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HRの基本

HR用語集

公開日:2018.11.1

    HRに関する用語を説明しています。


    数字 | あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行

    数字

    1on1ミーティング
    1on1ミーティングとは、上司と部下の定期的なミーティングのことです。一般的には週1~2回の頻度で15分程度、上司と部下が1対1で行います。通常の面談との大きな違いは、1on1ミーティングでは短時間か短いサイクルで継続して実施することです。最先端のIT企業などが集まるアメリカのシリコンバレーから広まり、近年では日本でも取り入れる企業が増えてきました。

    1on1ミーティングの一番の目的は、部下と会社の成長を目的に、上下間のコミュニケーションを深めて信頼関係を築くことです。そのために重要なのは何よりも部下の話を聞くことが重要です。上司ばかりが話してしまったり、回を重ねるごとに話題に困ったりしてしまっては意味のない取り組みになりかねません。

    具体的には、上司と部下の双方とも1on1ミーティングの目的や意義を理解したうえで、現状の課題や将来のキャリアについての相談など、部下が話したいテーマを中心にして話します。もちろん目的に沿った内容が基本です。それについて上司は課題を見出し、部下が目的を達成できるような解決方法や進むべき方向をアドバイスしていくのです。この時、部下が8割程度話していることが理想で、くれぐれも日々の業務や進捗の確認だけに終わらないようにしましょう。正しく1on1ミーティングを行うことができれば、お互いの信頼関係を深めることができます。お互いの信頼関係を部下と会社の成長へとつながっていくのです。

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    36協定
    36協定(労働基準法第36条に基づく労使協定)
    36協定とは、従業員が健康に生活できる労働環境を守るため、企業が従業員に残業や休日労働を課す際に必要となる手続きのことです。
    従業員に残業や休日労働を行わせる場合、企業は必ずこれを労使協定として締結しておく必要があります。
    正式名称は「時間外・休日労働に関する協定届 」と言い、「36協定」の通称で呼ばれています。
    労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内とされており、これを「法定労働時間」と言います。労働者に対して、法定労働時間を超えて時間外労働(残業)をさせる場合には、「労働基準法台36条に基づく労使協定(36協定)の締結」と「所轄労働基準監督署長への届出」が必要となります。また、企業が36協定の上限残業時間を守らならい場合、「6ヵ月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」が科せられる恐れがあります。
    ※詳しくは厚生労働省発行の資料などをご確認ください

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    あ行

    アフターコロナ
    「アフターコロナ」は、主に2つの意味を持っています。

    新型コロナウイルスが蔓延する前の世の中を指す場合と新型コロナウイルスの蔓延が解決した未来の世の中を指す場合です。

    前者の場合は、「現在も含む」のでこちらが使われる事が多いと言えます。
    こちらの意味でのアフターコロナで大きく変わったことのひとつに、「働き方」が挙げられます。

    緊急事態宣言が解除された今も、「対面しない仕事の進め方」というのは大きな課題となっています。
    アフターコロナの世の中では、多くの企業が柔軟な働き方を取り入れました。
    働き方改革により進められていた自由な勤務スタイルも、今回の強制的な在宅勤務でより一層、多様なニーズが生まれています。

    これからのアフターコロナの時代では、自宅にいることも増えてくるでしょう。
    自宅にいると何かとルーズになってしまいがちですが、だからこそオンとオフを切り替えて「しっかりと働き、しっかりと休む」ことが重要です。

    変化を恐れず柔軟に対応していくことで、事業の継続と発展に繋げることができるのかもしれません。


    アルムナイネットワーク
    アルムナイ(alumni)とは卒業生や同窓生を意味し、企業では退職者を意味します(定年退職者を除く)。つまりアルムナイ・ネットワークとは、文字どおり退職者のコミュニティのことです。主に企業がアルムナイとの関係を保持するためにSNSなどインターネット上で交流や情報交換を行っています。

    家庭環境の変化や個人的な事情によって一度退職したとはいえ、会社側と問題なく円満に退職している場合、アルムナイは企業にとって貴重な人材です。特に人材不足が問題視されている今、スキルもあり企業の社風などもよくわかっている人材であれば、企業にとって大きな戦力になります。そのため、再雇用を念頭に置いたアルムナイ・ネットワークの構築に注力する企業が増えてきているようです。

    このアルムナイ・ネットワークを活用した再雇用をアルムナイ制度と呼びます。そのメリットは多く、「会社の文化に通じていてスキルの高い人を確保できる」「人材教育に必要な時間やコストを削減できる」「採用するまでのスピードが早い」などがあります。
    同時に、アルムナイだからこその注意点ももちろんあり、もともとの社員との関係性や給与・待遇面での公平性には十分に注意する必要があるでしょう。

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    育児休暇
    育児休業とは、子どもを養育する親が法律に基づいて取得できる休みのことで、育児介護休業法で定められた休業制度のことです。育休(いくきゅう)とも呼ばれています。産前・産後休暇と異なり、男女(父母)どちらでも取得可能で、2017年3月からは法改正に伴い、最長で2歳まで休暇の延長が可能になっています(1歳半から2歳の間の再延長は保育園に入れない場合に適用可能)。

    また、育児休業を取得する場合は育児休業給付金が支給されます。取得から180日までは給料の67%、それ以降は50%が支給されることになっています。こちらも、法改正により2歳まで支給の延長が行えるようになりました。ただし、支給申請は個人で行う場合もあるので、注意が必要です。

    ちなみに「育児休業」に似た言葉で「育児休暇」がありますが、これは育児をするために個人が取得する休みを意味しています。法的に定められた休みではなく、企業ごとに定められたものです。

    また2017年10月1日の法改正で育児目的休暇が新設されました。有給休暇とは別に、就学前の子供がいる従業員が取得できる休暇です。

    男女ともに取得できますが、「努力義務」であり、育児目的休暇を取得しなくても罰則が発生しないので、まだ浸透には時間がかかりそうです。

    育児はとても大変なことですが、同時に楽しみでもあります。家庭を持つ社会人が子育てをしながらキャリアを継続できる仕組への理解が求められています。

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    イクボス
    イクボスとは、部下の仕事と生活(育児や介護、ワークライフバランスなど)の両方に理解があり、積極的に応援しつつ、組織としての結果も出しながら、自分も仕事とプライベートを楽しめる上司のことです。年齢、性別、階級などに特別な決まりはないため、直接の上司や管理職、経営者、もちろん女性も含みます。

    2006年に設立された特定非営利活動法人 ファザーリング・ジャパンでは、イクボス10カ条の設定やイクボス宣言を行い、イクボス企業同盟の設立などで広く周知・浸透を図ってきました。

    近年、徐々に賛同・参加する団体が増えてきており、厚生労働省では「日本総イクボス宣言プロジェクト!!」として動画の公募や掲載、イクボスアワードなどを実施。自治体や企業が「イクボス宣言」として環境整備を公表するなどさらなる広がりをみせています。

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    eラーニング
    eラーニング(e-learning, electronic learning)とは、もともとパソコンや・CD-ROM・DVD-ROMなどのデジタル機器を用いて行う学習方法のことでした。1990年代にCD-ROMドライブを搭載したWindows 95が登場したことでこの学習方法が浸透する環境が整い、その後、ブロードバンド化によってインターネットを利用したeラーニングへと発展していきました。

    学校の授業のサポート役として登場したeラーニングですが、時間や場所を問わず学習できるなどのメリットから、今では多くのビジネスシーンでも取り入れられるようになってきました。eラーニングを受ける人数がどんなに多くても、少ない教育者で平等の教育が可能であり、これによってコストも大幅に削減することができます。
    さらにLMS(Learning Management System:学習管理システム)の考案によって、成績や学習履歴なども一括して管理可能になり、教える側やサポートする側も問題点を見つけやすく学習効果を把握しやすくなってきました。

    メリットの多いeラーニングですが、環境が整わないと学習できないなどのデメリットもあります。企業は自社に適した教材を見極めながら取り入れていく必要があるでしょう。


    インクルージョン
    インクルージョン(inclusion)とは、英語で「包含・包括」などの意味です。そして、HRの分野ではその意味が発展し、「個性豊かな人材を活かせる環境」などの意味で使われています。インクルージョン&ダイバーシティなどの言葉の組み合わせで使われることも多いです。国籍・性別・年齢・学歴などに囚われない多様な人材が共存し(ダイバーシティ)、個々のあらゆる違いを認めあい、それぞれの知識や経験、スキルなど異なる能力を活かしつつ、共に働ける共生状態(インクルージョン)という意味で表現されています。

    近年、新卒・中途採用者ともに、早期離職の割合が高くなっています。これは、人材不足に悩む日本社会にとって大きな問題です。組織内での人間関係や企業理念・就業条件とのミスマッチなど、早期離職の原因は一概には言えませんが、一人ひとりの異なる考え方や価値観を認め尊重し合うことで、個人のパフォーマンスを最大限生かすことができ、結果として組織全体に大きなメリットをもたらすことが期待できます。

    日本では長く協調性や同調性が大切にされてきました。しかし、時代は大きく変わってきています。互いの違いを武器と認めながらも、一体となってビジネスに活用していく環境づくり、つまりインクルージョンが必要とされているのです。

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    インポスター症候群
    インポスター症候群とは自分を過小評価してしまうことです。詐欺師症候群やペテン師症候群とも呼ばれています。
    インポスター症候群は疾患や精神障害ではなく、不安や緊張が肥大化したものです。
    インポスター症候群(過小評価)の逆は「ダニング=クルーガー効果」(過大評価)です。

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    EVP(従業員価値提案)
    EVPとは、「Employee Value Proposition」の頭文字で、和訳すると「従業員価値提案」となります。企業が従業員に対して提供できるさまざまな価値を意味し、金銭やモノだけでなく、環境や企業風土など目に見えないものまで、その価値に含まれます。

    企業は今や人を選ぶ側ではなく、人に選ばれる側となりました。従業員の早期離職が死活問題となっており、優秀な人材の採用と定着は急務です。そうした背景から、EVP(従業員価値提案)が欠かせなくなってきているのです。

    そのためにもまず、企業は自社のEVPを認識する必要があります。従業員満足度調査はもちろん、可能であれば離職した従業員などにも調査を行い、情報を集めることが大切です。そうして分析した自社の強みをEVPとして発信。従業員はもちろん、社外にもアピールし広めていくことで、企業のブランディングにも役立ちます。

    関連語:エンプロイー・エクスペリエンス

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    エンゲージメント
    エンゲージメントとは、人事の領域において従業員から企業への愛着や思い入れなど、従業員と会社の間の信頼関係を表す言葉として用いられます。マーケティングの領域ではブランドや商品に対する消費者の愛着度を示す指標として用いられます。直訳すると約束、契約、債務、婚約などを意味します。

    近年、日本で「従業員エンゲージメント」が注目されています。その背景には、これまでの日本企業の雇用システムが変化していることが挙げられます。終身雇用制度や年功序列といった文化が崩壊し、従業員はスキルアップ、キャリアアップを求めより条件の良い企業へ転職するなど、日本企業はいま大きな分岐点に立っています。その中で、優秀な人材の流出を防ぐには従業員から会社への「愛着」が何より企業の成長にとって必要不可欠であるという認識が強まりました。また、世代による社員の価値観の変化も背景の一つです。ミレニアル世代においては、会社選びの際に「安定」を重視する声が比較的減少し、「自分がどれだけ成長できるか」という観点に重きを置くようになってきています。

    特に、新入社員や入りたての中途社員に対して、企業にどれだけエンゲージメントをしているかの把握は重要です。最近では、新卒・中途を含めた新入社員がいち早く企業になじみ、パフォーマンスを発揮してもらうための施策として「オンボーディング」が注目されています。


    エンパワーメント
    エンパワーメント(empowerment)とは、英語で「力をつけさせること」「権限付与」「権限委譲」などの意味です。ビジネスで使う場合は、相手にある程度の権限を持たせることで目的の達成を目指すことを言います。

    具体的には、上司が部下に対して本来自分が保有する権限を部下に与える、もしくは部下の裁量権を広げ、ある程度自身の意思によって行動・業務進行させていくような場合に使われます。

    利点としては、個人の能力や可能性を引き出すことができ、判断や決定を待つ必要がないため、仕事のスピードアップ・生産性の向上などが期待できます。これによって個人の能力アップやモチベーションの向上も可能になり、ひいてはクライアントの満足度にもつなげられるでしょう。また、エンパワーメントを好機としてリーダー候補が見つかり、さらなる人材育成にもつなげられる可能性も高いです。
    ただし、個人の判断が多くなると会社の方針や達成すべき目標にズレが生じる場合もあります。また、部下によっては権限や責任を持つ立場になることを負担に感じる人もいるので、どんな人材にエンパワーメントしていくのが適切か、十分な注意が必要となります。
    単なる丸投げにならないよう、エンパワーメントした後も1on1ミーティングなどで適切なホウレンソウを行い、失敗を受け入れフォローする体制を整えておくとよいでしょう。

