイルや仕事への意義にもさまざまな価値観を持つ人が増えてきました。とくにデジタルネイティブである若い世代は多様な価値観を持っており、出世することを重視する人もいれば、自分らしく働き続けることを重視している人もいます。

    こういった従業員の価値観の変化に対応するためには、従来の一辺倒なマネジメントでは十分ではありません。一人ひとりの価値観を大切にするために、働きやすさや仕事へのやりがい、企業への共感の要素を重視し、エンゲージメントを高めたいという企業が増えてきています。

    エンゲージメントを高めるメリット

    時間やコストをかけてでも従業員のエンゲージメントを高めることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。5つのメリットを紹介します。

    離職率の低下

    従業員が自社に対して愛着を持ち、企業との深い結びつきを構築できていれば、離職率を下げられます。万が一、他社からより良い条件・待遇の提示があったとしても、今いる職場でやりがいを感じていて「この会社で成長したい」という思いがあれば、離職してしまう確率を下げることができるでしょう。

    海外のエンゲージメントに関するある調査では、「従業員エンゲージメントが増加すると、離職率が低下する」「エンゲージメントの低い従業員が離職する割合は、エンゲージメントの高い従業員よりもかなり多い」ということもわかっています。

    人材不足を解消し、優秀な人材に高いパフォーマンスを発揮してもらうことは企業にとって重要な課題です。エンゲージメントを高めれば、優秀な人材を確保できるうえ、経験豊富なベテラン社員を定着させることができるかもしれません。

    従業員の生産性の向上

    株式会社リンクアンドモチベーションと慶應義塾大学が発表した共同研究によると、エンゲージメントを向上させることで、労働生産性や営業利益率も向上するということがわかっています

    エンゲージメントが高い従業員は、モチベーション高く仕事をしてくれるはずです。それによってパフォーマンスも上がります。各従業員の生産性が向上すれば、会社全体の生産性も上がり、業績アップが目指せるようになるのです。

    組織の活性化

    会社に対するエンゲージメントが高まれば、従業員はロイヤルティも持つようになります。企業の決断や方針に対して信頼感を持っている状態ですから、企業の目標を達成するために、主体的な行動をしてくれるようになるでしょう。

    エンゲージメントが高い従業員は、新たなアイデアやそれを実現するための知識・スキルも積極的に学ぶ傾向にあるため、組織はどんどん活性化していきます。相乗効果で企業の業績も上がり、従業員一人ひとりの能力もアップして、win-winの関係が築けるでしょう。

    職場の雰囲気の改善

    エンゲージメントが高い社員が集まっている職場では、従業員同士もお互いを信頼する人間関係が構築されます。お互いの能力や努力を認め合い、協力して業務に取り組むようになるため、職場の雰囲気は大きく改善されるでしょう。信頼関係を築いた同僚と目標を達成することで、一人で努力するだけでは得られない達成感も感じられます。

    その結果、より働きやすい職場環境で、やりがいを持って働けるようになるため、さらにエンゲージメントが高まる好循環が生まれるのです。

    顧客満足度の向上

    エンゲージメントの高い従業員は、企業や同僚だけでなく、顧客にもいい影響を与えます。仕事にやりがいを感じているため「もっと結果を出したい」「自社の製品・サービスを多くの人に知ってもらいたい」という気持ちが芽生え、熱意を持って顧客に接するようになるのです。

    顧客とのコミュニケーションが円滑になり、その結果、顧客満足度も向上します。顧客に製品・サービスのファンになってもらうことができれば、顧客エンゲージメントが上がって、会社の業績アップにつながるでしょう。

    エンゲージメントを高めるためには?

    エンゲージメントを高めることは、従業員にとっても企業にとってもさまざまなメリットがあります。企業がエンゲージメントを高めるためにできる行動には、どのようなものがあるのでしょうか。

    従業員エンゲージメントを向上させる要素

    従業員エンゲージメントを向上させる要素は、大きく分けて3つあります。

    経営理念や社風への共感

    従業員エンゲージメントを高めるためには、企業の経営理念や社風に共感してもらう必要があります。共感を得るためには、まず経営理念や社風を従業員にしっかりと伝えなければなりません。

    企業と従業員が同じ方向を向いてはじめて、従業員はモチベーション高く、熱意を持って業務に取り組むことができます。経営理念や社風に共感していなければ、従業員は業務を自分ごととして考えられないため、従業員エンゲージメントは下がってしまうでしょう。

