オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
人材育成・開発・研修
公開日:2019.1.31
職場でのコミュニケーションにおいて、柔軟性は非常に重要です。仕事をしているとそれぞれ譲れないことや、 つい頑固になってしまう場面も出てきますが、柔軟に人の意見を取り入れることで何かが進展するかもしれません。柔軟性があると、スムーズな人間関係の構築につながります。
目次
仕事をするうえで、コミュニケーションは必須です。できれば衝突は避けて、柔軟にコミュニケーションをしたいものです。しかし、状況によってはきちんと自分の意見を相手に伝えなければいけない場合もあります。職場で柔軟なコミュニケーションをするために必要な考え方をご紹介します。
何か問題が発生し、個人としてどう考えるか、自分の意見を問われる場合があります。その時、2~3種類くらいの思考が発生します。そして、経験や情報の信憑性から総合的に判断して、どの思考でいこうかを決定します。その際に重要なのは「2割の余地を残して、8割くらいの確定度にしておく」ことです。なぜなら、世の中の仕組みは、一人ひとりが持っている2~3種類のありあわせの思考バリエーションから正解を導き出せるほど単純ではないからです。もし確信があったとしても、他にも答えがあるのかもしれないという考えと、それを受け入れる余地を残しておきましょう。
科学や数学の世界では、原因と結果は1対1で対応していて、直結しているとされています。しかし、現実は異なり、たくさんの要素が存在します。例えば、2つのチームが同じ戦略で、同じ手法を共有して、同じ商品を販売したとしても、売上は大きく異なるという場合があります。これは一概にチームや個人の能力差だけが原因とは言えません。多種多様な要素が複雑に関与している可能性があります。何事にも、個人の力ではコントロールできない「縁」というものが存在するのです。
2割の余地を持っておくという考えは、謙虚であるとも言えます。自分の意見が10割正しいと思い込んでしまうことは、危険を伴います。例えば、上司が自分の意見や結論、正義などを信じ込んでいる場合、それを部下におしつけるとパワハラになってしまう可能性もあります。表面的には1つの思考を選択したとしても、「縁」というものが存在することも念頭において、自分の中で2割の保留の感覚を持ったうえで、柔軟にコミュニケーションをしていく自己調整が大切です。
柔軟性のある人は、状況に応じて臨機応変な対応をし、自分のルールだけにとらわれずに相手の考えも尊重できます。それでは、柔軟性のある人の特徴を3つお伝えします。
柔軟性のある人は、さまざまな意見を積極的に取り入れることができ、視野が広いです。何か問題が発生した場合でも、思考を停止させるのではなく、周囲のアドバイスを活かして前向きに対応できます。柔軟性は問題解決能力に直結していると言えます。上司が部下のマネジメントをする際にも、広い視野を持つことは重要です。
柔軟性のある人は、頭の回転が速く、柔軟な思考で創造的であるという特徴があります。相手の立場や意見を理解、尊重します。トラブルが発生した場合でも、これまでの成功事例などに固執せずに、新しい創造的なアイデアで問題解決をすることができます。
柔軟性のある人は、変化に対する適応力があるので、まずは動いてみるという能動的なタイプが多いようです。行動しながらも最善の方法を探して、その都度臨機応変に調整していけるのです。
普段の何気ない会話から柔軟性のあるコミュニケーションが大切です。相手の反応や状況を無視して、相手に自分の言いたいことを伝えることを目的にしてしまうことが多々あります。「伝える」という手段をただ実行するだけでは、相手の欲しい情報をきちんと伝えられません。相手が本当に聞きたいと思っているのか、どの情報が必要なのかを見極めて、相手に合わせられる柔軟性を持つと、普段のコミュニケーションの質が上がるでしょう。
コミュニケーションにおいて、柔軟性は「素直である」「臨機応変である」と言い換えることができます。柔軟性は特に新卒や若手社員に求められる素養ですが、その上司も柔軟であることが求められます。「自分の言いたいことを言おう」と考えるのではなく、「相手に伝える」という意識で柔軟性を持つと、 コミュニケーションが円滑になり、良い人間関係の構築につながります。
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