オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
リクルーティング
公開日:2020.2.13
会社を経営するうえで、「ビジョン・ミッション・バリュー」はとても重要だといわれています。そしてこれらは個人にとっても大切なものです。自分自身をしっかりと振り返り、自分の「ビジョン・ミッション・バリュー」を明確にすることで、自分の軸にあった会社を選びましょう。
目次
会社が発展していくうえで、ビジョン・ミッション・バリューが重要視されてきています。この考え方は、会社はもちろん自分自身が成長するためにも効果的です。自分自身のビジョン・ミッション・バリューをつくることで、自分自身の将来をしっかり見据えることができるようになり、就職活動にもたいへん役立つのです。
それでは、ビジョン・ミッション・バリューとはそもそもそれぞれ何を意味するのでしょうか。個人の場合に落とし込んで考えてみましょう。
まず、ビジョンとは「実現したい未来や将来なりたい状態」を示します。つまり、将来の見通しです。自分がなりたい状態が明確にあると、行動のスピードや質も変化し、その目標が実現するスピードも各段に上がります。ビジョンを明確にして、周囲にオープンにすることで「この人は将来どうなりたいのか、何を大切にしているのか」ということを認知してもらえるようになり、周囲の協力や助けも得られやすくなるでしょう。
次に、ミッションとは「ビジョンを実現するために自分が果たすべき使命」を示します。ビジョン未来図に向かって、具体的に何をするのかを考えミッションを作成します。
例えばトヨタ自動車の場合、「もっといいクルマ」「いい町・いい社会」というビジョンがあり、そのビジョンを叶えるための具体的なミッションとして、「お客様の期待を超えるクルマづくり」「豊かな地域社会づくりへの貢献」「新たなモビリティ社会への貢献」というものがあります。ミッションが明確になっていると、自分が何をすべきかがわかります。
最後に、バリューとは「ミッションを果たすための価値基準・行動指針」のことを示します。ビジョン・ミッションはなりたい未来像やそうなるための具体的な活動を示し、バリューはそれらのビジョンやミッションを成し遂げるうえで、日常的に何を大切にしていくのか、どのような基準で意思決定をしていくのかという指針を示します。選択に迷った時の道筋となるのが、バリューです。
先ほどのトヨタの場合でいうと、「トヨタ共通の価値観」というのがバリューになります。
自分自身のビジョン・ミッション・バリューをいざ明確にしようとすると難しいものです。しかし、この「思いを言語化する」というプロセスは、自分自身と向き合うことにつながります。自分の気持ちに正直になり、ビジョン・ミッション・バリューを立ててみましょう。
自分のビジョン・ミッション・バリューが決まれば、これからどのように働いていきたいのかも自ずと明確になります。そしてそれはもちろん、就職活動をする際の軸にもつながり、実際の会社選びや面接対応、その後の働き方などに強く関わってきます。それでは、軸を明確にするメリットを3つお伝えします。
自分のビジョン・ミッション・バリューは、いわば自分の軸です。社会には星の数ほどの会社があります。会社を選ぶ際に迷ってしまった場合にも軸を思い返すことで判断しやすくなります。軸があれば、自信を持って選択できるため、後々後悔してしまうことも少なくなるでしょう。
面接ではいろいろな質問をされます。「あなたの就職活動の軸は何ですか?」と直球で聞かれる場合もありますし、「あなたが大切にしているものは何ですか?」「会社に求めているものは何ですか?」など違う聞き方をされる場合もあります。書類選考の段階で質問項目に入っていることもあります。
会社が就活の軸を聞く理由は、「応募者と会社の価値観があっているか」を確認したいからです。なぜこの会社を選んだのか、応募者が会社に求めているものは何なのか、入社後その求めているものは提供できるのかどうかを見極めているのです。
就職活動をする際に大切なのは、単に内定を獲得することだけではなく、自分にあった会社から内定を獲得することです。従って、就職活動の軸を応募先の会社に合わせても、入社後にギャップを感じてしまうだけなので意味がありません。これまでの経験や育ってきた環境を振り返り、自分の価値観を見直したうえで自分の軸を明確にしましょう。
自分のビジョン・ミッション・バリューが明確になっているということは、自分の将来のイメージを描けているということです。その会社に入ってからどうなっていたいのかが明確になっていると、入社後もその将来像に向けて前向きに取り組めるはずです。
また、自分自身が入社後の姿をイメージできているということは、採用担当者から見ても「応募者が入社した後をイメージしやすい」ということを意味します。応募者の活躍が期待できると思われれば、採用にもつながりやすくなるでしょう。
書類選考・面接を続けていると、内定することがゴールのような気になるかもしれません。しかし、決して内定することがゴールではありません。入社後、どのように働き、成長していくかが重要なのです。就職活動は、あなたの社会人としての人生やキャリアにも強く影響する「ビジョン・ミッション・バリュー」を明確にするよい機会にもなるのではないでしょうか。
この記事を書いた人