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人事が作る、HSPの社員が働きやすい職場環境とは

公開日:2022.1.17

生まれながらにして繊細な気質を持ち、周囲に敏感に反応をしてしまうHSP。
周囲からの理解が得られず、職場でつらい思いをしている人は少なくありません

人事や上司には、HSP社員の特性を理解し、上手に人材の適性配置をしていくことが求められています。
HSPは人口の20%以上とも言われ、ほどんどの会社にHSP社員が居ます。
貴方の会社はHSP社員のことを考慮できていますか?

本記事では、HSPの特徴や適性、働きやすい職場環境について紹介します。

HSPの特徴

人口の20%がHSP、5人に1人がHSP
HSPとは、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略称で、先天的に繊細で敏感な感受性をもった人達のことを言います。
アメリカの心理学者エレイン・アーロン氏によって提唱されたことで、広く世界に知れ渡るようになりました。

全人口の20%、5人に1人がHSPであると言われており、日本人は国民性から他国と比べてHSPの割合が多いとされています。
HSPの特徴は「DOSE(ダス)」という4つの特性によって大別されています。

「D:Depth of processing」物事を深く考えて追求する

HSPの人は、ひとつの物事から多くのことを推察したり想像力を働かせたりすることを得意としています
深堀して物事を考える習性があるため、情報収集力に長けている人が多いのも特徴的です。

一方で、あれこれと考えすぎるあまり、行動に移すまでに時間がかかることもあります。
また、対人関係において相手の感情を深読みしすぎるため、気疲れしやすい人が多いのもHSPの特徴としてあります。

「O:Overstimulation」刺激に過剰反応しやすく疲れやすい

感情が非常にデリケートであるため、大勢の人の中にいると極度に緊張したり、疲労してしまうことがあります。
そのため、多くの人と交わることよりも、1人の時間を好む傾向があるのがHSPの典型的な例です。

他にも、些細な出来事に過剰反応してしまったり、何気ないひと言に深く傷ついてしまうこともあります。
繊細であるがゆえ疲れやすい特性がある一方で、映画や本、アートなど芸術作品に触れることで大きく心を動かされるといった、豊かな感性をもっているのも特徴としてあります。

「E:Emotional reactivity and Empathy」感受性が強く共感力が高い

場の雰囲気や相手の気持ちを敏感に察する能力に長けているため、周囲からよく気が利く人と思われることが多いです。

また、周囲に落ち込んでいる人がいると、感情移入してしまい自らも悲しい気持ちになることもあります。共感力が高い分、人の顔色を伺いすぎたり、相手の気持ちに飲み込まれやすかったりする一面もあるため、必要以上に気を消耗してしまいストレスを抱え込んでしまうこともあります。

「S:Sensitivity to Subtleties」感覚がとても繊細である

五感が非常に敏感でもあるため、音や光、においなどに人一倍反応してしまうのも特徴としてあげられます。
たとえば、時計の秒針や人のささやき声などの小さな音が、異常に気になってしまうことがあります。

また、強い光や大きな音すると過剰に影響を受けてしまうため、苦手であることも多いです。
他にも、セーターの毛や衣類のタグなどが肌に触れることで不快感を感じたり、カフェインや食べ物の添加物に反応し過ぎることがあります。

人事が採用時や既存社員に気を付けること

HSPを抱える人を採用する場合、もしくは既存社員にいる場合は、配属する仕事内容や職場環境に配慮することが最も大切です。
HSPは感情が非常にデリケートで、周囲に必要以上に気遣いしてしまうことから、些細なことでもストレス貯めやすい傾向があります。

一方で、物事を多角的に考える力や相手の心に寄り添う共感力など、ビジネスで役立つ素晴らしい特性も併せ持っています

人事担当者は、HSPの得意とするところ不得意とするところをよく見極めた上で、長所を最大限活かせる業務配置を行うことが大切です
次に、HSPがストレスを感じやすい仕事や環境、HSPの長所を活かせる仕事について紹介していきますので、人事を行う際の参考にして下さい。