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    エンプロイー・エクスペリエンス
    エンプロイー・エクスペリエンス(Employee Experience 以下、EX)とは、従業員が組織の中や仕事を通じて得る経験やその価値を指します。もともとはアメリカからスタートした考え方ですが、日本でも近年注目され始めています。

    労働人口の減少や中途入社の増加、働き方改革推進などに伴い、人材の確保が企業の大きな課題となっている今、会社へのエンゲージメントを高めて職場に定着させるのは、人事にとって大変大きな課題です。そこで、さまざまな社内制度やルール、制度設計によって従業員に質の高い体験を提供することで、不要な離職の回避と満足度の向上を目指しています。

    EXを導入している日本の企業はまだまだ少ないのですが、今後は注目を浴び、広がっていくことが予想されます。従業員一人ひとりのEXの向上が会社へのエンゲージメントを高め、結果として会社の大きな利益につながる動きとなるのではないでしょうか。

    関連語:エンゲージメント、EVP(Employee Value Proposition)

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    エンプロイー・サティスファクション
    エンプロイー・サティスファクション(Employee Satisfactionの略 以下、ES)とは、従業員満足度という意味で、職場のさまざまな環境に対する従業員の満足度合いを表すものです。

    かつては従業員よりも顧客が優先され、多くの企業で顧客至上主義が掲げられていました。しかし、従業員満足度の低さは離職やモチベーションの低下、生産性ダウンの要因となり、企業にとっては大きなリスクとなります。

    ES向上には以下のような項目改善が必要とされています。

    ・仕事内容や仕事量
    ・業務に対する適正な評価
    ・快適な職場環境
    ・人間関係
    ・企業理念への共感
    ・福利厚生や待遇

    上記のような項目に満足すると、従業員のモチベーションは上がり、結果として顧客が満足する仕事、企業利益の向上へとつながっていくのです。現在ではES向上のために多様な施策を行う企業も増えています。自社のESを向上させるには何が必要なのかをしっかりと見極め、検討しましょう。

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    eNPS
    eNPSとはEmployee Net Promoter Score(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)の頭文字で、従業員に対して「知人や友人に自分が勤めている会社をどのくらい勧めたいか」を質問し、それを数字にして表したものです。もともとは顧客の満足度を調べるためのNPS(ネットプロモータースコア)を、従業員のエンゲージメント確認用に使用されるようになりました。

    eNPSを導き出すには、質問に対して0〜10点で評価してもらい、それを段階ごとに「批判者」、「中立者」、「推奨者」と分類。推薦者の比率から批判者の比率を引いた数値がeNPSとなります。

    その数値が高い企業は社員のエンゲージメントも同様に高いという調査結果があります。もちろん、エンゲージメントが高いために離職率は低く、人材が定着しているため生産性や業績も優れていると言えるでしょう。

    自社の職場環境をeNPSによって把握することは、環境の改善や離職防止、優秀な人材の採用など、さまざまなことに大変有益なのです。


    ERP
    ERPとは、Enterprise Resources Planning の略であり、「企業資源計画」と訳されます。現在は「基幹システム」そのものを指すのが一般的になっていますが、もともとは製造業向けに在庫管理・生産管理の手法として取り入れられていた「MRP(Material Requirement Planning)」から発展したものと言われています。
    経営効率化実現のために、会社の資源を有効活用する計画・考え方そのものを意味しています。

    そもそも基幹システムとは、会社のさまざまなデータを統合管理することを目的に作られたソフトウェアのことです。会社の経営に必要な「ヒト・モノ・カネ」を一元管理できるよう、主要な機能(財務・人事給与・生産管理・販売管理・在庫管理など)を網羅しています。

    ドイツで世界初のERPが開発され、世界中で広まりました。日本でもERPが注目されるようになったのは1990年代半ば以降のこと。コンピューターの普及とともに、管理系業務をシステムでまかなえるようになり、業務上におけるコストとスピードの見直しが行われるようになりました。そこで海外から取り入れられたのがこのERPであり、特にグローバル展開を行う日本企業で積極的に導入されました。しかし、海外企業と日本企業の商業習慣の違いからERPがうまく機能しないケースも多く、国内でもだんだんと日本企業の文化にフィットしたERPが開発されるようになりました。近年では、ERPのクラウド化が進んでおり、より低コストでの導入が可能となっています。

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    HRBP(HRビジネスパートナー)
    HRBPとは、日本でも徐々に広まりつつある、新たな役割を持つ人事のことです。一般的な人事との違いは、管理部門としての給与計算や勤怠管理などの業務ではなく、会社の経営や事業目標の成功を目指して、戦略的な人事や組織設計を計画・実行していくのが主な業務であることです。HRBPに期待される役割には、以下のようなものがあります。

    ・経営陣の課題や事業戦略を理解し、そのための人事施策を立案・実行すること
    ・組織の変革を先導する仕掛け人となること
    ・現場の意見に耳を傾け、経営陣に伝えること

    上記のようにHRBPは、あくまでも組織変革により業績を向上させていくことが最大の目的となっています。まだまだ周知されているとは言えないポジションであり、既存の人事よりもコミュニケーション能力が必要となるため、人事出身者だけではなく、他部署の従業員を抜擢・育成することもあるようです。
    縁の下の力持ちという役割だった人事が、これからは事業の成功を左右する新たな役職として期待されています。“攻めの人事”とも言われるHRBPは、これからの経営戦略に欠かせない存在となっていくでしょう。


    オウンドメディアリクルーティング
    オウンドメディアリクルーティングとは一般的な採用(求人媒体へ募集を出し、後はただ待つスタイル)と違い、より積極的な採用活動として、求める人材に届くようオウンドメディア(自社のウェブサイトなど)を使い、戦略的な採用活動を行うことを言います。この言葉はIndeed社が発信する新たな概念で、言葉自体も同社の代表取締役が初めて使ったと言われています。

    人手不足が叫ばれる時代に、自社の希望に沿った人材を見つけ採用するのは至難の業。さらに、買い手市場だった頃とは求職者たちの環境も意識も変化しています。終身雇用や年功序列という制度は少なくなり、転職はタブーなものではなくなりました。組織を優先した採用・働き方から、個人優先の考え方へと変わってきているのです。

    オウンドメディアリクルーティングは自社サイトなどを使うため、社風や文化を伝えやすく、広告よりも費用対効果が良いとされています。一方、採用ページまでの誘導が難しいという課題もあります。今では求人専門の検索エンジンなどもあり、一層導入が進んでいくことが予想されます。

    関連語:オウンドメディア、リファラル(紹介)採用、ダイレクトリクルーティング

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    Off-JT
    Off-JTとはOff The Job Training(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)の略です。通常業務から離れて職場外などで行う教育方法をいい、新入社員のためのビジネスマナー研修や中堅向けのリーダー研修など、通常は役職や職種、目的ごとに行われています。

    Off-JTのメリットとして、専門的なスキルの習得やバラつきのない研修が可能になることがあげられます。多くの分野において変化や成長が著しい今、専門スキルのある人材育成が必要となっているため、Off-JTによる知識や技術のインプットが重要となってきているのでしょう。最近では研修方法も多様化し、インターネットを活用したeラーニングなども多くなっています。

    一方で研修の際の費用増加や準備、実務の停滞などデメリットももちろんあります。実際に人材育成として運用するためにはOJTと連携し、両者のメリット・デメリットを互いに補い、相乗効果が生まれるような育成プランを計画することが成功の秘訣となるでしょう。

    関連語:OJT、SDS、OJD


    オフショアリング(オフショア)
    オフショアリングとは、企業の一部もしくはすべてを海外へ移すことを意味します。
    人件費やその他のコスト削減が主な目的ですが、同時に品質の低下などが問題になることが多いようです。以前は製造業などがオフショアリングを取り入れることが多かったのですが、徐々に専門的な分野での広がりも見られています。

    オフショアリングには2つの方法があります。一つは海外企業に委託する方法、もう一つは海外に現地法人をつくる方法です。混同されやすい言葉にアウトソーシングがありますが、アウトソーシングは国内外問わず外部に業務委託することをいいます。そのため、海外への業務委託はオフショア・アウトソーシングと呼ばれます。

    オフショアリングを活用する企業は年々増えており、アメリカでは行政の一部にも導入されているそうです。しかし、仕事の進行や言葉・文化の違いによる問題、人材育成の難しさや情報管理の難しさなど、同時に多くの課題も抱えています。

    関連語:アウトソーシング、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、シェアードサービス


    OKR
    OKRとは「Objectives and Key Results」の略。直訳すると「目的と主な結果」という意味です。組織全体の目標を可視化したうえで、チームや個人の目標を合わせていく目標管理の手法で、名だたる企業が導入したことで周知され広まりました。

    OKRを実施する際には、目標設定の5つのポイントであるSMARTを重視して設定することが大切です。Objectives(組織の目的)は設定した一期間に6つくらいまで、各Objectivesに対するKey Results(主要な結果)は5つまでが妥当とされています。すべての目標は全社で共有され、目標達成率は60~70%としておくのが一般的です。

    OKRは会社の目標とチーム・個人の目標がリンクしています。そのため社員は自分の貢献度がわかりやすく、会社側から期待される内容も理解しやすいというメリットがあります。そいて、それによってモチベーションやエンゲージメントのアップが期待できます。さらに、人事考課に影響しないことが前提のため、従業員は失敗を怖がらずに目標達成を目指してチャレンジすることができるのです。

    運用ポイントは、定期的なコミュニケーションと実際に行ったOKRに対する測定および評価です。成功や失敗についてきちんと分析し、次以降の目標設定やOKRの実施に活かしていきましょう。

    関連語:SMART、MBO(Management By Objectives)、KPI、KGI、人事考課

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    OB・OG訪問
    自分の大学を卒業した先輩が在籍する企業を訪れ、就職活動のために(先輩に)アドバイスを求めたり質問するのがOB・OG訪問です。はっきりと就職したい業界が決まっていなかったり、就職を希望する企業のイメージがないという場合にもOB・OG訪問を行うことで自分の目指す方向や具体的な働き方のイメージをつかみやすくなります。さらに、企業の人事担当よりも近い存在のため聞きづらい質問もしやすく、率直な声が聞けるはずです。訪問した先輩によっては親身に不安を聞いてくれたり、アドバイスしてくれる場合もあるそう。実際にOB・OG訪問を行った人の多くが「行ってよかった」と答えています。

    まず、就職活動に向けて、何からスタートすればいいのか悩んでいるなら、手始めにOB・OG訪問を行ってみてはいかがでしょうか。もしも、先輩に知り合いがいない場合は、自分の大学のキャリアセンターで相談してみるといいでしょう。就職活動は誰でも不安になったり、神経質になったり、落ち込んだりしがち。頼りになる先輩がきっと助けになってくれるはずです。


    オンボーディング(onboarding)
    オンボーディングとは「新入社員をスムーズに社内に溶け込ませパフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくり」のことを意味します。元は「on-board」という「船や飛行機に乗っている」という意味を持つ言葉から派生したもので、会社・組織という船に社員が乗組員として乗船し、共に目的地へ向かって協力し合い進んでいく様子を例えています。

    人事の施策としてオンボーディングの重要性が認識されてきた理由として、少子高齢化による労働人口の減少に加え、終身雇用制の崩壊、働き方や価値観の多様化などから社員の流動性が高まっていることが背景にあります。厚生労働省のプレリスリリースによると1年以内に退職する大卒の新卒社員の1年以内の退職率は11%以上、10人に一人以上は1年以内に辞めていることになります。

    HRの最先端であるGoogle、FacebookなどのグローバルIT企業では、オンボーディングの優先順位を高めて全社的に取り組んでいます。オンボーディングの取り組みに成功している企業には下記のような共通点があります。

    1.十分なコストをかけて投資している
    2.新入社員の入社初日までに必要なものが全てそろっていて、歓迎していることが伝わるようにする=とにかく早く始める
    3.企業文化とマッチしているかを重要視している
    4.新入社員が配属されるチームを巻き込んで、オンボーディングの準備をしている
    5.入社後の2~3ヵ月で何を達成すべきか、明確なロードマップがある
    6.すぐに仕事を始められるよう、業務に必要なツール、情報、社内のルールなどについて丁寧に説明している

    せっかくコストや時間をかけて採用、教育してきた新入社員がすぐ離職してしまう状態が続くと、ずっと人手不足に悩まされるだけでなく会社の将来を支える人材が育たないため、事業の継続が難しくなります。同じ船に乗ったメンバーが全員難破したり沈没したりせずに、無事「目標達成」というゴールに到着できるよう、今いる社員のパフォーマンスやエンゲージメントを向上させ、活躍できる環境を提供するのが、オンボーディングの目的です。