    働きやすい環境

    大きなストレスがなく、安心して働ける環境も、従業員エンゲージメントを向上させるために欠かせない要素です。企業が提供している職場環境や、企業風土を「働きにくい」と感じてしまえば、必然的に従業員エンゲージメントは下がってしまいます。

    働きやすい環境では、従業員同士のコミュニケーションが活発で、立場や年齢にかかわらず、積極的に意見交換ができます。また、一人ひとりの強みや特性に合った人員配置や、無理がない業務量も働きやすさには欠かせません。テレワークやフレックスタイムなど、多様な働き方が可能かどうかも、働きやすい環境かどうかを左右するでしょう。

    成長ややりがいを感じられる環境

    仕事を通して成長ややりがいが感じられる環境を提供することも、エンゲージメントを高めるために欠かせない要素です。いくら経営理念や社風に共感していて、働きやすい環境であったとしても、自分の努力が結果となって返ってこなければ、仕事へのやりがいを感じることはできません。

    この場合の結果というのは、「数値での定量的な結果」と「上司・同僚などからの評価による定性的な結果」の二つがあります。この二つを満たすことで、従業員は成長ややりがいを感じることができ、「もっと成長したい」「会社に貢献したい」という気持ちを引き出すことができるのです。成長ややりがいを感じられれば、従業員の自己肯定感が高まり、さらに高いモチベーションをもって仕事に取り組むことができるでしょう。

    従業員エンゲージメントを向上させる取り組み

    従業員エンゲージメントを向上させる3つの要素を踏まえたうえで、具体的にどのような取り組みを行えば、従業員エンゲージメントを向上させられるのでしょうか。ここでは取り組み例を紹介します。

    現在の従業員エンゲージメントを調査する

    従業員エンゲージメントを向上させるための効果的な取り組みを行うためには、現時点での従業員エンゲージメントの状態を把握しなければなりません。従業員がどの程度経営理念を理解しているか、どんな職場環境を求めているか、どんな点にやりがいを感じているかを正確に知っておかなければ、間違った方向に進んでしまう可能性があります。

    従業員エンゲージメントの調査・測定する方法は、次章で詳しく説明します。

    経営理念やビジョンを発信する

    「経営理念やビジョンは会社のホームページに掲載している」という企業も多いでしょう。しかし、ホームページに掲載しているからといって、それが従業員に届いているとは限りません。

    それに、経営層から従業員に伝えたいことは時代や時勢に伴って変化していくこともあるはずです。今一度経営理念やビジョンを明確にし、従業員に向けてしっかりと発信しましょう。総会などで直接伝えてもいいですし、情報共有ツールを利用していつでも情報にアクセスできる環境を作るのもおすすめです。また、経営理念やビジョンに関する勉強会・研修を行うのも効果的な取り組みといえます。

    ワーク・ライフ・バランスを整備する

    仕事とプライベートのバランスが取れていることをワーク・ライフ・バランスといいます。ワーク・ライフ・バランスの整備は、社員の健康を管理することにつながります。心身ともに健康状態が悪くては、仕事に従事することができません。

    残業時間の見直しや業務量の見直しなどは、ワーク・ライフ・バランスの整備につながります。またどのようなライフステージにいる従業員でも働きやすいように、テレワークやフレックスタイム、短時間勤務などの制度を整えることも効果的です。プライベートが充実する福利厚生の見直しも、ワーク・ライフ・バランスの整備につながります。

    上司とのコミュニケーションを取る機会を増やす

    上司から部下に対してはコミュニケーションが取りやすくても、部下から上司は難しいケースもあります。1on1ミーティングの機会を用意するなどして、上司とコミュニケーションを取る機会を増やせば、働きやすさも向上するでしょう。

    ただ、決まった機会だけでしかコミュニケーションが取れないと、問題が発生したときの対応や、原因を把握することが難しくなります。また、従業員の成長機会も奪われてしまう可能性もあるでしょう。フリーアドレスの導入や、上司との距離が近いオフィスレイアウトへの変更もおすすめです。

    かしこまった面談ではなく、フラットに意見交換ができるような場を作ってみるのもいいでしょう。マネジメント陣に研修の機会を与えて、意識改革を行うのも効果的です。

    従業員同士のつながりを強化する

    従業員同士のつながりを強化すれば仲間意識が生まれ、良好な人間関係を築けるようになります。一緒に働く仲間とのつながりを作ることは、従業員同士の協力を促し、一人では感じられない達成感が感じられる土壌づくりにもなります。

    従業員同士のつながりを強化するための取り組みとしては、社内イベントの開催や部活動の促進・費用補助などが考えられるでしょう。また、部署のランチ代や飲み会の補助なども、従業員同士のコミュニケーションを活性化させ、つながりの強化になります。

