オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
人材育成・開発・研修
公開日:2020.10.29
社内でリーダーシップを発揮できないと、部下はついてきません。そのチームの生産性にも影響するため、リーダーシップは必要不可欠です。そこで、リーダーシップを発揮するのに必要なスキルや能力の高め方について詳しくお伝えしましょう。
目次
そもそもリーダーシップとは何なのか解説しましょう。
リーダーシップとは指導力や統率力といった意味であり、上に立つものが当然持っておくべきものです。チームが目標を達成するには、リーダーがその力を発揮してメンバーに行動を促すことが求められます。リーダーシップのあるものがリーダーを務めることで、チームをまとめ、適切な指導を行い、成功に導くことができるとされているのです。複数人でチームとなって一つの目標に取り組むような状況では、リーダーシップがとても重要といえます。仕事であれスポーツであれ、リーダーシップのない人間が管理者にいると成功する可能性は下がってしまうでしょう。
リーダーシップを発揮するためにはさまざまなスキルが必要とされています。
まず判断力です。チームで仕事をしていると決断を迫られる場面がたくさんあります。そのときに優柔不断な態度を取ってしまうと、メンバーからの信頼度は下がってしまいます。必要な時にに適切な判断や決断を下すことができれば、周りを引っ張っていくことができます。
コミュニケーション能力も重要なスキルです。積極的にメンバーとコミュニケーションを取ることによって、それぞれの希望や不満、悩みなどを知ることが大切です。メンバーを理解して適切なフォローやサポートをすることで、信頼関係が生まれ、チームとしてのまとまりが生じます。
責任感も大切なスキルです。メンバーのミスはリーダーが責任を取るべきことです。そしてチーム全体の責任を取るのもリーダーの役割です。チーム内のすべての出来事の責任を自分が取るべきだという自覚を持てる人でないとリーダーは務まらないでしょう。
計画性もリーダーに重要なスキル。チームやメンバーの目標設定や計画を管理するのはリーダーの重要な役割です。適切な目標や計画を設定できないと効率が悪くなり、最終的に目標を達成できなくなるかもしれません。リーダーには適切な目標を設定して、それを実現するための計画を立案する力が要求されます。
これらは一部で、ほかにもリーダーシップを発揮するためにはさまざまなスキルが要求されるのです。
社内でスキルを持ってリーダーシップを発揮することのメリットをご紹介いたします。
リーダーシップを発揮することによって、メンバーはそれぞれ自分の力を最大限に発揮できるようになります。チームの結束力や信頼感が高まることで協力して業務を進めていけるようにもなるでしょう。そうすれば、チームの業績の向上期待できます。結果、リーダーはその手腕を高く評価されることになるでしょう。リーダーシップを発揮することがリーダーに期待された役割といえるのです。
リーダーシップを発揮できる人間は周りから信頼されやすくなります。リーダーシップにはコミュニケーション力が必要不可欠だからです。リーダーシップのある人は、周りと良好な関係を築きやすく、人間関係が良い状態になります。そのため、職場の居心地は良くなり、気持ち良く自分の仕事を進められるようになるでしょう。仕事でのストレスが減って、やりがいを感じながら働けるようになります。
リーダーシップを発揮できる人間は少ないためとても貴重な存在です。きちんとリーダーとしての役目を果たしてチームを牽引して実績を残してきたのであれば、より重要な仕事を任されるようになるでしょう。大きな期待をかけられるようになり、その期待に応えることができたならば、最終的には昇給や昇進、さらには出世のチャンスが広がっていくのです。
真のリーダーとは何なのかを突き詰めた結果生まれたのがリーダーシップ理論です。さまざまな理論が存在するため、具体的にご紹介しましょう。
リーダーシップ理論の中でも最初に登場したものが特性理論です。こちらはリーダーになる器は生まれ持ったものであるという考え方で、先天的な才能によってリーダーになれる人物とそうでない人物がいるとされました。それを見分けるための研究も盛んに実施されたのです。知性や行動力、信頼感などさまざまな要素をチェックすることでリーダーに適した人物像を見つける研究が行われました。しかし、優秀なリーダーとは生まれ持った特性だけでは説明できないことがわかり、さらに異なる理論が研究されました。