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    オンライン研修
    「オンライン研修」とは、パソコンを通して受講することができる研修を指します。
    オンライン研修では、最低限のインターネット環境とパソコンがあれば、全国どこにいても参加することができるので社内研修を行う場合、支社間の教育にも大きな差が生まれません。

    自宅やカフェにいながらも研修を受講することができる仕組みで、他にも「ウェビナー(ウェブとセミナーを組み合わせた造語)」などの名称で知られています。

    参加者の移動や会場を押さえる必要がないので、大幅なコスト削減にも繋がります。

    また、オンライン研修は当日に都合がつかず参加できなかった人でも、後日録画を見て受講することができたり、受講済みの人も何度も録画を見て受講したりと、自分のペースで学びを深めることができるのが特徴です。

    その一方で、基本的なオンライン研修は動画閲覧によって行われるものなので実技や技術を学ぶのには不向きだと言えるでしょう。

    従業員のニーズと研修の目的に合わせて研修を使い分けることで、最大限の効果を引き出すことが可能になります。


    オンライン飲み会
    「オンライン飲み会」とは、参加者が自宅のパソコンやスマートフォンの前にお酒とおつまみを用意し、ビデオチャットを通じて会話を楽しむ飲み会のことを指します。

    自宅にいながらも会社の同僚や友達と集まって飲み会を楽しむことができる新しい形式の飲み会で、他にも、「リモート飲み会」などの名称で知られています。

    オンライン飲み会では、出かける準備や交通費が不要なだけでなく、インターネット環境、ビデオチャットツールがあれば国内外誰でも参加することが可能です。

    また、用意するのは自分の好きな飲食物だけ、といった非常に経済的かつシンプルな飲み会であり、気軽に開催できることができます。

    予め決めた時間、好きな飲食物、インターネット環境、ビデオチャットツールの4つが揃っていれば誰でも簡単に行うことができます。

    オンラインで飲み会をすると、他の人と同時に発言してしまう、誰の発言か分からなくなる、といった問題も考えられるので人数は2〜5人程度が最適と言えるでしょう。

    インターネット上でありながらも、まるで本当の飲み会のように楽しめることから、こうしたオンライン飲み会の人気が高まっています。


    か行

    KGI(Key Goal Indicator)
    KGI(Key Goal Indicator)とは日本語では「重要目標達成指標」と訳され、企業や事業全体の目標管理のために設定します。ここでいう「Goal」は評価基準のことで、誰が見ても公平に正しく判断できるよう、いつまでにいくらの売上を達成する、といったように金額や納期などを具体的な数値で設定する必要があります。

    KGIを設定する目的は
    1.目標を明確にする
    2.数値化することで目標と現実の差異を認識する
    ことにより、目標達成のために行うべきことを洗い出し、実行していくことで効率的に目標達成を目指すことです。この達成のために通過すべき過程として、設定する具体的な行動がKPI(Key Performance Indicator)=「重要業績評価指標」です。

    KGIは数値で具体的な成果を計測できる内容を設定しなければいけません。例えば「顧客満足度を上げる」という目標をKGIにするのであれば、「既存顧客のアップセル○○円」と目標が達成できたかどうか判断する閾値となる数字を盛り込みましょう。また現実的に達成が可能な範囲で数値を設定しましょう。理想と現実がかけ離れ過ぎていると、実行する現場のメンバーが無理難題を突き付けられたと感じ、かえってモチベーションが下がってしまう可能性があります。

    またKGIを達成するために必要な成功要因となるKSF(Key Success Factor)も明確にしておきましょう。例えばKGIが「全社の売上前年比10%UP」であれば、KSFは「個人売上」「新サービス企画」などがあてはまります。先にKSFを決めてから具体的な行動目標となるKPIに落とし込むようにしましょう。

    KGIは目標達成のために必要な指標ですが、これだけ設定しても意味がありません。KGIを達成するために必要な要因、行動を掘り下げて、KSF、KPIと合わせて明確に設定しましょう。

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    KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)
    KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、企業が設定した目標の達成度合いを測る数値のことです。日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。KGIとよく似ていますが、KGIとは最終的な目的を計測するもので、その最終目標への過程段階で中間目標を測るのがKPIです。

    『KGI』を定めてから『KPI』を策定
    KGI
    Key Goal Indicator
    重要目標達成指標

    KPI
    Key Performance Indicator
    重要業績評価指標

    KPIを設計する際は達成する数値についてよく検討することが必要で、そのためのポイントが3つあります。

    1.明確な目標設定(KGI)をする
    2.定量的に測定できる指標を設定する
    3.自分の業務と紐づけた重要な数値をバランスよく設定する

    また、KPIツリーやビジネスロードマップなどを用いてKPIを設定するのもたいへん有効です。KPIはあくまでKGIを達成するための指標。そのため、クリアできなかった場合はその理由を検討し、必要に応じて適切なKPIを改めて設計していく必要があります。

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    KSF
    KSFとは「Key Success Factor」の略で、「重要成功要因」や「成功するための要因」、「カギとなる成功因子」などと訳されます。

    自社の強み(内部環境)と、市場で求められているものや競合相手との差別化など(外部環境)の両方を踏まえて分析し、事業におけるKSFを明確に設定。それを具体的な戦略の立案および実行につなげていくのです。必要なKFSが明確になっていないと、事業の成功に結び付けるのは難しいといえるでしょう。

    KSFとなる要素は業種や企業規模によってさまざまであり、技術革新や顧客ニーズなどに応じて変化する場合もあります。例えば、化粧品メーカーの「知名度やブランド力」、コンビニエンスストアの「品揃え」などがKSFと成り得る要素です。


    カスタマー・サティスファクション
    カスタマー・サティスファクション(Customer Satisfaction 以下、CS)とは、顧客満足という意味です。企業が提供するサービスや商品に対して、顧客の満足度を示すもので、アンケートなどを実施して数字として表される場合が多く、その数値に応じて新たな商品やサービスの開発・改善などが行われます。

    CSの向上にはいくつかのポイントがあると言われており、「顧客の期待を正しく把握すること」「顧客の期待をどのくらい上回ることができるか」「満足度を数値化する」などがあげられます。

    一般的にCSの数値が高い会社はエンプロイー・サティスファクション(Employee Satisfaction 以下、ES)も高いと言われており、かつては顧客のみを優先し顧客満足主義に徹していた企業も、徐々に従業員満足度にも目を向け、ESの向上によってCSを高めていこうという動きが大きくなってきています。

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    キャズム理論
    キャズム理論とは、導入期で成功した商品・サービスが、成長期においてさまざまな制約条件に負けて溝(キャズム)に落ちて消えていくという現象において、このキャズムを乗り越えるためのマーケティングアプローチを示した理論です。

    キャズム理論の前提となるのがイノベーター理論です。イノベーター理論とは、新商品や新サービスの市場浸透に関する理論で、下記の5つの段階でイノベーションが普及します。

    ・イノベーター(Innovators:革新者、革新的採用者)
    →チャレンジ精神にあふれ、新しい商品やサービスを進んで採用する人のこと。市場全体の2.5%を占めます

    ・アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用層)
    →世間の流行に敏感で、自ら新商品・新サービスの情報収集を行い、判断する人のこと。他の消費者への影響力が強く、世間的にはオピニオンリーダーやビジョナリーとも呼ばれ、市場全体の13.5%を占めます

    ・アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随層)
    →新しい商品やサービスを購入するうえで、比較的慎重派な人のこと。平均より早くに新しいものを取り入れます。ブリッジピープルとも呼ばれ、市場全体の34.0%を占めます。

    ・レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随層)
    →商品やサービスを購入する際に懐疑的な考えを持つ人のこと。周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をします。フォロワーズとも呼ばれ、市場全体の34.0%を占めます

    ・ラガード(Laggards:遅滞層)
    →商品やサービスを購入する際に最も保守的になる人のこと。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統になるまで採用しません。伝統主義者とも呼ばれ、市場全体の16.0%を占めます

    キャズムが生まれてしまう原因は主に、アーリーアダプターの市場と、アーリーマジョリティーの市場でニーズが異なることが挙げられます。アーリーアダプターの市場では商品の「真新しさ」が消費者の購買動機になります。一方、アーリーマジョリティーの市場では商品への「安心感・信頼感」が消費者の購買動機になります。

    つまり、2つの市場で消費者の購買動機が異なってくるのです。これがビジネスが成功するかどうかのキャズムになるのです。では、このキャズムを乗り越えるにはどのような方法があるのでしょうか?その方法として2つのマーケティング手法があります。

    ・インフルエンサーマーケティング
    インフルエンサーマーケティングとは、その業界の有名人や芸能人(インフルエンサー)など、市場への影響力が強い人の力を借りてマーケティングを行う方法です。インフルエンサーの紹介や口コミを介することで、特に導入期の消費者が安心感を持つことができ、商品やサービスの購入につながります。

    ・アンバサダーマーケティング
    アンバサダーマーケティングとは、特定の商品やサービスの熱狂的なファンの行動により、その魅力や良さ、メリットを世間に伝えることを目的としたマーケティング手法になります。アンバサダーは、全員がファンなので、口コミはもとより、アンケートや新商品のキャンペーン参加などにも積極的で、マーケティング施策に対する反応率が格段に高いのが特徴です。

    今回は、キャズム理論について、そしてそのマーケティング手法についてお伝えしました。まずは「現状の自社商品・サービスはどのフェーズに存在するのか?」から考察し、そのフェーズに合わせたマーケティング戦略を立ててみましょう。

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    休業
    休業とは、その字のとおり業務を休むこと。一般的には企業と従業員の労働契約はそのままに、業務を行わない連続した日のことを指します。休業には3タイプあり、一つは従業員側の理由で、病気療養や育児、介護など家庭の都合によるものがほとんどです。次は会社都合による休業。これは業績不振や自社に関連する社会情勢(不況や、物資の高騰など)が原因で起こります。最後は天災など不可抗力によるものです。

    通常、自己都合と天災によって休業する場合は給料の支払いはなく、無給となることがほとんどのようですが、会社都合による休業の場合は平均賃金の60%以上支払うよう、労働基準法で定められています。また、自己都合にる休業でも、その理由によっては以下の手当てをもらえる場合があります。

    ・休業補償給付(労災保険)
    ・出産手当金(健康保険)
    ・育児休業給付(雇用保険)
    ・介護休業給付(雇用保険)

    休業の種類によってもらえる給付金が異なりますので、きちんと調べて手続きを行う必要があります。

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    クロージング
    クロージングとは、ビジネスシーンのなかでも、営業活動において用いられる用語で、意味としては、営業活動の最終フェーズである売りてと買い手の間での「契約の締結」を意味します。
    正確には、「契約の締結」に至るまでの一連のアプローチをクロージングといいます。
    顧客を獲得し、サービスによって顧客をサポートしていく上で、大きく下記の1~9のステップがあります。
    (1)アプローチ
    (2)リード化
    (3)案件化
    (4)ヒアリング
    (5)提案
    (6)クロージング
    (7)契約処理
    (8)フォローアップ
    (9)契約の継続・解約処理

    営業担当者の役割は会社の方針や規模によって様々ですが、上記のすべてを行っている営業担当者も多いでしょう。

    (1)アップローチ ~(2)リード化までをマーケティング部門にて行ったり、
    (3)案件化 ~(6)クロージングは営業担当者、(8)フォローアップは顧客サポート部門、(7)契約処理や(9)契約の継続・解約処理は営業ポート部門が行うなど、業務分担をしているケースも多く、それぞれのステップで必要となってくるスキルやノウハウが異なります。
    その中でもクロージングは、個々の営業担当者のスキルや経験値に左右されることが多く、上記の9つのステップの中では、最も難しいものの一つです。

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    クラウドサービス
    クラウドサービスとは、ソフトウェアのインストールが不要で、インターネットを通じて提供されるサービスのこと。「クラウド」とは「雲」のことで、コンピュータシステムが提供するサービスのイメージのことを指していて、あたかも空に浮かぶ雲のように場所にとらわれることなく、そのサービスを利用できることが揺らいで名づけられたものです。

    クラウドサービスは大きく以下の3つに分類されます。

    1.SaaS(Software as a Service)
    インターネットを通じて提供しているソフトウェアのこと。
    例:Gmail

    2.PaaS(Platform as a Service)
    インターネット上で利用できるハードウェアやOSのこと。
    例:Amazon Web Services(AWS)

    3.IaaS(Infrastructure as a Service)
    インターネットを通じて提供しているサーバーなどのインフラのこと。
    例:Google Compute Engine

    クラウドサービスのメリットとして、ネット環境があれば職場、自宅、外出先など場所を選ばずに必要な時に利用できます。また、ユーザー側でサーバーやソフトウェアのインストールを行う必要がないことや、サービス提供側がメンテナンスを行うので、システムのメンテナンスをユーザーが行わなくてよいことなどが挙げられます。総じて、ランニングコストやメンテナンスにかかる人件費などを必要な分だけに抑えられます。一方、デメリットとしては、インターネットを経由しているためセキュリティ対策のレベルを高くすること、システム環境のクオリティがサービス提供側に依存しているため、すべてのユーザーに同じ品質のサービスを提供することが難しいことなどの課題があります。


