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人材育成・開発・研修

リーダー研修の実施効果が低いのはなぜ?効果を上げるための上司の行動とは

公開日:2020.2.7

    せっかくリーダー研修を企画・実施しても、想像していたような効果が出ないケースも多々あります。
    高い費用と多くの時間を費やして社員に研修を受講させているのに、十分な効果が得られないのはなぜでしょうか。
    この記事では、効果が出ない理由や、研修での学びを活かすためには何をすればいいのか検証していきます。

    研修に実施しても思うような効果が出ない理由

    アメリカの経営学者・カールパトリック博士が考案した評価モデルにおいて、評価の基準は4段階に分けられます。その4段階とは、アンケートを取って研修の満足度を評価する「反応」、レポートやテストで習得度を評価する「学習」、実際にどう業務に生かしたかを評価する「行動」、そして業績にどのような影響を与えたかという「業績」です。
    効果が出ないケースでは、「反応」・「学習」の評価は好調なものの、「行動」で躓いていることが多いようです。それでは、効果がでない理由を検証してみましょう。

    参加社員のモチベーションが低いから

    まず、研修を受けるにあたって重要なのは参加者本人のモチベーションです。
    「こんな忙しい時に研修に行かないといけないなんて大変だ」
    「研修の講師には組織の実状がわかっていない」
    「息抜き程度に受けていればいいか」
    このように、研修に対して後ろ向きの姿勢で臨んだ場合、学んだことが身につくはずもありません。まず、事前に研修の目的を参加者本人が自覚し、この研修で学んだことを本気で仕事で活かそうと思えるように、モチベーションを高めておく必要があります。

    上司が研修に対して協力的ではないから

    本人のモチベーションと同じくらい大事なのが、上司の協力。せっかく研修で学んできても、上司が研修に全く興味がなく、戻って早々「早くこの仕事を終わらせて」など言われたら、部下はどのような気持ちになるでしょうか。
    研修で学んだことに誰も興味がなく、日々の業務に忙殺されていては、数日後には研修で学んだことを忘れてしまっている可能性もありますよね。
    部下が研修から帰ってきたら、上司は手を止めて部下の研修報告を聞きましょう。そうすることで、部下自身の知識もブラッシュアップされ、上司との信頼関係の構築にもつながります。

    日々の業務が忙しすぎるから

    日々の勤務状況も環境要因の一つです。丸1日研修を受講するだけで、メールがたくさんたまり、伝言メモが電話に貼られ、翌日は仕事を始めるまでにそれらを片づけることに時間を割かれてしまう、といった状況に陥るケースも。
    研修も立派な仕事です。1日研修に参加した後でも、参加者の負担にならないような業務の割り振りを考えましょう。

    チームの理解がなく実行に移せないから

    研修で学んだことは実際の行動に移さないと意味がありません。そのためには、チームの理解が必須。現場でアウトプットできるような環境を整えましょう。実際の行動に移し、たとえすぐによい結果が出なかったとしても、チームで支え合い継続することで業績の向上や、チームの団結力のアップも期待できます。試行錯誤しながら実行することを繰り返すことで、研修での学びもより深まります。

    研修の目的に合った対象者の選定が重要

    そもそも研修を行うにあたり重要なのは、研修の目的の設定と、対象者の選定です。ここでは対象者の選定について考えてみましょう。
    リーダー研修への対象者を選ぶ際、研修を企画する人事側は、おおよその対象者のポジションや年齢を現場の責任者に伝え、候補者を推薦させ、そのうえで選んでいるケースが多いでしょう。この手法であれば、責任者が誰を推薦するのかによって、レベルのバラツキが出てしまいます。
    参加者の要件が明確にされていない場合も、参加者間のレベルに違いが出るでしょう。
    グループディスカッションの際に話が通じなかったり、参加者同士で緊張してしまったりしては、研修プログラムをうまく進行することができません。
    また、チーム内で適当に参加者を選んだ結果、数年後には研修に参加できる人材がいなくなってしまうケースもあります。
    まずは、研修参加者の選定方法を見直す必要があります。
    人事制度で仕事の等級を明確に整備し、細分化された等級に応じた研修を企画し、その等級の中から参加者を選択すると、参加者同士のバラツキが生じにくくなります。

    研修の効果が出る環境を整えるのは管理職の役目

    会社という大きな視野で組織を見た時、個人で成果を上げても組織として成果が上がらなければ意味がありません。研修に参加した社員が学んだことを、チーム全体で活かせるような環境を整えるのが、管理職の役目です。研修に対して否定的だったり、無関心だったりすると、研修の効果が得られにくくなってしまいます。
    研修に送り出す前から、本人だけでなく周囲のメンバーに研修へ参加する目的などを伝えてサポート体制を整えましょう。研修後には、研修で学んだことを報告する機会を設け、実際に学びを活かせそうな職務を与えることが重要です。

    まとめ

    リーダー研修は、参加した後が重要です。その学びを行動に移すかどうかは本人はもちろん、上司次第でもあります。個人のスキルアップだけでは会社全体の業績はなかなか上がりません。個人のパフォーマンスだけではなく、組織のパフォーマンスが問われています。参加者やチームメンバーに研修の目的を明確に伝え、その後も学びをチームに活かし、実際の仕事に役立てられるような環境を整えましょう。

    この記事を書いた人

    HR BLOG編集部

    このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

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