HSPがストレスを感じる仕事や環境

HSPがストレスを感じる仕事や環境
HSPの特徴をよく理解しないまま配属先を決めてしまうと、配属された先の仕事内容や環境がストレスとなってしまい、離職を招くことにも繋がります
離職を防ぐという観点からも、HSPがストレスを感じる仕事や環境についても知っておきましょう。

ノルマや目標達成が必須とされる仕事

HSPはノルマや目標達成に追われるような営業職のような仕事には向いていません。
元々繊細な気質を持っているせいで、ノルマや目標が課せられてしまうと過度なプレッシャーを感じてしまいやすいのです。
また、ノルマや目標が達成できなければ、自分を追い込んでしまってストレスを抱え込んでしまうこともあるでしょう。そのため、HSPの離職を招いてしまう恐れがあります。

スピード感が必要とされる仕事

HSPの特性上、慎重に物事を考えてから行動に移す傾向があるため、人から仕事を催促されたり、自分の仕事に集中して取り組めない職場環境は苦手としています。
もし、HSPにスピード感を求めてしまうと、ペースを乱されることでストレスを抱えてしまい、十分なパフォーマンスを発揮することができないでしょう。
そのため、スピード感が重視されるような仕事環境には、向いていないといえます。

マルチタスクが必要とされる環境

複数の業務を同時並行して遂行するようなマルチタスクも、HSPの人が苦手とするところです。
HSPの人は、1つの物事をじっくり考えて行動をとる特性があるため、マルチタスクを与えられてしまうとパニックを起こしてしまい、些細なミスを繰り返したり、期日までに仕事を終わらすことができないといったことが起きてしまうので注意が必要です。

大勢の人と交わることが多い環境

接客業のような、不特定多数の人と接点をもつような仕事は、極力避けた方が良いでしょう。
HSPの人は、周囲の人に対して人一倍気遣いをすることが多いため、人と接点の多い仕事は気疲れしてしまう原因となります。
また、大勢の人の中にいることで極度に緊張を感じてしまうこともあるため、ストレスを与える原因にもなってしまいます。

HSPの社員が長所を活かせる仕事

HSPの社員が長所を活かせる仕事
HSPの人は繊細であるがゆえさまざまなストレスに晒されやすいですが、一方で思考が深い、感受性が豊か、共感力が高いといった長所があります。これらの長所を活かせる仕について詳しくみていきましょう。

正確性や緻密性を必要とする仕事

仕事の細かい部分にも気が行き届く性質をもっているため、正確性を求められる仕事には適任であると言えるでしょう。
また、慎重に考えて行動をとる傾向にあることから、不注意によるミスが少ないといった長所もあります。
数字の正確性が求められる経理や緻密なデータ分析を必要とするマーケティング業務などが向いています。

クリエイティブな仕事

感受性がとても豊かで、ひとつの事に熱中するととことん追求する職人肌な一面も持ち合わせています。
また、自分の興味があることには常にアンテナを高く張って情報収集をおこなう側面もあるため、クリエイティブな仕事にも向いています。
たとえば、創造力を活かせるデザイナーやライター職や発想力を必要とされる商品企画といった仕事が適しているでしょう。

共感力を活かせる仕事

相手の気持ちを敏感に察して気持ちにそっと寄り添うことができることから、高い共感力を活かせる仕事は安心して任せられるでしょう。
特に、人への感情移入が強いことから、「誰かの役に立つ仕事をしたい」と考えている人も少なくありません。
たとえば、人に教える講師であったり、コーチングといった仕事が向いていると言えます。

HSPの退職理由と人事ができる離職防止の施策

労働人口が将来的に減ることが予測されている中で、多様な人材を活かした経営が今後求めれれていくのは明白です。HSPの特性を活かし社内に活躍できる場を広げていくためにも、HSPの退職してしまう理由や人事がそのためにできる離職防止の施策についても知っておきましょう。