    コアバリュー
    コアバリューとは、企業において一番重要とされ、中心となっている「中核的価値観」のことです。企業の本質・信条としているものをコアバリューとし、全従業員で共有、それを行動指針として企業活動を行っていきます。
    企業がコアバリューを持つことは、同時に「コアバリュー経営」を行うことを意味します。常に自社の持つ価値観に則って行動・判断し、事業を展開していくことになるのです。結果、そこには他社と差別化された「企業文化」が生まれ、従業員が自主的に働けるようになっていきます。

    コアバリューという言葉が周知されるきっかけとなった企業が、アメリカの靴の通販会社「Zappos(ザッポス)」です。「返品可能」「返品送料無料」というサービスなど、徹底した顧客第一主義で数々の逸話を持つ同社のコアバリューが以下です。

    コアバリューは企業の「魂」であり、そこで働く従業員の「働き方」や「考え方」の基盤となるものです。結束力の高い組織を目指したい、これからの企業の成長に必要なものとなっていくでしょう。

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    さ行

    サテライトオフィス
    サテライトオフィスとは、本社から離れた場所に設置するオフィスのことを指します。
    本社を中心に「Satellite(衛星)」のように存在することから、この名前が付けられました。

    サテライトオフィスは主に「都市型」「郊外型」「地方型」と3つに分けられます。

    「都市型」は本社とは別に都内にオフィスを設置したもの。
    これは本社の機能とは別の役割を持つ部署のために用意されることがほとんどです。
    「郊外型」はあえて郊外のベッドタウンにオフィスを設置することで社員の通勤時間の短縮を図ったもの。

    最後に「地方型」。これはあえて都会から離れた場所にオフィスを設置することで、災害などのリスクを分散させる効果があります。

    働き方改革のさらなる推進やさまざまなニーズに応えるため、サテライトオフィスを設置する企業はこれからさらに増えていくでしょう。


    時差出勤
    「時差出勤」とは、朝の通勤ラッシュを避ける目的で作られた制度を意味します。

    特に、朝の7時半から9時の間は電車や道路が混雑しがちですが、この時間をうまく避けることで、通勤時の人ごみなどによるストレスを軽減することができます。

    また、時差出勤制度は、一般的には通勤時間を調整する目的で使われており、所定の労働時間を変更するものではない場合がほとんどです。
    (例:9時〜18時を時差出勤に変更した場合、勤務時間は11時〜20時)

    毎日の通勤ラッシュで会社に着く前に疲れてしまうのは本末転倒です。
    また、体調面のほかにも、子供の送り迎えをする従業員や新型コロナウイルス・インフルエンザ等流行病の感染予防のために、時差出勤制度を導入する企業も増えています。


    出向
    もともと在籍している企業と同じ雇用条件で、別の企業へ異動になることを出向といいます。例えば、親会社から子会社へ、取引先の会社へなどです。多くの場合はもともと在籍している企業との雇用契約のまま異動するため、基本的な就業条件は変わらないことがほとんどですが、場合によっては移動先の企業と雇用契約を結ぶこともあります。

    出向と聞くと「左遷と同じではないのか?」というように、ネガティブな意味で捉えられがちですが、実はそうではありません。左遷は基本的にこれまでよりも地位が降格する移動を指しますが、出向の種類や目的はさまざまなため、戦略とは限りません。

    出向は通常、育成を目的として実施されることが多いです。出向先企業に対して経営・営業・技術などの指導を目的とした人材援助の出向や、他社でないと経験できない職務や役職を経験させる人材育成を目的としたものなど、出向する本人にメリットがある場合と出向先や出向元にメリットがあるものが一般的です。ときにはグループ会社や取引先との交流、職場環境の活性化、取引の円滑化などのために行われる場合もあります。

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    職務記述書
    職務記述書とはジョブ型雇用の際に活用される従業員のポジションや職務内容、必要資格やスキルなどが記載されたものです。職務記述書によって職務内容が明確化されることによって様々なメリットがあります。特に求人時や人事評価の時に効力を発揮するため、昨今の日本では多くの企業が導入を進めています。

    Job Description(ジョブディスクリプション)とも呼ばれ、IT人材雇用などの場面において海外で活用されてきました。業務の曖昧さを回避し、業務上の無駄や非効率的な部分を排除できます。専門スキルを持った人材採用においては重要な雇用管理文書です。

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    ジョブディスクリプション
    職務記述書の説明をご参照ください。

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    ジョブローテーション
    従業員を一つの部署や職務に留めず、一定の期間で異動させる仕組みをジョブローテーションといいます。日本で一般的だった終身雇用制度に合わせて広範囲に活躍できるゼネラリストの育成のため、そして、業務全体を見通せる人材を確保するため、さらに一定の人しかわからない業務ができてしまう属人化を防ぐため、という3つが大きな目的でした。

    ジョブローテーションには企業と従業員の双方にメリットがあります。多様な部署を経験するため従業員同士の関係性の向上や部署間の風通しがよくなるなど、社内がオープンになり、部署をまたいで経験を積むことで幅広い知識を持つとなる人材を戦力として育成することが可能。従業員個々の適性もおのずと見えてきます。一方で育成に時間がかかることやプロフェッショナルの育成が難しいなどのデメリットもあります。

    ジョブローテーションは、以下のような特徴を持つ企業が向いているとされています。
    ・部署間の業務につながりがある企業
    ・セクショナリズムの防止を目指す企業
    ・専門的な知識を多くの従業員が有する必要がある企業
    ・社内文化の共有を目指す企業

    上記のような企業でジョブローテーションを導入すると、業績の向上や優秀な人材の確保など多くの効果が期待できます。そして企業だけでなく従業員にとってもスキルアップやモチベーション向上につながるでしょう。しかし、実際に導入する際には企業の考えと従業員の希望、両方をよく検討したうえで進めていく必要があります。

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    人事システム
    人事管理システムとは、とりわけ人事部門の業務効率化のためのアプリケーションなどのツール全般を指します。個人の基本情報から勤怠管理、人材の採用、育成、評価など、人事の幅広い業務をサポートするシステムです。
    人事が取り扱うデータには多くの個人情報が含まれています。それらのデータを手作業で振り分け、紙ベースで管理するのは難しく、データの活用もほとんど不可能です。さらに、Excelなどのアプリケーションも人事管理専用ではないため多くの労力を要します。しかし、専用のシステムで一元管理できるようになれば、多くのコスト削減が可能になります。

    人事システムには大きく分けて以下の2つの種類があります。

    1.人事・給与システム
    勤怠管理、給与計算、人事労務など、主に人事が行う定型業務を管理するシステム。

    2.人材マネジメントシステム
    採用、評価、育成、マネジメントなど、主に経営的な戦略に基づく人材開発や配置などを管理するシステム。

    これらの人事システムを駆使することで、人事部の業務効率化や負担軽減だけでなく、採用した人材のパフォーマンスを最大化したり、システムによって一元化されたデータを経営判断に役立てたりすることも可能になります。昨今、時代のニーズに合わせたさまざまな人事システムが販売されていますので、導入の際にはよく吟味することが必要です。


    心理的安全性
    心理的安全性とは、ビジネス上で使われる心理用語で、英語ではpsychological safety(サイコロジカルセーフティ)と言います。職場で人からの反応を極端に恐れたり、恥ずかしがったりすることなく、自分らしく自然体でいられる環境がつくられていることを指します。

    心理的安全性の高い環境をつくりだすことは、個人はもちろん、企業にとっても多くのメリットがあります。

    ・職場での意見交換が活発になる
    ・チームや部門の能力を最大限に活かせる
    ・問題があった場合の早期発見
    ・失敗を恐れない
    ・定着率が上がり、離職率が低下する

    一方、心理的安全性が保たれていない場合、4つの不安を持ちやすいと言われています。

    1.無知だと思われないか
    2.無能だと思われないか
    3.邪魔に思われないか
    4.ネガティブな人間と思われないか

    こういった不安を抱えていると、意見やアイデアがあっても言えなくなってしまうでしょう。

    心理的安全性を高めることは、結果として企業の成長にもつながります。心理的安全性を向上させるには、1on1ミーティングやOKRなど、さまざまな方法があります。自社に合った方法を十分に検討し、導入することが大切です。

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    スタート・ストップ・コンティニュー
    「スタート・ストップ・コンティニュー」は、コミュニケーションを取るための起点ともいえるフレームワークです。同僚や上司と部下の間で不満がある場合など、それらを陰で言い合うのではなく、できるだけ当人同士がコミュニケーションを取るために直接対話するための人事施策といえるでしょう。

    施策のやり方はとてもシンプルです。相手(部下や同僚)に対して以下のことを一つずつ伝えます。
    ・スタート・・・これから始めてほしいこと
    ・ストップ・・・今後やめてほしいこと
    ・コンティニュー・・・今後も続けてほしいこと

    気を付けなくてはいけないのは、あくまでも相手の行動に対しての意見とし、性格的なものなどへの意見はしないことです。

    「スタート・ストップ・コンティニュー」は、他の施策と比べて時間やコストが不要。比較的簡単に定期的な実施が可能です。さらに、この施策によって自身の仕事の仕方を客観的に見ることもできるでしょう。そして社内に風通しのよいオープンな雰囲気をつくりだせるはずです。

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    スメハラ(スメルハラスメント)
    スメハラとは、においに関するハラスメント、Smell Harassmentを略したものです。スメハラは実は英語ではなく、「セクハラ」などの言葉から派生した和製英語です。

    個人から発せられる「体臭・口臭」「タバコ臭」「香水や柔軟剤などの香り」や、場合によってはランチタイムのお弁当やテイクアウトの食べ物の臭いまで、スメハラは広範囲にわたります。このハラスメントの一番の問題は、基本的には周囲しか気づかず、本人には嫌がらせの自覚がないことだと言えるでしょう。

    社会的に話題に上ることも多くなり、会社内でも意識が高まっているハラスメントですが、スメハラは少々判断が難しいケースが多いです。前述のように本人には基本的に嫌がらせをしようという悪意がないため、相手も訴えづらい問題なのです。

    現代はさまざまなハラスメントが問題となっていますが、においに関する問題は非常にセンシティブなもの。あくまで個人への対応ではなく、会社全体のマナー指導として解決できる道を探してみるのが良策かもしれません。

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    センサス
    センサスは、年に一度ほど行われる頻度の低いサーベイのことです。アンケートのボリュームが大きく、設問の数は50~150程度です。
    一度に行うアンケートの量が多いため、年1回あるいは2回程度で行うのがベストと言われています。
    多くの社員を抱える組織でも、部署や役職などでセグメントし結果を見られるため、多角的に課題を明らかにできるとされています。

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    選択と集中
    選択と集中とは、自社の事業の強みと弱みを把握して、強みとなっている事業に「ヒト」や「カネ」などの経営資源を投入することにより、業績の向上や競合他社との差別化を図ることです。
    一方、自社にとって弱みとなっている事業は、縮小もしくは撤退の検討がなされます。

    選択と集中のメリットとデメリットには、以下のようなものがあります。

    【メリット】
    ・コスト削減
    得意とする事業に集中することで、無駄なコストが削減でき、その事業に関するノウハウ
    や経営資源を十分に活かすことができます。

    ・利益の最大化
    経営資源の集中により、マーケティング活動や新商品の開発などにコストをかけることが
    でき、より質の高いサービスや商品の提供につなげることができます。

    【デメリット】
    ・人員の減少による影響
    不得意分野や採算の取れない事業の縮小や撤退により、人員整理や配置の見直しが必要と なります。その際に、優秀な人材が他社に流出したり、新しい部署に馴染めず本来の能力を発揮できないという問題が起こる可能性があります。

    ・日本の雇用慣行と相性が悪い
    事業の選択と集中には、大規模な人員整理や配置の見直しが必要です。終身雇用制度など、日本特有の雇用慣行が施行されている状況では、安易に解雇ができなかったり、成果に見合っていない賃金を支払わなければならないという懸念があります。

    選択と集中の実施は大規模な変化を伴うので、自社・他社・市場環境などを分析したうえで、中長期的な見通しを立てることが非常に大事です。

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    ソフトスキル
    ソフトスキルとは、コミュニケーション能力やリーダーシップ、交渉力、ファシリテーションなどのように、主に対人関係上の幅広いスキルのことをいいます。ハードスキルと比べて明確に評価しづらく多様性に富んでいる特徴で、はっきりと定義しにくいものでもあります。

