MotifyHR

人材育成・開発・研修

燃え尽き症候群(バーンアウト)とは?原因と対策はこれ!診断ツールでセルフチェックしてみよう

公開日:2021.9.21

これまでやる気があった社員が急にやる気を失う、無気力になるという経験をしたことはありませんか?それは燃え尽き症候群(バーンアウト)かもしれません。
燃え尽き症候群は連鎖して、退職ラッシュに繋がります。しっかりと対策しましょう。

1分でできる!燃え尽き症候群の診断はこちら

燃え尽き症候群(バーンアウト)とは

燃え尽き症候群(バーンアウト)とは
燃え尽き症候群(バーンアウト)とは、「急に熱が冷めて、燃え尽きたかの様にやる気を失ってしまうこと」を意味する言葉です。仕事に熱意を持っていたものの、仕事上の出来事をきっかけにして、やる気が低下してしまった時に発症してしまうケースが多く見受けられます。

日本では「燃え尽き症候群」と呼ばれていますが、海外ではBurnout Syndrome (バーンアウトシンドローム)と呼ばれています。精神心理学者のハーバート・フロイデンバーガーが1974年代に初めて用いた造語です。

燃え尽き症候群を診断するには、MBI(Maslach Burnout Inventory:マラックバーンアウトインベントリー)と呼ばれる尺度を用います。
MBI(Maslach Burnout Inventory:マラックバーンアウトインベントリー)は3つの観点、「情緒的消耗感・脱人格化・個人的達成感の低下」の観点から重症度を判別するものです。

燃え尽き症候群の診断はこちら

また、以下のように燃え尽き症候群はWHOによって「疾病」として分類されています。
「職業現象」のバーンアウト:国際疾病分類(ICD-11)

燃え尽き症候群とうつ病の違い

WHO「国際疾病分類第11版健康診断情報の世界標準」
燃え尽き症候群は「うつ病」と比較されますが、要因や症状、WHOによる分類も異なるため明確に区別されています。

燃え尽き症候群:
WHOが公開する「国際疾病分類第11版健康診断情報の世界標準」
【雇用または失業に関連する問題】に分類されています。

また、以下の症状を引き起こすことを把握しておきましよう。

・倦怠感
・気分が落ち込む
・本来のパフォーマンスを発揮できない

燃え尽き症候群は主に仕事が要因で「成果を評価してもらえなかった」など、確定的な原因が見つかりやすい点が特徴です。

死亡率および罹患率統計のためのICD-11 (バージョン:05/2021)
健康状態に影響を与える要因 > 雇用または失業に関連する問題 > QD85 燃え尽き症候群

うつ病:
WHOが公開する「国際疾病分類第11版健康診断情報の世界標準」
【精神障害、行動障害、または神経発達障害】に分類されています。

うつ病の場合は、以下の症状が日常生活でも見られている点に注意が必要です。

・不安や絶望
・自尊心の低下
・自殺願望

仕事を含む、幅広い分野で要因となる事が多く、確定的な原因が見つかりづらい傾向が見られます。

死亡率および罹患率統計のためのICD-11 (バージョン:05/2021)
精神障害、行動障害、または神経発達障害 > 気分障害 > うつ病性障害 > 6A72 気分変調性障害

「燃え尽き症候群」と「うつ病」は異なる分類です。加えて、WHOが公開している健康診断情報の世界標準である国際疾病分類第11版での分類では、以下のように記述されています。

・燃え尽き症候群は「仕事に関する問題」に分類される。
・うつ病は「気分障害」に分類される。

症状による違いは、うつ病には自尊心の低下や自傷行為がみられるため、燃え尽き症候群との違いを把握しておきましょう。

燃え尽き症候群の症状

燃え尽き症候群は、うまく管理されていない慢性的な職場のストレスが原因となる事が特徴です。その症状についても仕事に影響するものが多く、3つの指標が定義されています。

1)やる気の喪失、疲労感
感情的倦怠感(EE:Emotional exhaustion)

2)現実感の喪失、否定的で冷笑的な感情
離人症(DP:Depersonalization)+冷笑主義(Cynicism)

3)非効率性、達成感の欠如
個人的な成果(PA:Personal accomplishment)+専門的有効性(PE:Professional Efficacy)

燃え尽き症候群は、特に雇用や失業に関する現象を指し、他の分野では使用しない単語です。

燃え尽き症候群の診断に用いる、MBI(Maslach Burnout Inventory)のマニュアルに記載されている症状の定義としては下記のような5つの項目が含まれます。

