オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
エンゲージメント
公開日:2020.2.26
2019年12月11日(水)東京・永田町で、総務・バックオフィスで働く人のための交流会「SOU-MU NIGHT TOKYO」#2が開催されました。このイベントを主催する「SOU-MUプロジェクト」は地域企業の総務・バックオフィスではたらく人たちが、その地域、自分の会社で感じる閉塞感や従来の仕組み、やり方を続けることへの違和感を解消していくプロジェクトです。普段、自社以外の総務・バックオフィス部門と接点を持つ機会が少ない人同士が、新たに知り合い、交流のきっかけを持ち、総務の仕事の未来を共に学び、認め合うことを目的としています。
2019年6月14日(金)に京都で第一回目を開催してから、今回で5回目の開催となった「SOU-MU NIGHT TOKYO」#2は、「仕事の生産性」をテーマにした講演や、初めて参加した方でも交流しやすいよう運営メンバーがママ役を務める「スナックSOU-MU」のオープンなど、盛りだくさんの内容でした。当日の開催の様子をレポートします。
「SOU-MU NIGHT」では、参加された方が「共有と発見」を得られるイベントとなるように、毎回必ずゲスト講師によるセミナーを用意しています。今回は書籍「3倍のパフォーマンスを実現するフロー状態 魔法の集中術」の著者でもある世羅侑未氏(プロノイア・グループ株式会社 コンサルタント)が、「仕事中に意図的に集中状態を生み出すためにはどうしたらいいか」というテーマで講演されました。
総務やバックオフィスの業務は突発的な依頼が多く、集中して取り組みたい、と思っても自分一人ではコントロールしにくい状況があります。なかなか生産性が上がらず、世羅氏自身も、今までは1ヵ月に1回必ずやらなければならなかった経費精算業務がとてもつらかったとおっしゃっていました。
この状況を打破するのが、「フロー状態」になることです。よくスポーツ選手が一点集中している状態のことを「ゾーンに入る」と表現されますが、それと近い感覚です。この「フロー状態」を提唱されたアメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイ氏によると、「意識が最適化されることで最高のパフォーマンスを発揮でき、同時に心の充実感を感じられる」のが「フロー状態」だそうです。
通常の意思決定時には1秒間にあたり126ビットの情報量しか記憶から引き出せません。この126ビットがどれくらいの情報量かというと、たとえば、ひとりの人が話しているのに対して「この人はどんな服装で、どんなことを話しているのかな、なぜこのことについて話しているんだろう…」と視覚、聴覚、思考を使うといっぱいになるくらいの量です。「フロー状態」になると、一気に数十億ビットの情報量を引き出せるようになるので、認知能力が活性化し直感が湧くようになり、生産性の高い状態となるのです。
では、仕事中にどうすればこの「フロー状態」にできるのでしょうか。そのためには仕事を「愛する」ことが大切です。今、自分が向き合っている仕事や課題を「愛する」と、その気持ちが高まり「愛おしい」状態になります。
この考えに至ってから、実際に経費精算業務がつらかった世羅氏は「1ヵ月の経費を洗い出す時間は、唯一、自分の1ヵ月を振り返れる貴重な時間だ」と気づき、その部分を「愛そう」と思うように意識を変えたそうです。そうすることで、結果的に経費精算の時間がとても愛おしいものになり、生産性も上がったとのこと。
また、「愛おしい」と思うことの他にもトレーニングを繰り返すことで「集中力」は高められるとのこと。世羅氏が紹介された、「集中力」を高めるトレーニングをSOU-MU NIGHT参加者全員がそれぞれペアになって実践しました。
・第一段階
数字の「1」「2」「3」…を交互に言い合う
この段階では、ほぼみなさん順調に対応できていました。
・第二段階
「2」を口で言う代わりに手をたたく
このあたりからだんだん動きが怪しくなってくる方がちらほら…。
・第三段階
さらに「3」を口で言う代わりに片足を鳴らす
ここまでくると、二人して同じ動きをしたり、お見合いになってしまったりする方が多数いらっしゃいました。
最後に「仕事はいかに長く頑張るかではなく、いかに最高の状態でできる準備をするかが大切です。今回ご紹介した『フロー状態』をうまく活かして、限られた時間の中で集中できる時間を作り、生産性を高めていきましょう」と世羅氏は語りました。
参加者の多くの方が、ご自身の時間の使い方を振り返り、同じテーブルの方々とお互いの気付きについてシェアしていました。
今回は共催企業でもある株式会社ガイアックスが運営するイベントスペース「Nagatacho GRiD」を会場にしての開催。この日が初お披露目となるケータリング「tiny peace kitchen」や、バルーンアート「ORYZAE Celebrations」は元ガイアックスの社員が立ち上げたサービスで、会場を華やかに彩りました。
「ガイアックス本社が入っているこのビルは、challenged(障がい者雇用)の方が運営を担当しています。他にも社員用マッサージルームでもchallengedの方が一緒に働いています」とガイアックス総務マネージャーの梅津祐里氏。
この日、司会を務めたのは「SOU-MUプロジェクト」の運営メンバーである田中慎氏(税理士、京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)コーディネーター)と熊倉 由実氏(プロノイア・グループ株式会社 エグゼクティブアシスタント)のお二人。
