オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
パフォーマンス管理
公開日:2021.4.12
コミュニケーション能力が低い部下と一緒に仕事をする際は、上司がサポートをしなくてはなりません。ただし、「関わり方や指導方法が分からない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。無理にコミュニケーションを取ろうとすると、相手との距離が余計に空いてしまう可能性があります。
この記事では、コミュニケーション能力を、企業としてサポートする方法を徹底解説します。コミュニケーション能力とはどういった能力なのか、またどのような特徴を持っているのかを知ることができれば、一人ひとりに合った改善策を見つけることができるかもしれません。
目次
まず、コミュニケーション能力が低いとはどのような状態を表すのでしょう。もしかすると「自分もコミュニケーションが低いと思われているのではないか」不安に考えている人もいるかもしれません。
人にはそれぞれの価値観や捉え方があるので、一概には言えませんが、周囲の人の気持ちを考えることができなかったり、その場の空気を読むことが出来なかったりなどは、社会人としてある程度必要。それができないと、コミュニケーション能力が足りない、低いなどの判断をされてしまう可能性が高いです。
同僚とのコミュニケーションがうまくいかない部下と一緒に働くことになると、上司は改善を促すために指摘をしなくてはならないこともあるでしょう。それは共に働くうえで必要なことですが、伝え方がとても重要になります。
単に「コミュニケーション能力が低い」といった言葉を直接相手に伝えてはいけません。なかには自身で理解していて、そこにコンプレックスを感じている人もいます。最近では大人の発達障害という言葉を聞くこともあり、そういった障害に悩んでいる可能性もあるのです。安易に伝えればその人自身を否定してしまうことにもなりかねません。伝え方には配慮と注意が必要になると覚えておくようにしましょう。
コミュニケーション能力が低い人は共通の特徴を持っていることが多いです。ここからはそんな特徴を紹介していくので、関わるうえで参考にしてみてはいかがでしょう。
自分のことを話すことはできても、周囲の人の話に関心を持てない人がいます。社内で雑談をしていても、いつも自分が中心の話になり、周りからどう思われているのかを客観視することができていないのです。
雑談程度であれば、受け取り手が我慢をすればよいだけですが、ミーティングや企画を考える際など、業務のうえでも、自分が中心の話し方になってしまうと問題です。それが原因でチームの雰囲気が悪くなってしまうこともあります。
コミュニケーション能力が低い人は、自分の発言が正しいと思い込む傾向があります。したがって、指摘などを受け入れることができずに、すぐに否定や言い訳をしてしまうのです。
企画案を話す会議が社内であったとしましょう。上司が「こういった点を改善すればよいのでは?」と優しく伝えたとしても、当人はその内容ではなく指摘をされたことに苛立ちを感じてしまい、受け入れることができません。だからこそ「でも…!」「いや…!」と否定する言葉から話してしまうのです。
仕事の連絡を直接行わない人も多いようです。自分が疑問や不明点を持っていて、聞くべき相手が近くにいるなら、直接話しかけるのが普通ですが、コミュニケーション能力が低い人のなかにはそれができず、基本的に物事を伝えるのはチャットやメールなどのツールを利用する人も多いようです。もちろん、相手の手間や時間を奪ってしまうことを考える必要がなく、場合によっては望ましいこともあるでしょう。
ただ、同じ会社で働いているのにもかかわらず、すべてのコミュニケーションを連絡ツールを介してしてしまうと、微妙なニュアンスが伝わらなかったり、いつまでも信頼関係が育てられなかったりと、部署やチーム全体の関係にあまりよい影響はありません。
コミュニケーション能力に問題がある人のなかには、「コミュニケーションを取ることが苦手」だと自覚している人も多いです。人見知りで自分から相手に話しかけることに抵抗がある人もいるでしょう。「自分なんかが話しかけてもよいのだろうか」と不安を感じている人も多いようです。
こういった不安を抱いているからこそ、直接ではなくメールやチャットなど、ツールを利用し質問をしてくることもあるのです。一緒に働く上司はより注意深く関わり方を考え、対応する必要があるでしょう。
特徴を知れば、コミュニケーションが苦手な人との関わり方も考えられるはずです。一人ひとり持っている個性や特徴は違うので、その人に合う方法を模索してあげることから始めましょう。
次は、サポートする方法についてご紹介していきます。
コミュニケーション能力に不安がある部下と一緒に働く場合、まずは自分から話しかける姿勢が大事です。上司が心を開かない限り、当然部下も心を開きにくくなってしまうでしょう。
できれば雑談なども交えながら、気軽に話しかけられる環境づくりを整える必要があります。
挨拶などについても待つのではなく、すれちがったときは自ら声をかけるなどしてみましょう。続けていくことで少しずつ相手も慣れ、お互いに信頼関係が築けるようになればコミュニケーションも取りやすくなります。
コミュニケーション能力が低い部下がいると、つい気になってしまう上司は多いでしょう。
「サポートをしてあげたい」と思う気持ちはとても大切ですが、根本的に「人と関わることが苦手」だという人にとって、強すぎるサポートはかえって苦痛になってしまうことがあります。
上司としては、その部下に適した関わり方を見つけ、全力でサポートするべきか、適度な距離感を保ちつつ、必要な時にサポートできるような環境を整えておくことが大切です。
いくら上司が「いつでも頼ってね」と声をかけていたとしても、いざ声をかけようとすると「タイミングが違ったらどうしよう」などの不安を感じてしまい、躊躇ってしまうケースもあるでしょう。
そうならないために、ツールの利用も時には可ということを予め伝えておきます。直接聞いてほしいと思う人もいるかもしれませんが、何も聞けずに仕事が円滑に進まないことより、聞きやすい方法で質問をしてもらい、仕事が円滑に進むほうがよいでしょう。急にすべてを変えるのは難しいもの。相手が少しずつ慣れていけるように、上司として手助けすることが大切です。
自分から声をかけることが苦手なら、「何かあればチャットやメールででもいいから質問してね」と伝えるようにしておくと、選択肢が増えて部下も安心し、質問しやすい環境をつくることができるはずです。
コロナ禍の影響もあり、急遽テレワークの導入を始めた企業も増えています。在宅勤務で仕事をすることにはさまざまなメリットがあり、仕事の生産性も上がるのですが、時にはコミュニケーション不足に陥りやすいというデメリットもあるのです。特に、ご紹介してきたコミュニケーションに課題を持つ人は、在宅勤務になると仕事はするものの、コミュニケーションを後回しにしがちです。
こういった場合は、相手からのアクションを待つのではなく、自らチャットツールなどを利用して挨拶や進捗を尋ねるようにしましょう。なかには「部下から連絡するのが筋だ」と考える人もいるかもしれませんが、上司として積極的な姿勢を見せることも、教育の一つ。役割とも考えられます。
さらに、定期的にチーム内でオンラインミーティングを行うなどし、会話の機会を増やすことも大事です。ただし、何度も強要するのは他のメンバーにも負担やストレスになるので、「毎月〇日と〇日はミーティング」など、適度な回数になるよう調整しましょう。
この記事では、コミュニケーション能力が低い人との関わり方について紹介をしました。
一緒の仕事をするうえで上司として気を付けるべき点が分かったのではないでしょうか。
コミュニケーションが苦手な人に過度な強要をすることはハラスメントになる可能性も高いので、気を付けるようにしてください。
この記事を書いた人