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人材育成・開発・研修

「262の法則」とは?円滑な組織マネジメントや人間関係の構築に活かす方法

公開日:2022.9.6

人間関係における考え方に、262の法則があります。
組織の中の人間を2:6:2にわけてそれぞれの役割を考えるのが262の法則です。

262の法則は日常における人間関係だけでなくビジネスシーンにも活用できます。
従業員やチームのマネジメントに悩んでいる場合は262の法則も取り入れたマネジメントをおこないましょう。
ここでは、262の法則についての基本的な解説と、ビジネスシーンでマネジメントに取り入れる際のポイント、人間関係における262の法則の考え方について解説します。

「262の法則」とは?

262の法則は組織作りや人間関係の形成において取り入れられる考え方です。
どんな組織であっても、組織を作っている人間は2割の上位層、6割の中間層、2割の下位層にわけられます。
つまり、企業やチームの中でどんな人を集めても、よく動く人、普通の人、動かない人にわかれていくのです。
262の法則を理解して組織をマネジメントするのと、理解せずにマネジメントするのとでは結果にさまざまな違いが生じます。
働きアリの法則として伝わっていることもあります。アリの巣の中で、巣を作ったり食事を集めたりとよく働くアリが2割、一般的な働き方をするアリが6割、働かずに過ごしているアリが2割いるというものです。
この働きアリの法則では、下位2割のアリを排除しても残りのアリの中で2:6:2の割合で働くアリ、普通のアリ、働かないアリの割合に戻っていくといわれています。

パレートの法則との関連

262の法則は誰が提唱したかは定かではありません。さまざまな組織の中で自然と言われるようになったものです。
ですが、この262の法則の元となったと考えられているのがパレートの法則です。
パレートの法則は経済学者のヴィルフレド・パレートが提唱した説です。
さまざまなものの全体を通した8割は、残りの2割から生み出されているという考え方です。
パレートの法則ではなく20:80の法則と呼ばれることもあります。
企業の業績の8割は2割の部署や社員がもたらしている、世間の膨大な資本の8割は2割の富裕層が所持しているといった考え方です。
262の法則をより詳しく理解するために、パレートの法則についても確認しておきましょう。

「262の法則」を組織マネジメントに活用しよう

262の法則は組織マネジメントに有効活用できます。
今いる従業員やチームのメンバーをより適切に動かし、組織の生産性や成績を伸ばすために262の法則を取り入れましょう。
組織やチームにとって大きな利益があるだけでなく、所属している従業員やメンバーのモチベーションが上がる、能力が向上する、さらに人間関係が良好になるなどのメリットもあります。

それぞれの能力を向上させる

組織のメンバーを2:6:2に分け、それぞれに適した業務や課題を与えることで、それぞれの能力を効率的に向上させられます。たとえば、下記の表のように分けることができます。

タイプ 与える課題や業務
上位2割 将来を見据えてマネジメント能力をアップさせるための教育や研修をさせ、リーダーとなって全体を引っ張っていくスキルを身に着けさせる。
中間6割 さまざまな角度から診断や評価をおこない、能力や性格、言動から個人がもっとも得意とする業務を見つけ出し、その業務に専念させるようにする。自身の強みを見つけ、伸ばしていくことで、中間層であってもより組織の貢献する働きができるようになる。
下位2割 それぞれの個性をきちんと理解し、無理に難しい課題を与えたり叱責し続けたりするのではなく、本人ができることをストレスなくできるように環境を整えることが大切。

それぞれに適した業務を与える

262の法則を取り入れず、中間層や下位層にいる人材に対して新しい業務や高い目標を与えたり、マネジメント能力を高める研修を受けさせたりしても良い成果は得られません。
かえって本人のモチベーションを下げる結果にもつながります。
本来は黙々と作業するのが得意な人材をチームプレーが重要な部署に配属する、個性を活かした働き方がしたいのに同調圧力の強い上司の元に配属されてしまう、これまで高く評価されていたのに人事異動を行った途端評価が下がったなど、本人にとっても組織にとってもマイナスな結果を招いてしまいます。
262の法則を理解して、それぞれのできること、できないこと、得意なこと、苦手なことを正確に把握すれば、適切な人材配置ができます。
現在業務内容で悩んでいるメンバーがいる場合は、個人の能力をよく確認した上で配置換えを行うことも懸命な判断です。

職場環境へのストレスの解決

職場ではさまざまな人間関係が形成されます。
262の法則の法則では、働き方や動き方の他人間関係についても考えられます。
どんなに周囲と同調しようとしても、2割とは相性がよく、6割とは普通に接せられ、2割との相性は悪くなります。
相性の悪い2割のメンバーとの関係で悩んでいる人がいれば、262の法則の法則を元にアドバイスができます。
悩んでいる本人も自分が何をしても2割とは分かり合えない、好きになってもらえないと理解することで過ごしやすくなる可能性が高いです。
組織の人間関係は個人のモチベーションや生産性にも大きく影響を与えます。問題は早めに解決し、本人の考え方を変えていくことで環境も改善されていきます。

