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労務110番

1日5時間勤務のパート従業員に、付与すべき休憩時間は?

公開日:2019.6.18

    1日5時間勤務のパートの従業員から「少しでもいいから休憩時間がほしい」と言われました。これまでは5時間勤務の場合には休憩時間を設けていませんでしたが、法律ではどのように定められているのでしょうか? できれば30分ほどの休憩時間を設けたいと思っています。

    【結論】

    労働基準法では、休憩時間を設けなければならないのは、勤務が6時間を超えた場合とされています
    ただし、会社の裁量で6時間以内の勤務者に30分の休憩時間を与えることは問題ありません。

    6時間以内の勤務なら独自の休憩時間でOK

    労働基準法では、休憩時間の取得は労働者の権利として定められています。

    企業側は労働時間に沿って、必ず従業員に一定の休憩時間を取らせなければなりません。最低限の基準として、6時間超8時間以内の勤務者には45分を、8時間を超える勤務者には60分の休憩時間を与えることが決まっています。

    また、勤務が6時間に収まる場合は、休憩時間を設けなくても法律上は問題ありませんが、これはあくまでも最低限の基準なので、独自に休憩時間を設定してもかまいません。



    休憩時間と残業発生時、それぞれの注意点

    休憩時間には、いくつかの原則があります。
    まずは、労働時間の途中に付与しなければいけないということです。業務の始めや、終わりに休憩時間を設けても、それは休憩とはみなされません。
    ただし、分割で付与することは認められているので、始業から2時間後に15分の休憩をしてもらい、終業の2時間前に30分の休憩をしてもらうことは可能です。

    なお労働基準法では、休憩時間は“労働者が労働から離れること”を保障しているので、休憩時間中は労働者を自由にさせる義務があります。仕事の依頼はもちろん、電話番などもさせてはいけません。
    残業が発生した場合は、その残業も含めた労働時間で6時間超の場合は45分、8時間超の場合は60分間の休憩時間を与えなければなりません。

    たとえば、今回の5時間勤務のパートに1時間超残業してもらったとしたら、勤務が6時間を超えるため、最低でも45分の休憩時間を与えなければならなくなります。こうなると実働の業務時間はわずか15分になってしまいます。わずか15分の残業時間のために45分の休憩を取得するのは、効率的ではありません。
    このような場合は、あらかじめ「残業時間が何時間の場合には、何分の休憩を付与する」など、労使間で取り決めをしておくことが必要です。



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    この記事を書いた人

    HR BLOG編集部

    このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

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