オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
オンボーディング
公開日:2019.6.27
新入社員が業務を覚えて戦力になるまで、半年から1年程かかると言われています。早い時期に離職されてしまっては、会社にとっても新入社員にとってもマイナスにしかなりません。新入社員が安心して働け、一人前の社員として成長していくためには、入社初日から90日までのオンボーディングが重要になります。
目次
新入社員が安心して社会人生活をスタートするためには、周囲のサポートが欠かせません。入社前に設備面・業務面で準備しておくだけでなく、受け入れメンバー全体で歓迎するムードをつくり上げておきましょう。それでは、新入社員を受け入れるにあたり、必要なサポートをご紹介します。
新入社員は入社にあたり期待と不安を抱えているものです。可能な限り、入社初日の不安は減らしておきましょう。入社日の服装・出勤時間や集合場所などの基本情報をあらかじめ伝えておくことで、安心して出社できます。
出社して自分の場所が確保されていなければ、歓迎されていないのではないかと感じてしまいます。必ず新入社員用のデスクを確保し、電話やパソコンなどの基本的な設備、マニュアルや必要書類の準備をしておきましょう。
新入社員を受け入れるにあたり、人事部だけでなくチーム全体で新入社員がどんな人なのかを共有しておきましょう。既存社員が協力し合い、新入社員の紹介冊子を配布したり、周知メールを送っておいたり、新しいメンバーを迎い入れる意識を高めておきましょう。新入社員は歓迎されていると感じることで、リラックスして過ごせるようになります。
入社後、業務を進めるなかでさまざまな疑問が生じるはずです。上司に聞くまでもないような小さな疑問でも、積もり積もると不安から不満へと変化していきます。困ったことがあったらいつでも相談できるようなメンターを確保しておくとよいでしょう。
社内で人間関係が構築できると、スムーズに働けるようになります。新入社員の研修を行うことで同期でのつながりが持てたり、チームの枠を越えてランチ会を実施すると他部署にも相談できる社員を見つけたりすることができます。このように新入社員が既存社員とコミュニケーションを積極的にとれるような仕組みを整えておきましょう。
新入社員の定着率は、最初の90日の研修で左右されるとも言われています。つまり、最初の90日でしっかりとフォローすることができれば、会社への満足度や帰属意識も高まり、一人前として早く成長できるようになるのです。
それでは、新入社員が入社後すぐに抱えてしまいがちな課題を5つご紹介します。
新入社員を受け入れる体制が整っていなければ、歓迎されていないのではないかと不安に感じてしまいます。配属先のチーム全体で、先ほどお伝えしたような受け入れ体制が整っているかどうかしっかり確認しておきましょう。
人間関係が希薄だと、孤独感を抱えてしまいます。チームだけでなく他部署のメンバーも含め、ランチ会や面談を積極的に実施しましょう。人とのつながりがあれば、何かあった時に相談できるという安心感にもつながります。
会社が求める社員像と、新入社員がなりたい社員像との間に大きなミスマッチがないかどうかを確認しましょう。会社が求める社員像にむりやり合わせる必要はありませんが、新入社員が持っている可能性を最大限に伸ばす必要はあります。成長スピードを上げるために、定期的に上司と1on1ミーティングを実施するなどし、新入社員のビジョンを明確にしておきましょう。
新入社員は担当業務だけでなく、事務処理から会社の仕組みまで、ありとあらゆることを学ばなければいけません。なるべく早く学んでスキルアップするよう、受け入れチームが全面的にサポートし、OJTなどの実践を通じて教えていきましょう。
人には承認欲求があります。周囲からフィードバックされるような環境を整え、小さなことから成功体験を積むことで自己肯定感を持てるようにサポートしましょう。そして、チーム全体で成果をしっかりと認めて褒め、仕事に対するモチベーションを高めましょう。
オンボーディングをするうえで、何を伝えるかはとても重要です。即戦力として活躍してもらうために、最初に伝えるべきことをご紹介します。
いくら優秀な人材であっても、何のために仕事をしているのかが理解できていなければモチベーションは上がりません。まずは会社の価値観・ビジョンの共有をしておきましょう。会社と個人の目指す方向性が一致していると、仕事への情熱につながります。
人に個性があるように、会社にもそれぞれの風土があります。会社が培ってきた企業文化を伝え、意思決定のプロセスを身に着けてもらいましょう。
特にマネジメント層に必要になるのが社内ルールの理解です。明文化はされていない独特の社内ルールなどがある程度会社には存在するものです。マネジメント層がこのような社内規範にいち早く対応しなければ、部下も戸惑い、力を十分に発揮することができません。マネジメント層も新入社員と同様、人事部がサポートしてオンボーディングを行うことで会社への理解を深める必要があります。
期待されている力を十分に発揮して個人としても成長していくためには、入社初期の研修がとても重要になります。チーム一丸となり新入社員をサポートすることは、既存社員が仕事の内容や方法を見直すきっかけにもなり、会社の発展にもつながります。オンボーディングを取り入れて、新入社員の可能性を最大限に引き出し、一人前の社員として活躍してもらいましょう。
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