オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
人材育成・開発・研修
公開日:2021.10.25
日本でインポスター症候群が急増していると言われています。
・期待に応えられるか不安。
・責任や期待が重荷に感じる。
上記のような方は、インポスター症候群かもしれません!インポスター症候群は仕事に支障を来すものですので、心当たりのある方は診断してから対処法を学びましょう。
インポスター症候群を1分で診断
目次
インポスター症候群とは自分を過小評価してしまうことです。詐欺師症候群やペテン師症候群とも呼ばれています。
インポスター症候群は疾患や精神障害ではなく、不安や緊張が肥大化したものです。
インポスター症候群(過小評価)の逆は「ダニング=クルーガー効果」(過大評価)です。
仕事で得た成果を、自身の実力ではなく「他人のおかげ」「偶然そうなっただけ」「ほかの人ならもっと上手くできた」のように感じてしまう心理現象です。
インポスター症候群の人は、客観的には謙虚に見えます。
しかし「謙虚」という一言では説明できない複雑な心情を持ち合わせています。常に失敗を恐れ、自己肯定が上手くできずに評価されることを重荷と感じてしまいます。
成功を自分の能力や実力によるものだと認知できず、外的要因や偶然の産物にしてしまいます。
そして”自分の実力ではないと思っている成功”を評価されると、評価してくれた人を騙しているように感じます。
この、「騙している感覚」からインポスター(=Impostor:騙す・詐欺・偽物の意味)、ペテン師、詐欺師症候群と呼ばれるようになりました。
誰もが知るような有名人でもインポスター症候群に陥っている人は数多くいます。故人では夏目漱石やアインシュタイン、現代の偉人だとエマ・ワトソンやシェリル・サンドバーグがインポスター症候群だと明かしています。
インポスター症候群の有名人一覧と告白文
インポスター症候群に陥ると、以下のように考えてしまい仕事に大きく影響を与えます。
「私の知っていることは、他人も知っている。」
「私にできることは、他人にもできる。」
「私の成功は評価されるものではない。」
「期待に応えなければならない。」
「自分が使えない人間だと悟られたくない。」
これらの考え方によって仕事のパフォーマンスが低下したり、自ら成長しづらい環境を選択したり、燃え尽き症候群やうつ病などに陥って退職に繋がることも考えられます。
特徴:失敗を恐れる
仕事への影響:仕事のパフォーマンスが低下する
失敗を極度に恐れ、職務遂行能力が低迷する。
上司や同僚の期待に応えられないかもしれないという不安から、自分自身を抑え込んでより高い成功を避ける傾向があります。
目標や成果を最低ラインまで押し下げてしまうことで、職務遂行能力も低迷してしまいます。
自ら進んで、成果を期待されるポジションに就くことはありません。
特徴:能力を評価できない
仕事への影響:成功を外的要因に帰することで、客観的な評価ですら認知できず、受け入れられません。
「他人のおかげ」「偶然そうなっただけ」のように自分の成果と認めません。
昇進や昇給に値するとは思わず、それらを求めることを避けます。
また、外的要因で物事がうまくいかない場合にも、自分を責めることがあります。
特徴:自己不信に陥る:成功を認知できず、成長できない。
仕事への影響:成功は通常、自己肯定と成長のサイクルですが、インポスター症候群の人にとっては自己不信のサイクルを生み出す可能性があります。
良い業績や成果を達成した時、自分の能力や成果を祝って高揚することなく、他の人が「本当は劣っているという真実」を発見するのではないかと心配します。
過去の成果や客観的な実力があっても、極力目立たないように逃げ腰が続きます。
特徴:自分を卑下する
仕事への影響: 謙虚を通り越して「自分は使えない人間だ」などと卑下する。
空気を読む、配慮するといった行為を理解せず、ただただ謙虚さに執着した結果、自分は本当に使えない人間だと思い込んでしまうケースです。
コミュニケーションやクライアントとのやり取りの場面でも、異常な謙虚さで卑下したような返答をして場を混乱させてしまいます。
特徴:責任から逃げる
仕事への影響:事前に「できない」「私には無理」とアピールし、失敗したときの保険を用意して責任から逃れようとします。