人材配置や育成におけるポイント

262の法則を取り入れて組織の人材配置や育成を考える際のポイントを解説します。
上位2割、中間6割、下位2割の人材へのアプローチ方法を確認した上で、効率的に配置や育成を考えていきましょう。

上位2割へのマネジメント

上位2割の人材はそもそも優れた能力を持っています。こちらから特別な指導をしなくても次々に自身で課題を発見し、目標を設定し、業績のアップや業務の効率化、自身のスキルアップをおこないます。
そんな上位2割は企業にとって大切な存在です。モチベーションが低下すると企業の業績にも大きな影響が出るため、モチベーションを維持させる、さらに向上させるアプローチが求められます。
本人の素質をより伸ばす、のびのびと成長できる環境を作り、本人にとって良い刺激となる課題や目標を与えることも大切です。

能力を活かせる仕事を与える

上位2割はもともと優れた能力を持っていますが、その能力を活かしてさらに企業に貢献してもらう必要があります。
そのため、業務の中でも核となる部分、企業の業績に直接関係する部分の業務を与えることが大切です。
本人の素質、能力をしっかり判断した上で適切な業務を与え、本人の能力を伸ばしつつ企業の業績アップにつながるような配置を考えましょう。
上位2割にとっては評価も重要なモチベーションです。結果や過程を正当に評価した上で昇進、昇給などの報酬を与え、表彰などでモチベーションを刺激するのも効果的です。
上位2割への正当な評価や賞賛が残りの8割にもきちんと見えるようにすれば、上位2割の働き方を手本として全体の働き方にも良い影響を与えられます。

高い目標を設定する

上位2割は自分自身で課題を見つけたり目標を設定したりする能力も持っています。
上司やリーダーが課題や目標を設定する場合は、本来の課題や目標から逸れることなく少し難しい課題、高い目標を設定するのがおすすめです。
上位2割は向上心が強く、毎日同じような業務ばかり、生産性のない業務ばかりだと飽きたりモチベーションが下がったりしてしまいます。
飽きやモチベーションの低下を回避させるために本人の能力を活かせる業務、アイデアや働き方が評価される業務、自身のスキルアップにつながる業務を与えましょう。

新しい業務を担当させる

上位2割が現在の業務に飽きてしまう、モチベーションが下がってしまうことを防ぐためには、新しい業務を担当させることも有効です。
今後企業の業績に直接影響するような業務、事業のチャレンジさせましょう。
自身の成長にもつながり、上位2割のモチベーションを刺激できます。
一方で、新しい業務にチャレンジさせることで本人の素質を活かせなくなる可能性もあります。
これまでと違う業務をさせる場合は上位2割であっても本人の得意なこと、苦手なことを正確に判断し、適材適所を意識することが大切です。

マネジメントスキルを身に着けさせる

上位2割の人材は企業にとって重要です。今後長く働き続けてもらうためにも、リーダーやマネージャーとして活躍できるスキルを身に着けてもらう必要があります。
ですが上位2割の人材が全員リーダーの素質がある、周囲を引っ張る能力があるわけではありません。
リーダーとしての素質がない上位2割に対しても将来活躍してもらうために、マネジメントスキルを身に着けさせていくことが大切です。
いきなりリーダーを任せるのではなく、研修を受けさせたり、リーダーとして優れた能力を持つ人材のそばで業務をおこなえるようにしたり、周囲と信頼関係を築く方法を教えたりといった方法があります。
上位2割の人材にマネジメントスキルを身に着けさせることで将来リーダーとして活躍してもらえるだけでなく、その人材の働き方が部下やチームにとって良い影響をもたらしてくれます。

中間6割へのマネジメント

中間6割の人材に対しては、モチベーションを下げずに業務を続けさせることが大切です。
上位2割を目指すようにするのではなく、6割の全体の能力をアップさせれば組織にとって大きな利益をもたらします。
そのためには正確な目標設定や6割の人材の中でのチーム編成、上司やリーダーのサポートが必要です。

目標や評価を明確にする

上位2割の人材は自分で考えて行動できますが、中間6割にはその能力が欠けています。周囲からの指示、評価があって初めて動ける人材も多く、これを利用したマネジメントをおこないましょう。
自分の課題を見つけられない、課題があっても解決できない、自分から動けないという中間6割に対して目標や課題を与えることで、何をすればいいかわからない層が動きやすくなります。
課題や目標をどれくらいクリアできたかを正当に評価すれば、次の課題、目標を見つけやすくなるだけでなく、本人のモチベーションの維持、向上につながります。
短いスパンで課題や目標を設定しフィードバックをおこないつつ、将来どのポジションで活躍してもらいたいのかを明確にし、長い目で見て今後の成長をサポートすることも大切です。