    しかし今、ビジネススキルにおいては以前よりもソフトスキルが重要視されるようになってきています。それにはさまざまな理由がありますが、日本の場合は「エンゲージメントの低さ」「働き方改革による労働生産性への対処」「AIの急激な進化」などが要因と考えられています。これらに対応するためには、高いソフトスキルを持つ人材が欠かせないのです。

    ITの進化、グローバル化、ダイバーシティなど、多様化するビジネスシーンでその価値が再認識され始めたソフトスキル。特にビジネスリーダーには必須のスキルになるでしょう。それを身に付けるには、学び経験しつつ向上させていくことが基本。そうして得たソフトスキルをハードスキルと共にビジネスに活かすことが出来れば、多くの成功を体験することになるはずです。

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    た行

    ダイバーシティ
    ダイバーシティ(diversity)とは「多様性」という意味です。本来は生物・文化・人種など、あらゆるものの多種多様な状態を示す言葉です。最近はビジネスシーンでも良く使われるようになりました。ビジネス上では国籍や性別、年齢などに問わず人材として採用・起用し、個人に合った多様な働き方や価値観、文化を企業が受け入れようという取り組みのことを指します。

    ダイバーシティという考え方はアメリカで生まれました。人種や女性への差別撤廃から始まり、その他のマイノリティに対しての受け入れへと活動は拡大し、その後、広く浸透していきました。日本でもダイバーシティは徐々に広まりつつありますが、限られた企業・分野だけというのが現状です。

    ダイバーシティの活動が盛んになることによって、企業には多くのメリットが生まれます。深刻な人手不足に対応できる枠に縛られない人材発掘、それぞれ異なる個性を持つからこそ生まれる革新的なアイデアなど、個々の異なる能力をまさに適材適所で活かすことができるようになれば、新たなシナジーを生み出すことができます。

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    タッチベース
    HR業界で使われるタッチベース(touch base)とは、チェックインや1on1ミーティングのように、「意思確認のための話し合い」として、上司と部下が度々取るコミュニケーションの意味として使われています。
    タッチベースとはそもそも、言葉のとおり野球から派生した言葉で、「タッチしてから次のベースへ進む」=「(初めて)連絡する」という意味。ビジネス全般でも「確認する」「相談する」「軽い打ち合わせをしておく」という意味でよく使われています。

    会話例
    A:新しい案件の進捗はどう?
    B:まずは関係者とタッチベースをしてから進めます。

    スピード感が重要な現代では、頻繁な対面でのコミュニケーションが重要。特に密なコミュニケーションは離職防止や部下のモチベーションを引き出すのに有効な方法です。

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    ダニング=クルーガー効果
    ダニング=クルーガー効果とは「能力の低い人が、正しく自己評価ができず自分の能力を過大評価してしまう」という認知バイアスの仮説です。
    ダニング=クルーガー効果は、経験・先入観・直感などが作用して実際の評価と乖離した「錯覚」が要因です。

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    チェックイン
    チェックインとは、ソフトウエア業界の大手企業であるアドビシステムズ(Adobe Systems Incorporated)がつくりだした、新しい人事評価制度の一つです。これまでの人事評価制度でよく見られた「定期的に従業員をランク付けする」といった方法ではなく、「上司と部下の対話によって各個人のパフォーマンスを上げ、成長を促すことを目的にしています。

    チェックインには大きく2つの特徴があります。

    1.少なくとも3カ月に一度の面談の機会を設ける

    2.部下の昇給は年間の面談を通して上司が決める

    面談では、「互いのコミュニケーションを高めること」と「双方のフィードバックを行うこと」を主目的とし、上司からだけでなく、部下からも意見を伝え、将来のポジションや会社からの期待値、今後伸ばしていくべきスキルなどについての話し合いをします。

    もともとチェックインとは、搭乗手続きの意味。アドビシステムズでは、キャリアというビジネスの旅へ向かう従業員に対し、チェックインカウンターにいる上司が次の旅先(目指すキャリア)を聞き出し、安全・快適な旅ができるよう導くという意味からつけられたそうです。

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    CHO(Chief Happiness Officer)
    CHOとはChief Happiness Officer※の頭文字をとった言葉で、企業文化の中で特に改善の余地が大きい従業員の幸福度を重視する役職のこと。

    『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論 The Happiness Advantage』の著者であるショーン・エイカー氏は、自身の調査結果を踏まえ「従業員の幸福度が高いと顧客の満足度も高くなる」と述べています。
    この内容を受け、企業文化の改善が業績結果につながるという考えが広まり、多くの企業が社員の幸福度を向上させるための取り組みを始めました。この取り組みの責任者がCHO(Chief Happiness Officer)です。

    アメリカに本社を置き世界30ヵ国に拠点を持つ世界的なコンサルティング会社であるGallup(ギャラップ)による調査では、従業員の幸福度が高い状態でいると、そうでない場合と比べて48%労災が減るそうです。従業員の幸福度を高めることにより、他にも生産性、セールス、クリエイティビティの向上、病欠日数が減る、社員の離職率が下がるなど、さまざまなメリットが得られるという結果が出ています。

    欧米ではGoogleをはじめ、Zapposなどの企業がCHOの取り組みにより、企業文化の改善、従業員エンゲージメントの向上に成功しています。

    残念ながら前出のGallupによる従業員エンゲージメント調査によると、日本の「熱意あふれる社員」の割合は6%で、調査した139ヵ国中132位と最下位クラスとのこと。日本の「働き方改革」は、CHOを中心に従業員の幸福度の見直しから行う必要があるのかもしれません。

    ※Chief Happiness Officerはアイディール・リーダーズ株式会社の登録商標です。

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    CHRO(Chief Human Resource Officer)
    CHROとはChief Human Resource Officerの頭文字をとった言葉で、日本語では「最高人材責任者」の意味を持ちます。会社の経営理念やビジョンの達成に向けて、資金繰りやリスクマネジメントなど財務の面から経営者目線でCEO(最高経営責任者)を支えるのがCFO(最高財務責任者)で、企業文化・風土の改革・向上、人材登用・育成など人事面から支えるのがCHRO(最高人材責任者)の役割です。

    CHROのニーズが高まってきた理由として、市場の変化により従来型の人材育成、人事管理モデルでは対応できなくなってきたという背景があります。デジタル革命によるテクノロジーの活用で、これまでのビジネスモデルが大きく変わっており、世界中で企業間の競争が激化しています。この変化に対応するためには、「人」という経営資源を確保し、活用していくことが重要となってきます。そのためにもビジネスを理解している人が戦略的に人事を行うポジションが必要となってきました。

    Google、Appleをはじめとする、世界の先進的な企業では既に導入されているポストで、日本の企業でもCHROが徐々に増えてきましたが、まだその数は多くありません。日本ではCEO自らが人事を行い、その方針に沿って人事部が採用、教育、労務管理など行っている例が多いのが現状です。変化の激しい市場に柔軟に対応していくためにも、オペレーションや管理がメインの従来型の人事部から、これからはCHROが人事のプロとしてビジネスを理解し、人事の側面から経営戦略の立案・実行していく必要があるでしょう。

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    チームビルディング
    チームビルディングとは、個人だけでは成し遂げられない高い成果を上げたり目標を達成するために、チームを上手くまとめていくことです。日々目まぐるしく変化するビジネス現場のスピードに対応するために、改善と成長を続けていけるチーム作りが求められています。チームビルディングの主な効果としては、「より大きな目標の達成」、「個人のパフォーマンス・モチベーションの向上」、「メンバー間のコミュニケーションの活発化」、「協力関係の成熟により生まれるチャレンジ」などがあります。

    また、チームビルディングの有名な理論として、「タックマンモデル」があります。これは、心理学者のタックマンが提唱した理論で、チームが上手く機能するためには下記の5つのフェーズを経る必要があるとしています。

    1.形成期(Forming):チームが形成される
    2.混乱期(Storming):メンバー同士がぶつかり合う
    3.統一期(Norming):目標やルールを共有して、まとまり合う
    4.機能期(Performing):リーダーの指示がなくても行動を起こせるようになる
    5.散会期(Adjourning):目的達成などを理由にして、メンバーが解散する

    チームビルディングの能力を向上させる方法としては、社内のアクティビティや企業が提供している座学やゲームを使った研修などがあります。

    1.NASAゲーム
    チーム内で合意形成を行うゲームで、「母船の故障で、月に不時着した宇宙飛行士」という設定で、15個のアイテムの優先順位を付けていくルールとなっています。優先順位を付けていくうえで、できるだけチームメンバーの意見を尊重しつつ、合意を得ていくことが重要となります。

    2.マシュマロ・チャレンジ
    マシュマロ・スパゲティの乾麺・テープ・紐を使用して、制限時間内により高いタワーを作っていくゲームです。シンプルなルールですが、チームメンバーと話し合いながらPDCAを速く回していくので、チームビルディングの研修に非常に効果的です。

    3.野球のポジション当てゲーム
    1グループ4~6名で行い、野球のポジションに関する情報が記されたカードが1人につき3~4枚配られます。それらを元にして、誰がどのポジションなのかを導き出していきます。情報を伝えるときは、カードを見せることができないので、口頭のみで伝えなければなりません。グループのメンバーと協力していく中で、チームビルディングに加え、コミュニケーション能力の向上にも役立ちます。

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    中間管理職
    会社で一定の権限を与えられ、それによって自身や部下を管理し、成果を上げる責任を持つ管理職。その中で、自分よりも上の管理者がいる役職を、中間管理職と言います。

    中間管理職は、現場の仕事を把握しつつ経営陣や自分の上司の意思・戦略を理解し、一般社員に伝えていかなくてはいけません。そして、チームの管理や労働環境の整備、人材育成など、その役割は多岐にわたります。さらに、従業員と異なり、中間管理職には多くのスキルが求められます。

    ・コミュニケーション能力
    現場と上層部の橋渡し役で他部署とのやり取りも増えるため、円滑なコミュニケーションをとれること

    ・責任能力
    自身の権限を使い、さまざまな業務やチームの管理について責任を果たせること

    ・マネジメント能力
    部下が成果を上げられるようマネジメントする力

    ・人材育成能力
    会社の戦力となる人材を育成していく能力

    ・危機管理能力
    ミスやトラブルに対する対処や、それらを回避する方法を指示・実行できること

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    デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation;DX)
    デジタルトランスフォーメーションとは、「IT技術の浸透が人々の生活をより良いものへと変革する」という概念で、2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授(ウメオ大学)によって提唱されました。

    現在、私たちの生活はスマホやスマート家電、キャッシュレスなど、進歩し続けるデジタル技術によって、日々変化しており、2018年には経済産業省からデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインが発表されています。
    https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf

    これによれば、DXとは、単純なIT活用やマニュアルで行っていた部分のオートマチック化ではなく、これまでのビジネスに変革をもたらすようなIT活用を会社が提供する製品やサービスに取り入れることであると定義されています。
    つまり、
    ・デジタル技術の浸透によって、人々の生活をよりよいものへと変革すること
    ・既存の価値観や枠組みを根底から覆す、技術革新をもたらすもの
    ということでしょう。

    ちなみに、頭文字をとると略称は「DT」ですが、表記は「DX」となっています。これは、「Trans」を「X」と略すことが一般的な英語圏の表記に準じているためです。


    デジタルネイティブ
    デジタルネイティブとは、生まれた時からパソコンなどのデジタル機器が身近にあり、生活の中で自然に使ってきた世代のことです。世代の分類には諸説ありますが、インターネットの一般への普及が1990年代からだったため、それ以降に生まれた人を指すことが多いようです。

    インターネット環境が整っていることが当たり前で、物心ついたときからパソコンやスマートフォン、タブレットなどに親しんできた世代のため、以下のような傾向があると言われています。

    ・デジタル機器への順応性が高い
    ・気になったことはすぐにインターネットで検索し、インターネット上での商品の購入やサービスの利用などに抵抗がない人が多い
    ・ネット上で検索した情報に対し、明確なソースを確認しない人も多い
    ・インターネット上の情報や画像に関する著作権などのリテラシーに差異がある

    また、インターネット上(メール、SNSなど)でのやりとりが得意な反面、対面でのコミュニケーションを苦手とする人も一定数います。

    一方で、インターネットを利用しての情報収集の感度は高く、企業のグローバル化やダイバーシティ化など、最先端の考え方に気づきやすい世代でもあります。

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    テレワーク
    テレワークとは、決まった就業時間に合わせてオフィスに出勤して業務を行う一般的な働き方ではなく、インターネットやパソコンなどのIT技術を駆使して、自宅や在籍するオフィス以外で業務を行う、近年多くなりつつある柔軟な働き方を意味します。

    テレワークとは、「tele(離れた場所)」と「work(働く)」を合わせた造語で、「ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と、総務省に定義されています。大きく分けると以下のような働き方です。
    ・自宅で業務を行う在宅勤務
    ・社外でパソコンなどを使って行うモバイルワーク
    ・勤務先以外のオフィス、レンタルオフィスなどで働くサテライトオフィス勤務