行動理論はリーダーの取るべき行動に注目した理論です。こちらはリーダーをいくつかのタイプに分類して考えました。特に有名なものがPM理論で、4タイプに人材を分類するというものです。ただし、行動理論は単に優秀なリーダーの取るべき行動をタイプ分けしたのみであり、どうすれば優秀なリーダーになれるのかという問いには応えていません。そこで、優秀なリーダーになるための要因をより詳細に知るための理論が次に生まれます。
これは、リーダーがどういった条件でどんな行動を取ると、より効果が高くなるのかを研究した理論です。リーダーシップのあり方というのは状況に応じて変わるものであるという考え方をしています。たとえば、パスゴール理は環境要因と部下の要因がリーダーに影響を与えると考えてそれをモデル化したもの。リーダーの取り巻く環境に応じて行動を変えることで、適切なリーダーシップを発揮できることが条件適合理論からわかったのです。
条件適合理論をより発展させて、現在のリーダーシップ理論の主流とされているのがコンセプト理論です。こちらはより詳細な条件や特殊な状況を設定して適切なリーダーの行動について分析しました。置かれた環境に合った行動を取ることがリーダーに求められるのだと結論づけています。
リーダーシップにはさまざまな種類が存在します。それぞれの種類と必要なスキルをまとめました。
企業の目標を示して、方向性を明確にしてメンバーを牽引していくタイプのリーダーです。明確な目標を設定する力が求められます。
メンバーに対してコーチとしての役割を果たして、それぞれの仕事をサポートしながらチーム全体を成長させていくタイプのリーダーです。高いコミュニケーション力と十分な経験、そして洞察力といったスキルが必要です。
メンバーとのそれぞれの信頼関係を重視するリーダーです。他人を尊重して理解する力が求められます。高いコミュニケーション力がないとこのタイプにはなれないでしょう。
メンバーそれぞれの民意をすくい上げて、チームの活動に反映させていくタイプのリーダーです。それぞれのメンバーから広く意見や提案を求めて、それを反映させていきます。いろいろな考えや意見が出てくるため、それを上手くまとめ上げる能力が必要です。
手本を示すことでスキルを学んでもらい、部下に力を発揮させるタイプのリーダーです。このタイプのリーダーは優れた能力がなければいけません。また、カリスマ性も必要となるでしょう。
リーダーが絶対的な権限を持ってメンバーにしたがわせるというタイプのリーダーです。素早い決断を求められる緊急時にはこのタイプのリーダーが必要とされます。カリスマ性と決断力が求められるでしょう。
リーダーシップを発揮してチームを引っ張っていくために必要なことをご紹介いたします。
リーダーとして部下とコミュニケーションを取ることは大切です。そのときには声の大きさや速さ、トーンを意識するなど、話し方に注意してください。相手を威圧しないようにして、部下がきちんとあなたの話を聞いてくれるような話し方を心がけましょう。相手の反応を見て、どのような話し方が一番適切なのか探ってみることをおすすめします。
チームメンバーや部下と話すときには、しっかりとその内容に耳を傾けることが大切です。その中で自分との接点を探っていきましょう。そうすれば、働きかけるときの糸口を見出すことができます。それぞれの従業員ごとに異なるアプローチが必要とされるのです。どのような接し方をすると効果的に能力を引き出せるのか考えるためにも、相手の話にしっかりと耳を傾けましょう。
部下に指示を出すときには、単にやるべきことを伝えるだけでは不十分です。きちんと組織やチームとしてのビジョン、方向性といったものを示しましょう。そうすれば、部下は目的意識を持って行動するようになります。方向性が見えていないと疲労感や閉塞感をチームにもたらしてしまい、モチベーションを低下させることになるのです。リーダーとしてやる気を引き出すために明確な方向性を示すことを意識しましょう。
リーダーシップを発揮するためのスキルやポイントについてまとめました。リーダーという立場になったら、ただ漠然と行動してはいけないのです。この記事をご参考に、ぜひリーダーシップの発揮の仕方についてお考えいただければと思います。
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