6割の人材でチームを作る

262の法則では、上位2割、中間6割、下位2割をそれぞれにわけてもそれぞれの中でまた262の法則が生まれます。
そのため、中間6割の人材だけでチームを編成すれば、その中での上位2割を発見、育成していくことが可能です。
中間層の総合的な業績アップにつながります。
一方でその中でも下位2割が生まれてしまうため、そちらのサポートも忘れないようにしてください。

上司やリーダーがサポートする

中間6割は周囲のサポートが自身の成長や業績の向上、本人のモチベーションに大きく影響します。
上司やリーダーが適切にサポートをおこなうことで、中間6割のモチベーションを維持し、成長につなげていけます。
自身で課題を見つけられない、解決策がわからない人材に対して適切にアドバイスをおこなったり、ミーティングやコミュニケーションの機会を増やして積極性を向上させるサポートをおこないましょう。

下位2割へのマネジメント

下位2割の人材に対しては現状を正確に把握することが大切です。
なぜ下位2割と判断されているのか、その原因によっては違う業務を与えることで変化する可能性もあります。
素質と業務内容が合っているか、チームの人間関係はどうかなどを正確に把握してください。
その後、明確な目標や課題を設定します。
下位2割は中間6割よりもさらに自身で考えて動くことが苦手な傾向にあります。
本人が考えられるようなアドバイスではなく、明確に「これをしてほしい」「これだけの結果がほしい」と伝えることで、本人の業務に対するモチベーションを上げられます。
結果だけを確認するのではなくその過程も逐一確認し、問題がある場合は軌道修正のためのサポートをおこなってください。
それでも改善しない人材がいる場合は個別の対処も必要です。その人材がいることで周囲のモチベーションが下がるようであれば、1対1での話し合いをおこない、何に不満を感じているのかをヒアリングした上で適切な対処を考えましょう。

人間関係における「262の法則」の考え方


人間関係において262の法則の考え方を取り入れることは大切です。
どのような考え方ができるのかを解説します。

どんな人でも「2割」には嫌われる

262の法則を元にすれば、どんな風に振る舞っても2割には好かれ、6割とは普通の関係を築けて、残りの2割からは嫌われてしまいます。
嫌いな人、苦手な人、ネガティブな反応をする人のことばかりがつい気になってしまいますが、自分が何をしても2割の人は自分をよく思っていないことを改めて理解しましょう。
そうすることで周囲の評価を気にしてビクビクしたり、より好かれようと行動する必要がなくなります。

他人に嫉妬してしまうとき

262の法則を元にすれば、相手の2割は本人の良い部分、6割は普通の部分、2割は悪い部分と分類できます。
他人が羨ましく感じてしまう、他人に嫉妬してしまう、他人の優れた部分と比較して落ち込んでしまうときは、相手のたった2割の良い部分ばかりを見ている可能性があります。
相手にも6割の普通の部分、2割の悪い部分があるのと同様に、自分自身にも相手にない2割の良い部分があると思うことで、他人への嫉妬心を無くせます。

「自分らしさが発揮できていない」と感じるとき

ある組織の中では下位2割になったとしても、組織が変われば上位2割になることもあります。
262の法則は絶対的なものではなく相対的なものですので、環境が変われば周囲からの評価も大きく変わります。
現状に不満があり、自分らしさを発揮できないと感じているのであれば、その組織の中でもがくのではなく思い切って別の組織に移ってみるのもおすすめの方法です。

「262の法則」を活用してスムーズな人間関係、効率の良い人材育成を

262の法則について解説しました。
262の法則を理解することで、人間関係の形成だけでなく組織の人材育成にも役立てられます。
周囲の人間関係に悩んでいる場合は262の法則を知ることで気持ちを楽にできます。
個人の人材の能力や性格などを的確に判断した上で効率的に人材育成、業績アップを狙えるようなマネジメント方法を考えましょう。

FAQ

「262の法則」についてのよくある質問です。

「262の法則」とは?
262の法則とは、組織作りや人間関係の形成において取り入れられる考え方で、「どんな組織であっても、組織を作っている人間は2割の上位層、6割の中間層、2割の下位層にわけられる」というものです。
「262の法則」と「働きアリの法則」の関係とは?
「262の法則」と「働きアリの法則」は同じ意味です。アリの巣の中でも、巣を作ったり食事を集めたりとよく働くアリが2割、一般的な働き方をするアリが6割、働かずに過ごしているアリが2割存在するのです。
「262の法則」を人間関係に活かすには?
人間はどんな風に振る舞っても、2割には好かれ、6割とは普通の関係を築けて、残りの2割からは嫌われてしまいます。
嫌いな人、苦手な人、ネガティブな反応をする人のことばかりがつい気になってしまいますが、自分が何をしても2割の人は自分をよく思っていないことを理解することが重要です。

この記事を書いた人

M.F

株式会社アックスコンサルティング マーケティング本部 WEB制作課所属。
『HR BLOG』にて一般企業の経営者・人事担当者向けの記事を執筆するほか、主にメールマガジンで士業事務所の経営課題を解決するための情報配信を行っています。

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