項目 詳細
感情的倦怠感
(EE:Emotional exhaustion)
仕事に対して、真摯に向き合えているか、疲れ果てていないかを測定する
離人症
(DP:Depersonalization)
サービス、ケア、治療、または指導の受け手に対する興味関心や非人道的な反応がないかを測定する
個人的な成果
(PA:Personal accomplishment)
仕事における能力と成功した達成感を測定する
冷笑主義
(Cynicism)
仕事に対する無関心または距離の態度を測定する。
離人症の尺度に似ているものの、この尺度で測定される冷笑主義は、職務を全うすることを避けていないかを測定する。
専門的有効性
(PE:Professional Efficacy)
自分の仕事における能力と成功した達成感を測定する。
個人の達成度の尺度に似ていますが、この尺度で測定される個人的な達成感は、人々に有益な影響を与えることの有効性と成功を感じられるかを測定する。

燃え尽き症候群の診断に用いるMBI(Maslach Burnout Inventory)はいくつかの職業に対し、専用のフォームが用意されている点も特徴の1つです。適切なフォームを選択することでより的確な診断結果を得られるようになっています。

以下では、各職業別の燃え尽き症候群を診断するフォームでは、上記5つの項目から職業別に選別された項目を使用しています。
マスラーク・バーンアウト・インベントリー(Maslach Burnout Inventory/MBI)で燃え尽き症候群の重症度を診断できる!

燃え尽き症候群とワークエンゲージメント

ここでは、ワークエンゲージメントと燃え尽き症候群(バーンアウト)の関係性をみていきましょう。

表から4つの系統に分けることが可能です。

  • ワークエンゲージメント(Work Engagement)
  • ワーカホリズム(Workaholism)
  • 燃え尽き症候群(Burnout)
  • 職務満足(Job Satisfaction)

4つのグループを「活動水準(Standard of living)」と「仕事への意欲(Job motivation)」の2つの軸によって位置づけています。

図の右上に位置するワークエンゲージメントが最も望ましい状態です。ワークエンゲージメントは、燃え尽き症候群(Burnout)の対概念として位置づけられ、以下3つがそろった状態のことを指します。

  • 仕事に誇りややりがいを感じている(熱意)
  • 仕事に熱心に取り組 んでいる(没頭)
  • 仕事から活力を得ていきいきとしている(活力)
  • そして、それぞれの項目を簡潔に紹介すると以下となります。
    ワークエンゲージメントに該当する社員は、活動水準が 高く仕事への意欲・態度が肯定的。会社・社員にとっても最も望ましい状態。

    燃え尽き症候群に該当する社員は、疲弊し仕事への熱意が低下している。そのため、活動水準が低く、仕事への意欲や態度も否定的。

    ワーカホリズムに該当する社員は、生産性は高く活動的。しかし、仕事に対しては否定的で意欲は低い傾向。一生懸命というよりも衝動的に制御不可能な執着を持つことが多く、金銭や生活の不安を補填する意識がある。

    職務満足にあたる社員は生産性は低いものの、仕事への意欲や態度は肯定的。現状に満足しており、必要以上を求めずリラックスしている状態。

    特徴として、燃え尽き症候群は、会社にとっても社員にとって働く意欲としては、最も危険な状態だといえるでしょう。

    生産性が低く、仕事への意欲もない、否定・不快に思って疲弊している状態で退職予備軍といっても過言ではありません。

    また、100%の社員がワークエンゲージメントに属することは難しいものの、燃え尽き症候群の原因や特徴を理解すれば、改善していくことは十分に可能です。

    燃え尽き症候群の原因と陥りやすい人や職場の特徴

    燃え尽き症候群は、雇用や失業に関する事柄で発症するものです。

    ここでは、その中でも特に原因となりやすい項目をみていきましょう。

    原因①仕事量

    原因その①は自身の能力を超えた過負荷。

    自身の能力に適した仕事量であれば、過負荷を回避できます。効率的に仕事を行い、休息の時間や自身の成長に費やす時間を見つけられるでしょう。

    仕事量が自身の能力を超えて、休息時間もなく慢性的に過負荷を感じることがあるとストレスを感じてしまいます。そうなると、疲弊して疲れ果て、仕事に真摯に向き合えなくなり、パフォーマンスも低下することも把握しておきましょう。

