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テレワーク

最適解として導き出した、時間と場所の壁を超える働き方。~After/Withコロナ時代のテレワーク編~

第一部では、Chatwork株式会社(以下、Chatwork)の電話・紙・メールを使わないという創業時から行われている稀有な方針とその理由について詳しくお聞きしました。究極の効率化を追求して生産性を高めつつ、社内のコミュニケーションにも注力する、その独自の働き方は、今回の新型コロナウイルスの感染拡大で一気に広まったテレワークでも大きな武器となっているようです。

続く第二部では、新型コロナウイルスの影響で通常よりも多くなったテレワークへの同社の柔軟かつ迅速な対応、そして生産性の維持・向上のために実施していることについて、引き続き同社取締役副社長COOの山口氏にお聞きしました。

この記事は2020年7月に取材した内容をもとにしております。

時間と場所の壁を超える働き方=テレワークという独自の定義をつくりだす

Chatworkでは、コロナ禍の前から柔軟にテレワークを導入していました。育児や介護など特に大きな理由がなくても、「今日は一日カフェで集中したい」と思えば、わざわざ出社しなくても構いません。面倒な事前申請などは特になく、簡易な連絡だけで可能。職種によって違いますが、コロナ前で2~3割がテレワークをしているという感じでした。

気軽にテレワークができる体制にしているのは、効率化と生産性の向上を求めてきたChatworkにとってそれが、「時間と場所の壁を超える働き方」だからです。前回お伝えしたように、チャットツールを使えば互いの時間を合わせずに効率よく業務を進めることができます。さらにテレワークとの組み合わせによって「場所の壁を超える働き方」も実現でき、時間と場所、両方の壁を超えることができます。これは私たちにとって、無駄を省き生産性を高められる大変効果的な方法なのです。

現在はコロナの影響もあり、より多くの従業員がテレワーク勤務という状態です。これまでの仕組みや体制があったおかげで業務はスムーズに進行していますが、随時人員は増えているため、人材教育やチームビルディングが現状の課題となっています。Chatworkでは、新しく入った従業員の教育や信頼関係の構築はリアルオフィスで対面して行うことが前提で、文化としても浸透しています。そうなると、すべてをリモートで行うのは難しい部分もあるため、必要に応じて出社し、ミーティングやディスカッションを行うなど、状況に応じて随時対応しています。これも前回お話しした同期・非同期の考え方がもとになっています。

テレワークの増加に伴って補助や支給、勤務制度の見直しも

前述のように、Chatworkではコロナ禍前からテレワークに対して柔軟に取り入れつつ、基本はオフィス勤務というハイブリットの体制を進めてきました。しかしこのコロナでテレワークの時間が増え、従業員に対してこれまで以上の支援や補助が必要になってきました。

そこで、通勤が減ったことで定期券購入を廃止し、自宅の電気代の補助を実施。さらにテレワークに必要なデバイスやデスク、椅子、ヘッドホンなど備品の補助や支給を行う制度も整えました。さらに勤務制度にフルフレックス(申請制)を取り入れるなど、適宜見直しを行っています。これらを担当するのは、社内に設置している災害対策委員会です。常に社会情勢を確認し、出勤体制の調整や従業員からの申請などにスピード感を持って対応しています。

テレワークだと生産性は下がる? それは徐々に増えた無駄に気づいていないから

ビデオチャットが容易に行えるようになった今、テレワークで逆に会議が増えたという話をよく聞きます。しかし実は、会議ばかりが続くと生産性は低下してしまいます。「気づいたら、今日は何も生産活動していなかった…」ということがあるのではないでしょうか。

私たちは以前からリアルオフィスであっても最小限、必要な会議だけを行っていました。しかも会議室には集まらず、短時間で、自分のデスクからビデオチャットを使った会議を行うのです。それは、会議室に集まる時間、カメラの準備や接続時間、集まることで発生する無駄が多いためです。こういった細かな作業が積もれば、大きな無駄になります。

会議を行うには参加する全員の時間と場所を合わせる必要があります。これはとても贅沢な時間。日々の会議にこういった贅沢な時間は使わず、本当に必要な時、ここぞという時だけ使うようにしています。コミュニケーションには使い分けが必須です。同期・非同期を上手く使い分けたコミュニケーションによって、無駄を省きつつ生産性を高めることができるのです。

時間と場所を共有するリアルオフィスを大切に。そこで築いた信頼関係がテレワークで活きる

電話・紙・メールをなくし、コロナ禍によってテレワークが増えたなら、もうオフィスなんていらないのではないかと思われるかもしれません。しかし私たちは、業務上のやり取りの多くをチャットで行っているからこそ、リアルオフィスでのコミュニケーションをより大事にするべきだと考えています。ちょっとした相談や雑談から生まれるものがあるからです。もともとChatworkには、空間・時間を共にすることを大切にする文化があり、そうやって築いた関係が礎となっているからこそ、チャットでのやり取りもスムーズに進んでいるのです。

さらに今後はテレワークの長期化を見据えた取り組みも計画しています。構築した信頼関係をテレワークに活かしたKPIや進捗的な部分の見える化の推進、数値の管理はもちろんオフィスであれば察することのできる各人の状況把握などです。例えば忙しそうだから手を貸そうかなとか、そういうテレワークで見えづらい部分も見えるようにしていきたいですね。その実現にもやはり人間関係が重要で、ベースとなってきます。お互いを一層高めあうための建設的な議論ができる文化と機会をつくっていきたいと考えています。

上層部が検討する時間こそ、高コストで無駄。迷っているならまずは挑戦!

今はどの企業もどういった働き方がいいのか、試行錯誤しながら、最適解を模索している状態だと思います。いろいろとチャレンジをしながらダメなら違う方法を考えて、とにかく試している段階でしょう。そして、コロナも今後どう影響していくかわからない状態です。

そうなると、経営陣がいろいろと考えている時間すら、実はコスト的に大きな無駄。時給が高い人たちが多くの時間を割いて検討するよりも、まずは他社の成功例を真似るなど、自社に合いそうな働き方を取り入れて実践してみてはどうでしょう。答えがないなか、迷っていることが一番の無駄だと考え、実行してみることです。

まとめ

現在約277,000社以上(2020年7月末日時点)にChatworkをお使いいただいていますが、コロナ禍でテレワークが増え、改めて私たちが唱える同期・非同期の重要性を実感し、使い分けを意識するようになったというお話を聞くようになりました。どの企業も自社にとって最適な道を模索し、仕組み化を進めていただいているようです。

まだまだ働き方について悩んでいる経営者・人事担当の方は多いでしょうが、これから重要になるのは、事業を守り経営を止めないこと。そのためにまずは挑戦することが大切だと思います。


新型コロナウイルスの感染拡大は世界中が大きな混乱をもたらし、その影響がいつまで続くのか先が見えない状況です。そんななかでどう経営を続け、会社と従業員を守っていくのか。それが多くの企業の課題となっているでしょう。

今回取材したChatworkにも新規の問い合わせが増え、なかにはテレワーク需要が急激に高まり、「まず何をどうしたらいいのか」という相談から受けることも大変多いそうです。山口氏のお話にあったように、真似でもいいからまずはやってみることが重要。すでに多くのお手本があるはずです。

Profile
山口 勝幸 氏

Chatwork株式会社 取締役副社長COO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)。SI・制作会社勤務を経て、ITサービス提供事業会社でサービスと組織マネージメントに従事。2008年にChatworkに入社、CMO(Chief Marketing Officer)としてビジネス部門を統括。2019年3月に取締役副社長COOに就任。

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