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HR駆け込み寺

【第8回】上司と部下の間で話がうまくまとまらないのは世代差のせい?!~あるべき社内コミュニケーションとは? ~ 電撃人事エグゼクティブが斬る!

Q.上司と部下の間で話がうまくまとまらないのは世代差のせい?! あるべき社内コミュニケーションとは?

40年前に創業した弊社は、今でこそ全体的には20代の若手社員が多いのですが、創業した社長をはじめ、創業当時から勤続している40~50代の幹部クラスの方がほとんどです。たまに私のように転職組で幹部になること前提で採用される30代前半の社員もいます。
今、社内全体で上司と部下の「コミュニケーション」について悩んでいます。私が所属している人事部門にいろいろと相談がくるのですが、どうも話を聞いていると世代でコミュニケーションのとり方が違っているのが原因になっているようです。若い世代、部下側の意見としては「他部門の先輩に仕事の相談をしたら、上司や先輩が嫌がるので聞きづらい…」、年配、上司側の意見としては「自分の知らない所で部下が勝手なことをする」というものでした。上司と部下の間で、そういったコミュニケーションの問題があるせいか、部門間で対立するようないざこざもあったりします。こうした社内のギクシャクした雰囲気をなんとか改善したいのですが、どのように取り組めばよいでしょうか。(製造業:200名規模)

A.これからの時代はダイバーシティが重要。だからこそ「社内のコミュニケーションルールの統一」が大事。余計なトラブルや誤解の元にならないよう、リーダーがはっきりとルールの在り方を明示してあげること。

このケースも、いわゆる昔ながらの年配リーダー層の言動によるもので、よくある事例ですね。いろいろと課題がありそうですが、今回は「社内のコミュニケーションルール」に焦点をしぼって解答しましょう。

ですが結論から言うと、相談の内容が「業務」の進め方であれば会社の「業務の指示系統」に従って行動する。この場合は上司に相談するなのでしょう。逆に、そうでないなら、自由にやって良いのではないでしょうか。
ただ、この部下の人からの質問に対してアドバイスをするとすれば、上司との友好な関係を築いていきたいなら、友好な関係を築くためのコミュニケーションは取るべきですし、そのことを上司やほかの先輩たちが教えてあげないといけないですよね。業務に関係することなら最低限「報・連・相」はしっかりしておいたほうがい良いということ。
また、「部下が勝手なことをやっている」と言っている上司の方にアドバイスをするとすれば、そもそも「部下の話をヒヤリングする時間」を定期的に取っているのでしょうか?もし取っていないなら、まずはそこからやってみてほしいと思います。

経営層が明確にするべき組織のスタイル

それでは細かく解説していきますが、まず、気を付けておくべきポイントがあります。それは、経営層が自社の組織が「ヒエラルキー型」と「ネットワーク型」のどちらなのか、はっきりさせておくべきということです。「ヒエラルキー型」とは業務の指示命令が上から下へフォーマルに進められる組織のことで、大規模な企業や政府機関などに見られる組織形態です。

一方で「ネットワーク型」は、小規模の企業や、ベンチャー企業などで取り入れられるケースが多いのですが、特定のリーダーや上司が存在せず全ての社員がフラットな組織形態です。ネットワーク型の場合、社員自身が所属するチームに与えられた目的達成のために、自由な発言や行動ができ、自分の能力を最大限に活かして成果を出していくことができます。この「ネットワーク型」では、所属するチームにとらわれず、いろいろな部門とと連携しながらミッション達成を目指すという特徴がありますね。

「ヒエラルキー型」と「ネットワーク型」どちらも一番大切なのはコミュニケーション

自分の会社がどちらの組織形態なのか、お互いの共通認識を持っておかないと、社員がどのようにふるまってよいかわからず混乱してしまいます。特に同じ社内に「ヒエラルキー型」と「ネットワーク型」が混在しているケースが多々ありますが、それぞれの範囲が明確になっていないと、誤解やトラブルの元になりやすいです。

たとえば、部門として「ヒエラルキー型」で運営しているのに、そのことを新しく入った社員に正しく説明していない場合、その新入社員はよかれと思って「ネットワーク型」の働き方をすることもあるでしょう。そうするとその部門にいる上司層や古くからその部門にいる先輩から見れば「なんであいつは勝手なことをやっているんだ?」「俺は聞いていない!」という状態になるし、その新入社員からすれば「なら最初に言ってよ!」となると思います。

逆にネットワーク型の組織に、ヒエラルキー型の会社にいた人が転職してきた場合も、その部門、会社がネット―ク型の組織であることを正しく伝えていなければ同じことが起こります。その新入社員は「なぜ上司は自分に指示を出さないのか?この部門は仕事がないんじゃないのか?それとも自分は嫌われているのか?」と思うかもしれませんし、上司や古くからいるチームメンバーも「なぜ彼は自分から仕事を取りにいかないんだ?全然仕事のできない指示待ち人間を採用してしまったのでは…」と思うかもしれません。

チーム内でのコミュニケーションが正しくとれていて、彼らへのヒヤリングがしっかりできていれば、多くの場合は解消するでしょうし、部下から「この部分に関しては『ネットワーク型』のコミュニケーションにしてほしいです!」というような提案を受けることもあるかもしれません。そういった場合は臨機応変に改善を検討していくことも重要でしょう。

このように社内に不必要な誤解やストレスが生まれてしまわないよう、会社の経営陣や各部門のリーダーたちが組織のスタイルを明確にして伝えていくことが重要です。また、このことを経営層が理解し管理できていないと組織は正しく機能せず、場合によっては、空中分解してしまうでしょう。では、どうすればよいのでしょうか。

正しいコミュニケーションで組織の空中分解を防ぐ!