    人や職場の特徴①仕事量

    【人】
    ・仕事量が多すぎる人
    ・自分のための時間がない人

    【職場】
    ・個人に対して過負荷を与える職場
    ・徹底した管理体制で余裕がない

    感情的倦怠感のポイントが下がるため、燃え尽き症候群の症状につながります。

    仕事量の過負荷を回避する為に

    マネジメント側でも調整が必要であるものの、仕事の優先順位を決めて、自身の能力以上に負荷がかからないように調整します。

    理由を説明して、業務の委任や拒否が重要です。一人で完璧に遂行しようとしても過負荷に耐えられずに燃え尽きてしまうためです。

    プロジェクトを効率的に遂行する為にも、自身の能力をしっかりと見極めて仕事量を調整することも必要といえるでしょう。

    個人の主観だけでは過負荷のポイントを見失いがちです。一歩引いて客観的に見ることでも、休息の時間や自身の成長の為の時間と仕事量のバランスを調整しやすくなります。

    原因②自律性


    原因その②は仕事をコントロールできない自律性の欠如です。

    自身や職務をコントロールできない場合、発言権や決定権が不足している場合、ストレスを強く感じる傾向があります。例えば、以下のような意識を常に持っている場合、負荷が掛かることが予想できるでしょう。

    • 24時間年中無休で顧客からの電話に出ないといけない
    • 務範囲外の業務を強制されても拒否できない
    • 自分の職務を改善する権利がない

    自律性を欠いてしまう状況で職業生活に悪影響を及ぼすとき、非合理的・非効率的と感じて意欲が消失してしまう点に注意が必要です。

    例えば、知らぬ間に社員が不満を抱え、燃え尽き症候群に陥ってしまって突然出社できなくなるというパターンはありがちです。また、自律できない場合は、本来の労務以上にストレスを感じて疲弊し、疲れ果ててしまうことも少なくありません。

    自律性を維持できない状態ではモチベーションも低く、興味関心がなくなります。

    加えて、顧客への対応にも変化が現れ、電話には出るものの「わかりません」「しりません」「できません」といった、そっけない態度をとってしまう、最悪の場合には非人道的な反応を引き起こすことも珍しくありません。

    人や職場の特徴②自律性

    【人】
    ・仕事をコントロールできない人
    ・発言の機会を生かせない

    【職場】
    ・社員の発言権や決定権を与えず尊重しない職場
    ・職務範囲外・時間外の仕事を強制する職場

    感情的倦怠感・離人症のポイントが下がり、燃え尽き症候群の症状につながります。

    自律性の欠如を回避する為に

    こういった状況を避けるための体制づくりが大切です。実際に社員が、どこにストレスを感じているのかを明確化しましょう。以下のような手段で、客観的に明確化していく必要があります。

    • 文字に書き起こす
    • 友人や同僚の意見を聞く
    • 人事や労働基準監督署へ相談してみる

    そして、状況や考えを明確化できたら、改善していきましょう。場合によっては書面やメールなどを使用し、現在の状況と効率性・合理性に欠けるもので改善が必要であること、などを全社に伝えるといった改革も必要です。

    大切なのは、会社側が社員の意見を聞き入れる場を設けることです。
    フォロー体制や意見のフィードバックを受け入れ、社員の発言や意思を尊重し、自律性を保ちながら燃え尽き症候群を回避しましょう。

    原因③報酬

    原因その③は結果や努力に見合わない報酬

    仕事に対する外的および内的報酬が見合わない場合、結果や過程、努力や時間に見合わない場合、仕事に価値を見出せなくなります。

    そのため、会社の制度として、「公正で公平な待遇になっているか」なども重要です。例えば、貢献度の低い社員が高給なのにもかかわらず、貢献度の高い社員の評価が見過ごされている状況となった場合、人の感情として「不可解で不透明な部分」に不満を持つといえるでしょう。

    努力しても結果を出しても評価されず報酬にもつながらないとなった場合、達成感がなくるだけでなく、職務を全うすることを避けるようになります。仕事に対して真摯に向き合うこともできなくなるでしょう。

    会社や顧客に対しての有益性を見出せず、興味・関心も失ってしまいます。

    人や職場の特徴③報酬

    【人】
    ・報酬に満足していない・仕事に興味がない人
    ・達成感を感じられない人
    ・メタ認知ができていない人

    【職場】
    ・客観的に公正で公平な評価をしない職場
    ・職務範囲・職務責任・目標などが曖昧な職場

    感情的倦怠感・冷笑主義・専門的有効性・個人的な成果のポイントが下がり、燃え尽き症候群の症状につながります。
    ※メタ認知については、「ダニングクルーガー効果」の記事で詳しく解説しています。