失敗につながる外的要因を放置し、失敗したときに自分のせいではなく、外的要因のせいだと誇張する。
特徴:追加のタスクを拒否する。
仕事への影響:自身の能力を証明できるような追加のタスクがあったとしても、タスク処理の質が下がったり妥協したりすることを恐れて、限られた仕事に集中します。
特徴:仕事の不満と燃え尽き症候群
仕事への影響:仕事対して挑戦的になれず、失敗や発見を恐れると、昇進や追加の責任を求めることができなくなります。やがては仕事に対して真摯に向き合えなくなり、やる気を失って燃え尽き症候群に陥ってしまいます。
インポスター症候群の人は、自分たちがもっとうまくやれるとは信じていないため、自分の立場にとどまる傾向があります。
その人は自分のスキルを過小評価したり、他の役割が自分の能力をどのように重視するかを認識できなかったりする可能性があります。
これらの感情は不安を悪化させ、うつ病につながる可能性があります。
インポスター症候群の治し方と対処法はこちら
インポスター症候群は1978年に心理学者のポーリン・R・クランス(Pauline Rose Clance)とスザンヌ・アイムス(Suzanne Imes)によって命名されました。
インポスター症候群に関する論文
インポスター症候群にあたる人たちは、能力があることを示す証拠があるにもかかわらず、自分は詐欺師であり、成功に値しない。という考えを持ちます。
「自分の成功は単なる偶然や幸運のおかげ」
「自分は皆が思うように優秀ではない」
「優秀だと思ってくれている皆を騙し続けている」
このように、成功という結果を自分の能力や努力によるものだと認識できません。
インポスター症候群は、特に社会的に成功した女性に多いとする研究もあります。
Pauline Rose Clance, Ph.D.(ポーリン・ローズ・クランス博士)は、ジョージア州立大学で28年間心理学の教授を務め、博士課程の臨床プログラムで心理療法を監督しています。
心理療法士としても20年以上個人開業しており、国内および国際的に大きな影響力を持つ講師です。
【The Impostor Phenomenon: Overcoming the Fear That Haunts Your Success】
(詐欺師の現象:あなたの成功に悩まされる恐れを克服する)の著者。
Suzanne Imes,Ph.D.(スザンヌ・アイムス博士)は、ジョージア州立大学を卒業後、アメリカ心理療法士アカデミーやジョージア心理学会などのメンバーシップを経て、うつ・不安・女性の問題に対して献身的な活動を行っています。
自己受容と成長に焦点を合わせたゲシュタルト療法に重点を置いています。
「私のモットーは、判断力を減らし、好奇心を高めることです。」と、実に詐欺師現象理論の共同開発者らしい言葉を残しています。
HPSとインポスター症候群に共通している部分があるとして、よく比較されます。
HSP(Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン)とは「先天的に感受性を強く持った人」の事です。
インポスター症候群との明確な違いは、先天的か、後天的かという部分です。
HSPは先天的で生まれ持った気質ですが、インポスター症候群は後天的で環境や経験から得たものです。先天的にHSPのような気質を持った人は、インポスター症候群になりやすいと言えます。
HSPについて詳しくはこちら
どちらも病気ではなく、似たような特徴を持っている点では共通点は多いです。
また、インポスター症候群は、社交不安障害(人前で恥をかいたり、恥ずかしい思いをすることを極度に恐れる)とも似ています。
共通していることは、自分がどのように感じているかについて話さず、自分の中だけで不安を抱えて苦労している傾向があることです。
インポスター症候群には、大きく分けて2つの要因があります。
外的要因:両親や兄弟、先生または上司のような教育環境
内的要因:完璧主義・専門家・自己効力感の欠如
・成功・優秀・天才、などと必要以上に期待されてプレッシャーを与えられた。
・チャレンジする環境がない、失敗した経験がない。
・学校で成功するように圧力をかけられた
・家庭で兄弟や姉妹と比較して優秀・劣悪を強調された
・周囲から優秀・天才と扱われ過度に期待された
・過度に制御されて自由がない環境