    公平な評価を行う

    従業員全員が公平に評価されていると実感できる評価制度の導入も、エンゲージメントの向上につながります。明確な評価基準を作り、内容を周知徹底させることが大切です。評価基準は誰から見てもわかりやすい内容にしましょう。

    人事評価制度にはさまざまなものがありますが、自社に合った評価制度かつ従業員が納得できる制度を導入することが重要です。現在の評価制度に従業員が納得しているかを調査し、必要であれば見直しを行いましょう。360°評価MBO目標管理制度は、公平公正な評価ができる方法です。

    適切な人材配置を行う

    従業員を適材適所に配置することも、エンゲージメント向上には欠かせない取り組みの一つです。従業員ごとに仕事をするうえでの目標や実現したいキャリアは異なります。そのため、それぞれが能力や強みを活かせる人材配置をすることは非常に重要です。

    一人ひとりに合ったポジションや業務を任せることで、やりがいや組織の中での自分の価値を見いだせます。組織全体でエンゲージメントを向上させるための施策が思うようにいかないのであれば、個人のエンゲージメント向上のための施策に重点を置いてみるのがおすすめです。

    成長の機会を与える

    従業員に成長の機会を与えることも、エンゲージメント向上に最適な取り組みです。成長は個々の努力によって得られるものですが、企業側がその機会を提供することで企業に対する思い入れが変わってきますし、さまざまな事情で成長のための取り組みができかった従業員の成長にもつながり、結果的に企業側にも利益が生まれます。

    たとえば、研修制度の充実、資格取得支援や通信講座、e-ラーニングなどの費用補助などを導入し、従業員が業務に必要なスキルや能力を身につけられるようサポートするのもよいでしょう。資格を取得した場合の報奨金制度もエンゲージメント向上には有効です。

    エンゲージメントの調査・測定方法

    エンゲージメントを向上させるためには、まず現時点のエンゲージメントを調査・測定し、把握しておく必要があります。エンゲージメントの状況を把握しないことには、向上のための最適な施策が行えず、何らかの施策を導入しても、思うような結果が得られません。

    従業員エンゲージメント測定における重要な3つの指標とエンゲージメントサーベイについて解説します。

    従業員エンゲージメント測定において重要な3つの指標

    従業員エンゲージメントを測定するうえでは、これから紹介する3つの指標が有名です。それぞれどのような指標なのか理解しておきましょう。

    エンゲージメント総合指標

    エンゲージメント総合指標は、従業員が自社に対してどのような思いを持っているかを総合的に示すものです。具体的な観点としては以下の3点が代表的です。

    • eNPS(Employee Net Promoter Score):働いている会社を友人・知人に勧めたいか
    • 総合満足度:総合的に見て今の会社にどの程度満足しているか
    • 継続勤務意向:今後もその会社で働き続けたいか

    エンゲージメントレベル指標

    仕事に対して熱意ややりがいをもって働けているかどうかを示すものです。ワークエンゲージメント指標とも呼ばれます。エンゲージメントレベル指標は、以下の3点を測定するための質問で構成されています。

    • 熱意:仕事に対してやりがいを見いだせているか
    • 没頭:主体的に仕事に取り組めているか
    • 活力:モチベーション高く仕事に従事し、楽しんで働けているか

    エンゲージメントドライバー指標

    今後従業員エンゲージメントを高めるにあたって、従業員はどのような要因を求めているかを測定するのがエンゲージメントドライバー指標です。この指標は、以下の3項目で構成されています。

    • 組織ドライバー:職場の働きやすさや人間関係
    • 職務ドライバー:従事している業務の難易度ややりがい
    • 個人ドライバー:個人のスキルが業務に及ぼす影響

    エンゲージメントサーベイとは

     
    エンゲージメントサーベイは、企業と従業員間のエンゲージメントを数値化するための調査のことです。一般的にはアンケートの手法を用いて、先述のような指標を明らかにするために調査されます。エンゲージメントサーベイの結果は、エンゲージメント向上のための施策を決めるために必要です。

    エンゲージメント調査(サーベイ)の質問項目事例

    エンゲージメントサーベイで設定される質問項目の中から、代表的なものをいくつか紹介します。
    具体的には以下のような質問を設定します。

    • 職場で自分に何を求められているのかを理解しているか
    • 業務を円滑に行うための材料やツールが用意されているか
    • 自分が最も得意とすることを行う機会が毎日職場で与えられているか
    • 直近1週間以内に、業務内容や成果を認められたり、褒められたりしたか

