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労務110番

産休中に報酬の“随時改定”が必要となった! どう対応すればいい?

公開日:2019.2.28

    産前産後休業(以下、産休)を取得中の従業員から「広めの住居に引っ越した」と連絡がありました。当社の住宅手当規定では1ランクアップとなり、通勤手当も改定する必要があります。通常なら随時改定をするところですが、現在は休職中で、その後も引き続き育児休業(以下、育休)を取得予定です。この場合、どのように取り扱えばよいですか?

    【結論】職場復帰後、報酬支払基礎日数が17日以上となった月の3ヵ月間の報酬月額平均をもとに標準報酬月額を改定します。

    そのため、手続きは産休・育休終了後に行うことになります。

    3ヵ月間の報酬が規定日数を超えれば随時改定の対象に!

    被保険者の固定的賃金に増減があり、3ヵ月間の報酬月額平均が標準報酬月額と比べて2等級以上の差が生じたときは、随時改定の対象となります(健康保険法第43条)。ただし、各月の報酬支払基礎日数がすべて17日(社会保険の適用拡大の対象者は11日)以上であることが要件となっています。

    住宅手当と通勤手当は、いずれも固定的賃金に当たります。そのため、通常勤務であれば“2等級以上の増額が生じたか否か”について、手当改定後3ヵ月間の支払い実績を確認することになります。
    しかし、今回のケースは産休中で、その後も育休を取得予定であることから、無給(または低額の休職給を受給)状態が長期にわたって継続します。そのため、報酬支払基礎日数17日以上という条件を満たすことができません。では、この場合はどのように対応すればよいのでしょうか?

    産休&育休終了後に改定の手続きを!

    無給(もしくは低額の休職給を受給)期間中に昇給等があった場合は、『実際に変動後の報酬を受けた月を起算日として改定』の手続きをとるべきとされています(平23・5・26事務連絡)。つまり、産休&育休終了後に随時改定が必要か否かを確認することになるのです。

    “報酬支払基礎日数17日以上”という要件に関しては、実際に増額後の手当が支払われた後の3ヵ月間が判定対象期間となります。この期間中に育児またはその他の理由により、いずれかの月の支払基礎日数が17日未満となれば、随時改定は不要です。

    ただし健康保険法では、随時改定とは別に『育児休業等を終了した際の改定』(健康保険法第43条の2)、『産休を取得した際の改定』(同条の3)について規定を設けています。そこでは『産休や育休終了以後3ヵ月の報酬月額平均を算出する際は、報酬支払基礎日数17日未満の月を除く』とされています(同条要約)。つまり、支払基礎日数17日未満の月があっても、『育児休業等を終了した際の改定を妨げるものではない』とされています(平23・5・26事務連絡)。



    この記事を書いた人

    HR BLOG編集部

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