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HSPの女性が持つ特徴とは?離職防止のためにできる改善方法

公開日:2022.1.18

    昨今、HSPがもつ繊細な気質によって職場で人知れず悩む女性は少なくありません
    HSPは、悩みを抱え続けて心身に不調をきたすため、早めの対処が必要です。

    本記事ではHSPの中でも特に、女性に焦点を当ててHSPの女性が持つ特徴的な部分と、悩みの原因となる仕事や改善方法について詳しく紹介します。

    HSPの男女比と、性別の特徴

    HSPの男女比
    まず知っていただきたいのは、HSPは女性に多いわけではありません
    HSPの男女比は50:50で人種・性別・年齢に左右されないと言われています。

    日本では「女性の場合は女性らしく」「男性の場合は男性らしく」といった振る舞いが求められることもあります。
    過去には、男性であれば繊細さよりも行動力が求められたり、女性であれば行動力よりも繊細さが求められたりすることもありました。
    現代では、男女の区別をなくしていく方向で社会が進んでいます。

    その過程で、HSPの特徴が浮き彫りにされて、悩み多き女性が増えている事実です。
    HSPの女性で、今までは繊細さを求められていたのに、社会進出した途端に発言力や行動力を求められるようになったなど、女性の方が環境の変化を大きく感じることもあるでしょう。

    HSPの女性が持つ特徴

    HSPとは、生まれつき繊細で感受性が高い人達のことを言います。全人口の約20%、5人に1人の割合でHSPが存在すると言われています。
    HSPの特性は「DOES(ダス)」と呼ばれる4つの特性によって表すことができます。

    ●「Depth of processing」情報を深く処理して慎重に行動する
    ●「Overstimulation」刺激に対して敏感なため気疲れしやすい
    ●「Emotional reactivity and Empathy」共感力が高く相手に感情移入しやすい
    ●「Sensitivity to Subtleties」光や音、においなど五感が鋭敏に反応する

    一般的には、HSPという大枠では性別に左右されませんが、刺激に対する拒絶反応やその程度や度合いについては性別にや年齢、身体的特徴によっても左右されると考えられます。
    中でも特に、女性のHSPが持つ特徴的な部分は、「慎重な行動・気遣い・感情移入」などでしょう。
    日本では、男性よりも女性の方が繊細で敏感との印象付けが強く、HSPという気質を持ちながらも幼少期より「慎重な行動・気遣い・感情移入」のような行動を意識的に行う機会が多いことでしょう。
    これらが、HSPの女性が持つ、男性とは程度の異なる特徴と言えるでしょう。また、これらによって気疲れしやすく、悩みを抱え込みやすい原因でもあります。


    HSPの女性が悩む職場環境や仕事内容

    HSPの女性は繊細な気質をもっていることから、職場環境や仕事内容について人知れず様々な悩みを抱えています。次に、どのような職場環境や仕事内容について悩みを持ちやすいのか、解説します。
    いずれもHSPであれば女性でなくとも体感できる悩みでもありますが、特に女性の場合には環境の変化が大きく感じられるかもしれません

    HSPの女性は部署移動や転勤に抵抗を感じていることが特徴として挙げられます。環境の変化にも敏感で、職場環境が変わる事を拒むという特徴があります。

    一方で、現在の職場環境に耐えられないと考えている場合には、転職に踏み出せずに無理をしているかもしれません。
    その場合には、HSPの女性は限界まで耐え忍んで、転職の決断を下してしまいます。そうなってしまっては引き留めようもありません。

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    ノルマや売上目標がある仕事

    ノルマや売上目標を課せられる仕事は、HSPの女性に向いていません
    なぜなら、繊細でストレスを感じやすい気質が元々あるために、ノルマや目標が過度なプレッシャーとなってしまうのです。
    中には「結果を出さなくてはいけない」という強迫観念によって、ストレスを感じてしまい体調を崩す人も少なくありません。

    マルチタスクを必要とされる仕事内容

    HSPの女性は、1つの仕事を丁寧にこなすことを好むマイペースな傾向があるため、複数の業務を同時進行するようなマルチタスクが苦手です
    優先順位が決められずに頭の中でパニックを起こしてしまい、ミスを繰り返すことにも繫がってしまいます。
    HSPの特性に反している仕事が、悩みやストレスの原因になってしまうのです。

    人と接する機会が多い職場や仕事

    大勢の人と接する機会が多い職場や仕事も、HSPの女性にとってはストレス抱え込む原因となることがあります。
    人の感情に共感しやすいHSPの特性は、相手の気持ちに寄り添うことができるいい面もありますが、一方で相手の感情に振り回されやすいという悪い面もあります。
    また、相手の考えを深読みするぎる所もあるため、気疲れしてしまうことも多いです。
    特に、接客業や営業職についているHSPの女性の中には、上述のような理由により気苦労している人も多くいます。

    休みが取りづらい職場環境

    元々、HSPの女性はストレスや疲れを抱えやすい傾向にあるため、しっかりと休息をとることはとても重要です。

    もし、休息が十分に取れなければ、仕事のパフォーマンスにも影響がでてくるだけでなく、精神的な疾患に繋がる恐れもあります
    しかし、休みが取りづらい職場環境だと、周囲の目を気にして休むことを我慢してしまいます。
    そのため、十分な休息が得られずに、無理に我慢してしまってストレスや疲れで悩んでいるHSPの女性もいるのです。

    HSPでも女性と男性では悩みが異なる?

