オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
オンボーディング
公開日:2020.11.10
企業の採用担当者や、従業員の教育を担う社員等は、新入社員が入ってくる時期に「オンボーディング」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか?一般的な新入社員研修と、教育プログラムという意味では一緒ですが、違うのは「即戦力化」と「定着(離職防止)」を主な目的としたプログラムであるということ。だからこそ、オンボーディングが成功すれば、会社の生産性が上がるのは必然といえるのです。組織にとって、オンボーディングのどのような点が即戦力化、離職率防止に役立つのでしょう?またオンボーディングに生産性のアップを成功させる秘訣はあるのでしょうか?
目次
まずオンボーディングにはどのようなメリットがあるのか、詳しくご紹介します。新入社員と企業、双方に次のようなメリットがあると考えられています。
オンボーディングを成功させるには、入社前からの準備、配属部署と人事が連携し情報共有をすること、企業側と社員との期待値を合わせること、人事によるフォローアップなどが有効といわれています。それぞれどのように行えばいいのか、見てきましょう。
新入社員が入社する前から、人事担当者や上司が積極的にコミュニケーションをとることが望ましいです。その上でマニュアルや情報共有のための資料、企業理解を深めておくことをお願いできるような資料の作成等、受け入れ体制をしっかりと整えておきましょう。
新入社員のさまざまな情報を、配属部署のマネージャーやメンターへ伝え、情報共有をしておくことが大切です。新入社員のバックグラウンドや、前職の退職理由、入社を決めた理由、組織に期待すること、内定承諾時の状況や心境などを共有しておきます。
新入社員には、チームが求めることを伝え、お互いの期待値をすり合わせておくことが必要です。ミッションや業務内容、期待されている成果の認識が新入社員と組織側でずれていると、そのギャップに社員がとまどってしまう場合があるからです。組織から彼らに何を期待しているのかを明確に伝えつつ、彼らからも期待値を聞き出し、双方で一致させておくことが望ましいでしょう。
現場での研修に並行して、人事からは部署横断的な研修を実施します。配属先以外の部署やサービス、企業の文化や歴史、人事制度、各種申請のルールなどは、人事主催の研修で伝達します。また社内ツアーや配属先以外のキーパーソンと接する機会を設けるなどして、企業が歓迎しているという雰囲気を作ることが望ましいでしょう。
新入社員が入社し、3カ月程度経過したタイミングで面談を実施し、現場の上司やメンターとは異なる視点でヒアリングすることで、現場の上司などにフィードバックするポイントが見つかることもあります。
オンボーディングがうまく進めば、新入社員の早期戦力化の可能性が高くなり、組織としての一体感も強くなります。これらが進むことに平行して会社の生産性も上がっていくでしょう。今や人材育成は人事だけ、新入社員の配属の部署だけの仕事ではありません。オンボーディングとは、全社をあげて作り上げるべき大切な仕組みです。オンボーディングがスムーズに進行するように事前にしっかりと準備し、部署をまたいでさまざまな仕組みを整え、生産性アップ、業績アップをはかってみてはいかがでしょう。
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