オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
人材育成・開発・研修
公開日:2020.4.28
昨今の中間管理職はプレイングマネージャーであることを求められ、常に多忙です。業務が忙し過ぎることで、本来注力すべきマネジメント業務が疎かになっていませんか。
中間管理職がマネジメントに注力するためには、部下に仕事を任せることが必要不可欠です。ここでは、部下に仕事を任せるうえで必要な心構えをお伝えします。
中間管理職の中には業務を抱え込みすぎて、残業が続いてしまったりマネジメントに注力できなかったりする場合も。それでは、このような「やることが多すぎる」上司にありがちな考え方とはどのようなものなのでしょうか。
プレイングマネージャーとなり仕事が増えた時、真っ先に考えてしまうのは「仕事をするスピードを速めたらいい」ということでしょう。しかし、仕事を速めただけでは間に合わないことも多いもの。結局、本来力をいれるべき部下の育成のためのコミュニケーションの時間が取りにくくなっているのが現状です。
「他人には任せられない」と思い込んでいる仕事はありませんか。経験豊富な上司のほうが、仕事ができるのは当たり前。実際は自分のこだわりが詰まった仕事を他人に任せるのが嫌で、「任せたくない」「自分がやりたい」というのが本音なのではないでしょうか。このような事態が積み重なれば、自分ばかり業務量が多いという状態になりかねません。
自分が思っているよりも、意外と周囲は「もっと信頼して仕事を任せて欲しい」と思っていることもあります。
例えば、今まで自分が担当していた営業先に部下を同行させたとしましょう。「自分のやり方をそのまま真似すればいい」と、先陣を切って商談をしてしまうのは、それは部下の成長の芽を奪うことになってしまいます。「上司である自分の方法が正しい」と思うのは、ただのエゴ。部下をもっと信頼して、部下自身が考えて動けるような環境をつくりましょう。
それでは、部下を成長させ、チームの成功に向けてマネジメントに注力できる「良い上司」になるためには、具体的に何をすればいいのでしょうか。ここでは上司がすべき具体的な言動6つについてご紹介します。
上司がしなければいけない仕事と部下の仕事は本来異なるものです。上司は部下の仕事の進捗状況を把握し、見守り、トラブルが生じた時に責任を取るのが仕事です。トラブルが発生したとき、真っ先に最前線に立って自らが謝罪し、今後同様のトラブルが生じないように原因を突き止め、対策を練るのが、上司が優先すべき仕事です。文章
部下自身の育成のためには、仕事を任せていくことが重要です。部下に任せる内容は、自分がしたくない面倒なことではなく、大切にしている仕事を任せるようにしましょう。自分が積み上げてきた経験を伝え、そのまま模倣させるのではなく、部下自身が考えて取り組めるようにすることが大事。そして空いた時間は、上司である自分にしかできない仕事に注力しましょう。
部下に仕事を任せること=押し付けることではありません。新人には細かく仕事のやり方を伝えたり先輩とペアで取り組んだりする環境を整え、中堅社員には自分で考えさせるようにし、部下の現状や特性をよく見極めましょう。そして仕事を任せる際には「できそうかな?」と部下自身の意思を確認することが大切。小さな成功体験を積み上げることで、部下は達成感を得られ、より成長しようとする意欲へとつながります。
上司は部下の成長のために仕事を任せていくべきですが、それは放任とは異なります。常に部下の状況を観察し、最悪の自体が起こらないように気を配る必要があり、トラブルになりそうな一歩手前でのアドバイスが必須。必要に応じて軌道修正しましょう。
部下に仕事を任せている時には、トラブルにならないように状況を把握する必要があります。しかし、常に部下の状況を監視するのでは、仕事を任せていることになりません。部下の意欲も削がれ、上司に報告するための資料作りに時間がかかってしまっていては本末転倒。時間をかけなくてもきちんと確認できるような流れを確立しましょう。
最終的に望ましい組織は、上司である自分がいなくても回る組織です。上司の仕事はトラブル対応とチーム全体の進捗状況の把握という状況になれば、何かあった時にすぐ上司はサポートすることができます。そのためにも、部下に仕事を任せて成長してもらう必要があるのです。
管理職に求められることは優秀なプレイヤーになることではなく、会社やチームで成果を上げるためにマネジメントすることです。そのためにもチームのメンバーを巻き込み、頼り、任せられる部分をどんどん増やしていきましょう。個々人を成長させることにより、チームのパフォーマンス力を高め、変動の激しい時代でも生き残っていける組織になるはずです。
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