・完全に失敗しない過保護な環境
このような過度な期待やプレッシャーなどの外的要因は、自己肯定ができずインポスター症候群の原因と考えられます。
完璧主義の傾向
失敗と感じる範囲が大きい。99%の成功だったとしても残り1%の失敗を悔やんで納得できず、小さな失敗でも自分の能力に不満を持ちます。
また、評価に対して不信感を抱きます。
「完璧にできていないのに評価された。」
「全部わかっていないのに評価された。」
自身の評価と客観的な評価に「ズレ」を生じさせ、正当な評価がされていないと考えます。
専門家気質
その分野の全てを知って自身の能力を高めることに意欲的ですが、愚かに見られることを極端に嫌います。そのため不確定な発言を避け、成功に値しない場合にはチャレンジしません。
自己効力感が低い
自己効力感とは、成果のために自信の能力が足りているか判断し、適切な行動を選択できるかどうかを認知する能力です。
自己効力感が低いと、能力の有無やその後の行動選択について考えられず、不確定要素が多く自信が持てません。
責任感が強い
自分がやらなければならない、絶対に失敗は許されないと思い込み、自身にプレッシャーをかけてしまう人は異常な緊張で必要以上に失敗を恐れます。
また、助けを求めたり誰かを頼ったりすることは期待を裏切る詐欺行為だと考えたりします。
取り上げた原因の中でいくつか経験したことがある、或いは考えたことがあるのではないでしょうか。
インポスター症候群は内的要因・外的要因がいくつも重なって陥ってしまうものです。
他人本位
他人を優先したり、自分への思いやりを欠いてしまうことです。
成果を他人のおかげと評価し続けることで、自分の良いところを発見できなくなってしまいます。
やがて自信がなくなっていき、他人を優先するあまり自分や進むべき道を見失ってしまうでしょう。
”吾輩は猫である”で有名な夏目漱石も他人本位だった頃は、自信がなくうつ状態だったと語っています。その後、自己本位の大切さに気付いてからは不安が解消されたと残しています。
近年、このインポスター症候群が日本で急増していると話題になっています。
その背景には、日本特有の文化や社会性、女性の社会進出があります。
日本では特に女性に多いと言われていますが、
論文タイトル「女性の詐欺師現象(The Imposter Phenomenon in High Achieving Women)」とあるように、日本に限らずインポスター症候群は女性に多いとされています。
謙虚さが美徳とされている日本では、評価されても無意識に否定したり、謙遜したりする傾向が見られます。
評価されたことを素直に認めると、傲慢・横柄だと思われたりしてきました。
必要以上の謙遜や過小評価が肥大化していくと、自分を卑下したり、正当な評価を認知できない状態になってしまいます。
日本の教育方針は、「同調」と「集団での成果」を重視する傾向が見られます。
特に女性は、言葉遣いや立ち振る舞いにおいて、謙虚で控えめを美徳として教育される傾向が見られます。
「能力や実力への評価に対して謙遜を示す」文化が無意識に刷り込まれているのです。
キャリアにおいても、終身雇用で会社から与えられて決められるような文化で、そこに自律性はありませんでした。
自分から積極的にキャリアプランを形成できるような体制になってきたのは最近です。
近年では女性の社会進出が活発的になり、ギャップが生じています。
女性の能力を認め、役職や責任あるポジションに配置されることが増えました。
現代の日本社会は海外に近づきつつあります。
海外のようなジョブ型雇用が主流となりつつある日本でも、自分の能力が他人よりも優秀だと賞賛され、より高い地位を確立していく会社が増えてきています。
そんな中で、謙虚で控えめを美徳とする文化で根付いた心理傾向が反発し、混乱します。
今までは同調や集団での成果が重要とされてきたのに、近年では個性や個々の能力が重要とされている。
日本では、褒められたら否定、賞賛されたら謙遜するような場面をよく見かけます。
自分の実力はもっと低いと思い込み、責任や期待からのプレッシャーが、謙遜を卑下に変えてしまいます。
例えば「君は優秀だ」という一言に対して
謙遜:そんなことはありません。ほかにもできる人がたくさんいます。
卑下:自分は使えない人間です。私にはできません。何か裏がある?
