オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
パフォーマンス管理
公開日:2020.1.30
部下とのコミュニケーション、うまくいっていますか?部下は同僚や友人とは異なり、時にはアドバイスやフォローをする必要がある存在です。ただコミュニケーションをとればいいわけではなく、コンサルティングの視点を持つことが重要だといえるでしょう。
この記事では、部下とコミュニケーションをとる上で、上司が気をつけておきたい6つの鉄則についてご紹介します。
目次
1つ目の鉄則は、「部下は仕事を欲するのではない」こと。上司の仕事のひとつが業務の割り振りですが、ただやみくもに仕事を部下に投げればいいというわけではないのです。
優れた上司は、部下の成長につながる仕事をあてがいます。間違っても、上司自身が面倒くさいと感じている仕事を丸投げしてはいけません。
部下に仕事を任せるときには、任せる背景を説明できるだけの理由をもって任せましょう。
2つ目の鉄則は、「部下を動かそうとはしない」こと。「部下の問題を解決に導く」ことです。
上司の仕事の1つは人材育成です。しかし、なかにはこの「育成」を上司が思う方向に誘導することだと捉えてしまっている人もいるのではないでしょうか。
人材育成は「教育」です。正しい教育とは、上から押さえつけたり誘導したりするのではなく、相手が持っているアイディアを引き出して伸ばすこと。「コーチング」の技術が必要なのです。
上司は、自身の経験や知見に基づき、部下が抱えている問題を解決に導く手助けを行ないましょう。
3つ目の鉄則は、「仕事の価値は部下によって変わる」ということ。同じ仕事内容であっても、その仕事に価値を感じるかどうかは部下によって異なります。もちろん、上司と部下との認識も異なるため、認識がズレたまま目標を立ててしまうと、部下のモチベーションを下げてしまう可能性があるのです。
4つ目の鉄則は、「部下のほしいものを真に受けない」ことです。部下が上司に欲しているものにすべて応えることは、そもそも適切なことではありません。
上司の仕事は、部下を育成し、組織の生産性を向上して目標を達成させること。部下の要求に応えるべきシーンもありますが、必ずしも真に受ける必要はありません。
上司は組織や部下を見ながら、今行なうべきことを判断し、責任を負うことが仕事だと心得ましょう。
5つ目の鉄則は、「部下からの信頼を得たいがために安請け合いをしない」ことです。そもそも、こうした安請け合いにより、果たして部下からの信頼が得られるでしょうか。
上司が思う以上に、部下は上司の姿を見ています。部下からの好感度を上げようという言動は、多くの場合部下にも気づかれているものです。部下からの頼みに何でも応えてしまうような上司は、部下から感謝される素振りを見せられる裏で、実は軽んじられてしまっているといってもいいのではないでしょうか。
「あの人に言えば何でも請け負ってくれる」人の下では、優れた人材は育ちません。優れた上司は、時に心を鬼にして部下に仕事を任せる度量を持っているものです。そのうえで、部下が失敗したときには適切にフォローをし、責任を負う覚悟が必要だといえるでしょう。
部下にとって都合がいい上司ではなく、本当の意味で部下のことを思った言動ができる上司にこそ、部下からの信頼は集まるものです。その場しのぎの人気取りのような言動にならないよう気を付けなければいけません。
最後の鉄則は、「あくまで上司とのコミュニケーションによって解決する」です。
コミュニケーションは相互理解のために行なわれるもの。上司からの一方的な発言はコミュニケーションとは呼びません。とはいえ、部下の性格によっては、なかなか部下から話をしてもらうことが難しいこともあるでしょう。そのため、部下から意見や悩みをヒアリングする1on1ミーティングや面談など、相互理解を深められる機会を設けましょう。
積み重ねられたコミュニケーションが信頼関係を築き、信頼関係があるからこそ、上司のアドバイスを部下も受け入れられるのです。信頼関係をベースに、部下の課題の解決ができるのです。
上司は、今回ご紹介した6つの鉄則を守ることで、部下との信頼関係を構築できます。信頼関係があれば、部下は本来持っている能力を開花させられるため、組織としての成長にもつながります。結果、あなたの上司としての評価も上げられるでしょう。
部下との信頼関係は、組織の生産性向上にもつながる重要なことなのです。
この記事を書いた人