    いずれも従業員の移動負担軽減やライフスタイルの優先など多くのメリットがあり、企業にも距離に縛られない人材確保や経費削減などの利点があります。ただし、同時にコミュニケーションの低下や人材育成の難しさというデメリットも危惧されています。

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    トライアル雇用
    トライアル雇用とは、一定の短い期間をお試しで就業する方法です。公共職業安定所(ハローワーク)が紹介し、企業と求職者が互いに適性を見極められるよう、短い期間(原則3ヵ月)のみ働き、その後合意した場合は正社員として本採用になります。

    トライアル雇用の大きなポイントとして以下があげられます。

    ・企業と求職者が互いにミスマッチを見極め防ぐことができる。
    ・求職者は経験がなくても応募可能で、試用期間中に指導を受けることができる。
    ・企業には国から奨励金が支給される(条件があります)。

    最初から正社員として雇用する(される)よりも互いにメリットが多いように思えるトライアル雇用ですが、もちろんデメリットもあります。制度があまり認知されておらず導入企業が限られていることや、ミスマッチとなった場合は短期の職務経歴が残ってしまうことなどです。

    知識や技術不足により就職が難しい求職者の救済処置という社会的な意義が大きいトライアル雇用。上手に活用するためには導入する企業がその意義を理解すること、そして求職者もしっかりと学び適応する努力が必要になります。


    な行

    ニューノーマル
    ニューノーマルとは、社会において大きな構造的変化が起こり、それまで常識・常態とされてこなかったことが、新しい常識・常態となることを表す言葉です。新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの変化が起こり、ニューノーマルとなりました。

    しかしその前にも過去に2度ニューノーマルの提唱がなされ、今回は3回目となります。

    ・第1のニューノーマル/2000年代初頭のITバブル
    ・第2のニューノーマル/2008年~2009年のリーマン・ショック

    After/Withコロナという言葉が聞こえるようになり、これまで当たり前のように行ってきた社会活動も変化せざるをえない状況になりました。これら第3のニューノーマルとして特徴的なモノは、「テレワークの推進などによる働き方改革の推進」、「人と人の直接的な接触について可能な限り削減」などです。

    この3度目のニューノーマルによって、テレワークの増加はもちろん、キャッシュレス決済の普及や非接触の物流(宅配など)、オフィスの環境やサイズの見直しとそれに伴う住宅環境の変化(都心から離れた場所への引っ越し等)も起こるでしょう。

    2020年7月時点

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    人時売上高(にんじうりあげだか)
    人時売上高とは、労働者一人の1時間あたりの売上高のことを指します。以下の計算式によって求めることが可能です。

    【人時売上高=売上高(月間)÷総労働時間数(月間)】

    総労働時間数には、パートやアルバイトも含めた全労働者の時間が含まれています。例えば、ある店舗の1ヵ月の売り上げが500万円で総労働時間が1,000時間の場合は、
    【5,000,000÷1,000=5,000円】
    となります。

    人時売上高は飲食店の経営などで従業員の配置を考える指標としてよく使われています。数値が高ければその分、経営効率が良いということになります。人時売上高をコントロールすることで収益を図ることが可能になりますが、そのためには以下のような施策が必要となります。

    ●売上高をアップさせる施策
    ●総労働時間を削減させる施策
    ●生産性向上のための施策

    上記のように、人時売上高は人員配置などをする際に重要な指針です。しかし、一つの指針だけに縛られすぎると、サービスの品質の低下や従業員のモチベーションの低下など、どこかに歪みが生じることも多々あります。さまざまな指標から総合的に判断することが大切なのです。


    認知バイアス
    認知バイアスとは、認知心理学や社会心理学で使われる用語で、生活習慣や人生経験、思い込みや固定観念が原因となって非合理的な判断や行動をとってしまうことです。

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    ノーレイティング
    ノーレイティングとは、全く評価をしないということではなく、数値や記号を用いたランク付けをせずに評価を行うことです。リアルタイムで業務上の目標設定を行い、上司からフィードバックをもらうことで、その都度評価をしていくというものです。P&GやGE、マイクロソフト、アクセンチュアなど、外資系企業で取り入れられていることが多いです。ノーレイティングのメリット・デメリットには、以下のようなものがあります。
    メリット
    1.納得できる目標設定とフィードバック
    従来の評価方式だと、自分で数ヵ月前に立てた目標と現在行っている業務に乖離があり、正しい評価がされないという欠点があります。それと比較すると、ノーレイティングは従業員が現在行っている業務に対して、リアルタイムでフィードバックが行えるので、上司の記憶や感情に左右されづらいです。また、業務内容が変わったとしても、目標の軌道修正がしやすいというメリットもあります。

    2.優秀な人材の確保
    従業員の現在のパフォーマンスに焦点を当てて評価をするので、従業員自身が成長を実感しやすく、モチベーションの低下が起こりにくくなります。成長を実感できる職場を作り上げることで、優秀な従業員の離職率低下につながります。

    デメリット
    1.管理職の負担が大きい
    定期的に1on1ミーティングを行わなければならないため、管理職の負担が増えます。また、その都度フィードバックをしなければならないため、従来の評価と比べると時間と手間がかかります。

    2.高度なマネジメント能力
    決められた評価ルールなどがないので、評価やフィードバックが上司にゆだねられてしまいます。その際、上司のマネジメント能力が不十分だと「正しい評価を受けられていない」と従業員が感じてしまい、逆に離職率を高めてしまう恐れもあります。

    ノーレイティングをいきなり導入すると現場が混乱してしまうので、まずは月に1回の1on1ミーティングから始めてみてはどうでしょうか。そのときに不可欠なのは、部下との信頼関係ですので、常日頃からコミュニケーションを取るよう心掛けてみてください。

    関連語:1on1ミーティング、OKR、MBO


    ノー残業デー
    ノー残業デーとは、その名のとおり「定時に仕事を終えて残業をせずに退社しよう」という取り組みのことです。高度経済成長期から近年まで、日本では長時間の残業が社会的に美徳とされる風潮がありました。しかし、高度経済成長期後、バブル崩壊や経済成長のペースダウンなどを要因として労働時間を短縮しようとする動きが起こりはじめ、1990年頃から働きすぎによる過労死などが社会問題になってきました。その後、企業改革の一つとして始まったのがノー残業デーです。正確な発祥時期は不明とされています。

    2007年の内閣府による「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」の策定を始めとして、働き方改革の推進など、現在では官民をあげて働き方に関するさまざまな取り組みがなされるようになりました。ノー残業デーも法的な制度ではないにもかかわらず、現在ではおよそ7割の企業が採用していると言われています。

    上手く活用すれば、働き手のワークライフバランスの改善と同時に企業の賃金やコスト軽減など、双方にメリットをもたらすことができます。別の日の労働時間の増加や業務対応の遅れなどのデメリットに十分注意し、運用していくことが重要です。

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    は行

    配置転換
    人事異動の一つで、同じ企業の中で社員の業務や勤務場所を変えることを指します。日本では終身雇用が一般的だった経緯もあり、慣習的に配置転換が行われる会社が多くありました。また、地方などでキャリアを積み、その後本社などに戻って役職を与えられるなど、いわるゆる「出世コース」としての配置転換も多く行われてきました。

    配置転換のメリットには、「組織の活性化」「キャリアや人材の育成」「マンネリ防止」などがあり、さらに業種を限定せず幅広く実務をこなせるようになるため、ゼネラリストの育成にも大変有効な方法となっています。

    しかし、同時にデメリットもあります。定期的に配置転換が行われれば、一つの業務について深く身に付けることが難しくなり、スペシャリストの育成が困難になりがちです。また、勤務地の変更は場合によって従業員に大きな負担を強いることにもなります。

    さまざまな働き方が求められる現代では、働く側の家庭事情を考慮した人材配置が必要です。配置転換を行うにあたり、就業規則や労働契約書に根拠が記載されているか、権利濫用にあたらないかをしっかりと確認しましょう。

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    バディ
    バディとは、仲間や相棒の意味。特にスキューバダイビングなどで危険回避のためにペアを組む相手のことを指します。HR業界で使われる「バディ制度」では、入社したばかりの新入社員がサポートしてくれる少し上の先輩と組む場合や、対等な相棒として同期と組む場合があります。

    <バディ制度の種類>
    ・メンター同様、先輩が指導相談役となるバディ制度
    ・新入社員と少し上の先輩が2人一組で業務に取り込むバディ制度
    ・同期を相棒とするバディ制度

    と、企業によってバディ制度の取り入れ方はさまざまですが、メンターと比べ仲間という意識が強く、より対等に近い関係としてバディ制度を導入している企業も見受けられます。

    関連語
    メンター、メンティ、チューター、ブラザー/シスター、エルダー

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    パルスサーベイ
    パルスサーベイとは、従業員の満足度調査に使用されるアンケートのことで、パルス調査とも呼ばれます。パルス(pulse)とは脈拍の意味です。健康診断での脈拍チェックのように、短期間に繰り返し実施し、企業と従業員個人の健全性を測るのが目的とされています。実施する際は、1分間程度のアンケートを週1回や月1回など決められた周期で繰り返します。

    メリットとして上げられるのは主に以下です。
    ・リアルタイムで従業員満足度を調査できる
    ・従業員エンゲージメントの改善に活用可能
    ・調査結果を利用することで、採用のコストを抑えられる

    調査目的やその結果は全従業員で情報共有することが大切です。人事の担当者だけが把握することのないようにします。また、調査結果は新入社員が入ってきた際のオンボーディングや、スタッフのストレスチェック、人事制度や人事施策の検証など多くのビジネスシーンで活用可能です。近年では、パルスサーベイの手間やコストを抑えられるクラウドサービスなども増えています。

    パルスサーベイはその調査が目的ではなく、調査結果を会社の問題改善に有意義に使っていくという姿勢が最も重要です。

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    ハードスキル
    ハードスキルとは、学習や訓練によって得られる能力、理論、手段、ツールのことをいいます。論理的思考力やマーケティング力、各学問、会計知識や資格、プログラミングやデザインなど、数多くのハードスキルがあり、答えを求めるものに対して正解を出せるのが、このスキルの特徴です。

    一般的にハードスキルは体系化されているものが多く、客観的な評価や識別が可能です。資格や検定などによって習得していることを確認できるものも多くあります。基本的にハードスキルは自然に身に付くものではないため、目的に合わせて努力し、取得する必要があります。スキルを伸ばす方法も「学ぶこと」と明解です。

    テクノロジーの目覚ましい進化・発展によって、今後はAIが代行できるハードスキルもどんどん増えていくことが予測できます。複数のハードスキルの習得やソフトスキルとの両立、各自が持つスキルを使いこなすための能力であるメタスキルの取得など、バランスの取れたスキルを身に付けた人材が今後は活躍していくと言われています。

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    バーンアウト
    燃え尽き症候群(バーンアウト)とは、「急に熱が冷めて、燃え尽きたかの様にやる気を失ってしまうこと」を意味する言葉です。仕事に熱意を持っていたものの、仕事上の出来事をきっかけにして、やる気が低下してしまった時に発症してしまうケースが多く見受けられます。

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    HRテクノロジー(HR Tech、HRテック)
    HRテクノロジーとは、ヒューマンリソース(Human Resource)のHRとテクノロジー(Technology)を掛け合わせた言葉。大企業が人事や給与の管理をシステム上で行っていたのがHRテクノロジー(Human Resource Technology)の始まりといわれています。その後、採用や教育、評価や人事異動・配置など人事に関する業務全般を最先端のテクノロジーを使って管理するようになりました。

    多くの企業でHRテクノロジーが導入され始めた要因の一つが、コンピュータや通信の技術が進化したことにあります。それまでは高価で中小企業などで導入するのは難しかったシステムが、クラウドの活用など、技術の発展よって、低コストでの導入が可能になったためです。もちろん、同時に人材の採用や育成など人材マネジメントの重要性を企業側が認識したことも大きな要因でしょう。

    HRテクノロジーの導入メリットはさまざまですが、例えば今まで散らばっていた従業員の管理が一元化することによって企業に必要な人事マネジメントが実現できます。またAIで従業員のモチベーションなど、状況が把握できるようになり、最適な人事配置や業務の効率化につながり、日々進化し続けているHRテクノロジー。今後も注目が集まりそうです。

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    HRBP(HRビジネスパートナー)
    HRBP(HRビジネスパートナー)とは、人や組織の面から経営者をサポートし、経営戦略・人事戦略を推進していく人事の新たな役割のことを言います。HRBPは経営者をサポートする立場であるため、従来の人事の業務だけでなく、事業やビジネスモデルにも精通していなければなりません。また、経営者と現場をつなぐために高いコミュニケーション能力やリーダーシップなども求められます。HRBPの主な役割は以下の3つになります。

    【役割】
    ・経営者のビジョンを理解し、従業員に伝える
    経営者のビジョンを人事戦略に落とし込んでいくために、ビジョンを経営陣のみならず全社員に共有する必要があります