理想:ありがとうございます。これからも更に精進します。
様々な回答があり、分別していくと誉め言葉に対して、自身を過小評価するような謙遜・卑下を感じられる回答がいくつも出てくることでしょう。
”FacebookのCOO”で有名なシェリル・サンドバーグもインポスター症候群の一人でした。
彼女の著書「LEAN IN」で男女の違いが指摘されています。
成功した時の説明(男女の違い)
・男性に成功を説明するように頼むと、彼自身の生来の資質とスキルを認めます。
・女性に成功を説明するように頼むと、彼女は彼女の成功を外的要因に帰し「一生懸命働いた」「幸運だった」「他の人に助けられた」のでうまくいったと主張します。
失敗した時の説明(男女の違い)
・女性は何かに失敗したときに、自身の能力欠如で説明することが多い
・男性は何かに失敗したときに、外的要因で説明することが多い
日本の社会ではよく見かける光景です。
このことからも女性は自身のパフォーマンスに対して持つ期待が低いことが伺えます。
まさに過小評価とインポスター症候群に当てはまります。
海外と日本の業務実態調査
このグラフでは、
仕事の成果に対して数値で確認しづらく反響がない。果たすべき役割がわからない。
など、日本では業務の明確性が低く、成果や評価が分かりづらい傾向が見られます。
このグラフでは、
突発的な業務が頻繁に発生する。前例やマニュアルが確立されていない。
など、日本では業務の不確実性が高く、職務範囲や職務責任が曖昧な傾向が見られます。
上記のグラフでも見られるように、海外と比較しても、日本では組織実態そのものが不確実で曖昧な傾向があり、責任の所在が分かりづらいです。
更に、日本では会社だけではなく、社員も責任や評価を避けるような傾向が見られます。
日本では、「成果は同調と協力」「失敗は連帯責任」の文化から、自分の能力を過小評価する傾向が見られます。
個人の成果よりも協力や協調が評価され、失敗しても連帯責任で、責任の所在を曖昧にします。
そんな日本では、実に80%以上もの社員が「管理職になりたくない」と回答しています。管理職になりたくない理由(https://souken.shikigaku.jp/2209/)
その内訳は
男性:1位「メリットがない(41.2%)」、2位「責任が重くなる(30.2%)」、3位「自分には能力がない(27.6%)」
女性:1位「仕事と家庭の両立が困難(40.0%)」、2位「責任が重くなる(30.4%)」、3位「自分には能力がない(26.0%)」
社員の30%以上は責任を避けたいと思い、26%以上は自分の能力が不足していると感じて、昇進を拒む日本社会。
一方、海外では雇用形態がジョブ型で、役割が明確となっているため責任の所在も明確です。
その分、個人の能力や成果が評価されやすく、昇給や昇進に繋がりやすいです。社員も昇給や昇進、成果や評価に対して非常に積極的です。
近年の日本社会では海外のようにジョブ型雇用が進み、個々の能力や責任を明確化する施策が進められています。
これらが過小評価する日本人(インポスター症候群)を浮き彫りにして、急増しているように見えるのです。
アメリカの心理学者であるPauline Rose Clance氏とSuzanne Imes氏が行なった研究によると、インポスター症候群にかかっている女性の振る舞いはいくつかに分類されます。
勤勉と努力
「自分の愚かさが発見される」という恐れから、勉強するか一生懸命に努力する人。
努力と勤勉の結果、評価が得られ高揚しますが、このサイクルを崩すと、自分の愚かさが発見されてしまうという恐れは根底に残り続けます。
失敗への恐れは、成功の高揚よりも深いものになっていきます。
偽りの感覚
反対の意見に直面した時
自分の意見を軽視し、上司の意見を重要視する人。
間違った答えで愚かさが露呈してしまうかもしれないと考える人。
自分の愚かさを発見されないための回避行動が自身の過小評価、つまりインポスター症候群に繋がっていきます。
魅力と知覚力
上司の評価を得るために、魅力と知覚力を使用する人。
つまり、タスク処理能力や技術力ではなく、好かれることです。
人が何に反応するかを正確に認識し、親しみやすさ、魅力、外見、ユーモア、セクシュアリティ、そして知覚力を使って魅了します。
これは社内に限ったことではありません。クライアントの趣味趣向、好みに合わせた話題や外見、言葉遣いや立ち振る舞いも含まれます。
コミュニケーションの一種で、社交性の高さもうかがえるポイントです。
しかし、ここに重点を置いてクライアントやメンターから評価を得たとしても、それはタスク処理能力や技術力の高さを評価したものではありません。
本人もそれを理解していて、自身が正当に評価されたものとは思えず、納得のいく成功ではありません。