会社の経営層がリーダーたちと共に、それぞれの部門にあった組織形態を明確可し、彼らと共通認識を持つことが重要です。そして、リーダーたち自らの言動で課員に示していくことが重要です。
部門長やリーダーたちが理解しておかなければならないのは、組織形態が「ヒエラルキー型」であったとしても「ネットワーク型」であったとしても、部下たちとのコミュニケーションを欠かしてはいけないということです。

部下に対して、常日頃から「どんなことでもいいので相談してきてほしい」と呼びかけるようにしましょう。部下に指示している仕事で進捗が気になるものがあれば「あの件どうなった?困っていることはなか?」と声を掛けるようにしましょう。社内の生産性や効率を考えるのであれば、特にこのコミュニケーションは重要です。上司や先輩が気に掛けてくれているということを知るだけで、パフォーマンスの上がる部下も少なくないでしょう。

人が育ち会社も育つ!これからの時代、成果に繋がる「ネットワーク型」組織とは?

ある著名なIT起業家の名言で「会議は人から呼ばれていくものではない、自分で自分を招待するもの」という言葉があります。これからの時代は、「ネットワーク型組織」の考え方、コミュニケーションスタイルで、自分からどんどん情報を取りに行って発信できる方が、スムーズに仕事を進められるでしょう。

特に日本企業は上下関係の意識が強いので、この社内コミュニケーションのスタイルを変えることはなかなか難しいものがあると思います。部下、上司の関係は単なる「役割」であって、「人」としては「上下関係」はないのですが、そこを取り違えているケースが多く見られます。「上の人がまだ来ないんです…」「下が言うことを聞かない!」って、お殿様と家来じゃないんだから(笑)。業務上の指示系統として「上」から「下」への伝達はありますが、人と人の関係においては、「上」も「下」もありませんよね?

「少子高齢化」「ダイバーシティー」日本企業が直面する課題にどう挑むのか?

それでなくても少子高齢化で、若い人にどんどんビジネスの世界に出てほしい時代です。これからは若者だけでなく、外国籍の方にも一緒に働いてもらわないとビジネスが成り立たなくなってくると思います。働き手もですが、顧客層もダイバーシティになっているのに、もしリーダー層がダイバーシティを受け入れなかったとしたら、ますます顧客の求めるものから遠ざかってしまいます。

「それじゃあよくないから我が社でもダイバーシティを推進しよう」「女性を抜擢しよう」「外国籍の社員を増やそう」とやってみたところで、結局自分たちと似たような考え方をする女性、外国の方を迎えて入れたり、違う考え方を持つ人を受け入れていなかったりするケースもあります。残念ながら、こうした昔ながらの古い考え方や行動を取っている年配リーダー層がまだ少なからずいると思います。世代も違えば性別も出身国も、文化や考えた方も違う人たちの意見を受け入れてこそ、初めて本当のダイバーシティと言えるのです。

これからの時代に生き残る企業にするために、本気で会社を変革させようと考えているのであれば、多様な価値や考え方を受け入れる体制を整えていくとよいでしょう。どんどん若手が自分から意見を上げてもらえるような場を用意してあげるのも一つの手段です。ただでさえ「草食系」と揶揄され弱いと言われる若手が、よくない意味での昔ながらのヒエラルキー型組織に苦しめられ、どんどん意見が言いにくくなってしまい、これからのダイバーシティの世界に通用しない社員になってしまうかもしれません。

昔から今のビジネスを支えてきた年配リーダー層の知識や経験などのノウハウも重要ですが、今の時代、デジタルデバイスに幼い頃から慣れ親しんできた若者に教わることもたくさんあります。お互いの持っている長所を活かして意見とアイデアを出し合い、付加価値を高めていけるよう、共に歩み寄っていけるとよいのでないでしょうか。そういう場をいかに提供して定着させていけるかが、人事の腕の見せ所だと思います。

電撃人事エグゼクティブからの金言

  • 自分たちと違う考え方を受けてこそ、本当のダイバーシティ
  • リーダーが自らの言動で「社内のコミュニケーションルール」を実践すること
  • ビジネスにおいては「ネットワーク型」の社内コミュニケーションルールの活用を
  • 人事が先導して、社員が自ら情報を取りに行き、発信できる環境を築くをサポートを
  • 年配リーダーの地と気や経験、デジタルデバイスに慣れ親しんでいる若手の感覚など、お互いの長所を活かす

今回の回答者
石坂 聡氏 Ishizaka Satoshi
(Asian Caesars 代表)

HRコンサルタント協会 理事。
外資系金融機関の人事部長を歴任。2013年にコカ・コーライーストジャパンの常務執行役員人事本部長に就任し、約30社の人事制度統合、企業文化改革、多大なるシナジー創出などを短期間で実現。電撃人事エグゼクティブとして名を馳せた。2017年10月にAsian Caesarsを立ち上げ、人事改革とグローバル人材育成のエキスパートとして、人事顧問サービス、エグゼクティブコーチング、講演など幅広く活躍。大手企業のリーダー達への変革指南で多忙な日々を送る。


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この記事を書いた人

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HR BLOG編集部

人材開発プラットフォームサービス 『Motify HR』を運営しています。このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

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