リクルーティング
いきなり退職届を提出するのは非常識?退職届の書き方と提出のタイミング
公開日:2022.2.28
退職する際には退職の意思を伝え、退職届を提出しなければなりません。
ですが、いきなり退職届を提出するとお世話になった会社に悪い印象を与えたり、会社を困らせたりしてしまいます。
後腐れなく、すっきりと退職するためにはどんなタイミングで退職届を提出すればいいのかを考えてみましょう。
目次
いきなり退職届を提出するのは非常識?
別の会社に転職したい、今の仕事がつらくて仕方がないという場合には退職を考えます。
ですが、だからといっていきなり退職届を提出すると非常識な印象を与えてしまいます。
会社を退職する前にはこれまでの業務の引き継ぎをおこなったり、社内や取引先などのお世話になった人への挨拶周りなどをしなければなりません。人数がギリギリの会社の場合は新しい人材を確保するまで退職できない可能性もあります。
今日退職届を提出して今日辞められるということはほとんどありませんし、実際にそのような行動に出るとあなたの印象が非常に悪くなってしまいます。
お互いに気持ちよく退職できるよう、退職届を提出するタイミングはよく検討しましょう。
いきなり退職届を提出するのは違法?
一方で、いきなり退職届を提出するのは非常識ではあるものの法的には何の問題もありません。
就業規則などで「〇か月以上前に退職の意思を申し出ること」などの記載があっても、法律の方が効力は高いです。
出社するのも苦痛、今すぐ仕事を辞めたいという場合はいきなり退職届を提出しても構いません。
退職届を提出する適切なタイミングはいつ?
退職届を提出するのに最適なタイミングはいつなのかを見てみましょう。
業務内容や雇用形態によって、また勤務している会社の状況によって、退職届を提出すべきタイミングは違います。
今回解説するタイミングだけでなく、会社の状況を見つつ適切なタイミングを見計らうようにしてください。
パート、アルバイトの場合
パートやアルバイトのような雇用形態の場合、そもそも基本的には退職届の提出は不要です。
退職の意思を上司や店長、その会社の代表の人などに伝えるだけでOKです。
ですが中には退職届の提出が必要な場合もあります。従業員の数が多い会社や専門的な仕事をおこなう会社などでは退職届の提出が必要なこともありますので、今一度就業規則を確認しましょう。
パートやアルバイトの退職届を提出するタイミングですが、1か月から2週間前くらいがベストです。
パートやアルバイトの場合シフト制で勤務していることが多いですので、現在入っているシフトだけでも働ききってから退職できるように調整しましょう。
シフトの提出期間は勤務している会社によっても違いますが、ギリギリになると人数の調整が難しかったり求人を出すのに時間がかかったりするので注意してください。
正社員の場合
正社員の場合は退職届の提出が必要な場合がほとんどです。
場合によっては退職の意思を伝えるだけでよい職場もあります。先に退職した人や就業規則を参考に、退職届が必要かどうかを見極めましょう。
正社員の場合、法的にはいつ退職届を提出しても問題ありません。ですが退職の意思を伝えてから2週間で契約が終了するという法律がありますので、最低でも2週間前には退職届を提出する必要があります。
また、正社員になると自分が任せられた業務の引き継ぎなどがあります。それを考えると一か月前には退職届を提出しておくのがベストです。
業務内容や職場の状況に応じて、いつまでに退職届を提出すべきかを考えておきましょう。
役職者の場合
役職者が退職する場合、提出するのは退職届ではなく辞表、辞任表です。これは会社に雇用されているのではなく会社と契約している役職者などが提出するものです。
役職者は一般の正社員よりも抱えている業務などが多く、引き継ぎにも時間がかかります。新しい人材が役職に就任するまでに時間がかかってしまうこともあります。
役職者の場合後任が見つかるまでは辞められませんので、退職の意思が固まったら早めに意思を表明することが大切です。
また、役職者は一般の正社員などと違い、会社に損害が出た場合その責任をとらなければなりません。場合によっては賠償金を支払わなければならないこともあります。
正社員と同じく2か月から1か月前くらいに辞表を提出するケースが多いですが、会社の状況によっては1年以上前に退職の意思を表明しなければならないケースもあるので注意しましょう。
急な退職の場合、有休の扱いは?
退職するまでに有給が溜まっている場合、退職までに有給を消化することが可能です。
有給はすべての雇用されている従業員が得られる権利ですので、「もう退職するから」「有給を消化するのは後ろめたいから」などと思わずにきちんと消化してから退職しましょう。
働き始めてから6か月以上が経過している、8割以上出勤している場合に有給は付与されます。この場合の日数は10日間です。
勤続年数が長いと最大で40日間の有給を取得できます。つまり、退職を希望する日から1か月以上有給扱いとしてもらえます。
有給の消化方法、パターンは?