タスクを職務遂行能力で処理できていないことは明らかですが、また次のタスクでも同様のプロセスを繰り返します。論文では、これを「繰り返す自己敗北プロセス」と呼んでいます。
非合理的な考えを事実に置き換える
非合理的な思考を否定し、客観的事実を認識します。
インポスター症候群において最も難しいアプローチであり、最も重要な対処法です。
日常的に非合理的な思考に至ってしまったときに、メタ認知を行います。
自分の思考の合理性を別の視点で考え、客観的な事実に置き換えます。
誰が見ても業績が優秀なのは明らかであり、自分を過小評価する考え方は非合理的で生産性を低下させている。
このような事実を認識して考えを改めることで、根本的な解決に近づくでしょう。
確立された手段を優先する
過去に成功した手段を優先して選択する事が重要です。
新しく自分で手段を模索するのではなく、過去に確立された成功までの手段を選択することで成功を確信できます。
過去に確立された手段がない場合には、成功へのプロセスを書き出します。
プロセスを確実にチェックしていくことで不安を払拭し、成功への確信を得られてインポスター症候群を克服できるでしょう。
自身の能力を認識する
経験豊富な人に相談してみたり、そうではない誰かに仕事を教えたりすることが必要かもしれません。
自分がどれほど能力を有しているのか、或いは不足しているのかを認識しましょう。
自分の能力を正確に把握することで、自身の過小評価を訂正し、できることできないことが認知できればインポスター症候群に対処できます。
自分の力量を把握して、正当な評価かどうかを判断できるように、徐々に治していきましょう。
また、現在とは異なる環境で評価を得ることで、自身の評価を認識しやすくなります。
”映画 ハリー・ポッター シリーズ”で有名なエマ・ワトソンも女優時代にインポスター症候群に陥っていたと話しています。女優活動のほかに、UN Women親善大使などの異なる環境での評価を得て、やっと気持ちが切り替えられるようになったと言っています。
完璧主義を辞める
誰も完璧でないことに気づくことが重要です。
常に成功を続けられる完璧な人はいません。誰もが失敗を経験しています。
あなただけ失敗が許されないなんてことはありません。
失敗してもいいのです。次に活かすことができれば十分に意味のある経験だと思えば、克服できるでしょう。
人の助けを借りる
セラピストによる個別療法は、インポスター症候群の思考サイクルを断ち切るためのアドバイスをくれます。
最大のメリットは、インポスター症候群を含めた様々な実例の対処を経験している点です。
豊富なアプローチ経験から症状に応じた改善提案を行ってくれます。
インポスター症候群の克服するためのセラピー
インポスター症候群の具体的な治療法はありませんが、メンタルヘルスの専門家に相談することで多くは解決できるでしょう。
質疑応答を行い、情報を集めます。
・どんな時にその症状が現れるか
・なぜその症状が現れるか
・その症状が現れた時、どのような思考をしているか
・なぜそのような思考に至るのか
症状に適した改善提案を行います。
・現在の成果を祝おう
・過去の成功を思い出そう
・他人からの肯定的なフィードバックを記録しよう
部下の能力や業績を肯定する
肯定的な意見を強調して、自信を持たせましょう。
達成した目標や業績を数字で見られるものが望ましいです。客観的に判断できて、誰が見ても明らかな肯定の事実を認識させましょう。
「この業績は素晴らしい。数字を見れば分かる。誰が見ても明らかだ。」
「君の能力は決して劣っていない。むしろ優秀だ。自信をもっていい。」
失敗しても大丈夫だと伝える
「誰もが失敗を経験している。失敗しない人なんていない。」
「上司である自分ですら未だに失敗することがある。」
「失敗しても大丈夫、それはいい経験になって成長につながる。」
「たくさん失敗して経験を重ねてほしい。」
責任と仕事のバランス
過小評価しすぎてまったく挑戦できない状態であれば、能力と責任を考慮して確実に成功できると思われる仕事をいくつか紹介して選ばせましょう。
「どれがやってみたい?」「これはできそう?」と部下に聞いてみて、選択させましょう。
徐々に難易度をあげていき、確実に成功が保証できない段階まできたら
「失敗しても大丈夫。むしろ失敗して学んでほしい。」と失敗したときのフォローを入れながら挑戦させましょう。
失敗時も成功時も部下と一緒に振り返って、よかった点を記録していきましょう。
部下に合わせて、責任と仕事のバランスを上手に調整してあげることも、できる上司のスキルです。
親身になって、部下にプレッシャーを与えないようにすることで、インポスター症候群を治療することができます。
この記事を書いた人