オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
テレワーク
公開日:2020.9.23
最近よく聞く「テレワーク」や「リモートワーク」ですが、どのような違いがあるのかご存知でしょうか。 働き方を考える機会や、新しい働き方を国に求められるようにもなった今、「うちの会社でも導入しよう」と考えている担当者の方もいるでしょう。
しかし、実際導入をするとなればテレワークとリモートワーク、どちらを導入すればよいのかをあまり理解していない方もいるかもしれませんし、知ってから導入することでよりメリットを活かせるのではないでしょうか。
この記事では、テレワークとリモートワークの違いについて解説をするとともに、メリットやデメリットについてもご紹介します。
目次
まず皆さんにご紹介するのはテレワークという働き方についてです。テレワークという言葉は英語で表記をすると「telework」となります。「tele」と「work」を組み合わせた造語で、離れた場所で働くという意味になります。
オフィスではない場所で働くテレワークという働き方に新しさを感じる人もいるかもしれません。しかし、実際のところテレワークは新しい働き方ではなく、以前からあったものなのです。
テレワークが生まれたのは1970年代、今から約50年ほど前で、言葉が生まれたのはアメリカのロサンゼルスでした。1970年代のロサンゼルスは、自動車の大気汚染が大きな問題となっていたそうです。職場に行くのにも車を利用する人が多く、さらに石油危機なども起こりました。そういった背景から自宅で仕事をすることで問題を解消しよう!という動きが始まったそうです。
テレワークと同じぐらい聞くようになったのがリモートワークという言葉ではないでしょうか? 多くの人が「同じ意味ではないの?」と思いがちですが、実は少し違います。もちろん「離れた場所で働くこと」という意味ではありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
テレワークという働き方には日本テレワーク協会が定めた定義がありますが、リモートワークにはほとんどありません。どちらも「遠くで働く」という意味になり、海外であればリモートワークもテレワークも同じ意味の言葉として受け取られることが多いでしょう。働き方にもほとんど違いがないため、日本でもほぼ同じ意味と考えられています。
テレビやメディアなどでは「テレワーク」といった表現の仕方をされることが多いようですが、先述のように実際の働き方はそこまで大きく変わりません。
リモートワークと表現する例として、エンジニアやデザイナーなど専門的なスキルを持った人たちがチームを組み、オフィス以外の場所で働くといった働き方をリモートワークと呼ぶことがあります。
テレワークとリモートワークという言葉についてご紹介しました。大きな違いはありませんが、定義が定まっているのが「テレワーク」です。
では、ここからは導入を考える経営陣や人事担当者の方にぜひ知っていただきたいメリットを解説します。
企業側がテレワークを導入するメリットとしてまずあげられるのは、離職率が下がることではないでしょうか。産休や育休、また身内の介護などが原因で「働きたい」という意思があっても、仕事を辞めなければならない従業員は多くいます。この時にテレワークなどを導入していないと、働き方に対して柔軟な提案ができず、やむをえず離職となってしまうこともあるでしょう。
しかし、テレワークを導入していれば在宅で働いてもらうという提案をすることができるはずです。もちろん、今までどおりフルタイムとは限りませんが、即戦力の従業員などに働き続けてもらうことができ、またテレワークを行うことで復職率も高くなると考えることができるでしょう。
企業全体でテレワークを行う場合は、コストをかなり削減することができるでしょう。従業員全員がテレワークなら、オフィスを解約することも可能です。また、オフィス環境を整えるためにかかっていた費用も大きく削ることができるのです。
長年抱えていた「コスト削減ができない」といった悩みを、テレワークの導入で解消できるケースは意外と多いようです。テレワークの導入で浮いたコストをセキュリティ対策の費用にあてることもできるのではないでしょうか。
ワーク・ライフ・バランスには「仕事と生活の調和」という意味があります。働き方改革や新しい働き方を求められている現代には、なくてはならない考え方といえるでしょう。
ワークライフバランスが充実すると、趣味の時間を増やすことができたり、家族と過ごす時間を増やしたりすることもできます。特に長い時間をかけて通勤をしている人にとってテレワークの導入は、通勤にかかっていた時間とストレスを減らせ、ワークライフバランスの向上につながるといっても過言ではないでしょう。
ワークライフバランスが向上すると、日々のモチベーションがアップし、作業効率などもよくなることもあります。テレワークは、従業員のことを考えて導入すべき働き方の一つとなるでしょう。
オフィスで働くことにストレスを感じてしまう従業員は多いようです。人間関係やオフィスの座席の問題、また環境音など、その理由はさまざまです。オフィスには驚くほどストレスの要因が潜んでいます。
テレワークであれば仕事を行うために在宅やカフェなど「落ち着く場所」を自ら選んで働くことができるでしょう。最近ではホテルの部屋の時間貸しをしていたり、ルームレンタルなども一般的になってきました。電源やWi-Fi環境が整っていて、パソコンさえあればどこでも仕事ができる人、そして提供する場所が増えてきているのです。
落ち着く場所での仕事ならストレスを感じることなく働くことができ、仕事にも身が入るでしょう。結果、会社の業績向上へとつながるはずです。
企業が働き方改革を求められている今、積極的に導入を考える必要があるでしょう。しかし、良いところだけを知っての導入には注意が必要です。
続いて、テレワーク導入で起こりうるデメリットや注意点についてご紹介します。
テレワークでは従業員ごとに勤務時間が異なることが多いため、勤怠管理が大変になりがちです。オフィスであれば実際に行動が見えますが、テレワークになると実際に仕事をしているのかが分からないので、余計に難しくなってしまうでしょう。
さらに、従業員と信頼関係を築いているつもりでも、テレワークで目が届かない状況となれば、サボれるのも現実です。きちんと業務をこなしているのなら、多少の休憩は必要ですが、見えないからこそ、管理側もつい疑ってしまうことがあるのではないでしょうか。こういった状況が続くと勤怠管理が大変なだけでなく、せっかくの信頼関係も崩れることになりかねません。
テレワークの導入に二の足を踏んでしまう企業の中には、情報漏洩を怖れている会社もあるでしょう。もちろんオフィスにいるからといって100%情報漏洩が起こらないわけではありませんが、持ち帰ることで確率が上がってしまうのは現実です。従業員個人の意識を高めておくことはもちろん必要ですが、セキュリティソフトの徹底やテレワーク時のルール設定など、会社としてきちんとした体制を整えておく必要があるでしょう。
この記事では、テレワークとリモートワークについてご紹介しました。今後導入を考えている企業の方は、ご紹介したメリットやデメリットを元に、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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