まずは3~4人グループになって1分ずつの自己紹介。総務・バックオフィスの方は、社外の方と接する機会が多くないとのことで、初対面の方とのグループトークなどが苦手な方でも安心して参加できるよう今回のイベントから新たにオープンした「スナックSOU-MU」が大活躍。「SOU-MUプロジェクト」の運営メンバーが聞き役の「ママ」となって、ひとりで初めて参加した方でも安心してイベントに参加できるよう、会話を引き出していました。
イベントも終盤になってくると共同ワークにより打ち解けたのか、参加者の方々は開始直後よりも自発的かつ活発に交流されるようになりました。その後、席替えタイムがあったのですが、新しいグループでも円滑なコミュニケーションで親交を深められていました。
同じ悩みや課題を共有したことにより、参加された方も、当日ボランティアとして運営に参加されたスタッフの方も、このイベントで得た熱い思いを自社に還元されることでしょう。イベント終了後にはSNSで参加した感想を投稿する方もいらっしゃいました。
運営メンバーの工夫やおもてなし精神、参加者とのこうした共感と共有の積み重ねがさらなる共感を呼び、回を重ねるごとに参加者が増えていくのでしょう。
毎回大好評につき満員御礼となる大盛況ぶりの「SOU-MU NIGHT」。次回は5月頃に開催予定です。興味のある方は参加してみてはいかがでしょう。
【「SOU-MU NIGHT」用語集】
◆SOU-MUプロジェクト
各企業のバックオフィス部門や士業の方が運営メンバーとして参画し、地域企業の総務ではたらく人たちとお茶を飲みながら 、自分の会社で感じる閉塞感や従来の仕組みややり方を続けることへの違和感を解消していくプロジェクト。総務・バックオフィス人材のための交流会「SOU-MU NIGHT」を開催。
◆スナックSOU-MU
「SOU-MU NIGHT TOKYO」#2で初お披露目となった新たな試み。普段社外の方と接する機会が少なく、グループディスカッションにあまり慣れていない方、ひとりで参加した人でも交流しやすいように、「SOU-MU NIGHT」運営メンバーが聞き役の「ママ」となり、飲み物や軽食をサーブする場所でもコミュニケーションがとれる環境を用意。
◆ママ
「スナックSOU-MU」における聞き役。主に「SOU-MU NIGHT」運営メンバーが担当。初めて、またはひとりで参加した方でもイベントの馴染みやすいよう、飲み物や軽食をサーブする一方で、参加者とのコミュニケーションを促進する。
【主催】
◆SOU-MUプロジェクト
https://www.soumukyoto.com
“SOU-MU”は、地域企業の総務ではたらく人たちとお茶を飲みながら 、自分の会社で感じる閉塞感や従来の仕組みややり方を続けることへの違和感を解消していくプロジェクトです。
【共催】
◆株式会社ガイアックス
Gaiaxは、人と人とのつながりを通して社会を取り巻く問題の解決を目指すスタートアップスタジオです。このミッションを果たすべく、多くの人が集い、語り合い、ともに行動する拠点としてNagatacho GRiDを運営しています。
https://grid.tokyo.jp/
https://www.gaiax.co.jp/
【協力】
◆京都市ソーシャルイノベーション研究所
京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)は、市民、企業、NPO、大学などの多種多様な組織や個人が、京都で社会的課題の解決に挑戦することで、過度の効率性や競争原理とは異なる価値観を日本はもとより、世界にも広めることを目的にした「京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想」の推進拠点として2015年4月に設置されました。
構想全体のコーディネート機能を果たすとともに、行政・企業・NPO・大学・中間支援団体などを巻き込んだネットワークの形成や、所属するメンバーの他、多くのパートナーと共に、企業と公的機関とのマッチングを行うパブリックコーディネートに取り組んでいます。
https://social-innovation.kyoto.jp/
◆Office TANAKA
代表の田中亨氏は、Microsoftが優れた技術者へ授与するMVP(Most Valuable Professional)では、日本人で初めてExcel部門を受賞。各地でExcelに関するセミナーや講演を実施し、受講者は10,000人を超える。「Excel 関数/数式 完全制覇パーフェクト」「Excel VBA 逆引き辞典パーフェクト」など著書多数。
http://officetanaka.net
◆SBO勉強会
SBO(StartupBackOffice)の大切さを経営者、バックオフィスで働く人達に向けて発信し、勉強会などを開催しています。
https://www.facebook.com/groups/274048410150059/about/
◆モティファイ株式会社
モティファイは、「職場を元気にする」というビジョンのもと、設立されました。当社は伝統的な企業階層ではなく逆ピラミッド構造をとっており、リーダーがチーム全体を支えています。相互理解と共通の信念により、互いの違いを受け入れ、多様性を活かし、オンリーワンの強さと柔軟な連携を生み出しています。
新サービスのWelcomeHRは、入社時に必要な契約関連書類と個人情報収集だけ!入社手続きに特化したシンプルなHRサービスです。
http://www.welcomehr.jp
◆RIGHT HERE RIGHT NOW LLC.
RIGHT HERE RIGHT NOWは、世の中の「こうありたい」をカタチにする仕事を通じ、世界に新しい変化をつくりだすことに挑戦します。
https://rhrn.co.jp/
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