    ・現場の問題点を見つけ、解決する
    経営面の問題を解決することはもちろんですが、実際に人事関連の業務を行っている現場の問題も同時に解決していかなければなりません

    ・経営者へ提言する
    人事や組織の面から経営者に経営方針の提言をして、事業戦略や人事戦略の決定をサポートしていくことも重要な役割です

    日本でHRBPのロールモデルは非常に少ないですが、人材育成が急務になっている現在では、欠かせない役職となってくるかもしれません。

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    HRMソフト
    HRMとは、Human Resource Management(人的資源管理)の略で、HRMソフトは企業の資産の1つである「ヒト」を管理するシステム全般を指しています。「ヒト」という資源を効果的に活用し、経営戦略の実行・実現やより良い組織づくりを行うために使用されます。

    HRMソフトの導入による主な効果は以下のようなものがあります。

    ・各所に散在していた人事データを集約し、可視化・分析できる
    ・従業員の能力やスキルなどを定量化できるようになることで、数字に基づいた意思決定ができる
    ・人事部門の無駄な業務やオペレーションを効率化できる
    ・社内コミュニケーションを活性化できる

    HRMソフトは、採用、教育、評価、勤怠管理、人事情報管理、労務管理、給与計算など、活用状況が多岐にわたります。また、従来は人事部が利用することが多かったのですが、最近では管理職や従業員全員が使用するようになってきています。

    HRMソフトを提供する企業が急速に増えてきているので、導入する目的や自社が抱えている課題が何なのかを正確に把握して、自社にあったHRMソフトを導入することが重要です。

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    PDCA
    PDCAとは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の頭文字を羅列したもので、PDCAサイクルともいわれます。言葉の起源としては諸説ありますが、主にビジネスシーンにおいて、効率的な業務サイクルを達成するための理論として使われています。

    PDCAは主に製造業やサービス業で使われてきた言葉ですが、今は営業やマーケティングなど幅広い業種で使われるようになりました。Plan(計画)は目標達成に向けた仮説、Do(実行)は仮説として立てた計画の実行、Check(評価)は実際に行った業務の判断や検証、 Act(改善)は評価の結果についての改善点などを示しています。PDCAは1周して終了ではなく、ブラッシュアップを重ねて2周、3周と継続的に回すのが通常です。そのため、「PDCAを回す」という言いまわしが一般的に使われています。

    PDCAがうまく回ると、多くのメリットが生まれます。目標がより明確化され、繰り返し実行することで、短いサイクルでの業務改善が可能になります。結果、業務のイメージはぐるぐると同じところを回る円のようなものではなく、円を描きながららせん状に上がっていくイメージとなるはずです。使い方としては、組織やチームでの活用はもちろん、社員個人がPDCAサイクルによってスキルアップなどを目指すというのも有益です。

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    フィードバック
    フィードバックとは、直訳すると「帰還」と表現される、もともとは制御工学で使われる言葉です。それがビジネスシーンでも使われるようになりました。

    ビジネス上では、終わったことに対して、その事実や結果をもとに調整を行うための情報という意味で使われ、多くはアドバイス・意見・クレームなどになり、種類としては以下があげられます。

    ●自分以外の人物(主に上司など)による改善ポイントや助言などの意味
    ●顧客から企業に寄せられた情報(多くはクレームなど)

    特にHRの分野では、部下が行った業務などについて、上司が伝える評価やアドバイスなどを指します。そして部下は業務目的を達成できるよう、与えられたフィードバックをもとに調整や改善、方向修正を行っていきます。

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    副業
    副業とは一般的に、一つの会社で正社員として勤めつつ、本業とは別の仕事をすることで収入を得ることを指します。以前は会社勤めのサラリーマンの副業というと、本業に支障が出ることや競合他社への情報流出などの恐れから、禁止している会社がほとんどでした。そのため「社員の能力開発につながる」「ほかの仕事をすることで視野が広がる」などの理由で「会社に内緒のお小遣い稼ぎ」というイメージが強かったのですが、今は本業の会社自体が副業に対して好意的な場合もあり、社会的に認められつつあります。

    さらに、2018年1月に、厚生労働省が作成した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の「モデル就業規則」から、副業等との規定を削減したことに代表されるように、最近のスタートした働き方改革の中で副業が奨励されていることも追い風となり、世間的にも副業が行いやすい環境となりつつあります。高齢化、少子化で労働人口減少のなかでの労働力の確保やダイバーシティな働き方、さらにはパラレルキャリアの構築など、さまざまなメリットから、副業は単なるお小遣いではなく、新時代の働き方として認められていくでしょう。

    今後はキャリアアップやスキルアップ、失業に備えるために、本業に関連した副業を希望する人なども増えていくかもしれません。

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    VUCA
    VUCA(ブーカ)とは、4つの言葉の頭文字からつくられた言葉です。
    Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)

    この言葉はもともと軍事用語として使用されていましたが、2010年以降からは、経済や会社経営、個人のキャリアに至るまで先を見通しにくく、「予測不能な混沌とした状態」という意味で使われるようになりました。

    Volatility(変動性):現代は技術進化のスピードが驚異的に早くなっています。そのため、急速で大きな変化「Volatility(変動性)」にも迅速に対応していかなくてはなりません。

    Uncertainty(不確実性):突然現れた競合他社や、予測できない自然災害などはいつでも起こり得るもの。こうした想定外の事態には業務の見直しをし、変化せざるを得ません。

    Complexity(複雑性):国や地域をまたいだビジネスは世界情勢・世界経済の変化の影響を大きく受けます。さらに法的な問題や文化・慣習の違いなどの複雑な要因にも対応する事業展開が必要となってきます。

    Ambiguity(曖昧性):ITの進化や価値観が多様化するなかで、過去の成功事例が現在の課題に適応できない場合もあります。短期的にも長期的にも予測することは難しく、常に柔軟な発想が求められます。

    これら4つの要素により、複雑で不安定な社会経済環境に直面しており、「現代はVUCAの時代」といわれています。

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    ブラザー・シスター(制度)
    ブラザー・シスター(制度)とは、違う部署の先輩が指導係となり、社会生活や会社・仕事に対する不安、悩みごとなどを聞く、新入社員への教育制度です。一般的には新入社員と近い年齢の従業員が担当する場合が多く、男性の指導係はブラザー、女性の指導係はシスターと呼ばれます。

    ブラザー・シスター(制度)の導入には主に以下のようなメリットがあります。
    ・早期離職の防止
    社内に相談できる相手がいることで新入社員の不安を取り除き、コミュニケーション不足を防止、人材の定着を促す。
    ・人材育成
    先輩社員たちは指導係を経験することで、後輩への指導やコミュニケーション能力の向上などを学ぶことができ、次のリーダーとして成長する。

    ブラザー・シスター(制度)は取り組みやすい教育制度ですが、新たに導入する場合には、詳細内容の設定、社内全体への周知や情報共有などが重要となります。

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    ま行

    MBO(目標管理)
    MBOとは、書籍「マネジメント」で有名な経営学者、ピーター・ドラッカーが1954年に刊行した著書『The Practice of Management(現代の経営)』にて「Management By Objectives and Self Control(目標と自己統制による経営)」のフレーズで語られています。
    1960年代、MBOの概念は海外の書籍と共に日本にも輸入されましたが定着には至りませんでした。
    MBOは、「目標」を定め、その定めた目標により業務の内容や成果を「管理」します。
    目標には「何をどのくらい」「いつまでに」と、それを達成するための「行動計画」を定めます。目標は複数定めることができます。
    目標の定め方にはパレートの法則などを活用するのも良いでしょう。
    その目標は決められた期間(通常1ヵ月~3ヵ月)で見直すことが一般的です。業務量や優先度によってタスクにウェイトを設け、それぞれの目標の達成度合いを自己評価と上司の評価により管理します。
    また、MBOは「MBO(目標管理)シート」などで管理しやすい形で可視化されることが多く、すでに多くの企業にて取り入れられています。ネット上でも簡単にサンプルを見つけることができます。
    MBOの他にも、KGI・KPIやOKRなどの目標管理方法があります。その会社ごとにあった方法がありますが、従業員のモチベーションアップにつながる方法がどれかを吟味して導入するのが良いでしょう。

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    マイクロマネジメント
    マイクロマネジメントとは、上司から部下への「過度な干渉」を指す言葉です。

    具体例としては「作業の仕方に対して細かく指示を出したり、逐一報告を求める」「些細なミスであっても深く追求し続ける」などが挙げられます。
    上司から部下への必要以上の干渉は、「監視されている」感覚にさせてしまうようです。

    マイクロマネジメントによって、以下のようなデメリットが発生します。
    ・部下は「考える」ことをやめ、向上心や探究心がなくなる
    ・必要以上の報連相によるタイムロス
    ・部下自身の力による成功・失敗の機会が失われ、キャリア形成の妨げになる
    ・ミスを恐れる部下が増え、職場がギスギスした環境になる

    細かな管理は必ずしも悪いことではありませんが、行き過ぎたものはパフォーマンスの低下に繋がってしまいます。

    上司側が気づきにくいマイクロマネジメントですが「部下に任せられる仕事と自分の仕事をしっかり切り分ける」「部下に成果を出してもらうために上司はサポート側に回る」「部下の失敗を許容し、部下の成功に期待する」など、対処法はさまざまです。

    また、マイクロマネジメントを部下側から改善することは難しいとされていますが「上司の考えを理解する」「自発的に報告をする」「先を見据えて仕事をする」など、部下からの歩み寄りも必要。

    そのために上司は部下と頻繁にコミュニケーションを取り、部下から意見を吸い上げる機会を設けるとよいでしょう。
    少しでも心当たりがあれば、上記の対処法を実践してみてください。


    マインドセット
    マインドセットとは、直訳すると「考え方、物の見方」や「好み、習慣」などの意味です。ビジネス用語として使われる場合は、自らの経験や受けてきた教育、価値観や信念など、人がそれぞれ持つ多様な背景から形成された思考や行動様式、心理状態を指します。

    また、個人だけでなく、企業に対してもマインドセットという言葉が使われます。その場合は、歴史や企業としてのビジョン、経営方法や経営戦略などの要因から形成されたものを指します。

    個人のマインドセットには、以下の2タイプがあるとされています。

    1.成長型(しなやかマインドセット/Growth Mindset)
    2.停滞型(硬直マインドセット/Fixed Mindset)

    1は「努力によって資質や知能は伸ばしていける」という考え方を持つ人です。どんな状況でもポジティブに受け止め、前向きに行動することができるため、挑戦を恐れず失敗にも強いタイプと言えます。多くの企業がこうした人材を求めており、大きな戦力となります。

    2は、「努力しても自らの能力は変わらないと考え、それにもかかわらず他人からの評価にとても敏感」なタイプです。失敗を恐れる傾向にあります。

    マインドセットは、基本的にもともと生まれ持ったものや育った背景から形成されるため、それを変えることは難しいとされていますが、決して不可能ではありません。人材育成の一環として、マインドセット研修を取り入れる企業も増えています。

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    みなし残業
    みなし残業とは、従業員の給料に前もって一定時間の残業代を含ませておく制度です。つまり、従業員の給料には、実際の時間外労働や休日出勤などの有無に関わらず、雇用主によって定められた分の残業代が含まれることになります。なお、みなし残業とは正式名称ではなく、固定残業代制度というのが正しい名称です。

    みなし残業に関する誤解として「どんなに残業をしても残業代が変わらないのではないか」という声がありますが、企業は従業員に対して、前もって定められた残業時間を超えた分の賃金はきちんと支払わなければならないという義務があります。

    みなし残業制を導入するメリットは、給与計算が楽になり、担当者のコストが削減されることや、定められた残業時間に達していなくても、約束された金額が従業員の賃金に含まれることなどが挙げられます。
    また、みなし残業は単なる労働時間の長さで給料を決定しないので、無駄な残業を防ぐ効果もあります。

    関連語:変形労働時間制、残業

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    ミレニアル世代
    ミレニアル(millennial)とは英語で「千世紀の」という意味で、平成初期(1989年~1995年)に生まれて2000年代に成人を迎える人たちをミレニアル世代と呼びます。この世代が持つ大きな特徴は、生まれた時から各家庭にインターネット環境が整っており、スマホやタブレットを使いこなせること。デジタルネイティブとも表現されています。

    インターネットを通じて多くの情報を得られる環境で育ったミレニアル世代は、それまでの世代よりも多くのことに寛容で、個性を受け入れる傾向にあります。さらに検索エンジンよりも個人が発信するSNSを使うことが日常的になっているため、個を尊重しつつも他社とのつながりも大切にするという特徴があるようです。