退職前の有給消化方法としては、最後の出社から有給を消化する方法、最後の出社の前に有給を消化する方法の2通りがあります。
有給をすべて消化してから最終出社日に挨拶や職場の片づけなどをおこなうか、引き継ぎ、挨拶、片づけなどをすべて済ませてから有給期間に入るかの違いです。
どちらの場合が最適か、会社の状況を見て、さらに同僚や上司と相談して決めましょう。
最近流行している「退職代行」の印象
退職代行とは、退職の意思を上司に伝えにくいと感じる方の間で流行しているサービスです。
退職したい人の代わりに退職届を送付したり、会社に退職の旨の連絡をしたりしてくれます。
そんな退職代行について、世間一般にはどんな印象があるのかを見てみましょう。
退職代行サービスの利用を検討している方はチェックしてみてください。
非常識だと思われる可能性が高い
いきなり会社に退職代行サービスから電話がかかってきて従業員の退職の旨を伝えられると、多くの会社は非常識だと感じます。
通常であれば上記で解説した通り前もって退職の意思を伝え、退職届を提出し、引き継ぎや人材確保のために一定期間その会社に留まって業務を続けることになります。
ですが退職代行を利用する場合はその日付けで退職を願い出ることがほとんどです。
任された業務を放置して退職した、会社の迷惑を考えずに退職したという印象が強く、よい印象は持たれないことがほとんどでしょう。
退職代行は、パワハラやモラハラに悩んでいる、退職の意思を伝えたのに受け入れてもらえないなど、会社との間にトラブルがある場合のみの利用に留めた方がよさそうです。
トラブルや事件の心配がある
迷惑に思うだけでなく、いきなり退職することで会社の人に心配されてしまうケースもあります。
何らかのトラブルや事件に巻き込まれて出社できないのではないか、無理に退職させられるような状況にあるのではないかと思われます。
お世話になった会社の人に余計な心配をかけさせないためにも、できるだけ退職の意思は自分で伝えた方がいいでしょう。
社内の人間関係がうまくいっていなかったとしても、最低限あなたを心配してくれた人、相談に乗ってくれた人などにはきちんと挨拶をしておく方が、双方すっきりと退職を受け入れられます。
引き継ぎなどはしっかりおこなってから
どうしても自分で退職の意思を伝えられない、社内でのトラブルが怖いという場合には退職代行を利用するのも一つの方法です。
ですが非常識だと思われたり迷惑や心配をかけたりしないためには、退職するまでの事前準備が大切です。
引き継ぎをきちんとしておく、引き継ぎできない状況の場合はマニュアルを作成しておく、親身になってくれた人に対しては挨拶をしておくなど、あなたが退職したあともスムーズに業務を遂行できるような準備をしておきましょう。
引き継ぎの件に関しても、退職代行サービスに伝えてもらうようにするとスムーズです。
退職届の書き方
退職届を提出したいけどどのように書けばいいかわからないという方のために、退職届の書き方を解説します。
まずは会社の規則を確認した上で、できれば手書きの退職届を作成しましょう。
この際も最低限マナーを守った退職届を作成することで、よりよい印象のまま退職できます。
就業規則を確認する
まずは勤務している会社の就業規則を確認しましょう。
就業規則は雇用契約を結ぶ際に受け取っているはずですので、今一度確認してみてください。
就業規則にはその会社での退職の意思を伝えるべき期限、タイミングが記載されていることが多いです。
上記で解説した通り就業規則よりも法律の方が効力が高いので、規則に掲載されている期限を切ってから退職届を提出しても本来なら問題はありません。
ですが少しでも印象のいいまま退職をしたいのであれば、就業規則通りに退職届を提出した方がいいでしょう。
手書きの方がベター
退職届はワードなどで作成したものをプリントしても構いませんが、マナーを気にするのであれば手書きで提出するのがベターです。
手書きの場合は白い封筒、白い便箋を用意してください。色や柄の入っているものはビジネス用としてはふさわしくありません。
筆記用具はボールペンやサインペンなど黒のものを用意し、他のビジネス書類と同じように鉛筆やシャープペンシル、消せるボールペンなどは使用しないようにしてください。
さらに退職届を持ち運ぶためのクリアファイルもあると、提出までに封筒がボロボロになったり汚れたりするのを防いでくれます。
退職届のテンプレート
便箋の一番最初に「退職届」と書き、次の行に「私事」と書きます。
退職理由は事細かに記す必要はなく、「一身上の都合により」としましょう。退職理由は退職の意思を伝える際に一緒に伝えておくか、退職届を提出する際に聞かれたら応える程度で構いません。
何月何日をもって退職するか、退職届を提出したのは何月何日かの日付を記入し、自身の役職、氏名を記入します。名前の下に印鑑を押印しましょう。他の書類と動揺シャチハタはNGです。
最後に会社の正式名称、社長の氏名を記入して退職届の完成です。
下記に簡単にテンプレートを紹介するので、退職届を作成する際の参考にしてください。
退職届
私事
このたび、一身上の都合により、勝手ながら〇〇年〇月〇日をもって退職いたします。
〇〇年×月×日
営業部
山田太郎(印鑑)
株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇 殿
退職届の封筒の書き方
退職届が完成したら退職届を入れる封筒も作成しましょう。
表面の中央に「退職届」と記載し、裏面の左下に自身の役職と氏名を記入します。
上司に直接手渡す場合は封をする必要はありません。
郵送などで送る場合は封をして、フラップ部分と封筒の本体に「〆」を記入して完成です。
提出は直属の上司に
退職届は通常勤務している会社の社長や代表宛てに書きますが、提出するのは直属の上司を選ぶのがマナーです。
チームが複数もないような小規模な会社であれば直接代表に渡しても構いませんが、複数の部署に別れて仕事をしているような会社の場合はまず直属の上司に退職の意思を伝えるとともに退職届を提出しましょう。
その上司との問題によって退職を決意するに至ったとしても、直属の上司であるのならその人に提出するのがビジネス界のマナーです。
会社の規則やタイミングを確認して退職届を提出しよう
会社を辞めたい、転職したいと思ったときに退職届を提出する適切なタイミングについて解説しました。
辞めたいからといっていきなり退職届を提出すると、非常識な印象を与えてしまいます。
お世話になった会社から気持ちよく退職したいのであれば、退職届は適切なタイミングで提出するのがベストです。
雇用形態や会社の状況によっても最適なタイミングは違います。
退職の意思が固まったら早めに直属の上司に相談し、退職届を提出しましょう。受理されてからは通常業務を続けるとともに引き継ぎなどの業務もおこなうことが大切です。
この記事を書いた人