     

    報酬の不満を回避する為に

    会社として、適切に評価されるための項目を明確化することが大切です

    • 何をすればどのように評価されるのか
    • 昇給や昇進するには何が必要なのか
    • 昇給の基準はどういうものなのか

    会社と社員の希望する成果に対しての内的報酬・外的報酬を一致させることが重要です。
    全ての項目は「一定の基準に沿う」などの曖昧な基準とせず、客観的に見ても成果と報酬が契約通りかを判断できるように明確化することを意識しましょう。

    会社側が職務記述書などを準備して、社員に求める成果や職務責任を明らかにしてお互いの希望を一致させるなどの対策が重要です。

    また、従業員のフィードバックを取り入れる機会を増やし、従業員の意見を尊重して改善していく姿勢を見せていくなどのマネジメント方法も検討しなければなりません。

    会社として、自身が会社に提供する能力や職務、成果に対して何を望むのかを明確に伝えておくことも重要です。

    例えば、会社と社員で報酬のすり合わせに最適な方法として、職務記述書を用いた人事評価項目の明確化などは有効でしょう。

    原因④コミュニティ

    原因その④は認識や価値観のズレを解消できないコミュニケーション

    思いや考えを話せる環境で働ける、協力関係や信頼関係を築けるといった環境が必要です。

    自身を客観的に評価して意見を出してくれる同僚や先輩・後輩、家族や友人など、社内外でのコミュニティの形成が大切です。
    コミュニティのような第三者からの意見を取り入れる場がないと、柔軟な考え方ができなくなります。
    相談もできず、自身の考えで凝り固まってしまった状態では誤った認識になりがちです。

    認識や価値観のズレは仕事においてあらゆるモチベーションに影響する点も把握しておきましょう。

    人や職場の特徴④コミュニティ

    【人】
    ・職務内容に興味がない人
    ・協力関係・信頼関係の薄い人
    ・主観で凝り固まっている人

    【職場】
    改善案の相談やフィードバックの機会がない職場

    感情的倦怠感・離人症・冷笑主義・専門的有効性・個人的な成果のポイントが下がり、燃え尽き症候群の症状につながります。

    コミュニティの不満を回避する為に

    本音で話して本音で返してくれるような理想的な関係を作ることが大切です。

    コミュニティ内の意見の取り交わしや評価で自身の改善点や会社の改善点を相談できる環境を作ることが大切です。

    自身の考えを理解した上で肯定・否定してくれるような人と関係を築きましょう。多人数のプロジェクトなどでは、成果の報告とフィードバックによって個人・グループでの士気を上げるなど、コミュニティならではの強みがあります。

    コミュニティは、仕事に対する興味関心・意欲の向上につながるだけでなく、集団の一部として認識できるようになることが大きなメリットです。職務を全うした達成感や成果の共有で自身の有益性を正しく認識する、異なった見解や意見を聞いて新しい発見は興味関心を向上させます。

    注意点は、コミュニティに属することが燃え尽き症候群の回避に必須というわけではなく、コミュニティに対する反応には個人差があることです。例えば、対話が得意ではない社員を無理やりコミュニティへ誘い込んで意見を強要しても全く意味がありません。自律性を欠くだけでなく、意気消沈して燃え尽き症候群に陥る可能性が高くなります。

    燃え尽き症候群の予防方法

    燃え尽き症候群は予防できます。本人・上司・会社の3つの観点から予防方法をみていきましょう。
    【自分】でできる予防方法
    【会社】ができる予防方法
    【上司】ができる予防方法

    自分でできる予防策

    【人】
    ・仕事量が多すぎる人
    ・自分のための時間がない人
    ・仕事をコントロールできない人

    現状を正確に把握して、どこをどのように改善すればよいのかを考えましょう。

    同僚や友人に相談して、文字に書き起こしてみると判断しやすくなります。自身で改善できない項目については、上長に現状と改善案を話します。ここまでやってみても改善の兆しが無いようであれば、今後も会社や上長からは同じ対応をされるでしょう。燃え尽き症候群に陥る前に、思い切って人事に相談して転職を考えるべきでしょう。