    このミレニアル世代と時期が重なるY世代、ミレニアル世代の後に生まれたZ世代などもあり、似通った部分がありながらも少しずつ異なる特徴を持っています。

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    メタ認知
    メタ認知とは「客観的に自らの認知を自覚すること」です。つまり、自分が物事について理解しているということを客観的に把握することを意味します。メタ認知には大きく分けて「メタ認知的知識」と「メタ認知的技能」があります。

    客観的に判断する場合は、「自身の認知」と「周囲の認知」に乖離がないと判断できている状況であれば、メタ認知ができているといえます。

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    メンター
    メンター(mentor)は英語で指導者・助言者という意味を持つ名詞です。会社の組織の中で新入社員に直属の上司や先輩とは別に、精神的なサポーターとして指導や相談できる相手となるのがメンターです。指導される側の新入社員はメンティと呼びます。
    メンターによって新入社員のサポートをする仕組みをメンター制度といいます。メンター制度は月1回程度の面談によって行われることが多く、その導入には、新入社員の定着という大きな目的があります。仕事や人間関係の不安要素をできるだけ早く取り除く、心理的なサポーターとなり、早期離職を防ぎます。一般的には3年以上社歴のある他部署の先輩社員がメンターとなり、実務を含めた業務のあらゆる相談に乗ります。
    この制度によってメンティである親入社員の定着が図れるだけでなく、社内のコミュニケーションが活発になり、メンターである先輩社員の指導力、マネージメント力も磨くことができます。

    関連語:変形労働時間制、残業

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    燃え尽き症候群
    バーンアウトの説明をご参照ください。

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    モバイルワーク
    「在宅勤務」と混合されることが多いですが、在宅勤務が「自宅で働くこと」に対しモバイルワークは働く時間や場所を問いません。
    ノートパソコンやスマートフォンを利用し、出先で仕事を行う場合が大半を占めます。

    モバイルワークではオフィスで働く際に必要な通信費、交通費、備品費、設備費…といったコストを大幅に削減できる一方、業務内容や労働時間の管理、セキュリティ面でのリスクなどが課題となっています。
    勤怠管理に関するルールを会社全体で共有したり、使用機器の紛失に備えた対策を講じるなどの措置も必要です。

    こういった柔軟な働き方を導入している会社は、社会的に良い評価を受ける傾向にあります。
    モバイルワークに適した職種、適した環境で導入することができれば社内の業務効率や生産性向上の可能性が高まります。


    や行

    役割等級制度
    役割等級制度とは、1980年代後半にアメリカでスタートした社員の格付け制度のことです。ミッショングレード制とも呼ばれます。日本にもともと根付いていた年功序列と異なり、年齢や就業期間などに関係なく、与えられた役職や仕事の役割やその成果によって等級が設定されます。

    与えられた役割の難易度や達成感に応じて評価されるため、目標が明確になるなど、合理的な評価ができるというメリットがあります。

    成果主義が前提のため、若手社員であっても結果を出せば会社に認められ、昇給や昇格が可能です。逆に「期待したが役割を果たせていない」と判断されれば、降格・降給もあり得ます。

    そもそも等級制度には大きく3つの柱があり、前述のように「役割・ミッション」で序列化したものが「役割等級制度」です。それ以外に「能力」で序列化した「職能資格制度」、「職務」で序列化した「職務等級制度」があります。

    関連語:職能資格制度、職務等級制度

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    ら行

    RJP
    RJP(Realistic Job Preview)とは、企業が採用活動時に隠しごとなく、ありのままを求職者へ伝える、事前開示という意味です。

    この言葉が生まれた背景には、採用活動時に得ていた情報(主に求職者にとって魅力的な内容)と、実際に入社した後のギャップやミスマッチによって、多くの新規採用者が早い段階で離職してしまっているという現実があります。せっかく採用しても早期離職が続くことは、求職者はもちろん、企業にとっても膨大な時間やコストを無駄にすることになりかねません。

    RJP採用理論は、アメリカの心理学者ジョン・ワナウスによって提唱されました。「スクリーニング」「ワクチン」「コミットメント」「役割明確化」という4つの効果によってミスマッチを軽減します。

    スクリーニング効果~求職者が自分で選択したと思える効果
    ワクチン効果~事前に情報を与えることで過度な期待や失望感を軽減する効果
    コミットメント効果~企業があえて出したくない情報を晒すことで、求職者の帰属意識を高める効果
    役割明確化効果~企業が求職者に求めるモノも採用段階で伝え、業務の適応や満足度、モチベーションの保持を図る

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    リアリティショック
    リアリティショックとは、新入社員などが会社に入ってしばらくたった時に、自分が思い描いていた理想と現実との違いを知り、そのギャップに悩むことです。そのギャップが大きすぎると、本人が消化しきれず、不安を抱くようになったり、会社に幻滅したりするようになり、その結果モチベーションを保てず、時には離職に至ることもあります。

    このようにリアリティショックは多くの場合、入社したばかりの従業員に起こるものですが、時には移動や出向などで長年働いたベテランの従業員に起こることもあるのです。

    理由として多くあげられるのが、「仕事内容のギャップ」「対人関係」「能力に対するギャップ」「評価についてのギャップ」などです。

    企業の対処法として最も有効なのは、入社前にできるだけありのままを知ってもらう機会を設け、大きな隔たりを感じないようにすることです。理想と現実に大きな差異がでないよう、受け入れる側もできる限りの対策を講じることが必要となります。

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    リストラ
    リストラとは、リストラクチャリング(Restructuring)を略した言葉であり、経営資源の集中や再編成により、収益構造を改善する事業再構築の考え方を意味します。広義では、成長戦略における構造改革ととらえられます。つまり、解雇による人件費の削減は、経営効率の向上を目指すリストラの手法の一つという位置づけになります。ここでは、リストラの時代背景について説明します。

    1990年代に入り、バブル崩壊を契機に日本の経済成長は一気に悪化。それゆえに、会社はこれまでのように就業年数に応じた年功序列による給与のアップが困難になりました。そこで生まれたのが「成果主義」という考え方です。「成果主義」とは、成果を上げた人は出世し、反対に上げられない人はそれ相応に立場や給与額を下げるというもの。この考え方から生まれたものが「リストラ」です。リストラは優秀な人材を選別し、そうではない人材をふるいにかけ、企業は総合的な人件費の削減を行ってきました。

    このように、会社にとってメリットが多く見えるリストラですが、会社員にとって人生を左右する出来事です。今の時代、多少景気が良くなったとしても、中小企業のみならず、大企業でもまだまだリストラが行われている状況。リストラの実施にあたり、解雇という手段はそれ以外の可能性を十分に検討してから考えるのが良いでしょう

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    リモートワーク
    リモートワークとは、英語の「remote:遠い、遠隔の」と「work:仕事、労働」を合わせた言葉で、勤めている会社や事務所に出社して業務を行うのではなく、そこから離れた場所で働く勤務形態を指します。働きながら育児を行ったり、親の介護を行ったりする必要があるなど、個人の多様な働き方が求められる現代。フレックス制などの時間的な制約を取り除いた働き方と同様に、働く場所にも制約を取り除くことが求められているのです。

    リモートワークの実施場所としては自宅での勤務が多く見られますが、その他、レンタルオフィスの利用なども増えてきています。近年ではクラウドツールなどの利用が普及し、会社以外でも業務を行うことが容易になってきたこともあり、リモートワークが広がる追い風となっています。

    同じ意味を持つ言葉として「テレワーク」「在宅勤務」などの言葉があり、それぞれ明確な違いや定義はないものの、リモートワークはIT企業などで多く使われ、「チームやプロジェクト単位で働く」という意味が含まれていることが多いようです。また、まったく出勤しないリモートワークを「フルリモート」と呼びます。

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    労使協定
    労使協定とは、労働者と会社の間で取り交わす約束事のことです。一見難しそうなイメージですが、簡単に言うと、「労働基準法上では規制されているけれど、従業員が認めたものに限っては例外としましょう」というものです。もちろん法律を度外視して好きなようになんでも労使協定を結べるわけではありません。労使協定として認められるものは労働基準法のうち十数個と限られていて、手続きの方法も細かく決められています。また、労使協定の多くは賃金、労働時間、休暇・休業に関連したものになっています。

    代表的なものとして知られているのが「36協定(時間外・休日労働に関する協定届)」です。これは、時間外労働や休日労働によって、労働基準法違反に問われることのないよう締結する協定のことです(ただし、延長する労働時間や日数には上限があります)。

    労使協定は会社単位の提出ではなく、事業所単位の作成・提出が必要です。会社と労働組合(従業員の過半数で組織することが条件)、労働組合がない場合は過半数を代表する従業員と書面によって締結します。労使協定の種類や内容を把握しておけば、「知らずに労働基準法を違反してしまった」というリスクを減らすことができるでしょう。

    関連語:36協定、就業規則

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    労務管理
    労務管理とは、主に従業員の労働環境の整備、生産性の向上、従業員に関する法的リスクの回避・軽減を目的とした管理業務のことです。近年は働き方改革による労働の多様化やITの発展に伴い、柔軟な対応が求められています。従業員にルールを守ってもらうように管理する業務ですが、従業員をルールや規則で縛りすぎず、気持ちよく働いてもらうことが重要となります。人事部での、もう一つの重要な管理業務である「人事管理」とは違い、従業員の採用や評価、異動などには直接関わりません。具体的な業務内容には以下のようなものがあります。

    1.勤怠管理
    従業員の出退勤時間や休暇の取得状況を把握するものです。給与計算や健康管理に関わるので適正な管理が必要です。

    2.給与・賞与計算
    個人の勤怠、企業の業績、人事考課をもとに、企業の基準に従って計算をします。

    3.社会保険・労働保険手続き
    従業員を雇用したときなどに届出と申請手続きを行います。

    4.健康管理
    健康診断やストレスチェックを定期的に行います。一定の労働時間を超える長時間労働者に対しては、面接指導が義務付けられています。

    5.労働条件の管理・見直し
    契約時からの退職時までの労働条件の管理や法改正に伴う労働条件の変更を行います。

    6.就業規則の作成・見直し
    労働基準法に沿った就業規則の作成、法改正や企業の事情に伴う見直しを行います。

    7.職場環境の改善
    残業の削減、有給休暇の消化、各種ハラスメントの防止など、従業員が働きやすい環境を整えます。

    関連語:人事管理、勤怠管理、給与計算、ハラスメント


    わ行

    ワークライフインテグレーション
    ワークライフインテグレーションとは、仕事(ワーク)と生活(ライフ)を別々に考えるのではなく、その両方ともが、自らの人生の一部であり必要なものとして、統合(インテグレーション)するという考え方。ワークライフバランスが発展した概念です。

    仕事を選ぶのか、生活を優先するのか、どちらか一択の時代は終わり、調和を図る時代(ワークライフバランス)が少しずつ周知されてきました。そして近年ではそれぞれを分けて考えるのではなく、仕事と生活を両輪としてとらえ、人生の充実を求めるという考えが浸透しつつあります。仕事の充実によって生活を楽しめ、生活を十分に満喫しているから仕事に集中できるというものです。このワークライフインテグレーションは、慶応義塾大学の高橋俊介教授や経済同友会の提言によって提唱されました。

    特筆すべき点は、統合(インテグレーション)という考え方にあります。仕事と生活境界線に境界線を設けないことで、具体的な施策としては

    ・フレックス制/裁量労働制
    ・在宅勤務
    ・サテライトオフィスでの勤務

    など、その取り組み方は企業によって異なり、多様な実施策があります。

    ワークライフインテグレーションを取り入れる際には十分に注意し、解釈を間違えないようにする必要があります。統合とは仕事中にさぼってプライベートなことばかりすることでも、際限なく仕事に没頭してしまうことではありません。また、ワークライフインテグレーションを導入しつつ生産性を向上させるため、業務へのAIやRPAの導入は今後ますます進んでいくことが予想されます。

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    ワークライフフィット
    ワークライフフィットとは、働き方や暮らし方を考えたときの概念の一つです。浸透しつつある「ワークライフバランス」では、仕事(ワーク)と生活(ライフ)を上手く調和(バランス)させることが求められました。しかし、環境や各自の置かれた状況によってはバランスを取ることが難しい場合もあります。そこで、労働文化戦略家のカリ・ヨースト氏によって提唱されたのが、「ワークライフフィット」という言葉です。

    仕事と生活を50:50のようにうまくバランスさせることができない状況であったとしても、フィットさせられる部分を見つけ、自分にとってちょうどよい状態にすることが、ワークライフフィットです。この場合、仕事や生活への考え方、現在の状況などはあまり影響せず、「月に一度だけ在宅勤務にする」などの小さな変化でも、それが本人にとって最適な環境であることが重要という考え方です。

    ワークライフフィットを実現するには企業の体制も重要になります。従業員が仕事と生活をフィットできるよう、自由で柔軟な体制を整えることで、結果的に個人の生産性が上がり、企業にとっても大きなメリットとなるのです。

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    HR BLOG編集部

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