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HR駆け込み寺

【第10回】上場準備中で書類作成や申請業務が多く、効率化を目指す社員たちから不満の声が上がっています… ~ 電撃人事エグゼクティブが斬る!

Q.上場準備中で書類作成や申請業務が多く、効率化を目指す社員たちから不満の声が上がっています…

近々上場を目指す、ITサービス企業の人事担当役員です。「より少ない残業時間で効果を出し、生産性の高い仕事を」という目標を持って、全社で取り組んでいます。単純作業にかける時間のロスを極力減らすようにしているのですが、上場を視野に入れたワークフローの作成など各種申請の整備と実際の申請作業に時間を取られています。この相反する事態に「こんな書類作成に時間を使いたくない!」と社員から不満の声が上がっています。どのように社内の理解を深めていけばよいでしょうか。(情報・通信:100名規模)

A.上場フローは変えられない。ビル・ゲイツだって家を買えば役所に書類を提出しに行く。会社の「働き方改革に対する方針と上場フローは全く別のもの」と割り切って、それぞれ取り組む。

上場を目指すとなると、数年前からその準備を始め、過去のデータを収集、分析して、今後それらの書類をどのように整理・格納していくか…と、たくさんの工程が必要になりますから、担当部署の方には相当な負荷がかかるでしょうね。今回の質問には上場準備中の会社における担当者と社内へのメッセージの伝え方と、範囲を絞って解説します。

会社としては、「ペーパーワークも残業も増やすつもりはない、効率化を図って生産性を上げていきましょう」という方針でやっている。しかしその一方で上場に向けた準備もあり、手続き業務に時間が取られてしまっている…。確かにこの状況だと担当している社員にとってはストレスフルで、時代と逆行していて不便に感じるかもしれません。

この場合、大切なのは「会社の働き方に関する方針と上場プロセスは全く別のもの」と捉えて、社内にメッセージを打ち出すことです。なぜなら上場プロセスは国のルールで定められていることなので、自分たちの力では変えられないからです。

働き方改革、ペーパーレスなど世間でたくさん話題になっている今の時代でも、役所に行けば各種申請書類を書いて提出するフローは変わりません。これは上場も同じです。この上場のプロセスが変わらない以上、私たちはそれに従わざるを得ないのです。

効率を重視する有名な起業家たち、たとえばビル・ゲイツ、ジャック・マーのような有名IT企業の創業者でも、家や車を買ったら、その国のルールに従って必要な書類を作成し、提出しています。それと同じことです。

このように、上場プロセスについてはそのとおりやらざるを得ない、変えられないものですが、それと会社の働き方改革の取り組みとは別のものです。たとえば「上場に関する作業が増えているが、会社の働き方としてはペーパーワークも残業も増やすつもりはない。上場プロセスに関係しない部分では、効率化を図ってスピードを上げていこう」というように、担当している社員を中心にしっかりと会社としてのメッセージを伝えていきましょう。この社内広報を人事や経営者層、リーダーが中心となって情報発信していくことが大切です。

上場を目指す事前準備の時期は会社としても特殊な状態で、一時的なものとはいえ担当しているメンバーへの負荷は心身ともに相当なものがあると思います。上場プロセスに携わるメンバーへのケアは十分に気遣う必要があります。ましてや手続きの書類業務でミスが許されず、精神的なプレッシャーもあり、お世辞にも楽しいとは言えない仕事です。せめて職場の雰囲気を楽しくする、残業になりがちなので他の業務の割り振りでバランスを取るなど、気にかけてあげましょう。

大変ではありますが、上場プロセスはずっと続くものではなく、無事に上場するまでの一過性のものです。準備・申請中は一時的に相当な負荷がかかりますが、上場というゴールに向けて、必要なプロセスをなるべく早く、手戻りなしに終わらせられるよう、担当者のモチベーションを維持してあげましょう。

先ほどもご説明したように、上場プロセスと会社の働き方の方向性は完全に別けて考えるべきものです。社内での仕事の進め方まで、上場プロセスにならってガチガチのルールで行う必要はありません。人事やリーダー層が中心となって社内広報していきましょう。その際に社員の誤解がないよう、メッセージの打ち出し方には十分気を付けてください。

電撃人事エグゼクティブからの金言

  • 上場プロセスは変えられないので、必要な手続きはルールに則って行うこと
  • ただし会社の仕事の進め方まで上場プロセスに合わせる必要はなし
  • 「上場と会社の方針は別」という社内広報を人事、リーダー層が中心となって、社員に誤解されないような情報発信をする
  • 上場に携わるメンバーは一時的に負荷がかかるので、職場の雰囲気や業務量などに十分な配慮を心掛ける

今回の回答者
石坂 聡氏 Ishizaka Satoshi
(Asian Caesars 代表)

HRコンサルタント協会 理事。
外資系金融機関の人事部長を歴任。2013年にコカ・コーライーストジャパンの常務執行役員人事本部長に就任し、約30社の人事制度統合、企業文化改革、多大なるシナジー創出などを短期間で実現。電撃人事エグゼクティブとして名を馳せた。2017年10月にAsian Caesarsを立ち上げ、人事改革とグローバル人材育成のエキスパートとして、人事顧問サービス、エグゼクティブコーチング、講演など幅広く活躍。大手企業のリーダー達への変革指南で多忙な日々を送る。


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この記事を書いた人

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HR BLOG編集部

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