    【人】
    ・発言の機会を生かせない人
    ・協力関係・信頼関係の薄い人
    ・主観で凝り固まっている人
    ・メタ認知ができていない人

    コミュニケーションを積極的に行いましょう。

    第三者との対話を日常的に行うことで、発言することに慣れます。コミュニティ内での発言頻度を高め、客観的な評価を聞く機会を増やしましょう。集団の中で自身がどのように見えているのかを認知できれば、主観で凝り固まっていた頃よりも柔軟な考え方ができるようになります。協力関係・信頼関係を築いておけば、燃え尽き症候群に陥る前に解決の糸口が見つかります。

    【人】
    ・報酬に満足していない人
    ・仕事に興味がない人
    ・達成感を感じられない人

    客観的に職務を全うしているかを判断してみましょう。

    職務記述書の内容や、目標・過程において乖離はないか、期待されている成果は達成しているかなど、可能な限り詳細に書き起こしてみましょう。また、自己判断だけではなく、同僚や上長に相談してみて周囲の意見を聞くことで、周りからの評価が見えてきます。

    成果を達成している状態で、報酬に満足していない時は昇給の申請をしましょう。また、そのような状態で興味や達成感を感じられない場合には、現在の職務とは異なる分野への異動を検討すべきかもしれません。

    期待値に至らず、成果が達成できていない状態で興味関心がない場合には、職務適正や仕事量を見直してから今一度、この仕事に興味関心を持てるかを考えてみましょう。
    仕事に興味関心がなくなると、職場や会社に対しても興味関心が薄れてきます。完全に燃え尽き症候群に陥ってしまう前に、退職ではなく部署異動を希望する旨を検討しましょう。

    会社ができる予防策

    【職場】
    ・個人に対して過負荷を与える職場
    ・徹底した管理体制で余裕がない職場
    ・職務範囲外・時間外の仕事を強制する職場

    個人が疲弊して出社できなくなる事を、非人道的・非効率的・非生産的だと理解する必要があります。

    もし過負荷に耐えきれなくなった社員が燃え尽き症候群に陥って突然出社しなくなったらどうなるか、その仕事は代わりの社員に圧し掛かるでしょう。当然その社員も過負荷に耐えきれずに燃え尽き症候群に陥って退職していくでしょう。社員が居なければ会社は成り立ちません。

    明日にはこのような事態になるかもしれないと危惧して、社員にヒアリングして待遇を考え直すべき時かもしれません。

    【職場】
    ・社員に発言権や決定権を与えず、尊重しない職場
    ・客観的に公正で公平な評価をしない職場
    ・改善案の相談やフィードバックの機会がない職場
    ・職務範囲・職務責任・目標などが曖昧な職場

    上層部や会社のシステム、人事や評価の方法が社員からどのようにみられているのかを客観的に把握する必要があります。

    社員の声を聴かず、すべて上層部で操作するような会社では現場の状況や社員の考えが理解できません。思わぬところで社員の不満が募っていることでしょう。取り決めさえ行えば、単純なことで直ぐにでも改善できるものでも、発言権や決定権がなく社員の声を尊重しなければ解決できません。

    「これは私の仕事なの?」「なんであの人のほうが高く評価されているの?」「こんなことも改善できないの?」など、疑問や不満に関するアンケートをとって、社員の声に耳を傾けるべき時かもしれません。

    社員の目にどのように映っているのかを把握したうえで、社員の意見や改善案を受け入れる体制を作りましょう。

    上司ができる予防策

    【人】
    ・仕事量が多すぎる部下
    ・自分のための時間がない部下
    ・仕事をコントロールできない部下

    懸念している部下に本心を聞いてみて、調整を試みてみましょう。

    部下に直接聞いてみましょう。
    威圧せず、本心を聞いて可能な限り改善したいと思っている。と素直に問えば、自然と答えが見えてくるでしょう。
    仕事の量は多すぎないか、成長や開発に費やす時間を確保できているか、仕事を自分なりにコントロールできているか、率直に聞いてみることが一番の近道です。

    【人】
    ・発言の機会を生かせない部下
    ・協力関係・信頼関係の薄い部下
    ・主観で凝り固まっている部下
    ・メタ認知ができていない部下

    コミュニケーションの重要性を理解させることが必要かもしれません。

    強要することは避けるべきですが、理解させることは必要です。
    理解したうえでパフォーマンスを落とさずに最小限のコミュニケーションを維持するような場合には問題ないでしょう。普段からの発言頻度が増せば、周囲との意見交流が盛んになります。コミュニケーションは協力関係や信頼関係につながり、困ったときの相談相手やメタ認知の助けになります。