    このような質問を通して、職場環境や人間関係、個々が仕事に貢献しているか、またどんな貢献ができているかなどを調査します。
    >>さらに詳しい質問事例はこちら

    従業員エンゲージメントが高い企業とは?事例紹介

    最後に従業員エンゲージメントが高いことで知られている企業の事例を紹介します。

    スターバックスコーヒージャパン

    エンゲージメントが高い企業の代表格として知られているスターバックスコーヒージャパンは、正社員だけでなく、多数のアルバイトを抱えており、アルバイトのことをパートナーと呼んでいます。雇用形態に関わらず、充実した研修制度を設け、コンテストを開催して従業員にさまざまな成長機会を与えているのが特徴です。

    また、企業理念やポリシーを明確に発信し、全ての従業員が会社と同じ目標を持って業務に取り組めるようにしています。一人ひとりが持つ高い意識が、スターバックスのサービスレベルを高めています。従業員からの意見も積極採用してサービスに反映しているのも特徴です。

    ユーザベース

    企業・業界分析を行うためのプラットフォームやSNS機能を兼ね備えた経済ニュースプラットフォームを運営しているユーザベース。「7つのルール」と「4つのやらないこと」を明確に提示しているのが特徴です。個々に成長の機会を与えるための資格取得報奨金制度や、多様な働き方を実現するためのリモートワーク制度も導入しています。

    従業員に経営理念やビジョンを浸透させるため、カルチャーチームという組織を立ち上げ、従業員の意見や抱えている問題を上層部に伝えて、解決に向けた取り組みを行っているのも他社ではあまり見られない特徴といえるでしょう。

    ヤマト運輸

    従業員同士がお互いを評価する満足ポイント制度を導入したヤマト運輸。イントラネットで簡単に同僚の評価コメントを投稿でき、投稿した側にもポイントを与える制度です。一年間でこのポイントを集計し、評価が高い従業員にはバッジを付与しています。

    一緒に働く仲間に評価されれば、やる気や仕事へのやりがいも感じやすくなります。また双方の信頼関係も強まり、社内の人間関係がよくなるというメリットがあるのもこの制度の特徴です。見えづらい評価を見える化することで、お互いを褒め合う社風を築いています。

    小松製作所

    マネージャー陣の意識改革を行うことで、従業員が働きやすい職場環境を整備することに成功した小松製作所。現場でエンゲージメント向上の鍵を握っているマネージャー陣がエンゲージメントを理解することで、チーム内の人間関係もよくなり、従業員が円滑に働けるようになっています。

    また各従業員が自身の能力を発揮できるよう、研修制度を充実させ、プロフェッショナルとして成長できる環境を用意。育児・介護支援、ワーク・ライフ・バランスが取れる休暇制度等の拡充で、労働環境を改善し、エンゲージメントを格段に向上させています。

    エンゲージメントを向上させて強い組織になろう

    優秀な人材を確保して企業として成長を続けていくためには、従業員が愛着を持てる会社づくりをし「この会社で働き続けたい」「会社と一緒に成長したい」と思わせなければなりません。エンゲージメント向上は、人材不足が問題となっている現代だからこそ、どの企業も取り組むべき課題です。

    まずは自社のエンゲージメントの状況を調査し、今よりもさらにエンゲージメントを高めるために、どのような施策が必要なのか考えてみましょう。自社の従業員はもちろん、外部の人から見ても魅力的な会社になることができれば組織力が高まり、将来的に生き残る企業へと成長していけるでしょう。

    FAQ

    茹でガエルについてのよくある質問です。

    エンゲージメントの意味は?
    エンゲージメント(engagement)とは、「従事」「契約」「誓約」「婚約」「約束」などを意味する言葉です。人事領域においては
    、従業員と会社がお互いに強い思い入れを持ち、互いの成長に貢献し合える関係性を指します。
    エンゲージメントを言い換えるとしたら?
    人事領域におけるエンゲージメントとは、言い換えれば従業員が企業に持つ「愛社精神」や「会社への誇り」などに近いでしょう。
    エンゲージメントが低い企業はどうなる?
    労働人口の減少や人材の流動性が高まっている昨今、エンゲージメントが低い企業では長期的な視点で人材が定着しない、社員のパフォーマンスが上がらないなどの問題が発生する可能性があります。

    この記事を書いた人

    M.F

    株式会社アックスコンサルティング マーケティング本部 WEB制作課所属。
    『HR BLOG』にて一般企業の経営者・人事担当者向けの記事を執筆するほか、主にメールマガジンで士業事務所の経営課題を解決するための情報配信を行っています。

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