オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
パフォーマンス管理
公開日:2019.8.15
残業を削減したくても、なかなかどうして難しい。そう感じてはいませんか?残業が発生する背景には、あいまいな仕事の指示や会社内の雰囲気など、さまざまな要因が絡んでいます。
この記事では、残業が発生する会社の特徴や残業削減に成功している事例を説明します。残業を減らし、生産性向上に努めましょう。
目次
残業を削減できない会社には、以下のような共通点があります。
・当たり前になっている「生活残業」
・「長時間働く」ことを是とする人事制度
・仕事の役割分担があいまい
残業代ありきの給料で生活費を考えている従業員が多い会社や、そもそもの基本給が低いために、残業代なしでは生活が苦しくなるような会社の場合、残業時間を減らすことはより困難です。
会社側が残業時間の削減を訴えても、従業員は自分の生活のために残業時間を減らすわけにはいかないのです。
2つ目の共通点は、会社に漂う「長時間労働を褒める」雰囲気や人事制度です。昔は、残業をしてまで仕事をする人を「仕事熱心な人」と捉えることが多勢でしたが、今は効率的に仕事をし、残業をせずに済むほうが能力の高いと評価する会社も増えています。
このような時代の変化に反して「定時にすぐ帰る社員は仕事への意欲が低い」「遅くまで仕事をしている従業員のほうが高い評価を受ける」といった会社もあるでしょう。表面上「残業を削減しよう」「働き方改革を」と会社が主張していたとしても、まだまだ内情が昔のままの価値観であれば、なかなか変化は起こらないでしょう。
仕事の役割分担があいまいになっていると、効率的に仕事を進めて早く終えても、次々に残っている仕事を回されてしまう状態が発生します。
これでは、早く仕事ができる人のモチベーションは上がりません。「どうせ他の仕事が回されるなら、テキパキと仕事をしなくてもいいや」と思ってしまうのではないでしょうか。
個々の仕事の範囲を明確化して、責任もってその範囲の仕事を終わらせれば、堂々と帰れるという状況をつくることができれば、定時までに仕事を終わらせようというモチベーションにもつながるでしょう。
若い世代を中心に、徐々に残業に対するイメージは変わってきています。しかし、その変化を阻害するのが昔ながらの価値観から脱却できていない上司の存在です。
また、価値観だけではなく、次のような要因で上司が残業を発生させているケースもみられます。
・上司の指導力が低い
・上司が長時間残業をしている
まずは、上司の指導力が低くて残業が発生しているケースです。指示内容が不明確でわかりづらい、途中で指示内容が変わってしまうなど、無駄な作業を増やしてしまうために部下の仕事が終わらないケースがみられるのです。
また、もっとも多いのが2つ目にあげた上司の残業です。上立場上、どうしても責任や仕事量が増えてしまうこともあるでしょう。しかし、上司がいつまでも会社に残っていると、部下は帰りづらさを感じてしまうものです。
上司の重要な仕事は「マネジメント」です。これは自分自身に対しても同様です。あまりにも残業が日常化しているのであれば、自分の仕事量や役割を振り返ってみましょう。
ここでは、残業の削減を実現できた会社の取り組みを見ていきましょう。
まずひとつ目の取り組みは、「退社時間の宣言」です。これは、ビッグローブが行っている施策です。毎朝9~10時に行う打ち合わせの際に、その日の退社時間を宣言します。さらに、ホワイトボードに1日のタスクを付箋に書いて貼り付けることで、個人が抱えているタスクを見える化。チーム全体の仕事の状況がわかるため、必要に応じて頼んだり引き受けたりできる仕組みです。
Good patchという会社では、朝礼と終礼を行うことで気持ちにメリハリをつけ、何となく遅くまで会社に残る従業員を減らす取り組みを行っていました。一旦終礼システムを停止し、社員数の増加に伴うより良い仕組みづくりを考えているそうです。
「北欧暮らしの道具店」で知られるクラシコムは、「18時に全員退社」ルールを守り続けています。仕事を進めるなかでは、「お客様の対応がもっとも大事」というルールを浸透させておくことで、優先順位をつけやすくしているのだそうです。また、個人で「やることリスト」を作成し、スケジュールに余裕をもって仕事を進められるように工夫しているところもポイントだといえるでしょう。
業務内容を細分化・明確化することで、誰が・いつまでに・どこまで仕事を進めればいいのかがわかります。残業を減らすためには、これらをあいまいにせず、きちんと整理・把握しておくことが大切だといえるでしょう。上司が指示を出す際も、「何となく」にならなないことが重要です。
人事制度や会社の雰囲気自体を「長時間労働」から「効率的な仕事」に切り替えていくことも必要です。残業をせず定時で帰れることをポジティブに捉えられる雰囲気をつくり、生産性向上に努めましょう。
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