    HSPでも女性と男性では悩みが異なる
    一説によると、HSPでも女性と男性では悩みの内容が異なると言われています。
    これは、はるか昔の狩猟時代の役割分担が脳に影響していると考えられているのです。
    男性が他者と競い合って食料を調達していた一方で、女性は周りの仲間たちと協調しながら子供を育てていました。
    この役割分担の名残が、現代において形を変えて現れているのです。

    HSPの女性は職場の上司や同僚との「人間関係」に悩むことが多い特徴があるようです。
    HSPの男性は職場の上下関係やノルマといった「仕事関係」に悩むことが多い特徴があるようです。


    HSPの女性に多い悩み

    HSPの女性に多い悩みとして、職場の人間関係や仕事と家庭の両立についての悩みが挙げられます。また、仕事の成果が上がらないことに対しても悩みはつきません。次に、それぞれの具体的な悩みの内容について紹介します。

    人間関係がうまくいかない

    HSPの女性が、人間関係に思い悩むのはよくあることです。
    相手のちょっとした言動や行動に、HSPの女性は傷ついてしまうことがあるため、次第に人と距離を置くようになってしまいます。
    特に女性はグループを作って行動する傾向があるため、集団に溶け込むことが苦手であるHSPの女性にとっては、これが大きな悩みとなってしまうことでしょう。

    仕事と家庭の両立が難しい

    仕事と家庭の両立に悩んでいるHSPの女性も少なくないでしょう。
    たとえば、家庭の事情で仕事を急遽休まなければいけないような時、HSPの女性は上司や同僚が自分のことをどう思っているのか過剰に気にしてしまいます。
    周囲に迷惑をかけていると自分を責めてしまうことだってあるでしょう。
    また、HSPにはマルチタスクを苦手とする特性があるため、仕事と家事の両立が精神的な負担となってしまうこともあります。

    仕事で成果が上げられない

    HSPの先天的な特性によって、仕事の中にも苦手とするものが存在します。
    たとえば、人と触れ合うことが苦手なHSPは接客業や営業が得意ではありません。
    また、1つの物事をじっくり考える特性から、スピード感を求められるような仕事も苦手です。
    このように、HSPの特性に適さない仕事に従事していると思うように成果が上げられないため、「どうして自分ばかり仕事ができないのだろう」と悩んでしまうのです。

    HSPの女性が悩み過ぎないようになる対処方法

    HSPの女性が悩み過ぎないようになる対処方法
    HSPの女性が抱える悩みについて紹介してきましたが、次に悩みを抱え過ぎないための対処法について紹介します。

    自分の気持ちをノートに書き出す

    HSPは人からの影響を受けやすい特性があります。
    自分が楽しい気持ちでいても、相手が不機嫌そうにしていたら不安になるでしょう。
    HSPの女性は相手の気分に左右されることで、自分の本当の気持ちを見失いがちです。
    自分を見失わないためにも、日記やノートに率直な自分の気持ちを書き記してみると良いでしょう
    また、書き出すことによって思考や感情を整理できるといったメリットもあります。

    心を休める時間を大事にする

    周りの状況に敏感に反応してしまうHSPの女性は、他の人よりも気疲れしやすくストレスを抱えてしまう傾向にあります。
    ストレスを解消せずに放置してしまうと、いずれ心身に不調をきたすため、リラックスする時間をもつことが必要です。
    人間関係に疲れてしまうことが多いので、1人になる時間をもつことが重要でしょう。
    好きな映画をみたり、お風呂にゆっくり浸かったりするなど自分がリラックスできる方法を見つけて、ストレスを溜め込む前に発散しましょう

    自分を理解してくれる仲間をつくる

    HSPの女性が働きづらさや生きづらさを感じてしまう原因に、HSPへの理解が得られにくいことがあげられます。
    このようなHSPの悩みに対処するには、自分と似た気質の人と交流をもつことが役立つでしょう。
    似たような気質を持っている者同士であれば、お互いの事をよく理解し合えるので、心の辛さを軽減することができます
    また、理解者が身近にいると感じることで、前向きな気持ちを持てるようになるでしょう。

    もし身近にHSPの理解者が見つからない場合には、クリニックやカウンセリングを受診したりすることもおすすめです。
    対面での相談をハードルが高いと感じれば、チャット相談などもおすすめです。


    人事が率先してHSPに悩む女性を理解して環境を整備すべき

    将来的に労働人口の減少が想定されている中で、多様な人材が活躍できる場を作ることが、今後の人事に求められるのは明白です。
    HSPの女性たちが抱える悩みの原因について理解し、彼女たちの特性に合った配置転換をすることで、本人のパフォーマンスを上げるばかりでなく、自社の売上にとっても良い結果に繋がっていくでしょう。
    そのためにも、HSP本人の周りにいる上司や同僚にも、HSPについての理解してもらう必要があります。その橋渡し役として、人事が職場の環境を整備することが大切になります。



    HSPの女性の離職を防ぐには、特徴や悩みの中身を知り早めの対策が重要

    HSPの女性が持つ特徴、悩みを抱えやすい仕事や職場環境、悩みを抱えた時に対処法について、本記事では紹介しました。
    HSPの女性の離職を防いで長く会社に勤めてもらうには、人事がHSPの女性が持つ特徴や悩みについて理解を深め、早めに対処することが重要です。
    優秀な人材を確保し続けるためにも、本記事を参考に職場の環境作りを推進していきましょう。

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    この記事を書いた人

    TOYO

    株式会社アックスコンサルティング マーケティング本部 WEB制作課所属。
    メンタル心理ヘルスカウンセラー、メンタル心理インストラクターの資格を活かして人事向けの記事を中心に執筆。仕事に纏わる悩みに対し、カウンセリング倫理、心理アセスメント、地域精神医療などの観点から明るい毎日を送れるように記事を執筆しています。

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