HSPの退職理由とは

HSPの人が退職してしまう主な理由として、次の3つがあげられます。
・自分の適性に業務内容が合っていない
・職場環境が合わない
・休みがとりずらい

自分の適性に業務内容が合っていない

HSPの特性を活かした仕事内容であれば、遺憾なく業務で実力を発揮できるでしょうが、そうでなければ、仕事が上手くいかない事に対してストレスを抱えてしまうでしょう。

もし、そのままHSPの特性に合わない仕事を続けさせれば、「自分にはこの仕事は向いていないのかも」と考え、仕事を辞める人も出てきてしまうでしょう。

職場環境が合わない

HSPは人一倍気遣いができる反面、周囲の人間を気にしすぎる性質があるため、職場の人間関係が良好でないと気疲れを起こしてしまいます
また、多くの人との接点をもつことも得意としないため、職場環境が負担となってしまい同様に離職に繋がってしまいます。
人間関係以外にも、音や光、臭いにも敏感に反応してしまって、気疲れを起こしてしまいます。

休みがとりずらい

繊細な気質を持っているがゆえ、HSPの人は疲れやすいといった特徴があります。
心身の健康を図るためにも休みが必要ですが、HSPの中には周囲を気にして自分から休みを言いづらい人が多くいます。
もし、仕事が忙しくなどの理由で休みを取りづらい職場環境であれば、HSPは十分な休みを取れないことで、体調を崩してしまうことも考えられます。

休みといっても休日だけでなく、心の休息も大事です。
数字や時間に目的や目標を設定して、上を目指し続けるような環境では、休日でも心が休まる時間がありません。
また、責任が重すぎたり、プレッシャーに耐えきれなくなる前に相談できる相手がいないと心が折れてしまいます。

離職防止の施策

それでは、HSPの人が離職するのを防止するには、どのような施策を行えば良いか次に詳しく見ていきましょう。

配置転換を行う

離職理由が業務内容にある場合には、配置転換することが効果的でしょう。
HSPの人は特性上、正確性や創造性、共感性を求められるような仕事に適していることが多いです。
そのようなHSPの特性を活かせる業務に配置転換を行うことで、HSPの人自身のストレス軽減になるばかりでなく、会社としても全体の業務効率を上げることに繋げることができるでしょう。

働き方の選択肢を設ける

働き方の選択肢を設けるというのも、離職防止の一助になるでしょう。
最近では会社に出勤せず自宅で仕事をするテレワークという働き方が一般的になりました。
もし、職場の環境に馴染めず、出社することがストレスとなっているのであれば、働き方の選択肢としてテレワーク勤務を提案してみるのも良いでしょう。
働き方が広がることで、HSPの離職を減らすことにも繋がります。

必要なのは、HSPの社員もストレスを感じない環境づくり

HSPの社員の離職を防止し、職場で最大限パフォーマンスを発揮できるようにするには、ストレスを感じさせない環境づくりが重要なポイントです。
そのためには、配属先を決める立場にある人事担当者が、HSPのことをまず理解することが大切であると言えるでしょう。

その上で、HSP社員の適性を活かした配置転換を行い、職場で活躍できる場を提供することが労使双方にとってもプラスに繋がります。
また、上司や同僚のHSPへの理解が必要となるケースもあるでしょう。

その場合も、人事担当者が仲介役となって周囲の理解を得られるよう橋渡しをすることで、HSPの社員がストレスを抱えることなく活き活きと働ける環境づくりをすることができます。

【まとめ】HSPが仕事で悩む理由を知るには、HSPの特性を理解することが重要

HSPは先天的な特性ゆえに他の人よりもストレスを抱えやすいといった特徴がありますが一方で、物事を多角的に考えたり、人への高い共感力など、HSPの特性を活かし活躍できる場面はビジネス上で様々あります。
少子高齢化によって労働人口の減少がさらに加速化することが予測されている中、労働者のキャリアや働き方に対する考え方が多様化してきています。

今後は、労働者の多様性を受け入れ、人材を上手く活用するダイバーシティ経営を推進していくことが重要となってくるでしょう。
HSP社員の人材活用は、今後人事担当者の課題であるといっても過言ではありません。
本記事を参考に、HSP社員の人材活用を促進していきましょう。

この記事を書いた人

TOYO

株式会社アックスコンサルティング マーケティング本部 WEB制作課所属。
メンタル心理ヘルスカウンセラー、メンタル心理インストラクターの資格を活かして人事向けの記事を中心に執筆。仕事に纏わる悩みに対し、カウンセリング倫理、心理アセスメント、地域精神医療などの観点から明るい毎日を送れるように記事を執筆しています。

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