オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
エンゲージメント
公開日:2020.10.13
上司がマネジメントできない人だと部下は困ってしまいます。それでは、マネジメントできない上司とはどういった人たちなのでしょうか。できない上司の特徴や対処法について見ていきましょう。
目次
マネジメントとは、人材や資源などの管理をするということです。特に企業においては人材マネジメントが重視されます。上司には部下のマネジメントという大きな役割が与えられているのです。たとえば、部下に仕事を割り振る、注意をする、褒めるなどはすべてマネジメントに含まれています。それぞれの部下が最高のパフォーマンスを発揮できるようにマネジメントすることが期待されているのです。
このマネジメントを上手くできていない上司は意外と多いです。それにはさまざまな原因があります。
マネジメントを上手くできない上司を見極めるために、その特徴をまとめました。
上司なのに責任を取ろうとせず、部下に責任を押し付けるような上司はマネジメントができないと考えてよいです。上司というのは本来すべての責任を背負うべき立場にあります。上司が責任を取ってくれるからこそ部下は安心して仕事に集中することができるのです。責任を取ってくれる上司は部下から信頼されやすく、マネジメントも上手くいくでしょう。したがって、責任逃れをするような上司はマネジメントができないと考えましょう。
マネジメントは状況を把握して常に冷静で客観的な判断を下すことが要求されます。感情的になりやすい上司はそれだけでマネジメントをするのが困難になるでしょう。たとえば、部下がミスをしたときにすぐに怒って説教するような上司に正しいマネジメントはできません。部下を威圧しようとする上司も、それでは部下が萎縮してしまう良いパフォーマンスを発揮できなくなるため、マネジメントに失敗します。自分の感情を上手くコントロールできない上司が、部下のコントロールをできるわけがないのです。
部下に説明するときの内容が抽象的でよくわからないという上司がたまにいます。また、とにかく話が長くまとまらない人もいるものです。こういった上司はコミュニケーション能力が低く、マネジメント能力も低いと考えられます。部下のマネジメントをするためには、部下に的確な指示を出す必要があります。また、部下と話をして希望や不満を引き出すことも求められます。こういったマネジメントにはコミュニケーション能力が欠かせないのです。
独善的で自分が一番正しいと思い込んでいるような上司にマネジメントは難しいでしょう。常に偉そうで、部下から忠告されてもそれを聞き入れようとせずに逆に相手を罵倒するような上司です。このような上司は状況を冷静に判断する力に欠けていて、部下のマネジメントにも失敗しやすいでしょう。
会社の経営方針や目標などが見えていない上司には、マネジメントはできません。マネジメントとはなにか目標や目的があって、それに向かってさまざまな管理をすることです。そもそもの目標を見失っている上司にマネジメントを上手く進められるわけがありません。現在進めているプロジェクトの意義や目的、方向性などを何も把握していないような上司は、マネジメント能力不足と考えられます。
上司にマネジメント能力がないと、部下はストレスや不満から早く辞めたいと考えるものです。マネジメント能力のない上司は、部下の仕事を妨げがちだからです。仕事の指示を求めてもわかりにくい説明ばかりするかもしれません。さらに問題点を忠告してもまったく聞き入れてくれないこともあります。特定の部下ばかりえこひいきする上司もいます。
このような上司についているとプロジェクトが上手くいかずチームの成績が悪化してしまい、部下の評価にも影響するのです。ダメな上司のせいで自分の評価まで下がってしまうことに耐えられない人は多く、マネジメントできない上司と一緒に働きたくないと部下は思うのです。
マネジメントできない上司の特徴として部下に「大丈夫?」と聞くケースがよくみられます。これは典型的なマネジメントできない上司の特徴といえるでしょう。部下にプロジェクトの進捗を確かめるために質問することは大切です。しかし、その質問の仕方が「大丈夫?」と聞くだけではあまり意味がありません。
「大丈夫?」と質問されたら、多くの部下は反射的に「大丈夫です」と答えるでしょう。わざわざマイナスな返事を上司にしようと思う部下はいないからです。せっかく気遣って聞いても、この質問の仕方ではそれほど意味がないのです。何も情報を得ることができない無意味な質問といえるのです。