    このような関係性を築いておけば、燃え尽き症候群に陥ってしまう前に相談することで、不満を打ち明けて改善への施策につなげやすくなります。

    【人】
    ・報酬に満足していない部下
    ・仕事に興味がない部下
    ・達成感を感じられない部下

    報酬や仕事への興味関心・達成感について定期的にヒアリングを行いましょう。

    不満を打ち明けてくれた社員に対して、客観的に一定の評価を得られているかを明確化することで、現状の成果と報酬の関係を理解してもらいましょう。報酬を上げるために社員は何をしてどのような成果を出せばいいのかを伝えて一緒に目標設定を行いましょう。

    目標が曖昧でなんとなく成果を達成している状況では興味関心が薄れてしまいがちです。社員のやる気が燃え尽きてしまう前に対応しましょう。
    目標を達成している状態で興味関心や達成感がない場合にはワンランク上の目標設定と内的報酬・外的報酬を提案してみましょう。

    それでも改善しない場合には、ジョブローテーションで別の部署を経験してもらうことを検討すべきかもしれません。

    マスラーク・バーンアウト・インベントリー(Maslach Burnout Inventory/MBI)で燃え尽き症候群の重症度を診断できる

    mindgarden.comでは、心理的評価のテンプレートを数多く紹介しているため利用してみましょう。燃え尽き症候群に関する心理的評価のテンプレートも充実しているため、以下のように職業別に複数のテンプレートが用意されています。

    各テンプレートの測定項目は下記のようなものです。

    感情的倦怠感(Emotional exhaustion)
    自分の仕事によって感情的に過度に拡張され、疲れ果てているという感情を測定します。

    離人症(Depersonalization)
    患者に対する無感覚で非人格的な反応を測定します。

    個人的な成果(Personal accomplishment)
    自分の仕事における能力と成功した達成感を測定します。

    冷笑主義(Cynicism)
    あなたの仕事に対する無関心または遠い態度を測定します。

    専門的有効性(Professional Efficacy)
    過去および現在の成果に対する満足度を測定し、仕事での継続的な有効性に対する個人の期待を明確に評価します。


    https://www.mindgarden.com/117-maslach-burnout-inventory-mbi
    ※リンク先でMBIのテンプレートを購入できます。英語になっているので翻訳してお使いください。

    1分でできる!燃え尽き症候群の診断はこちら

    燃え尽き症候群に関するよくある質問

    ここでは、燃え尽き症候群に対してよくある質問にお答えしていきます。

    【燃え尽き症候群(Burnout)とは?】
    燃え尽き症候群とは、急に熱が冷めて、燃え尽きたかの様にやる気を失ってしまうこと。日本では「燃え尽き症候群」と呼ばれていますが、海外ではBurnout Syndrome (バーンアウトシンドローム)と呼ばれています。
    【燃え尽き症候群とうつ病との違いは?】
    WHOが公開する、健康診断情報の世界標準である、国際疾病分類第11版での分類が異なります。
    ・燃え尽き症候群は「仕事に関する問題」に分類される。
    ・うつ病は「気分障害」に分類される。
    症状による違いは、うつ病には自尊心の低下や自傷行為がみられるところです。
    詳しくはこちら。
    【燃え尽き症候群の原因は?】
    仕事量・自律性・報酬・コミュニティの4つが大きな原因です。
    詳しくはこちら。
    【燃え尽き症候群の予防方法は?】
    自身・上司・職場がそれぞれ対応する必要があります。
    詳しくはこちら。
    【燃え尽き症候群は診断できる?】
    マスラーク・バーンアウト・インベントリー(Maslach Burnout Inventory/MBI)で燃え尽き症候群の重症度を診断できます。
    詳しくはこちら。

    燃え尽き症候群は、「個人の問題であると考えられがちで、解決策は人を変えることにある」と思いがちですが、そうではありません。

    MBIの診断項目は職場環境に応じて蓄積されていくもので、組織と人の関係が重要です。燃え尽き症候群を「ただのやる気の問題」と過小評価せず、会社全体で理解を深めて予防・対処していく必要があるといえるでしょう。

    この記事を書いた人

    HR BLOG編集部

    このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

    この記事もオススメ!

一覧へ