もし、部下に質問をするのであれば、自分が得たい答えを引き出せるよう工夫することが大切です。具体的な数字で返答できるような質問をすれば、知りたい答えを具体的に引き出せます。あるいは、なにか問題点はないか説明してほしいと質問するのも良いでしょう。マネジメントできる上司は質問の仕方に違いがあるのです。
上司が仕事のできない人だったときの対処法をいくつかご紹介します。
スキルに問題のある上司とは適度に距離を置くという方法があります。上司が能力不足だったとしても、部下がきちんと仕事をしている限りはそれほど問題が起きないことも多いものです。無能な上司はあまりあてにせず、自分の裁量で仕事を進めていくとよいでしょう。もちろん定期的な報告はきちんと行います。
スキル不足の上司を優秀な部下がきちんとフォローすることができれば、現場は上手く回るものです。この方法は部下に余計な負担がかかってしまうのですが、上司の指示どおりに行動してプロジェクトがダメになることを考えると、リスクの少ない方法といえるでしょう。上司が間違った方向へ進みそうになったら、すぐにフォローすることが大切です。その際には、できるだけ上司のことを立てて、気分を損なわないようにすることが重要です。面と向かってはっきりと上司の仕事のまずさを指摘してしまうと、さらに機嫌を損ねてしまう可能性があります。上手く上司をコントロールすることで、上司の能力の足りなさをカバーできます。
あなたの直接の上司よりもさらに上の人に相談してみるとよいでしょう。それとなく上司を戒めてくれるようにしてもらうのです。上手くいけば、上司は自分のダメさに気がついて改善してくれるかもしれません。ただし、相談したことが上司にバレてしまうリスクもあるため注意しましょう。本当に信頼できる人物に相談することが大切です。
どうしても今の上司に上手く対処することができないならば、環境を変えるという方法があります。
転属するか、転職するかといった方法によって、別の上司のもとで仕事ができるようになります。ただし、新しい上司が以前よりもさらにダメな上司であるというケースも少なくありません。こちらの方法はあくまでも最終手段であると考えましょう。
今の上司が本当にマネジメント能力のない無能な上司なのかどうか見抜くためのサインについてご紹介します。
上司が現在進行中のプロジェクトや部下に対して関心を示さない場合はマネジメント能力に問題があると判断できます。上司は常に現場の状況に注視して、的確な判断を示す責任のある立場。それなのに仕事にも部下にも関心を示さないのは、マネジメントをする意思がないとも考えられます。マネジメント能力があるかどうか以前の問題であり、このような上司にまともなマネジメントができるわけがないと考えられます。
上司の発言に耳を傾けて、言っている内容がよく理解できない支離滅裂なものであれば、マネジメント能力不足と判断できます。抽象的な内容ばかり話をしていて中身がまったく見えてこないといったケースも当てはまります。論理的に明快な話し方ができない人はマネジメントができないと考えてよいです。
上司が現場の希望や不満を無視して、それを上の方へ代弁してくれないならば、マネジメント能力が欠けているといえます。上司の役目の一つは、現場の意見を引き出してそれをトップに働きかけることです。この重要な役目を果たそうとしない上司はマネジメントをする気がないといえるでしょう。顕著な場合、管理職失格であると判断することができます。このような上司のもとにいると、部下はとても居心地が悪くてストレスを溜め込みやすいです。
マネジメントをきちんとこなすためにはリーダーシップは必要不可欠です。したがって、上司にリーダーシップが欠けているようであれば、その上司はマネジメントをする力がないと判断できます。部下を励ましたり、ときには注意したりすることができない上司は、マネジメント力に欠けているため注意するべきです。リーダーシップがなく頼りない上司は有能であるとはいえません。
マネジメントができない上司についてまとめました。上司にマネジメント能力が欠けていると、部下の方で対処しなくてはならず共倒れになってしまいます。自身の上司を今一度よく観察して、上手に対処するようにしましょう。
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